ホームページリニューアルに寄せて

視覚障害リハビリテーション協会
ホームページリニューアルチームリーダー 吉野由美子

旧サイトで視覚障害リハビリテーション協会ホームページを見てくださっていた皆様は、リニューアルしたこのホームページの変わりようにちょっと違和感を抱いておられるかなと思い、今回の協会ホームページリニューアルにあたり、その狙いと改善点について、説明させていたきたいと思います。

視覚障害リハビリテーション協会には、福祉・教育・医療の研究や実践、視覚障害者向けの様々な便利な機器を開発するなど、視覚障害者の生活の質向上のために日々励んでいる500人あまりの専門家会員がいますが、協会の活動について、社会に情報発信するということが弱く、それが当協会の大きな課題でした。

そこで、ホームページをリニューアルして、Webサイトでの情報発信力を高めることから始めようと決意しました。情報発信力が高まることで、視覚障害者のリハビリテーションに関わる専門家相互の連携が深まり、その結果として、視覚障害者を取り巻く様々な問題について社会の理解が深まり、視覚障害者の自立と社会参加が促進されることが期待できると考えたからです。

ホームページでの情報発信力を高めるために、旧サイトの特徴であった音声でページを読む方にアクセスしやすいことはもちろんのこと、目で見る方にも面白い魅力的なページを目指しました。
トップメニューには、皆様が必要な情報を得やすくなるように、4つのカテゴリー、「視覚障害者とご家族の皆様へ」、「企業の皆様へ」、「医療関係者の皆様へ」、「視覚リハ豆知識」を準備しました。

「視覚障害者とご家族の皆様へ」では、見えない・見えにくいことで「どこに相談したら良いのか」分からずに困っている方たちにすぐ役に経つ情報を盛り込みました。
「企業の皆様へ」では、見えない・見えにくい状態で就職を目指している方、職場で働いている途中に、見えない・見えにくい状態になってどうしてよいか困っている方たちと、見えない・見えにくい方たちを雇おうとしている方たち、同僚として一緒に働いている方たちに対しての有用な情報を中心に掲載しました。
「医療関係者の皆様へ」では、視覚障害者は必ず眼科を受診しているので、その眼科の先生方が日々の忙しい診療の中でこのような患者さんに出会った時に、なるべく負担にならずにその患者さんを視覚障害リハビリテーション(ロービジョンケア)サービスに繋げるための情報を掲載しました。
「視覚リハ豆知識」は、一般社会の方たちが視覚障害者のことについてふと抱いた素朴な疑問に答えるような情報を掲載しました。

どのページも、まだまだ不足している情報があると思っていますが、皆様のご意見等を伺いながら成長していくページを目指しています。

「イベントの案内」や「お知らせ」、協会の発行している「論文誌」情報は、旧ホームページから引き継いだもので、各地域の協会員が行っているイベントや研修会などの情報を入手することができます。

今回のリニューアルでは、サイト検索機能を導入しましたので、キーワードで必要な情報を素早く見つけ出すことができるようになりました。
スマートフォンでもきれいに見られる機能を持っており、どこにいても必要な情報を見ることができます。
コメント欄、SNSで有用な情報を拡散できる機能も備えています。
協会員の方だけでなく、視覚障害者のことを知りたい人、視覚障害リハビリテーションについて興味を持っている多くの方たちに利用していただけたらと思います。
そして、このサイトについて是非ご意見をいただきたいと思っております。

感謝の言葉

ホームページリニューアルに着手することができ、無事にオープンを迎えることができたのは、認定NPO法人サービスグラントのプロボノ《仕事を通じて培った経験とスキルを活かして、社会に貢献するボランティア活動》事業の企画に応募して採用していただき、成果物を得ることができたことがきっかけです。
視覚リハ協会のプロジェクトはこちらで紹介されています。
この2ヶ月間のプロジェクトで出会った日立企業プロボノのチームの方たちに、その事業が終了した後も引き続き、ホームページづくりにご協力していただくことができたからこそ、今があります。

視覚的に魅力的になるように画像やイラストなどを使うことと、音声でホームページを見る方たちのアクセシビリティーを確保することを両立することは、非常に難しい課題です。また、完成したホームページは、音声ユーザーの協会員も自由に編集作業に関われるように工夫しなければならず、この難題を解決するために、粘り強く様々な調査と工夫を重ねてくださった皆様に、心より感謝いたします。
 この気持ちは、とても文章にできないほどですが、このような形で書かせていただきました。本当にありがとうございました。