講演会「視覚障がい者の単独移動を支援する設備等の現状と今後の課題」

主催元・情報提供元: 視覚障害リハビリテーション協会 オリエンテーションとモビリティ分科会

オリエンテーションとモビリティ分科会では、第29回視覚リハ研究発表大会(岡山大会)において講演会を行いますのでご案内いたします。講演題目は「視覚障がい者の単独移動を支援する設備等の現状と今後の課題」で、講師は岡山県立大学名誉教授の田内雅規氏です。
歩道や駅のホームに敷設されている黄色い点字ブロック(視覚障害者誘導用ブロック)や歩行者用交通信号の青灯に連動して吹鳴する音響信号機をよく見かけると思います。これらはともに視覚障がい者の単独移動を支援する設備ですが、1950年代から60年代にかけて日本で発明されたことをご存じでしょうか。

さらに、2000年代に入り、これらに大きな変革がありました。点字ブロックについては規格の制定、音響信号機については「鳴き交わし式」の開発です。

講師の田内氏は、これらの両方のプロジェクトにおいて中心的な役割を果たしてこられました。プロジェクトの経緯や苦労話等、興味深いお話が伺えると思いますので、多くの皆さんのご参加をお待ちしております。

この講演会に参加を希望される方にご注意いただきたいことがあります。それは、岡山大会の中でzoomによるライブ開催で行うことと、岡山大会参加者限定の事前申込み制となっていることです。
まず、岡山大会への参加申し込みを行い、引き続き、本講演会に申し込んでください。なお、締め切りは、大会および講演会ともに8月20日となっています。

本講演会参加ご希望の方は下のURLからお申し込みください。
お申し込みはこちらから
E-Mail:info@jarvi.org

以下に、講演会の開催概要を記します。

  • 日時:2021年8月28日(土) 13時から15時
    • タイムテーブル:
      • 13時15分 入場開始
      • 13時30分~14時30分 講演
      • 14時30分~15時 質疑応答
  • 会場:Zoom
  • 定員:なし(大会参加者限定・要事前申込み)
  • 講演の内容
    視覚障がい者の単独移動は自立の促進に大きな役割を果たすものである。その単独移動を実現するためには O&M(Orientation and Mobility)の知識や技術が必要になる。
    Orientation とは移動を実施するために必要な情報の側面を指し、その基本は自己の位置と進むべき方向に関する手がかりである。一方、Mobility は移動を実施するための動作、運動等に係る技能であって、Orientation と Mobility が連動することによって移動が可能になる。単独移動の支援設備は概ね Orientation 情報を提供すること及び高度の Mobility 技術を駆使せずに移動を容易にすることの双方の機能を有している。
    現在利用されている主な支援設備には視覚障害者誘導用ブロック、音響信号機、エスコートゾーン(道路横断帯)等がある。それらの現状について限界と可能性を確認し今後の発展性について検討したい。
  • 講師のプロフィール
    田内 雅規(たうち まさき)(岡山県立大学名誉教授、モビリティ研究所)
    1973 年東京農工大学農学研究科大学院修了、東京女子医科大学(医学博士)、国立岡崎研究機構・生理学研究所、ハーバード大学医学部、国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所を経て、岡山県立大学保健福祉学部教授を務める。現在、同大学名誉教授でモビリティ研究所主宰。
    神経生理学を専門分野とし、その視点から視覚、聴覚の機能障害の評価法、障害者の支援機器開発、モビリティの促進などの研究に従事。特に点字ブロックの標準化研究や鳴き交わし式音響信号機の開発において中心的な役割を果たす。
    米国視覚障害者教育・リハビリテーション協会(AER)、米国神経科学協会などの会員。