会長から

2019年度から視覚リハ協会会長に就任した和田浩一さんが、NEXTビジョンの素敵な制服を着て、ハートの描かれた壁の前に立っているところ
会長 和田 浩一

病気や事故で視力を失うと、何もできなくなり将来の希望が見えなくなります。絶望感で苦しんでいる患者やその家族の方々を支援する医療・福祉・教育・労働等の視覚障害リハビリテーションの専門家がいます。

文字の読み書きや移動の困難さなど見え方によって生じる様々な課題を解決する方法を一緒に考えます。そして、将来の希望が見えるように専門家チームが連携して支援します。

私は35年間盲学校で教員として勤め、現在は神戸アイセンターのビジョンパークでロービジョンケアの情報提供等をしています。中途視覚障害で、30歳ころに文字を読むのが困難となりました。徐々に視力が低下する中で、本を読むことができなくなりましたが、ボランティアの皆様に支えられコンピュータのプログラミングができるようになり、音声パソコンを使って視覚障害者が利用するプログラムを開発しました。パソコンを利用することで、見えないを見えるにすることができました。30年経った現在では、AIによる視覚を補う支援機器も開発され実用化されています。

見え方で困っていても支援機関につながらず、何もできなくなってしまった状態のままの方々に本来の生き生きと活躍して充実した楽しい人生を歩んでもらいたいと切に願っています。そのためには、視覚障害リハビリテーションに関わっている人の力が発揮される必要があります。医療・福祉・教育・労働など多くの人たちの連携、協力により課題の解決ができることと信じています。

視覚障害リハビリテーション協会の役割は、視覚リハの専門性を向上させ、地域における連携を深めて一緒に問題解決を進めることだと思います。そして、よりよい情報やサービスを視覚障害者に提供することだと思っています。各地域における連携の核として専門家チームの力が発揮できるようにしていく必要を強く感じています。

今後の本協会の運営は、組織改編で新しくなった体制で、これまで培ってきた協会の存在意義を一層高められるよう、また、会員の力を発揮できるように進めていきたいと考えています。