【表紙】 第28回 視覚障害リハビリテーション研究発表大会抄録集 視覚リハの最先端と最前線 会期: 2019年7月26日(金)〜28日(日) 会場: 盛岡市民文化ホール・小ホール 盛岡地域交流センター(マリオス)・18 階 会議室 主催: 視覚障害リハビリテーション協会 主管: 第28回視覚障害リハビリテーション研究発表大会実行委員会 【テキスト文書版 凡例】 (1)テキスト文書版の本文にはページ数はありません。 (2)テキスト文書版の本文を検索する時の利便性を考えて、目次に列挙した項目に順序を表す数字をつけています。本文を検索する時は目次の数字で検索してください。 (3)テキスト文書の特性にあわせて一部PDF版とは異なる編集をしている部分があります。 【目次】 1開催のご挨拶 2参加者へのご案内 3発表者へのご案内 4日程 5ポスター発表一覧 6抄録 6−1特別講演 6−2シンポジウム 6−3特別企画 6−4一般口演 6−5ポスター発表 6−6視覚障害リハビリテーション協会主催企画 7関連企画 7−1日本眼科医会 社会適応訓練講習会デジタルロービジョンケア実践研修会 7−2視覚障害者向け機器・生活用具展示会 8「視覚リハビリテーション研究」論文募集要綱 9第29回視覚障害リハビリテーション研究発表大会in 岡山 開催案内 10抄録作成支援について 11後援・協力者一覧 12実行委員会 13おくづけ =======ここから本文です======= 1開催のご挨拶  大会開催に手を挙げたきっかけは「東日本大震災の教訓をしっかり伝え、残したい」という思いでした。特に災害弱者、情報弱者になりやすい視覚障害者の安全確保を考えた時、要支援者登録や福祉避難所の準備は未だに不十分ですので、しっかりと対策を確立しておかなければなりません。  また、視覚障害リハビリテーション(視覚リハ)には大きな地域差があり、東日本大震災の被災地を含む北東北もこれから急速な普及が望まれている地域です。これらの地域の視覚リハを盛り上げるために、盛岡大会の準備をしてきました。 今回の大会テーマは「視覚リハの最先端と最前線」です。 「現在も日々進歩する最先端の情報をお届けすること」に加えて「視覚リハの最前線、足元の活性化」を目指してプログラムを構成しました。  特別講演は、福島県ロービジョンネットワークの八子恵子さんにお願いしました。最前線である地域での視覚リハの立ち上げから、有効な当事者支援(スマートサイト)を進めるための注意点・将来の展望までをお聞きできると思います。  シンポジウムは2つ、「最前線でありながらこれまであまり注目されなかった就労のありかた」と「当事者に補助具を届ける最前線」を取り上げます。特集演題のセッションでは、有効な手段として期待される「スマートサイト」がしっかりと効果を出し続けるために必要なことについてもディスカッションします。災害対策に関する企画は当協会の防災・減災委員会と共同して企画しました。そして機器展には最新の支援機器が勢ぞろいします。さらに大会終了後の28日(日)午後には日本眼科医会との共催で「社会適応訓練講習会 デジタルロービジョンケア実践研修会」を行います。  27日(土)の懇親会では岩手の郷土料理や地酒もお楽しみいただきます。  盛りだくさんの内容です。視覚リハの最前線に活力を与えためにも、多くのかたのご参加を大会スタッフ全員でお待ちしています。 第28回視覚障害リハビリテーション研究発表大会 大会長  佐渡 一成 2参加者へのご案内 1 受付 1)事前参加登録をされた方 (1)当日、会場での受付の必要はありません。 (2)事前に送付したネームカード(参加証)をご着用の上、ご入場ください。 (3)ネームカード(参加証)は忘れずにお持ちください。ネームカード(参加者証)の再発行はいたしませんので、くれぐれもご注意ください。 (4)視覚障害などがある参加者の介助者として同行する方の参加費は無料です。大会期間中に会場の総合受付で配布する「介助者」の名札をご着用ください。 2)当日参加登録をされる方 (1)当日参加登録の受付時間および場所は次の通りです。 ・7月26日(金) 12時00分〜17時00分 盛岡地域交流センター(マリオス) 18階 会議室183・184・185・186 付近 ・7月27日(土) 8時40分〜18時20分 盛岡市民文化ホール 小ホール ホワイエ ※盛岡地域交流センター(マリオス)18階 では、大会の当日参加登録はできません。 ・7月28日(日) 8時30分〜13時00分 盛岡市民文化ホール 小ホール ホワイエ ※盛岡地域交流センター(マリオス)18階 では、大会の当日参加登録はできません。 (2)当日参加登録用紙に必要事項をご記入の上、当日参加登録受付にお越しください。 (3)当日参加登録用紙は受付に設置しているほか、大会ホームページからもダウンロードできます。大会ホームページからダウンロードする場合は、必ずA4用紙に印刷し、必要事項を記入したうえで当日参加登録受付にお持ちください。 2 大会参加費 1)当日参加登録料 視覚障害リハビリテーション協会 会員  6,000円                 非会員 8,000円 学生                  2,000円 2)当日登録をされる学生の方は、受付の際に学生証をご提示ください。 ※日本ライトハウスが実施する「視覚障害生活訓練等指導者養成課程」を受講中の方は学生証の代わりに「養成課程在籍証明書」をご提示ください。 3)視覚障害などがある参加者の介助者として同行する方の参加費は無料です。大会期間中に会場の総合受付で配布する「介助者」の名札をご着用ください。 3 抄録集 1)抄録集(PDF、テキスト形式、点字データ)は、ダウンロードデータを大会ホームページに事前に掲載します。冊子版の抄録集の配布は行いません。必要な方はご自分でプリントアウトしてください。 2)会場には無料WiFiはありません。そのため、事前参加登録をされた方、当日参加登録をされる方とも、WiFiが使用可能な環境であらかじめダウンロードされることをお勧めします。 3)視覚障害があるなどの理由で事前参加登録時に抄録集データCDの郵送をご希望された方については、ネームカード(参加証)の発送とあわせて郵送します。 4 クローク 1)設置時間 7月27日(土) 8時40分〜18時20分 7月28日(日) 8時30分〜16時00分 ※7月26日(金)はクロークはありません。 2)設置場所 盛岡市民文化ホール 小ホール ホワイエ ※盛岡地域交流センター(マリオス)18階 会議室にはクロークはありません。 5 会場内での撮影・録画・録音について 1)会場内での参加者による撮影・録画・録音は禁止いたします。 2)視覚障害があるなどの理由で、投影されたスライドやポスター発表などの視覚情報を撮影し、タブレット端末やスマートフォンなどの画面で拡大表示して見る必要があるなど、障害に応じた合理的な工夫を必要する方に限っては、必要な範囲内での撮影・録画・録音を認めます。なお、その場合は個人の利用に限って使用し、メールやSNSなどを使っての特定・不特定の人への送信や配信は固くお断りいたします。 3)ポスター会場では発表者の意向に基づいて「撮影可」のシールを貼ったポスターのみ、障害の有無にかかわらずどなたでも撮影が可能です。しかし、その場合も、個人の利用に限って使用してください。発表者に断りなくメールやSNSなどを使っての特定・不特定の人への送信や配信をすることは固くお断りいたします。 4)大会事務局スタッフは、大会報告書作成用に撮影をおこなう場合がありますので、あらかじめご了承ください。 6 懇親会 全国から盛岡に集まった参加者どうしの、地域や所属、経験年数や専門分野の違いを超えた交流と情報交換を図るため、以下の予定で懇親会を開催いたします。 1)日時 7月27日(土) 19時00分〜(2時間程度) 2)会場 ホテルメトロポリタン盛岡 本館 4階 バンケットルーム(JR盛岡駅直結) 3)懇親会参加費 6,000円(当日) 当日の懇親会参加申込を「当日参加登録受付」で受け付けます。なお、定員に限りがありますのであらかじめご了承ください。 4)その他 事前にお申し込みされた方には、懇親会シールを貼ったネームカード(参加証)をお送りしますので、当日は忘れずにお持ちください。 ※ネームカード(参加証)の再発行はいたしません。 7 生涯学習事業 1)日本眼科学会専門医制度生涯教育事業(認定番号28231)に認定されています。 専門医単位制度単位受付時間   取得単位 7月26日(金) 12:30〜17:00 3単位 7月27日(土) 8:40〜18:00 3単位 7月28日(日) 8:30〜16:00 3単位 専門医制度登録カードをご持参の上、受付にお越しください。 ※7月28日(日)に行いますデジタルロービジョンケア実践研修会における専門医単位制度単位受付については、「10 デジタルロービジョンケア実践研修会」および【7−1日本眼科医会 社会適応訓練講習会デジタルロービジョンケア実践研修会】をご確認ください。 2)日本視能訓練士協会生涯教育制度に認定されています。 参加 3単位 8 視覚障害リハビリテーション協会主催企画 1)「視覚リハ未来への挑戦Part4」 (主管:視覚障害リハビリテーション協会 大会連携委員会) (1)日時 7月26日(金) 13時00分〜17時00分 (2)会場 盛岡地域交流センター(マリオス)18階 会議室183・184・185・186 (3)内容 第1部『視覚リハ自分ごとプロジェクト』視覚リハの今日的課題       第2部『研究トラの巻』 其の4 現場から発信! 事例研究のツボ ※詳細については、【6−6視覚障害リハビリテーション協会主催企画】をご参照ください。 2)地域ブロックの会 地域ごとのミーティング (主管:視覚障害リハビリテーション協会 会員活動支援委員会) (1)日時 7月27日(土) 17時35分〜18時15分 (2)会場 盛岡地域交流センター(マリオス)18階 会議室 ほか ブロック名 含まれる都道府県 北海道・東北 北海道、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、新潟 関東・甲信 茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野 東海 静岡、愛知、岐阜、三重 北陸 富山、石川、福井 近畿 滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山 中国・四国 鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知 九州 福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄 3)Orientation and Mobility 分科会 研修会 (主管;視覚障害リハビリテーション協会 大会連携委員会) (1)日時 7月28日(日) 14時00分〜15時00分 (2)会場 盛岡市民文化ホール 5階 第2会議室 ※詳細については、【6−6視覚障害リハビリテーション協会主催企画】をご参照ください。 9 視覚障害者向け生活用具・機器展示会 ※大会参加登録の有無にかかわらず、どなたでも無料で入場できます 1)日時 7月27日(土) 12時00分〜17時00分  28日(日) 9時00分〜14時00分 2)会場 盛岡地域交流センター(マリオス) 18階 会議室 ※詳細については【7−2視覚障害者向け機器・生活用具展示会】をご参照ください。。 10 デジタルロービジョンケア実践研修会   「iPhone・iPad の活用で視覚障害者の「わかる・できる」を広げる!!」   (日本眼科医会社会適応訓練講習会) 1)日時 7月28日(日) 14時00分〜15時40分 2)会場 盛岡市民文化ホール 小ホール ※大会参加登録の有無にかかわらず、どなたでも無料で聴講できます(ただし、本研修会参加について日本眼科学会専門医制度生涯教育単位取得希望の眼科医は1,000円) ※事前の申し込み不要です ※詳細については【7−1日本眼科医会 社会適応訓練講習会デジタルロービジョンケア実践研修会】をご参照ください。 11 視覚障害リハビリテーション協会2019年度定期総会 1)日時 7月27日(土) 9時10分〜10時15分 2)場所 盛岡市民文化ホール 小ホール ※参加資格:視覚障害リハビリテーション協会 正会員の方 12 視覚障害リハビリテーション協会委員会会合および理事会 1)委員会 (1)日時 7月26日(金) 17時30分〜18時30分 (2)会場 盛岡市民文化ホール 5階 第1会議室 2)理事会 (1)日時 7月26日(金) 18時30分〜21時00分 (2)会場 盛岡市民文化ホール 5階 第1会議室 3発表者へのご案内 1 一般口演 1)一般口演のプログラム 今回の研究発表大会では、以下の3つのセッションを予定しています。 【一般口演1】テーマ:歩行 7月27日(土) 10時45分〜11時35分 【一般口演2】テーマ:教育・その他 7月27日(土) 11時35分〜12時25分 【一般口演3】テーマ:スマートサイト 7月28日(日) 11時30分〜12時05分 2)発表時間 発表:7分/ 質疑応答:5分  ※円滑な進行のため時間厳守でお願いします。 3)発表会場 盛岡市民文化ホール 小ホール 4)進行 (1)割り振られた発表セッションの開始時刻の1時間前までに、PCセンターでデータの受付、動作確認等をしてください。PCセンターでのデータ受付については、「7)PCセンターについて」に記載しています。 (2)発表者は発表開始の15分前までに小ホール内(舞台に向かって左側前方)の「次演者席」に着き、座長の進行に従って登壇し、発表を行ってください。 5)発表時の配慮 (1)視覚障害者が言葉のみで理解できるように、具体的な説明を心がけてください。 (2)指示語(あれ、これなど)の多用は避け、図や写真も言葉で説明してください。 6)プレゼンテーション (1)全ての発表はPCによるプレゼンテーションとなります。 (2)PCは事務局で用意します。条件は下記のとおりです。 基本ソフト Microsoft Power Point2007/2010/2013/2016 画面サイズ 4:3(PowerPoint2013からは初期設定が「16:9」になっていますので       ご注意ください。) 画面解像度 XGA 1024×768 フォント  PCに標準で入っているフォント 動画・音声 Windows Media Playerで再生できるフォーマット 【ハードウェアに関する注意】 ・上記の条件以外では誤動作や誤表示、文字化けなど動作保証ができませんのでご了承ください。 ・動画・音声を使用する場合、事務局で用意したPCでは再生できない場合がありますので、発表者ご自身のPCをご持参ください。 ・マックユーザーの方は、発表者ご自身のPCと出力コネクタをご持参ください。 ・PC本体をお持ち込みの場合、ACアダプタも各自ご持参ください。 【作成ファイルに関する注意】 ・発表データファイル名を「演題番号」と「筆頭発表者の氏名」をスペースなしで記入して保存してください。   例:O-2-1盛岡華子 ・PC本体を持ち込む場合は、PC本体のトラブルやデータの破損などに備えてバックアップ用データとして発表データを保存したUSBメモリも必ずお持ちください。(CDは不可) ・発表データは終了後、大会事務局にて責任を持って消去します。 【スライドデザインへの配慮】 ・背景と文字に色の差異に加えて、明るさのコントラストをつけてください。 ・行間を充分とり、字づまりにならないようにしてください。 ・スライドに掲載されている内容を把握するのに充分な提示時間を確保できるスライド枚数としてください。 ・背景色と文字色に、以下の組み合わせはなるべく避けてください。   ※ 2色:赤と緑、オレンジと黄緑、緑と茶、青と紫、赤と黒、ピンクと明るい青   ※ 3色:ピンクと白と灰色、緑と灰色と黒 7)PCセンターでのデータ受付 (1)盛岡市民文化ホール 小ホールのホワイエ内にPCセンターを設けます。    PCセンターでのデータ受付時間    7月27日(土)8時40分〜16時00分    7月28日(日)8時30分〜10時30分 (2)データはUSBメモリに保存してお持ち込みください(CDは不可) 2.ポスター発表 1)発表会場 盛岡地域交流センター(マリオス) 18階 会議室 183・184・185・186 2)ポスター発表のスケジュール 【7月27日(土)】 9時00分〜11時00分 ポスター掲出作業 11時00分〜17時30分 ポスター供覧 16時20分〜17時15分 ポスター討論1 演題番号:奇数 【7月28日(日)】 8時30分〜13時00分 ポスター供覧 9時00分〜 9時55分 ポスター討論2 演題番号:偶数 13時00分〜14時00分 ポスター撤去作業 3)ポスター作成時の注意事項 (1)ポスターボードの寸法は横90cm×縦210cmです。 (2)ポスターボードの左上部に演題番号を貼り付けます。なお、演題番号はあらかじめ事務局で貼り付けますので、ポスター内に記述する必要はありません。 (3)ポスターボード上部右側の横70p×縦20cmに、「演題名」「所属名」「氏名」を入れてください。 (4)ポスターボードは全面が貼り付け可能ですが、見やすさを考慮して、床面から50cm程度の高さまでのスペースにポスター本文を貼り付けてください。 (5)文字サイズ、行間などを適宜調整して、視認性に配慮してください。 4)ポスター掲出作業について (1)7月27日(土)の9時00分から11時00分までの間は、ポスター会場受付をポスター会場に設けます。ポスター掲出に際してお手伝いが必要な方は、この時間のうちにポスター会場受付のスタッフにご遠慮なくお声がけください。 (2)ポスター貼付用の画鋲は事務局で用意します。 (3)参加者が発表ポスターの写真を自由に撮影をしても良い場合は、ポスター会場受付で配布する「撮影可」のシールを受け取り、演題番号の下に貼り付けてください。 5)ポスター討論に関して (1)指定のポスター討論時間になりましたら筆頭発表者はポスター会場受付であらかじめお渡ししたリボンを着用し、参加者への説明や質問への対応、ディスカッションをおこなってください。 (2)ボイスサインカードを名札とともに着用している参加者には、口頭による説明をお願いします。 6)ポスター撤去作業について (1)7月28日(日)の13時00分から14時00分の間に発表者ご自身でポスターの撤去をしてください。ポスター撤去に際してお手伝いが必要な方は、この時間のうちにポスター会場受付のスタッフにご遠慮なくお声がけください。 (2)14時00分以降に残っているポスターは大会事務局で処分します。 4日程 1日目 7月26日(金)                               【会場:盛岡地域交流センター(マリオス)18階 会議室】 視覚障害リハビリテーション協会主催プログラム 13時00分〜17時00分 主管:視覚障害リハビリテーション協会 大会連携委員会 第1部『視覚リハ自分ごとプロジェクト』視覚リハの今日的課題 【宿題講演者】 Orientation & Mobility分科会:     金山 佐保(社会福祉法人 山梨ライトハウス青い鳥成人寮) 情報アクセス分科会:     阪井 紀夫(徳島県立障がい者交流プラザ 視聴覚障がい者支援センター) 余暇活動分科会:     石川 佳子(きららの会) ロービジョン分科会:     分科会世話人で調整中 高齢視覚障害者リハビリテーション事例研究分科会:     関谷 香織(一般社団法人 ソラティオ相談支援センター あらかわ) 第2部『研究トラの巻』 其の4 現場から発信! 事例研究のツボ 講師 柏倉 秀克(桜花学園大学 教授) 2日目 7月27日(土)                                【会場:盛岡市民文化ホール 小ホール】 開会式                                     10時35分〜10時45分 一般口演1 テーマ:歩行 10時45分〜11時35分 座長:田中 雅之(名古屋市総合リハビリテーションセンター)    星野 美和子(岩手県立盛岡視覚支援学校) O-1-1 小型デバイスを用いた歩行者支援システムの性能評価 片山 英昭(舞鶴工業高等専門学校)、小柴 雄輝(舞鶴高専電気情報工学科5年)、杉山 聡一朗(舞鶴高専電気情報工学科4年)、丹下 裕(舞鶴工業高等専門学校) O-1-2 公共交通機関での視覚障害者誘導用ブロック敷設実態と課題 ―歩行訓練士の視点から― 古橋 友則(日本歩行訓練士会、NPO法人六星ウイズ蜆塚)、武田 貴子(日本歩行訓練士会、北九州市立介護実習・普及センター)、谷 映志(日本歩行訓練士会、国立障害者リハビリテーションセンター学院)、中村 透(日本歩行訓練士会)、保坂 亨(日本歩行訓練士会、岐阜県立岐阜盲学校)、堀内 恭子(日本歩行訓練士会、日本ライトハウス)、松下 昭司(日本歩行訓練士会、日本ライトハウス) O-1-3 スペシャルニーズのある視覚障害者の歩行訓練の1事例 武田 貴子(北九州市立介護実習・普及センター)、三浦 久美(北九州市立介護実習・普及センター) O-1-4 スペシャルニーズへの対応のための視覚リハ施設の連携 多和田 悟(公益財団法人 日本盲導犬協会)、武田 貴子(北九州市立介護実習・普及センター) 一般口演2 テーマ:教育・その他 11時35分〜12時25分 座長:岡島 喜謙(福井県立盲学校)    永井 伸幸(宮城教育大学) O-2-1 国立ソウル盲学校のセンター的機能についての考察 玉川 智行(大阪市立佃中学校) O-2-2 特別支援学校教員養成課程における「視覚障害指導法」の現状に関する探索的研究 中嶋 克成(徳山大学) O-2-3 視覚障害者の実態:23年生活のしづらさなどに関する調査(厚生労働省)より 北村 弥生(国立障害者リハビリテーションセンター研究所) O-2-4 地域での視覚障害者メーリングリストの現状分析ー2つのメーリングリストの対比 安藤 伸朗(立川綜合病院) シンポジウム1                                  13時30分〜14時30分 多様な就労、個別のニーズに応じた挑戦 ―就労継続支援B型事業所の取り組み 演者:千田 裕子(認定NPO法人ビートスイッチ 希望の星)    古橋 友則(NPO法人六星 ウイズ蜆塚)    金子 楓(社会福祉法人あかね ワークアイ・船橋 ワークアイ・ジョブサポート) 座長:吉野 由美子(視覚障害リハビリテーション協会)    阿部 直子(仙台市視覚障害者支援センター アイサポート仙台) 特別講演                                    14時40分〜15時40分 福島発! 視覚リハのネットワークづくり 講師:八子 恵子(福島県ロービジョンネットワーク 代表) 座長:森 敏郎(岩手県眼科医会 会長)    和田 浩一(視覚障害リハビリテーション協会 会長) 地域ブロック会プレゼンテーション 15時40分〜16時00分 主管:視覚障害リハビリテーション協会 会員活動支援委員会 ++++++++++++++ 【会場:盛岡地域交流センター(マリオス)18階 会議室】 ポスター討論1 16時20分〜17時15分 演題番号:奇数 ++++++++++++++ 【会場:盛岡地域交流センター(マリオス)18階 会議室、または盛岡市民文化ホール 小ホール】 地域ブロック会 地域ごとのミーティング 17時35分〜18時15分 主管:視覚障害リハビリテーション協会 会員活動支援委員会 3日目 7月28日(日)                                【会場:盛岡地域交流センター(マリオス)18階 会議室】 ポスター討論2                                  9時00分〜9時55分 演題番号:偶数 ++++++++++++++ 【会場:盛岡市民文化ホール 小ホール】 シンポジウム2 10時15分〜11時20分 自分たちは何ができるのか? 福祉用具提供の現場から 演者:玉川 久美子(有限会社ルート)    本田 孝文(株式会社ヨネザワ 宮ノ陣店)    村井 孝典(日本盲導犬協会仙台訓練センター)    小泉 大介(株式会社トラストメディカル) 座長:良久 万里子(鹿児島県視聴覚障害者情報センター)    小泉 大介(株式会社トラストメディカル) 一般口演3 テーマ:スマートサイト 11時30分〜12時05分 座長:早坂 朗(岩手県眼科医会、紫波中央眼科)    仲泊 聡(神戸アイセンター病院) O-3-1 ロービジョンケア紹介リーフレット「さつまの輪」の改版に向けたアンケート調査 斉之平 真弓(鹿児島大学)、坂本 泰二(鹿児島大学) O-3-2 スマートサイトモデルの全国展開に向けて 平塚 義宗(順天堂大学眼科学教室)、白根 雅子(日本眼科医会) 特別企画                                    12時10分〜12時55分 災害時の視覚障害者の支援について 演者:加藤 俊和(日本盲人福祉委員会災害担当、視覚障害リハビリテーション協会     防災・減災委員会委員長)    原田 敦史(堺市立健康福祉プラザ点字図書館館長、視覚障害リハビリテーション   協会 防災・減災委員会委員) 座長:佐渡 一成(さど眼科 院長、視覚障害リハビリテーション協会 理事)    下坪 喜美子(岩手県立盛岡視覚支援学校) 閉会式 12時55分〜13時05分 〜関連企画〜 【会場:盛岡市民文化ホール 小ホール】 日本眼科医会社会適応訓練講習会 14時00分〜15時40分 デジタルロービジョンケア実践研修会 iPhone・iPad の活用で視覚障害者の「わかる・できる」を広げる!! 基調講演「デジタルロービジョンケアの意義と実際を眼科医が知ることの重要性」 講師:三宅 琢(神戸アイセンター病院眼科医、産業医、(株)Studio Gift Hand代表) 当事者による実践紹介「iPhone・iPadを私はこんなことに活用しています」 進行:平塚 義宗(順天堂大学眼科・日本眼科医会)    早坂 朗(紫波中央眼科・岩手県眼科医会) ++++++++++++++ 【会場:盛岡市民文化ホール 5階 第2会議室】 視覚障害リハビリテーション協会主催プログラム Orientation and Mobility 分科会 研修会 主管:視覚障害リハビリテーション協会 大会連携委員会、Orientation and Mobility 分科会 5ポスター発表一覧 ●研究発表 P-研-1 地図情報によって即時に可変する小型触地図システムのための触地図情報の生成 丹下 裕(舞鶴高専電気情報工学科)、荒木 雄斗(舞鶴高専電気情報工学科5年)、吉田 海斗(舞鶴高専電気情報工学科5年)、片山 英昭(舞鶴高専電気情報工学科) P-研-2 基礎医学系科目教材としてのカラー版触図の適用 ―解剖学から生理学への橋渡し― 市川 あゆみ(筑波技術大学)、加藤 一夫(筑波技術大学)、安田 輝男(筑波技術大学),安田 孝子(触覚伝達デザイン研究会)、飯塚 潤一(筑波技術大学) P-研-3 視覚障害者及び老若男女誰もが理解・鑑賞できるカラー版ユニバーサル触図の開発と制作 安田 輝男(国立大学法人筑波技術大学 / 触覚伝達デザイン研究会)、市川 あゆみ(国立大学法人 筑波技術大学)、安田 孝子(触覚伝達デザイン研究会)、飯塚 潤一(国立大学法人 筑波技術大学) P-研-4 立体コピー触図の説明を目的としたQRコードの活用とその印刷と読み取り精度について 細川 陽一(名古屋工業大学大学院工学研究科)、小川 眞美子(点字・触図工房BJ)P-研-5 視覚障害者等へのサービスアンケート 工藤 幸雄(元 青森県視覚障害者情報センター) P-研-6 視覚障害のある患者への情報提供・相談対応状況に関する質問紙調査の報告 原田 敦史(堺市立健康福祉プラザ 視覚・聴覚者センター)、八巻 知香子 (国立研究開発法人国立がん研究センター がん対策情報センター) P-研-7 暗所視支援眼鏡購入者に対するアンケート調査報告‐使用状況について 金澤 正継(株式会社朝倉メガネ ロービジョン・ケア推進室)、相澤 学(株式会社朝倉メガネ ロービジョン・ケア推進室)、小野 充(株式会社朝倉メガネ ロービジョン・ケア推進室)、近藤 明宏(株式会社朝倉メガネ ロービジョン・ケア推進室)、吉田 明弘(株式会社朝倉メガネ ロービジョン・ケア推進室)、山中 幸宏(株式会社朝倉メガネ ロービジョン・ケア推進室) P-研-8 視覚障害者の就職活動時におけるウェブサイト利用状況調査 新美 知枝子(社会福祉法人 日本盲人職能開発センター)、飯塚 潤一(国立大学法人 筑波技術大学 障害者高等教育研究支援センター) P-研-9 老眼鏡に接着剤なしで貼れる取り外し自由なルーペ −ネオタック− 田邉 正明(日本ライトハウス養成部)、高木 俊治(ホプニック研究所) P-研-10 高視認性安全服・装備品の試作品に対する視覚障害者の使用評価 落合 信寿(産業医科大学医学部眼科学教室)、武田 貴子(社会福祉法人北九州市福祉事業団)、中村 龍次(社会福祉法人北九州市福祉事業団)、吉井 秀雄(ハイドサイン株式会社)、近藤 寛之(産業医科大学医学部眼科学教室) P-研-11 iPad MNREAD-J読書評価アプリの実用化に向けたユーザ調査 菅野 加奈子(東京女子大学)、小田 浩一(東京女子大学) P-研-12 閾サイズの平仮名文字認知訓練が読み誤りに及ぼす効果 川嶋 英嗣(愛知淑徳大学)、光永 莉子(愛知淑徳大学) P-研-13 視覚障害者への点字情報端末訓練−点字学習中の者への指導を中心に− 矢部 健三(神奈川県総合リハビリテーションセンター七沢自立支援ホーム) P-研-14 超初心者向けタイピング訓練ソフト「オトタイプ3」の開発 大内 誠(東北福祉大学)、庄子 諒(東北福祉大学)、飛田 楽々子(東北福祉大学)、高平 千世(国立障害者リハビリテーションセンター) P-研-15 視覚障害者への在職者訓練実施から見えてきたこと 北神 あきら(特定非営利活動法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク)、上田 喬子(視覚障害者パソコンアシストネットワーク)、高西 透江(視覚障害者パソコンアシストネットワーク)、堤 由起子(視覚障害者パソコンアシストネットワーク)、中川 文(視覚障害者パソコンアシストネットワーク)、松坂 治男(視覚障害者パソコンアシストネットワーク) P-研-16 視覚障がい者の駅ホームからの転落 −点字ブロックの近くに置かれた荷物の影響− 大倉 元宏(成蹊大学)、石川 充英(東京視覚障害者生活支援センター)、田内 雅規(岡山県立大学)、村上 琢磨(NPO法人しろがめ)、清水 美知子(モビリティ研究会) P-研-17 視覚障害児用折りたたみ式白杖における操作性・利便性についての検討 吉岡 学(金沢大学)、清水 順市(東京家政大学) P-研-18 未就学視覚障碍児のための歩行訓練システムの実装 木村 照男(津山工業高等専門学校電子・情報システム工学専攻)、松島 由紀子(津山工業高等専門学校総合理工学科) P-研-19 視覚障害者の歩行における反響定位の利用に関する研究 大谷 唯(広島大学教育学部)、森 まゆ(広島大学)、牟田口 辰巳(元広島大学) P-研-20 高齢化した保護者の入院をきっかけに社会資源と繋がった先天性視覚障害者の1例 橋本 伸子(しらお眼科) P-研-21 19歳から墨字の学習を導入した視覚障害と高次脳機能障害を併せ持つSさんの学習効果 小林 章(社会福祉法人日本点字図書館 自立支援室)、清野 華子(社会福祉法人日本点字図書館 自立支援室) P-研-22 新しい視覚障害認定基準でゴールドマン視野計と自動視野計による予想等級が異なる症例 澤崎 弘美(いけがみ眼科整形外科 眼科)、加茂 純子(甲府共立病院 眼科)、梶本 美智子(かじもと眼科) P-研-23 病院、介護施設でリハビリ・介護を受ける患者の視機能スクリーニングに要する時間 加茂 純子(甲府共立病院)、原田 亮(甲府共立病院 眼科)、山田 洋二(甲府共立病院リハ室)、萩原 妃里子(甲府共立病院リハ室)、藤田 大輔(健康科学大学) P-研-24 リアルなつながりが生む良質な情報交流と共助―情報交流会sq. の1年− 木村 仁美 世田谷区立保健センター P-研-25 成人の盲知的障害者の点字習得を目指した指導に関する研究 志水 聡(広島大学教育学部特別支援教育教員養成コース)、森 まゆ(広島大学) P-研-26 臨床実習前施術実技試験における医療面接ステーションの実践 伊藤 和之(国立障害者リハビリテーションセンター)、小笠原 ひろみ(国立障害者リハビリテーションセンター)、藤原 太樹(国立障害者リハビリテーションセンター)、飯塚 尚人(国立障害者リハビリテーションセンター)、舘田 美保(国立障害者リハビリテーションセンター) P-研-27 ウフィッツィ美術館における視覚障害者対応の改革 大内 進(手と目でみる教材ライブラリー 国立特別支援教育総合研究所)、茂木 一司(群馬大学) P-研-28 視覚障害者用歩行訓練装置のための障害物検知システムの構築 太田 達也(津山工業高等専門学校)、趙 菲菲(津山工業高等専門学校)、薮木 登(津山工業高等専門学校)、松島 由紀子(津山工業高等専門学校)、木村 照男(津山工業高等専門学校) ●活動報告 P-活-1 当事者団体主催の手引き・白杖勉強会の実践報告 小倉 芳枝(東京ヘレン・ケラー協会点字図書館)、岡崎 あずさ(日本盲人職能開発センター)、吉本 浩二(個人)、大川 和彦(東京都盲人福祉協会青年部) P-活-2 鹿児島心の健康講座 実践報告Vol.7 良久 万里子(鹿児島県視聴覚障害者情報センター)、田中 桂子(神戸市立神戸アイセンター病院、橋村メンタルクリニック) P-活-3 「見えない人・見えにくい人のためのワンポイント講座」1年間の取り組み 丹野 由加里(仙台市視覚障害者支援センター アイサポート仙台)、阿部 直子(仙台市視覚障害者支援センター アイサポート仙台)、善積 有子(仙台市視覚障害者支援センター アイサポート仙台) P-活-4 講習会「会食チャレンジ」の取り組み―気兼ねなく人前で食べるために― 内田 まり子 神奈川県ライトセンター 、青山 しのぶ(神奈川県ライトセンター)、村松 里恵(神奈川県ライトセンター)、中川 淳(神奈川県ライトセンター) P-活-5 訓練ではないチャレンジド・ヨガだから出来ること 古きものから新しい価値を見出す 高平 千世(一般社団法人 チャレンジド・ヨガ〜視覚障がいの方のヨガ〜)、澤崎 弘美(いけがみ眼科整形外科)、城谷 直人(NPO法人江戸川区視覚障害者福祉協会)、佐藤 友見(一般社団法人チャレンジド・ヨガ理事 神奈川チームリーダー) P-活-6 高齢視覚障害者リハビリテーション事例研究分科会活動報告(第2報):第1回勉強会の開催 阿部 直子(視覚障害リハビリテーション協会 高齢視覚障害者リハビリテーション事例研究分科会、仙台市視覚障害者支援センター アイサポート仙台)、吉野 由美子(視覚障害リハビリテーション協会 高齢視覚障害者リハビリテーション事例研究分科会)、古橋 友則(視覚障害リハビリテーション協会 高齢視覚障害者リハビリテーション事例研究分科会、NPO法人六星 ウイズ蜆塚)、良久 万里子(視覚障害リハビリテーション協会 高齢視覚障害者リハビリテーション事例研究分科会、鹿児島県視聴覚障害者情報センター) P-活-7 メルマガ色鉛筆における多様性の追及〜シリーズ企画の実践〜 石川 佳子(公益社団法人 京都府視覚障害者協会)、小寺 洋一(京都府視覚障害者協会) P-活-8 「見えない・見えにくい人のためのメイクレッスンヒント集」の作成 道面 由利香(横浜訓盲院生活訓練センター)、小倉 芳枝(東京ヘレン・ケラー協会点字図書館)、加藤 陽子(荒川たんぽぽセンター)、内記 郁(神奈川県総合リハビリテーションセンター七沢自立支援ホーム)、藤井 絢子(社会福祉法人すみなす会金沢地域活動ホームりんごの森) P-活-9 視覚障害リハビリテーション協会ホームページリニューアル経過と今後の取り組み 吉野 由美子(視覚障害リハビリテーション協会)、稲垣 吉彦(有限会社アットイーズ)、北神 あきら(特定非営利活動法人視覚障害者パソコンアシストネットワークSPAN)、藤縄 泰彦(社会福祉法人日本盲人職能開発センター)、名児耶 剛(日本盲導犬協会東京事務所)、鈴木 亜衣子(日本盲導犬協会東京事務所) P-活-10 点字付き・拡大文字付き百人一首かるた普及活動の紹介と、余暇活動としての意義 野々村 好三(大阪点字付きかるたを楽しむ会)、兵藤 美奈子(大阪点字付きかるたを楽しむ会)、関場 理華(百星の会)、南沢 創(百星の会)、渡邊 寛子(福島県点字付き・拡大文字付きかるたサークル) P-活-11 第二回ロービジョン・ブラインド川柳コンクール 神田 信(株式会社 三城)、梶谷 政志(株式会社三城)、中村 成美(株式会社三城ホールディングス)、影山 正樹(株式会社三城)、青山 ゆう子(株式会社三城)、布袋田 和貴(株式会社三城) P-活-12 視覚障害リハビリテーション研究発表大会IN神戸スマートサイトサミット実施報告 田中 桂子(神戸市立神戸アイセンター病院)、山縣 祥隆(山縣眼科医院)、原田 敦史(堺市立健康福祉プラザ) P-活-13 岐阜県版スマートサイト「岐阜うかいネット」活動報告 松本 健太郎(社会福祉法人岐阜アソシア)、棚橋 公郎(社会福祉法人岐阜アソシア)、川瀬 和秀(岐阜大学眼科)、池谷 尚剛(岐阜大学教育学部)、宇佐見 潤(岐阜県眼鏡組合)、丹羽 健二(岐阜県眼鏡組合)、佐久間 仁(岐阜県眼科医会)、犬塚 裕子(いぬづか眼科)、浅野 紀美江(岐阜県視能訓練士会)、牧田 京子(岐阜県視能訓練士会)、白潟 仁(システムギアビジョン)、松井 康樹(平成医療短期大学) P-活-14 京都ロービジョンネットワーク設立2年目の活動及び相談状況 鈴木 佳代子(公益社団法人 京都府視覚障害者協会)、中路 裕(京都府眼科医会)、百々由加利(京都府眼科医会)、松永 信也(京都府視覚障害者協会)、稲葉 純子(京都府眼科医会)、大菅 規子(京都府網膜色素変性症協会)、沖田 友子(京都ライトハウス)、鎌田 さや花(京都府眼科医会)、高橋 綾子(京都府眼科医会)、高橋 一夫(京都ライトハウス)、高間 恵子(京都府視覚障害者協会)、沼 朝代(京都府眼科医会)、本谷 美咲(京都ライトハウス)、三宅 正裕(京都府眼科医会)、横田 聡(京都府眼科医会) P-活-15 視覚特別支援学校における学年に応じた盲導犬体験会の内容 堀江 智子(公益財団法人日本盲導犬協会富士ハーネス) P-活-16 視覚障害児童生徒の卒業後の活動の分析ー在学中に深めるべき観点の把握 刀禰 豊(チーム響き、岡山東支援学校)、阿部 麿呂(チーム響き) P-活-17 生徒数減少に対する福井県立盲学校の取組 岡島 喜謙(福井県立盲学校) P-活-18 レーベル病患者の就学状況についての実態報告 渡辺 至俊(NPO法人目と心の健康相談室 レーベル病の会)、古庄 庄一郎(レーベル病患者会)、茂木 伸明、栗田 真由美(レーベル病患者会)、荒川 和子(NPO法人目と心の健康相談室)、若倉 雅登(医療法人社団井上眼科病院、NPO法人目と心の健康相談室) P-活-19 ケース報告−軽度認知症と診断されたが、症状が発現しなくなったケース 安山 周平(堺市立健康福祉プラザ 視覚・聴覚障害者センター)、原田 敦史(堺市立健康福祉プラザ 視覚・聴覚障害者センター) P-活-20 失明当事者による視覚障害者一般就労の事例研究 松村 智也(npo new vision) P-活-21 視覚障害者の遠隔サポートによる就労移行支援について(3) 石川 充英(東京視覚障害者生活支援センター)、山崎 智章(東京視覚障害者生活支援センター)、稲垣 吉彦(東京視覚障害者生活支援センター)、河原 佐和子(東京視覚障害者生活支援センター)、江崎 修央(鳥羽商船高等専門学校)、川邊 有紗(鳥羽商船高等専門学校)、村山 由莉衣(鳥羽商船高等専門学校)、伊藤 和幸(国立障害者リハビリテーションセンター研究所) P-活-22 【活動報告】どこの眼科でも出来るタブレット指導マニュアル作成の取り組み 奈良井 章人(奈良井眼科)、氏間 和仁(広島大学大学院教育学研究科)、上原 知子(奈良井眼科)、西山 幸代(木村内科眼科病院) P-活-23 簡易な自覚的眼位評価法 −眼球運動障害が原因の視覚障害を不定愁訴としないために 大弓 幸子(岩手県立盛岡視覚支援学校相談支援部) P-活-24 徳島県におけるアウトリーチ支援の取り組みについての報告 阪井 紀夫(徳島県立障がい者交流プラザ視聴覚障がい者支援センター)、湯浅 愛子(徳島県立障がい者交流プラザ視聴覚障がい者支援センター) P-活-25 UDトークとスカイプを活用した盲ろう者オンラインミーティング参加の取り組み 御園 政光(千葉県視覚障害者福祉協会)、岡根 鉄郎(NVDAヘルプデスク)、野々垣 美名子(NVDAヘルプデスク)、麻野井 千尋(東京女子大学大学院)、九曜 弘次郎(富山盲ろう者友の会) P-活-26 視覚障害者支援部てんとうむし 設立から6年間の活動報告 南 奈々(たかだ電動機(株)視覚障害者支援部てんとうむし)、梅崎 智香(たかだ電動機(株)視覚障害者支援部てんとうむし) 6抄録 6−1特別講演 福島発! 視覚リハのネットワークづくり 福島県ロービジョンネットワーク 八子 恵子  福島県ロービジョンネットワークは、隣県である宮城県のスマートサイトや、新潟県のロービジョン研究会の後を追う形で平成19年に発足した。発足のきっかけは、視覚リハを知っているべき眼科医療関係者が最も理解していないと認識し、視覚障害に関わる様々な団体や事業を繋いで情報を共有し、というより情報をいただけたなら、眼科医療関係者がやるべきことが見えてくるのではと感じたことにある。福島県障がい者総合福祉センター主催の巡回相談会にかかわっている団体を中心に声がけをしたところ、思いの外賛同をいただき発足できた。当初、オブザーバーであった県障がい者総合福祉センターも数年後には一構成団体となり、それ以後のネットワークの活動がより円滑なものとなった。医療、福祉、教育、当事者およびボランティア団体など、現在は14の構成団体からなり、年3回の連絡協議会で活動方針などを話し合っている。  本ネットワークでは、様々なテーマで視覚障害について学ぶ、知る、話し合う、を目的に、視覚障害に関心があれば誰でも参加可能な年3回のフォーラムとメーリングリストで情報の共有と意見交換を行っている。順調なスタートと思えたが、発足2年後の大震災と原発事故時に避難視覚障害者向けのチラシを配布し、無力感を味わう結果となった。  その後、相談窓口を紹介する黄色いリーフレットを作成、相談に応じている中で、視覚障害者の日常生活の向上や社会参加のため不可欠な視覚障害者生活等訓練指導員(歩行訓練士)の確保をネットワークとして県に要望し、非常勤ながら今年度上記センター内に1名が配置されることとなった。今後は、常勤としての対応を求め、さらに増員へと進めるため、視覚障害者に向けても訓練の持つ意義を発信する役割があると考えている。  発足10周年を迎えたばかりでまだまだやるべきことが多いネットワークではあるが、振り返り反省しつつその内容を紹介したい。 [プロフィール] 1971年福島県立医科大学を卒業後、福島県立医科大学眼科にて臨床・研究・教育に長く携わった。現在も北福島医療センターでの診療と並行して、日本小児眼科学会理事、日本ロービジョン学会評議員、福島県眼科医会顧問、福島県ロービジョンネットワーク代表などとしても活動している。 6−2シンポジウム シンポジウム1 多様な就労、個別のニーズに応じた挑戦 ―就労継続支援B型事業所の取り組み― 座長 吉野 由美子(視覚障害リハビリテーション協会)    阿部 直子(仙台市視覚障害者支援センター アイサポート仙台)  今回の研究発表大会のテーマである「最先端と最前線」をキーワードに視覚障害者の就労を考えたとき、皆さんはどのようなことを思い浮かべますか。ICT機器の活用技術と経験知を活かして中途視覚障害になってもバリバリ働くサラリーマン・サラリーウーマン? 専門職としての自己研鑽に励みながら今では「超人気」鍼灸治療院を営んでいる視覚障害のある三療師? 研究費をしっかりと確保して研究者の道をアクティブに進む全盲の大学教員……? もちろん、これらの思いつきは決して間違いではありません。しかし、ともするとあまり着目されないところにも「視覚障害者の就労の最先端と最前線」があるのではないか……とわれわれは考えました。そして、そのような事例をこのシンポジウムで取り上げることによって、さまざまな視覚障害者の「働きたい」「挑戦したい」という願いを実現していくためのヒントを全国から集まった大会参加者が共有できるのではないかと考えました。  就労継続支援B型事業所とは、「通常の事業所に雇用されることが困難であって、雇用契約に基づく就労が困難である者に対して行う就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の必要な支援」(障害者総合支援法施行規則 第6条の10)をおこなう事業所です。厚生労働省の調査によると現在全国に約11,000か所あります(「平成29年 社会福祉施設等調査の概況」平成30年9月)。  今回はこの就労継続支援B型事業所として多様な視覚障害者の就労ニーズに地道に取り組んでいる事業所3か所より、取り組みのきっかけとこれまでの歩み、取り組みの中で得た気づきや今後の課題、そして提案を語っていただこうと思います。  本シンポジウムを通して、視覚障害者の就労を幅広い視点で考え、行動するきっかけになれば幸いです。 演者 千田 裕子(認定NPO法人ビートスイッチ 希望の星) 「盲学校高等部を卒業したら通う場所がない・仕事がない」という課題の解決から始まった事業所の現在、そして未来 古橋 友則(NPO法人六星 ウイズ蜆塚) 高齢でもできることを活かして働きたい視覚障害者の希望を受け止め、寄り添って…… 金子 楓(社会福祉法人あかね ワークアイ・船橋 ワークアイ・ジョブサポート) 視覚障害者も含めた多様な障害者が一緒に働くことによって生まれる高い生産性と助け合い役立ちあう経験 シンポジウム2 自分たちは何ができるのか? 福祉用具提供の現場から 座長 良久 万里子(鹿児島県視聴覚障害者情報センター)    小泉 大介(株式会社トラストメディカル)  福祉用具の提供、とりわけ用具を使う視覚障害者の自宅などを訪問して商品を紹介し、ユーザーが選んだ商品を届け、さらには入手後のトラブル相談にも応じる業務に携わってきた経験から、以下のような問題意識を抱いている。「視覚障害者への支援をきめ細やかにおこないたい」という姿勢を大切にするためには、単に「ユーザーにモノを渡す」ことだけをしたのでは、十分ではない。 しかし現状では、ユーザーのニーズに十分に応えるだけの「トキ」と「カネ」が不足している。ユーザーのニーズに十分に応えるためにはどうしたらいいのだろうか?また、他の地域ではどうしているのだろうか?  そこで本シンポジウムは、変化の激しい今の時代に今後も視覚に障害のある方への支援を福祉用具提供の立場から適切かつ安定的に続けていく上で「求められていることは何か?」「出来ることは何か?」を議論することを目的とする。  まずは、福祉用具提供の一般的な流れを「紹介」「納品と使用方法の説明」「アフターフォロー」の3つのステップに整理し、現場で起きていること・現場で求められていることを報告しあう。これらの報告を通して、全国各地、とくに「大都会ではない地域」に住む視覚障害者が福祉用具を入手しようとした時にどのような困難に直面し、いっぽう福祉用具の提供にかかわっている者がどのようなジレンマを抱えているのかが明らかになるのではないかと考えている。  4人の報告を踏まえて、医療・福祉・教育などの機関・団体、あるいは当事者組織や個人ボランティアなどと連携を取るために必要なことは何かを討論し、みなさんと方策を考えていきたい。 演者 玉川 久美子(有限会社ルート) 岩手県での視覚障害者向け用具提供事情 本田 孝文(株式会社ヨネザワ 宮ノ陣店) 視覚障害者用機器を長年取り扱ってきた経験から見えてきた課題 村井 孝典(日本盲導犬協会仙台訓練センター) 訪問型訓練(在宅生活訓練)を実施する中で感じている課題 小泉 大介(株式会社トラストメディカル) 東北を中心に福祉用具提供を行っている立場から、今の時代だからこそ出来る「福祉用具提供方法」を提案 6−3特別企画 災害時の視覚障害者の支援について 座長 佐渡 一成(視覚障害リハビリテーション協会防災・減災委員会委員)    下坪 喜美子(岩手県立盛岡視覚支援学校)  2011年の東日本大震災(大震災)は東北地域に未曾有の被害をもたらしましたので、本大会開催の動機のひとつは「大震災の教訓をしっかり伝え、残したい」という思いでした。特に災害弱者、情報弱者になりやすい視覚障害者の安全確保・命を守るためには、しっかりと準備をしておく必要があります1)。  大震災の際 視覚障害者が最も必要とする直後の支援は、未曾有の被害、交通や通信の不通、ガソリン不足、個人情報保護の壁、支援団体相互の連携不足など様々な要因で一部の範囲にとどまりました。想定外の多くの困難が山積していたとはいえ早期に十分な支援を届けられなかったという自戒の念が今もあります。最も愕然としたのは、「多くの視覚障害者に音声時計や拡大読書器の情報すら届いていなかった」という事実が当時の支援活動の中で判明したこと1)でした。この不手際の原因は大震災ではありません。日頃の啓発不足です。このことが大震災の支援の中ではっきりしたのです。  一方、熊本地震の際には、大震災の苦い経験が役立ち、早期からの支援ができました2)。  被災地を抱える岩手県で開催する本大会での、時間が限られた中での企画ですが、大震災および熊本地震の支援で得た教訓も含め、今後への備え・どのように対応していくべきかを考える貴重な機会にしたいと考えて構成しました。 ○ 基調報告「東日本大震災の視覚障害者支援の概要」 加藤 俊和(日本盲人福祉委員会災害担当、視覚障害リハビリテーション協会 防災・減災委員会委員長) ○ 報告「熊本地震における直後の支援から支援ネットの構築へ」 原田 敦史(堺市立健康福祉プラザ点字図書館館長、視覚障害リハビリテーション協会防災・減災委員会委員) ○ パネルディスカッション 参考文献 1)東日本大震災の被災者. 視覚リハビリテーション研究 4:35-37,2014 2)熊本地震の視覚障害者について.視覚リハビリテーション研究6:1−5,2017 6−4一般口演 O-1-1 小型デバイスを用いた歩行者支援システムの性能評価 片山 英昭(舞鶴工業高等専門学校)、小柴 雄輝(舞鶴高専電気情報工学科5年)、杉山 聡一朗(舞鶴高専電気情報工学科4年)、丹下 裕(舞鶴工業高等専門学校) 【目的】人が日常生活で歩行するとき、視覚から得る情報は80%〜90%と言われている。視覚障がい者は視覚から得る情報がないため、単独歩行時に障害物を回避することは難しい。そのため、これまでに視覚障がい者の歩行支援システムが提案されてきているが、小型かつ軽量なシステムはほとんど見受けられない。そこで、本研究では、小型デバイスとカメラを用いて、視覚障がい者の歩行支援システムを構築することを目的とする。 【方法】本研究では、小型デバイスとして用いるRaspberry Piは、画像処理の能力が低いため、演算補助装置であるMovidius Neural Compute Stick(以下、MNCSと略)を用いる。利用者に情報を伝える方法は音声とし、音声を伝える機器として,骨伝導イヤホンを使用する。カメラより得た画像をRaspberry Pi及びMNCS上の機械学習により、障害物名とその障害物の画面内での位置の検出および音声による伝達プログラムを作成した。 【結果】本デバイスはモバイルバッテリより電源供給される。モバイルバッテリの容量減少による処理速度への影響を調べた。2000mAhのモバイルバッテリの場合、実験開始から74分後に動作を停止した。この間の1秒間あたりの最高処理枚数は6.93枚、最低処理枚数は5.74枚であり、処理速度に大きな変化がなく、物体検出は十分行えることが分かった。検出結果により5m先の人物を回避することができるかの実験を晴眼者2名に対して行った。1名は回避できたが、1名は人物と肩がぶつかる結果となった。 【考察】利用可能時間を延ばすために、スイッチなどにより必要なときに物体検出できるように改良が必要であると考える。人物に近くなりすぎたために、人物検出ができなくなり、肩にぶつかったことより、人物との距離が近くなったときにアラートを鳴らすなどの対策が必要と考える。 O-1-2 公共交通機関での視覚障害者誘導用ブロック敷設実態と課題 ―歩行訓練士の視点から― 古橋 友則(日本歩行訓練士会、NPO法人六星ウイズ蜆塚)、武田 貴子(日本歩行訓練士会、北九州市立介護実習・普及センター)、谷 映志(日本歩行訓練士会、国立障害者リハビリテーションセンター学院)、中村 透(日本歩行訓練士会)、保坂 亨(日本歩行訓練士会、岐阜県立岐阜盲学校)、堀内 恭子(日本歩行訓練士会、日本ライトハウス)、松下 昭司(日本歩行訓練士会、日本ライトハウス) 【目的】歩行訓練実施時、視覚障害者誘導用ブロック(以下ブロック)と床面との触覚的、視覚的コントラストが低くブロックを有効に活用できない場面に遭遇する。全国各地の駅ホームと交差点のブロックの敷設実態を調査し、課題を明らかにすることで視覚障害者の駅ホームからの転落事故や、交差点での事故防止に寄与することを目的とする。 【方法】1. 日本歩行訓練士会所属の歩行訓練士225名に対し、駅ホーム上、交差点でのブロックの敷設実態に関するアンケート調査を実施。2. 6名の視覚障害者に対し、現地調査と聞き取り調査を実施 【結果】回答総数は114事例。結果は主に視覚的コントラスト、敷設方法、触覚的コントラストの3つの課題に分類された。 1.視覚的コントラスト 黄色ではなく周辺の床材と同系色、または周辺の模様と同化しているブロックの敷設実態が明らかとなり、輝度比の規定では改善できない可能性も考えられた。 2.敷設方法 ブロック上や近隣に障害物がある例や、障害物を避けるように設置されている例が挙げられた。視覚障害者にとって障害物にまで意識しなくてはならないことは、事故や転落のリスクが高まることも推測できた。 3.触覚的コントラスト 周囲の床面とブロックとの触覚的コントラストに問題がある例は多数挙げられたが、総務省の調査やガイドラインにおいて触覚的コントラストに関する記載はなく、明確な規定もないため、調査・研究の実施が喫緊の課題である。 【考察】本調査において視覚的コントラスト、敷設方法、触覚的コントラストの3つの視点からブロックの課題などを検討した。本来ブロックは視覚障害者が安心して安全に移動するためのツールであるが、現実にはそうなっていない場面が多く、継続的な調査が必要である。なお、本研究は(公財)交通エコロジー・モビリティ財団の助成を受けた。 O-1-3 スペシャルニーズのある視覚障害者の歩行訓練の1事例 武田 貴子(北九州市立介護実習・普及センター)、三浦 久美(北九州市立介護実習・普及センター) 【目的】「中途視覚障害者緊急生活訓練事業」で実施した、肢体不自由のある視覚障害者の歩行訓練についてその事例を報告する。 【事例】対象者は50代女性、原因疾患はサリドマイド薬害による先天性の(両)小眼球、(右)ぶどう膜欠損、(左)白内障。視力は右0.01、左 0。肢体不自由(両上肢欠損)。薬害により、両肩から数本の指が出ているのみ。先天性の弱視で、最近になり転倒する事が増え、駅のホームからの転落を経験。今後も一人で歩くために白杖やその代わりになるものはないかと相談があった。訓練回数11回で、@手引き歩行A白杖歩行B白杖以外の単独歩行の可能性を検討した。 【結果】@現在使用中のリュックの仕様を工夫した事で、安全性が高く、能率性もあり、見た目にも自然で、本人・支援者もやりやすい手引きの方法を獲得出来た。Aシンボル機能としての白杖は入手出来た。しかし、単独歩行に使用する白杖は、「保持の方法」、「重さ」、「石突きの形状」のいずれも本人の特性にあった仕様にする事が出来ずに単独歩行に至らず白杖での単独歩行技術の習得が出来なかった。B単独歩行の維持のため、盲導犬歩行を検討することとした。 【考察】@本人のニーズである単独歩行までは至らなかったが、手引き歩行については定着し、具体的な手引きの方法を知らない方にでも支援を受けられるようになった。A単独歩行には、ニーズに対応する新形状の白杖の開発が待たれる。B日本盲導犬協会との連携を図り、ハーネス等について検討を重ね単独歩行を目指していく予定がある。 O-1-4 スペシャルニーズへの対応のための視覚リハ施設の連携 多和田 悟(公益財団法人 日本盲導犬協会)、武田 貴子(北九州市立介護実習・普及センター) 【目的】私の所属する盲導犬協会だけでは拾い上げる事が出来ないニーズがある。それに対応されている地域にあるリハ施設と連携することによって、それぞれの施設の限界を超えて当事者の望むサービスを提供する事が出来るのではないかとの仮説を実証する。 【方法】前編で発表される歩行訓練士の取り組みを受けて、サリドマイドにより重度の肢体障害と視覚障がいを持つ人の「一人で歩きたい」に応える方法を探るために、 日本盲導犬協会が提供できるであろう盲導犬を使うことによる単独歩行の可能性を求めて試行を繰り返した。 【結果】現段階では訓練士が両手を使わないために後ろで組んでアイマスクをして犬からの情報を得ながら歩くことが出来る段階まで来た。 【課題】盲導犬歩行指導前に当事者は地域のリハ施設職員から歩行につながる手引き歩行の技術を獲得しておく。当事者自身で出来ることと援助を受けなければならないことの認識を肯定的に整理されていること。そして出来ないことについてはサポート体制を構築する。ハーネスハンドルの体への固定と犬を伏せさせる時などの引き紐の装着などの道具の工夫をする。 【考察】それぞれの施設は距離があるために当事者を交えた検討と情報交換は現在(3/15) まで3回しかできなかった。1回目は当事者の希望と歩行に困難をきたす原因と なる情報を共有した。2回目には具体的に歩行の能力について評価をした。我々が手引きと呼ぶ歩行補助方法を受ける当事者の能力は高く、盲導犬による歩行の可能性は高いと評価したが情報を受けるハーネス装着の方法は試行を繰り返している。また犬の世話をする新たな道具の開発や犬の作業への動機を維持する特別な方法の開発は課題である。 O-2-1 国立ソウル盲学校のセンター的機能についての考察 玉川 智行(大阪市立佃中学校) 【目的】本研究の目的は、2016年3月より運営が始まったソウル盲学校視覚障害教育支援センターのセンター的機能について調査することにある。ソウル盲学校視覚障害教育支援センターは2018年1月から教育部(日本の文部科学省に相当)より試験運営が承認され、国立視覚障害教育支援センターとして試験運営が始まり、ソウル特別市の一般校に在籍する視覚障害児童生徒の支援を行っている。日本よりも早く障害者差別解消法が施行された韓国のインクルーシブ教育について、ソウル盲学校視覚障害教育支援センターのセンター的機能について調査し、視覚障害教育支援センターの運営の現状と課題を概観することに焦点を当てる。 【方法】平成30年8月2,3日の2日間に国立ソウル盲学校へ訪問し、理療科の李宇寛先生と国立視覚障害教育支援センターの所長である朴允奎先生に聞き取り調査を行い、資料の提供を受けた。 【結果】国立ソウル盲学校視覚障害教育支援センターも日本とほぼ同様のセンター的機能を備えており、ソウル特別市の一般学校に在籍する児童生徒への支援を2名体制で行っていた。実際のところ、専任教員はおらず、授業のない時間や日を使って支援を行っていることがわかった。また、韓国には一般校に特別支援教育コーディネーターが配置されておらず、綿密な連携が難しいようであった。 【考察】視覚障害教育支援センターがセンター的機能を担っているが、支援を限られた人数で行っており、時間的制約があることがわかった。また、一般校には特別支援教育コーディネーターが配置されていないため、調整や視覚障害児童生徒の把握が難しいことがわかった。今後、韓国においても、特別支援教育コーディネーターの配置や特別支援教育コーディネーター連絡協議会を実施し、障害児童生徒の把握が行いやすい教育制度改革が必要である。 O-2-2 特別支援学校教員養成課程における「視覚障害指導法」の現状に関する探索的研究 中嶋 克成(徳山大学) 【目的】2012年7月、「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進」以降、学校は児童生徒の障害の有無に関わらず、同じ場で共に学ぶことができる連続性のある「多様な学びの場」が求められている。この実現には個別の教育的ニーズを読み取ることのできる教員の存在が不可欠であり、各大学でもインクルーシブ教育システムに対応した教員養成を行っている。本研究では、その中でも「視覚障害領域」に焦点を当て、特別支援学校教員養成課程における「視覚障害指導法」の現状について、授業の目標、授業の内容、授業の評価方法についてシラバスを基に分析することを目的とする。 【方法】@シラバス分析の対象校は、文部科学省ホームページで掲載されている「視覚障害領域」特別支援学校教員免許養成課程を有する大学とする。 A本研究では特別支援学校教員免許養成課程の「視覚障害指導法」(第2欄)に該当する科目を対象とする。 【結果】以上の方法により検索したところ、「視覚障害領域」特別支援学校養成課程を有する大学は9校(15学科・専攻)であった(ただし、大学院で一種免許状と専修免許状を併せて取得する大学が1校を含む)。第2欄科目(指導法)として複数科目開講している大学も存在した。 【考察】内容の分析(KJ法を援用)から「教材・教具」、「歴史」等複数のカテゴリーが抽出されたため、ポスターに結果図を示した。本研究では「視覚障害領域」の教員免許養成課程を有する大学のみに焦点を当てて論述した。しかしながら「教員養成」課程を有する大学で「視覚障害領域」の授業を開講しているのは「視覚障害領域」の教員免許養成課程を有する大学だけではない。他の領域の課程を有する大学でも「視覚障害指導法」を第3欄として開講している場合もある。そのため第3欄シラバスの調査・分析および第2欄との比較を持って本研究は補完されるといえる。 O-2-3 視覚障害者の実態:23年生活のしづらさなどに関する調査(厚生労働省)より 北村 弥生(国立障害者リハビリテーションセンター研究所) 【目的】本研究では、平成23年度に厚生労働省が実施した「生活のしづらさなどに関する調査」について、視覚障害1級のみで身体障害者手帳を所持した回答者(以下、視覚1級群)の実態を明らかにすることを目的とした。 【方法】厚生労働省担当部局より調査の有効回答14,249件の入力データの提供を受けた。視覚1級群について、年齢構成、身体的または精神的具合の悪さ、生活のしづらさ発生年齢、生活のしづらさの原因、ADL/IADLの回答数を明らかにし、さらに就労年齢層(25〜59歳)について日常生活の場について詳細統計を作成した。 【結果】(1) 視覚1級群216名(男103名、女112名、平均年齢68.0歳、幅6〜91歳)中177名81.9%は「生活のしづらさが発生した年齢」を回答し、48名27.1%は65歳以上、20歳未満は36名20.3%であった。(2)半年以内に身体的または精神的具合の悪さがあった者125名57.9%であった。(3)生活のしづらさの原因は多い順に、病気122名57.9%、わからない30名13.9%、加齢25名11.6%であった。(4) ADLとIADL合計13項目のうち男女ともに自立度の平均が3以上だったのは「買い物」「身の回りの整理」「お金の管理」であった(全介助は5)。(5)自由記述への記入者は79名36.6%であった。就労年齢層として25歳から59歳の41名(男17名、女24名)に注目してみると、(6)日中生活は、多い順に、家庭内17名41.5%(6名、11名)、自営業9名22.0%(6名、3名)、正職員8名19.5%(4名、4名)、通所5名12.2%(2名、3名)、正職員以外2名4.9%(男0名、女2名)であった。(7)1か月あたりの収入は41名中29名(男12名、女17名)が回答し、15万円未満は21名51.2%(男7名、女14名)、うち収入0円は1名2.4%(男0名、女1名)であった。 【考察】回収状況から結果の信頼性・妥当性に課題はあるが、得られた回答からは、視覚1級群の成人では、就労と家庭が半数ずつで、1か月あたりの収入15万円未満が半数を占めたが収入0円は少なかったことが示された。 O-2-4 地域での視覚障害者メーリングリストの現状分析ー2つのメーリングリストの対比 安藤 伸朗(立川綜合病院) 【目的】視覚障害者は、メーリングリストで多くの情報交換を行っている。その現状を解析した。 【対象・方法】新潟県を中心に展開しているAメーリングリスト(以下、A-ML)は、創立20年を超える。山形県を中心としているY−メーリングリスト(以下、Y-ML)は、立ち上がってから7か月である。両者を対象に投稿数、内容、特徴を検討した。【結果】A-MLは調査できた最近4年9か月で1558通の投稿があった。Y-MLは7カ月で2084通の投稿があった。内容は、A-MLは講演会等の案内が多いのに対し、Y-MLは講演会等の案内のほか、個人的感想や、意見交換が多い。発信者に対応するチューターはA-MLでは一人だが、Y-MLでは少なくとも3名おり、投稿に対する反応が速い。 【結論】メーリングリストは、それぞれの構成員と目的により特徴がある。活性化するメーリングリストにするためには、講演会案内ばかりでなく多様性のある話題と、投稿者のニーズに応えたきめ細かい対応がカギとなる。 O-3-1 ロービジョンケア紹介リーフレット「さつまの輪」の改版に向けたアンケート調査 斉之平 真弓(鹿児島大学)、坂本 泰二(鹿児島大学) 【目的】鹿児島県では2015年にロービジョンケア紹介リーフレットとして、鹿児島版スマートサイト「さつまの輪」を作成した。今回、「さつまの輪」の改版に向けて、現状を把握するためにアンケート調査を実施したので報告する。 【方法】日本網膜色素変性症協会:JRPS(鹿児島県支部)の患者会員21名(女性13名・男性8名)、平均年齢64.1歳(33〜85歳)を対象に、選択および記述式アンケート調査を実施した。調査内容は1.ロービジョンケア紹介リーフレット「さつまの輪」を知っていましたか。2.「さつまの輪」をもらったことはありますか。3.さつまの輪の中に、どんな情報の掲載があればいいですか。a) ロービジョンケアを実施している医療機関、b) 身体障害者手帳の制度などの福祉関連情報、c)視覚障害者の福祉施設について、d)JRPSなどの患者会、e) 盲学校について、f) 職業訓練について、g) 補助具などのロービジョンケアについて、h) 心理的ケアについて(複数選択可)。4.その他の要望(自由記述)。 【結果】1.「さつまの輪」を知らなかった12名(57%)。2.「さつまの輪」をもらったことがない14名(67%)。3. 希望する情報では、ロービジョンケア医療機関14名(67%)、福祉関連情報16名(76%)、福祉施設16名(76%)、患者会14名(67%)。盲学校3人(14%)。職業訓練6人(29%)、ロービジョンケア18人(86%)。心理的ケア12人(57%)。4. ロービジョン自体をわかりやすくして欲しい。福祉機器展示場所の紹介。心理的ケアの相談できる場所。ガイドヘルパーの情報。等の要望があった。 【考察】「さつまの輪」の認知度や配布状況は充分とは言えなかった。今後、希望が多かった情報内容を掲載し、「さつまの輪」の認知度の向上や配布促進を目指す必要がある。 O-3-2 スマートサイトモデルの全国展開に向けて 平塚 義宗(順天堂大学眼科学教室)、白根 雅子(日本眼科医会) 【緒言】ロービジョンケア(LVC)が必要な人のうちサービスまで到達している人の割合は5%以下であり、眼科医療機関受診中にもかかわらず、LVC施設を紹介してもらえない、福祉制度を知るまでの期間が非常に長いという指摘が多い。そこで、LVCへの橋渡しの知識が乏しく、多忙な眼科医であってもケア関連情報を必要とする患者に確実に提供できるよう発案されたのがスマートサイトである。スマートサイトとは、LV患者が悩みに応じた適切な指導や訓練を受けられる相談先を紹介するリーフレットを意味する。リーフレットには、近隣のLVクリニックや視覚障害センター、視覚特別支援学校などLVCに関して相談可能な施設情報が記載され、その1枚のリーフレットを患者さんに渡すだけで、情報を入手でき、サービスへのアクセスが改善することを想定している。日常臨床においても実行可能な、効率的で有効性の高い情報提供法である。このスマートサイトの全国展開に向けた日本眼科医会(日眼医)の取り組みについて報告する。 【方法】地域におけるLVネットワーク構築や推進に資する協力について検討するため、日眼医に2011年LVネットワーク検討会が発足した。活動内容の記述的検討を行った。 【結果】検討会は2018年までに9回実施されスマートサイト普及に努めてきた。ホームページ内にスマートサイトひな形を入手可能なシステムを提供、同時に、各地域で運用中の実物を掲載してきた。また、全国会議で周知、2018年には2回のスマートサイト作成講習会を実施した。現在28都道府県にスマートサイトが整備され、講習会には計16県からの参加者を得た。 【結論】スマートサイトの全国展開が現実となりつつある。眼科医療から福祉へのスムースな連携が促進されることが期待される。 6−5ポスター発表 P-研-1 地図情報によって即時に可変する小型触地図システムのための触地図情報の生成 丹下 裕(舞鶴高専電気情報工学科)、荒木 雄斗(舞鶴高専電気情報工学科5年)、吉田 海斗(舞鶴高専電気情報工学科5年)、片山 英昭(舞鶴高専電気情報工学科) 【目的】視覚障害者は、歩行や目的地までの移動のために「触地図」と呼ばれる画線が突起で表現された地図を利用する。しかし、視覚障害者が生活する地域全ての触地図はなく、既存の触地図作成システムでは現在地の地図情報を即時的に取得できない。本研究は、視覚障害者の歩行支援のために地図情報によって即時に可変する触地図システムの開発を目標とする。今回は、色に着目することで画像処理によってマップ上における道路や建造物などを検出し、触地図のための情報を生成する。 【方法】本研究では、利用者を中心とした一定の範囲内で電子マップを画像として取得し、画像処理を用いてマップ上における道路や建造物の色を抽出する。取得した画像は抽出された色を閾値として二値化し、二値化後の画像は触地図ディスプレイの素子数に分割する。素子の座標に対応したブロックに、色によって高さ情報を持たせることで触地図ディスプレイの画線を突起で表現する。 【結果】ケージーエス株式会社のドットビューDV-2の仕様を想定し、地図情報を48×32マスに区切った。二値化処理後の画像は、区切ったマス目によっては白・黒に判別できない箇所があるため、量子化による黒の判断基準を80%以上とした。結果の一例として、道路情報のみに着目した場合は道路のみが白に、それ以外は黒に表示された。 【考察】斜めや急カーブのような道路は分割数の関係でギザギザになったが、大まかな道路情報が表現できた。この問題は、点字デバイスのドット数を増やすことで解消される。 P-研-2 基礎医学系科目教材としてのカラー版触図の適用 ―解剖学から生理学への橋渡し― 市川 あゆみ(筑波技術大学)、加藤 一夫(筑波技術大学),安田 輝男(筑波技術大学),安田 孝子(触覚伝達デザイン研究会),飯塚 潤一(筑波技術大学) 【目的】理療教育において、解剖学と生理学は重要な基礎医学系の科目である。視覚障害のある学生は、教科書の文章や数式で理解することを主体にしている。解剖学で得た形態の知識を元に生理学的な機能をイメージすることができるかどうかは、生理学の学習を進めるうえでの大切なステップとなる。我々はこれまで、触図をカラー化することにより、弱視者と全盲者双方にとって内容が理解しやすく、わかりやすくなることを明らかにしてきた。この知見を活かし、理療教育における基礎医学の補助教材として、解剖学から生理学への理解が円滑になるようなカラー版触図を制作した。 【方法】図は、呼吸器系と泌尿器系のものを選択した。ドロー系ソフトウェアを使用し、解剖学・生理学の教科書の説明文を元に、概念をわかりやすくするためのイメージ図を作成した。視覚障害学生の多様な見え方に対応するため、図のレイアウトを変えずに、(1)カラー印刷・墨字(軽度弱視者用)、(2)カラー版触図・点字(重度弱視者用)、(3)モノクロ版触図・点字(全盲者用)の3種類を作成した。 【結果】呼吸器系の図は、それぞれの部位を色分けや線種で区別し、左右で対比することにより、臓器の大きさの変化がわかるようにした。また、泌尿器系の図は、尿の生成過程を、軽度弱視者は色(上記1)、重度弱視者は色と凹凸(同2)、全盲者は凹凸(同3)で、判別できるようにした。 【考察】ドロー系ソフトウェアの階層機能を使用することで、同じ線図を墨字版・点字版で共用し効率的に教材作成をすることができた。文章を模式図化・着色することで、解剖学で学んだ知識と生理学で学ぶ知識を融合させ、学習の理解を促進することが期待できる。なお、これらの実現には、図のどこを強調し、または省略するのか等、講義担当者との入念な打合せが重要となる。今後、講義で使用し、さらに使いやすいカラー版触図に改良していく。 P-研-3 視覚障害者及び老若男女誰もが理解・鑑賞できるカラー版ユニバーサル触図の開発と制作 安田 輝男(国立大学法人筑波技術大学 / 触覚伝達デザイン研究会)、市川 あゆみ(国立大学法人 筑波技術大学)、安田 孝子(触覚伝達デザイン研究会)、飯塚 潤一(国立大学法人 筑波技術大学) 【目的】我々は、2002年以来、美術作品をカプセルペーパーで触図化することで、視覚障害者にも手で触って鑑賞できる「触って観る」アートを作成してきた。当初は、鑑賞の対象者を全盲の人としたので、「形の認識」を主体とする「モノクロ版触図」であったが、「色についても知りたい」との要望が多かったので、2012年に本邦初のカプセルペーパーによる「カラー版触図」を制作。今回は、様々な視覚障害者及び老若男女誰もが理解・鑑賞できる「カラー版ユニバーサル触図」の開発と制作について報告する。 【方法】1. 触図化したい原画を選定し、必要であれば触って鑑賞しやすいように原画に修正を施す。この場合、原画の作者の了解を得る。2. レーザープリンタを使ってカプセルペーパーに原画をコピーする。3.そのカプセルペーパーを立体コピー機PIAFで立体化する。 【結果】上記の方法で制作した「カラー版ユニバーサル触図」を、「二科茨城支部展」、「盲学校」、「『いきいき茨城ゆめ国体・いきいき茨城ゆめ大会 開催 600 日前イベント:いっしょにいこう!茨城国体茨城大会 2018』」等で、視覚障害者と健常者(晴眼者)に実際に手で触って鑑賞してもらった結果、「わかりやすい、楽しい、面白い」等の感想や意見を得ることができた。 【考察】上述から、本研究の成果は、様々な視覚障害者及び老若男女誰もが楽しみながら理解できる「ユニバーサル触図」への展開が期待できることがわかったので、今後は、さらに精度の高い「カラー版ユニバーサル触図」の研究開発を継続する。本研究は、視覚に障害のある人と聴覚に障害のある人が共存して教育を受けている点で世界唯一の存在である本学にとってまさしく有意義な研究であり、その障害教育の現場での知見・成果をさらに社会へと還元していくことは大変意義のあることである。 P-研-4 立体コピー触図の説明を目的としたQRコードの活用とその印刷と読み取り精度について 細川 陽一(名古屋工業大学大学院工学研究科)、小川 眞美子(点字・触図工房BJ) 【目的】立体コピー触図中にQRコード(以下コード)を印刷する方法とその読み取り精度について検討し、読み取った情報が図の読み取りの手掛かりとなるかについて考察した。 【方法】対象者はiPhoneのボイスオーバー機能を常用している19~49歳、スマホ使用歴0.5~7年の5名。黒色印刷にマスキングテープを貼ることで浮き出しを抑えたもの、青色印刷することで浮き出しを抑えたもの、黒色印刷して通常に立体にしたものの3種類、サイズはそれぞれ15mm、23mm、31mmの3種類とした。合計9種類のコードを、QRコード作成(http://qr.quel.jp)を利用して、96DPI で印刷した。コード化の内容は図の説明を記述したクラウド上にあるデータのURL50バイトとした。対象者がiPhoneの標準カメラアプリでコードをスキャンし、認識が成功するまでの回数を測定した。5回以上は認識失敗とした。また読み取り内容から図に何が描かれているかを聴取した。 【結果】立体なし黒色コード3サイズの平均読み取り回数は2.0回、立体なし青色コードは同1.9回であった。両者とも31mmはカメラを離す距離が大きくなり読み取りが失敗する傾向があった。立体黒色コードは15mmでは73.3%、23mmでは46.7%が読み取りに失敗した。31mmでは失敗がなく平均2.1回となった。また入手したデータは図に何が書いてあるかを素早く把握する手掛かりとなった。 【考察】テープを貼る、カラーにすることで立体にならない印刷が可能であり、15~23mm程度の大きさが認識率が良いことが判明した。コードが立体の場合31mm程度の大きさが必要となる。またクラウド上に文書、音声等、各種データを用意することで、学習者に応じた手掛かりが提示できる可能性がある。触図と同時にQRコードを印刷する場合、立体を抑えて印刷することで、よりちいさなコードで正確に認識でき、その内容が触図を読み取る手掛かりとなることが明確となった。 P-研-5 視覚障害者等へのサービスアンケート 工藤 幸雄(元 青森県視覚障害者情報センター) 【目的】視覚障害者等へのサービスの実施状況を把握し、今後のセンターの運営に生かす。工藤が青森県視覚障害者情報センターに在勤中の平成28年度の研究である。 【方法】青森県立図書館のホームページに掲載されている県内市町村立図書館等72施設に対して、郵送によるアンケート調査を行った。63施設(93%)より回答があった。 【結果】 1 施設・設備について 大活字本は31施設(47%)、拡大読書器は17施設(25.8%)、対面朗読室は7施設(10.6%)が設置していた。 2 指定・加盟について 6施設(9.1%)が発受指定を受けていた。サピエへの加盟は1施設(1.5%)だけであったが、3施設が「検討予定あり」との回答であった。 3 サービスについて 点字・録音図書の貸出は18施設(27.3%)、対面朗読は6施設(9.1%)、点字指導を4施設(6%)が行っていた。その他では、各施設の取組や課題が記入されていた。 【考察】アンケート項目を作成するにあたり、東北・新潟・北海道ブロック点字図書館等連絡協議会の各館長様、埼玉県立久喜図書館佐藤聖一様他の皆様からご助言をいただいた。「センターの利用案内を置きたい」という施設があり、センターの存在を知っていただく機会にはなったと思われる。これまで、青森県立図書館で行われる県内市町村立図書館等の研修会でセンターを紹介させていただいているが、今後も継続していく必要がある。 P-研-6 視覚障害のある患者への情報提供・相談対応状況に関する質問紙調査の報告 原田 敦史(堺市立健康福祉プラザ 視覚・聴覚者センター)、八巻 知香子 (国立研究開発法人国立がん研究センター がん対策情報センター)  【目的】2016 年、障害者差別解消法が施行され、障害のある人にも同等のサービスを提供することがより求められるようになった。しかし、医療機関ではどのように情報を提供することが適切かわからず、十分な準備・対応ができていないことが推察される。本調査では、視覚障害者への対応に関する各機関の状況及び情報提供の状況について質問紙調査を行い、現状を明らかにすることを目的とする。 【方法】がん診療連携拠点病院がん相談支援センター、肝疾患相談・支援センター、患者サポート充実体制加算をしている医療機関、計938施設に対して、音声資料のサンプル、医療従事者向け視覚障害者の受診時の配慮事項をまとめた「サポートガイド」及びアンケートを送付し、郵送で回答を得た。 【結果】がん相談支援センターから282件、それ以外の相談室から109件、合計391件(回収率41.6%)から回答を得た。視覚障害者の病院受診の認識については、過去1年間に視覚障害がある患者を見かけたと回答したのは、ほぼ毎月が25.0%、年に数回程度が41.8%、院内の別部門で相談を受けたと回答したのが57.0%であった。視覚障害者支援の取り組みがあると回答したのは32.9%であった。しかし、差別解消法施行に伴う対応マニュアルについては、「ない」、「不明」が86.9%であった。障害者福祉の専門家との橋渡しが必要と回答したのは60.1%であったが、実際に連携しているのは6.1%であった。 【考察】サポートガイドの内容については「だいたい知っている」ようではあったが、対応方針が明確に定められている施設は限られていた。また、半数以上が専門機関との連携を必要だと認識しているが、実際に連携している施設はごく一部であることも明らかとなった。医療機関側に福祉の橋渡しの必要性の認識はあることから、福祉機関側から連携を呼び掛けていくことも、障害者が安心して医療を受けられることにつながるのではないかと思われた。 P-研-7 暗所視支援眼鏡購入者に対するアンケート調査報告‐使用状況について 金澤 正継(株式会社朝倉メガネ ロービジョン・ケア推進室)、相澤 学(株式会社朝倉メガネ ロービジョン・ケア推進室)、小野 充(株式会社朝倉メガネ ロービジョン・ケア推進室)、近藤 明宏(株式会社朝倉メガネ ロービジョン・ケア推進室)、吉田 明弘(株式会社朝倉メガネ ロービジョン・ケア推進室)、山中 幸宏(株式会社朝倉メガネ ロービジョン・ケア推進室) 【目的】暗所視支援眼鏡HOYA MW10 HiKARI (以下、MW10)の購入者に対してアンケート調査をしたので報告する。 【対象と方法】MW10の購入者のうち3か月が経過した者にアンケートを依頼し、本人から同意が得られた8名(平均年齢51.1 ± 11.9歳)を対象とした。アンケート項目はMW10の@使用する際の白杖の有無、A購入の目的(複数回答可)、B使用場所、C使用頻度、D装用した際の使用時間について回答を求めた。また、自由回答によって感想を調査した。 【結果】アンケートの結果、@について7例が白杖を併用していた。残りの1例は盲導犬を連れて使用しており、MW10のみで使用できている者はいなかった。Aは、7例が「夜間の外出」、1例が「日常生活の改善」、「非常の備え」と回答した。8例中6例が目的と合った使い方ができていた。Bは、6例が既知環境で使用し、1例が旅行などの未知環境でも使用でき、1例が使用できていなかった。Cは、2例が毎日、2例が週2回程度、3例が月1〜3回、1例が購入してから1、2回程度であった。1例がほとんど使用しなかった理由はコントローラーの操作性が原因であり、説明を加えることで使用頻度は多くなった。Dは、6例が1時間以内、2例が1時間以上であった。また、自由回答の結果、美術館や映画館、レストラン、会議中などで「夜間における歩行の補助以外の使い道ができた」、「見えなかった星空が見えた」という回答が得られた一方、「視野が狭い」、「距離感がつかみにくい」、「本体およびコントローラーが重い」などの課題が寄せられた。 【結論】MW10の購入者にアンケートを実施した結果、白杖を併用し、既知環境で1時間以内の使用という使い方が多かった。また、好意的な回答が多かった一方、使用上の課題が明らかとなった。 【考察】MW10の販売時に今回のアンケート結果を踏まえて説明する必要があると考えられた。 P-研-8 視覚障害者の就職活動時におけるウェブサイト利用状況調査 新美 知枝子(社会福祉法人 日本盲人職能開発センター)、飯塚 潤一(国立大学法人 筑波技術大学 障害者高等教育研究支援センター) 【目的】就職活動ではウェブサイトからの情報収集は必須である。今回、就職経験のある視覚障害者のウェブ利用状況をアンケート調査し、現状と課題抽出および改善策の検討を行った。 【 調査方法】メールによるアンケート調査。アンケート協力者はメールの送受信が可能な就職活動経験のある視覚障害者(有効回答73名)。調査期間は2017年8月〜10月。項目は全21問。 【調査結果】a.インターネット利用頻度:「ほぼ毎日、利用している」は50代がトップで91%である。b.利用内容:「知りたい情報の検索」が最も多く、32%である。c.障害者等級とインターネット利用頻度:1級は「ほぼ毎日、利用」が96 %である。d.就活でのインターネット利用(2013年〜2017年):「よく利用した」69%、「少し利用した」29%、「ほとんど利用しなかった」2%である。e.就活時の利用サイト:1位は「ハローワークインターネットサービス」58%、2位は「応募企業のサイト」55%、3位は、障害者の就職情報サイト」47%である。f.利用しやすさ:ウェブページ全体では「利用しやすい」との回答は22%に対し、障害者採用ページでは62%と高い。 【考察】視覚障害者にとって、インターネットは晴眼者同様、情報検索やニュース閲覧などに毎日利用している必須のツールとなっていることが明らかになった。また、就活においても利用率は9割を超えている。障害者採用ページが、一般ページに比べウェブアクセシビリティが高いにもかかわらず、企業のサイトを閲覧している割合は55%にとどまっている。これは企業情報の収集には十分活用されていないことを示唆している。企業のサイトは情報収集だけでなく、ウェブからのエントリは採用にも効果的であることを、就活者に啓発することが重要と考えられる。 P-研-9 老眼鏡に接着剤なしで貼れる取り外し自由なルーペ −ネオタック− 田邉 正明(日本ライトハウス養成部)、高木 俊治(ホプニック研究所) 【目的】弱視レンズは手持ち式、卓上式、掛け眼鏡式など、値段は100円ショップで手に入る拡大鏡から、高価な弱視眼鏡まで多種多様である。多くの人はロービジョンの専門家のアセスメントを受けて購入する機会は少なく、日用品を販売する量販店などで入手している。老視に対する近方視用補助具は老眼鏡であるが、眼疾患により老眼鏡でも文字が読めない場合には度数を上げれば視距離を短くすることで拡大効果が生まれ文字を読める。老眼鏡の度数を上げる従来の製品には眼鏡フレームに1) クリップ式のルーペを付ける、2) オーバーグラスのルーペを用いる、3) 貼り付け型の凸レンズをレンズに装着するという方法がある。1)と2)の製品はすでに市販されており、誰もが量販店などで容易に入手できるが、3)の貼り付ける凸レンズは、従来のタイプは糊付け部分を眼鏡フレームに一度接着すると再度取り外して張り付けることはできず、値段も高く容易に購入はできなかった。そこで廉価で眼鏡フレームに自由に張り付けてすぐに拡大の効果を確認でき、弱視レンズを手軽に利用できるアイテムを開発する。 【方法】水分を使わずに眼鏡レンズ部分に密着させると吸着する素材を利用し、眼鏡レンズに凸レンズを自由に着脱可能とした。屈折力は+8D、+10D、+12D、+16D、+20D 、+24D、+28D、+32D、レンズ径は20mm〜25mmで製品化(商品名:ネオタック)した。ソフトコンタクトレンズを装着するような感覚で、眼鏡フレームのアイポイントに合わせて装着し、弱視眼鏡を簡易に作成できるようにした。 【結果】レンズ拡大効果を老眼鏡の延長で手軽に体験できるようになった。視距離は40cmよりも短くなるため、老眼鏡よりも紙面を近くして見ることを説明する必要がある。 【考察】貼り付け型のルーペはセットでも置き場所に困らず、小さな店舗でも販売が可能になると考えられる。 P-研-10 高視認性安全服・装備品の試作品に対する視覚障害者の使用評価 落合 信寿(産業医科大学医学部眼科学教室)、武田 貴子(社会福祉法人北九州市福祉事業団)、中村 龍次(社会福祉法人北九州市福祉事業団)、吉井 秀雄(ハイドサイン株式会社)、近藤 寛之(産業医科大学医学部眼科学教室) 【目的】蛍光色生地と再帰性反射材を用いた高視認性安全服は、運転者等から着用者を瞬時に発見可能であり、危険回避が困難な視覚障害者の交通安全に有用と考える。本研究では、予備調査に基づき、蛍光オレンジを用いたベスト、ボディーバッグ、帽子3種類の高視認性安全服・装備品の試作品を製作し、3週間の使用期間を設けて視覚障害者による評価を行った。 【方法】北九州在住の視覚障害者11名(男性8名、女性3名)、介助者7名(男性2名、女性5名)が評価に参加した。視覚障害者には、外出時に試作品をなるべく多く着用するよう依頼した。3週間後、参加者は28項目の評価アンケートに回答した。 【結果】視覚障害者と介助者の両方が回答した2項目の結果を示す。試作品の交通安全に対する効果について「非常に効果がある」と回答した人数は、ベスト:15名、ボディーバッグ:10名、帽子:6名であった。「製品化するとしたら、どの試作品がよいか」の順位付けの結果は、1位:ボディーバッグ、2位:ベスト、3位:帽子の順であった。一方、視覚障害者の自由記述項目では、試作品の着用により、白杖だけの時よりも周囲からの声掛けが増えた、歩道のない道路で自動車が徐行したり、避けるようになった等の体験が報告された。 【考察】色と光がもたらす視認効果を視覚障害者が感じることは難しいが、他者からの肯定的な言動・サポートや交通場面の状況変化を通じて、安全に対する効果を実感できたことが高評価に結びついたと思われる。試作品の中では、安全への効果はベストが最も高かったが、製品化についてはボディーバッグの評価が高かった。全身にまとうベストは非常に目立つがファッション性に欠ける等の指摘があり、バッグのような身体の一部に着用する装備品が、視覚障害者の需要により適合すると考えられる。 【謝辞】本研究はJSPS科研費 JP15K00745の助成を受けた。 P-研-11 iPad MNREAD-J読書評価アプリの実用化に向けたユーザ調査 菅野 加奈子(東京女子大学)、小田 浩一(東京女子大学) 【目的】iPadで測定できるMNREAD-J読書評価アプリの開発を実用レベルに進めるために、現状のプロトタイプ(小田,2017)について、臨床で使用するにあたって修正すべき課題を見出すために、ユーザ調査を行ったのでその結果を報告する。 【方法】少数のユーザに行ったインタビュー調査(小田,2018)の結果から示唆された課題をもとに、(1) 言語表記、(2) 誤読数入力、 (3) 結果表示、(4) iPadの機種などの項目に関する調査票を作成し、PC版MNREAD-Jを利用しているユーザを対象にして、Googleフォームで質問紙調査を実施した。その際、iPadアプリのプロトタイプの利用体験を必ず実施してから回答させた。これまでにない課題に関する情報を収集するために自由記述での回答も求めた。調査期間は2018年9月から2019年1月。 【結果】22名から回答が得られ、単純集計の結果(一部)は、(1) 表記言語については、英語のまま 4.5%、日本語 59.1%、どちらでも構わない 36.4%、(2) 誤読数の入力については、3文字ずつまとめた10ボタン 22.7%、30文字入力できるスライダー 63.6%、使用者が3で割る 13.6%、(3) 結果表示の文字サイズについて、大きくする 50%、今のまま 50%、(4) iPadの機種については、すべてのサイズで使いたい23.8%、大きいサイズでも使いたい 68.2%、9.7インチのみで良い4.5%であった。 【考察】誤読数の入力は30文字入力できるようにすることが重要であること、13インチの大画面のiPadを使いたいという意見が強いことがわかった一方で、画面表示の言語については英語のままでも構わないというユーザも多いことが分かった。これらの結果から実用化のための改訂は優先順位をつけて実施していくのが適切であると考えられる。 P-研-12 閾サイズの平仮名文字認知訓練が読み誤りに及ぼす効果 川嶋 英嗣(愛知淑徳大学)、光永 莉子(愛知淑徳大学) 【目的】文字が小さくなると,どのような文字であるか認識が難しくなり読み誤りが起こるため読書速度が低下する。我々はこれまで,閾サイズの文字を用いた知覚学習には読書視力を向上させ臨界文字サイズ未満での読書速度を上昇させる効果があることを報告してきた。本研究では閾サイズの平仮名文字認知訓練が文字の読み誤りに対してどのような効果があるのか検討することを目的とした。 【方法】矯正視力1.0以上の5名(平均年齢21歳)を対象とした。訓練前にMNREAD-Jkで実験参加者の読書視力を推定し,読書視力の0.8倍に相当する大きさを訓練文字サイズとして個々に設定した。訓練文字は平仮名文字66文字(清音46文字と濁音20文字)であり,ディスプレイ上に1文字ずつ呈示した。実験参加者は呈示された文字が何の文字であるか口頭で反応し,検査者から正誤のフィードバックを受けた。訓練は3日間行い,1日あたり無作為順で66文字を10回繰り返した。訓練日別に,誤答数を算出し,実験参加者の反応を呈示文字別に集計して刺激-反応混同行列を作成した。 【結果】誤答数は訓練日間で有意に減少した。混同行列に対して階層クラスター分析を実施し,デンドログラムから読み誤りやすい文字の組み合わせを抽出した。「せ」と「ぜ」のような濁点の有無は訓練1日目において読み誤りやすい組み合わせであったが,3日目で誤答は減少した。その一方で,「き」と「さ」,「ぎ」と「ざ」のように一画違いの組み合わせは3日目でも読み誤りが起こっていた。さらに,「ま」と「を」のように形態的に類似していないように見える文字同士でも読み誤りが起こり,訓練を3日行っても同じ読み誤りが認められた。 【考察】閾サイズの平仮名文字認知訓練では,読み誤りを減らすことができる文字の組み合わせと減らすことが困難な組み合わせの2種類に効果を分類できることが示唆された。 P-研-13 視覚障害者への点字情報端末訓練−点字学習中の者への指導を中心に− 矢部 健三(神奈川県総合リハビリテーションセンター七沢自立支援ホーム) 【目的】2017〜2018年度に点字情報端末(以下「端末」)訓練を実施した3事例を通して、望ましい機器設定や指導法について報告する。 【方法】事例1:50代女性、網膜色素変性症、視覚障害1級。導入前訓練で点字読みを39回、端末訓練は、19回実施。事例2:50代女性、網膜色素変性症、視覚障害2級。導入前訓練で点字読みを53回、端末訓練は、16回実施。事例3:20代男性、多発性硬化症(視神経脊髄炎)、視覚障害1級、他に体幹機能障害有。導入前訓練で点字読みを61回、端末訓練は3回実施。 【結果】事例1:読速度は18.29文字/分。ワープロでは、文章の聞き書きと校正、ファイル管理では、読み込み、ファイル名の変更、コピー・削除を習得。入力速度は、50音1回1分57秒。事例2:読速度は13.50文字/分。ワープロでは文章の聞き書きと校正、ファイル管理では読み込み、ファイル名の変更、削除を習得。入力速度は、50音1回7分7秒→2分15秒、童謡「うさぎとかめ」9分21秒→2分26秒。事例3:読速度は10.74文字/分。ワープロで文字入力を習得。入力速度は、50音1回2分39秒→2分29秒。 【考察】事例1と事例2では、端末の「基本文書」の設定が「テキスト」の場合、文章校正時にカーソル表示やスペース表示の理解に混乱がみられた。設定を「点字」に変更することで、いずれの事例も操作ミスが減少した。導入時には「点字」に設定し、点字ディスプレイの触察に慣れた段階で必要に応じて「テキスト」へ変更する方が望ましい。事例2と事例3では、文字入力のスピードビルディングとして童謡を歌いながらその歌詞を入力する反復入力訓練を実施した。事例3では四肢体幹機能障害の影響からか若干の伸びにとどまったが、事例2では入力速度に大幅な向上がみられた。視覚単一障害の者には反復入力訓練が有効と思われる。 P-研-14 超初心者向けタイピング訓練ソフト「オトタイプ3」の開発 大内 誠(東北福祉大学)、庄子 諒(東北福祉大学)、飛田 楽々子(東北福祉大学)、高平 千世(国立障害者リハビリテーションセンター) 【目的】今や視覚障害者にとってパソコンはなくてはならない重要なメディアになっているが、パソコンに初めて触れる視覚障害者にとって最大の難関は、キーボードの配列を理解し、タッチタイピングを習得しなければならないことである。その際、画面の情報を音声化するためのスクリーンリーダも必要になる。そこで、以前我々は、パソコンの超初心者を対象としたタイピング訓練ソフト「オトタイプ」を開発し、今も視覚支援学校等で活用していただいている。今回報告する「オトタイプ3」はWindows10に対応し、様々な改良を加えたものである。 【方法】オトタイプ3では、エージェント「オトちゃん」が、操作方法やキーボードから入力した文字を音声で説明してくれるためスクリーンリーダは不要である。また、超初心者がタイピングの基礎から応用までを習得するために必要なコースウエアを搭載している。コースウェアは、基礎練習(ホームポジションの段、上の段、下の段、数字の段など)、タイピング練習(基礎単語他、世界の国、県庁所在地、食べ物、経絡経穴など)、力試しテスト等から構成されている。本ソフトを用いて、パソコン初心者の晴眼者27名を対象に、10日間(1日15分程度)の訓練と訓練効果の評価実験を行った。 【結果】実験の結果、27名の内、オトタイプ3で訓練を行った群においてのみ、訓練前よりも訓練後のほうが力試しテスト終了までの時間が有意に短くなり本ソフトの訓練効果が示された。 【考察】本訓練ソフトは、パソコンの超初心者が初めてタイピングを学ぶために必要な機能を搭載しおり、スクリーンリーダを導入する前にタイピングをマスターすることができる。今回の評価実験では晴眼者を被験者としたので、全盲や弱視の方での評価実験を行う必要がある。また、10日程度の訓練ではなく長期に渡っての訓練効果を検証する必要がある。 P-研-15 視覚障害者への在職者訓練実施から見えてきたこと 北神 あきら(特定非営利活動法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク)、上田 喬子(視覚障害者パソコンアシストネットワーク)、高西 透江(視覚障害者パソコンアシストネットワーク)、堤 由起子(視覚障害者パソコンアシストネットワーク)、中川 文(視覚障害者パソコンアシストネットワーク)、松坂 治男(視覚障害者パソコンアシストネットワーク) 【目的】SPANが2013年から2018年まで43名に対して実施した在職者訓練の内容を分析し、職場や在職者が必要としているPCスキルを明らかにするとともに、在職者に対する職業訓練のあり方についての指針とすることを目的とする。 【方法】実施した訓練の内容(時間数、OS、アプリケーション、スクリーンリーダー、画面調整など)について集計し分析した。なお、SPANの在職者訓練は、内容・日程とも職場・在職者の希望するカリキュラムで実施している。 【結果】訓練時間数は40時間台が中心だった。OSはWindows7、Officeは2010での訓練が最も多く、その傾向は今も続いているが、新しいバージョンも増えている。また、対象アプリケーションは、当初はWord・Excelが中心だったが、最近はPowerPoint、インターネットの希望が増えているほか、Office365を希望するケースも出てきた。スクリーンリーダーは、JAWSのほか、最近はPC-Talkerでの訓練の希望が増えている。また、再受講者も4名いた。実施件数は、2017年10件、2018年11件と、この2年で全体の半数を占めた。 【考察】訓練件数増加の要因は、SPANの訓練が認知されてきたこともあるかもしれないが、就労する視覚障害者が増加傾向にあることのほか、職場や在職者自身がスキルアップの必要性を感じていることが大きいと思われる。 訓練内容も、Word・Excelの基本操作に留まらず、画像・グラフの操作、色の設定などのほか、さまざまなアプリケーションの習得と、多様化している。就労する視覚障害者の増加と業務の高度化に伴い、職業スキルの向上を図る場の確保が必要である。また、職場ごとに状況が異なるため、柔軟な訓練体制も必要だといえよう。しかし、在職者が訓練を受けられる場は限られており、公的な職業訓練実施の体制作りが急務だと考える。 P-研-16 視覚障がい者の駅ホームからの転落 −点字ブロックの近くに置かれた荷物の影響− 大倉 元宏(成蹊大学)、石川 充英(東京視覚障害者生活支援センター)、田内 雅規(岡山県立大学)、村上 琢磨(NPO法人しろがめ)、清水 美知子(モビリティ研究会) 【目的】転落の未然防止に資する目的で、ホーム縁端の点字ブロックの近くに置かれた荷物が影響したと思われる2事例について報告する。 【方法】被害者と当該駅に同行し、事故の概要を聴取するとともに、歩行軌跡等を実地検分した。 【結果】事例1:発生は2017年5月であった。被害者は女性(年齢非公開)で、視力は左手動弁、右0.03であった。歩行訓練は盲学校で受けていた。通勤時いつものホーム上の待機場所に向かうべく階段の側壁に沿って進んだ。側壁からホームの縁端までの幅は1.5mと非常に狭くなっていた。付近の乗客を避けるために、いつも左足でホーム縁端部の点字ブロックを踏むようにしていた。ところが、この日は、階段の側壁に沿って少し進んだところの点字ブロック上にひざ下ぐらいの高さの荷物が置かれており、その荷物に左足が躓いて転倒した。転倒後、身体が回転し、線路に落ちそうになったが、付近の乗客の助けで落下は免れた。白杖は常時接地法で操作していたが、その荷物の検知はできなかった。 事例2:発生は2015年12月であった。被害者は65歳の女性で、視力は左右とも0.01であった。歩行訓練はリハ施設で受けていた。被害者は降車後、同じホームの反対側に来る電車に乗り換えようとしていた。このとき白杖は左右に振らないで、前方に出して、周期的に路面を打つように操作していた。降車した側の内方線付き点字ブロックを伝っていると、それに近接して他の乗客の荷物があることを検知した。それを線路側に回避して3、4歩進んだところ、左足から転落した。線路側に避けたのは、点字ブロックの内側にはまだ出口に向かう降車客の流れがあったためであった。転落時,レールに肩を打ち、骨折した。 【考察】乗客においては縁端部の点字ブロックの近くに荷物を置くこと、視覚障がい者においては障害物を回避する際には点字ブロックの外側を歩くことは厳に控えるべきである。 P-研-17 視覚障害児用折りたたみ式白杖における操作性・利便性についての検討 吉岡 学(金沢大学)、清水 順市(東京家政大学) 【目的】本研究の目的は、我々が新しく開発した視覚障害児用折りたたみ式白杖について操作性・経済性の観点より評価することである。 【方法】本研究の方法は、新しく開発した視覚障害児用折りたたみ式白杖に対して歩行指導を担当している教員、視覚障害者に使用してもらい、その使用感・操作性・経済性について官能評価試験を実施した。また、振動伝達性については、スライド法による操作時のシャフトに伝わる振動を加速度計により測定し評価した。 【結果】折りたたみ式白杖は、直杖の補助杖として使用している視覚障害者は多い。その理由としてシャフトの接合部分に「ガタつき」があるため直杖と比べて使用感が劣ること、携帯性には優れているものの路面状況を読み取る性能は直杖より劣るということが一般的に言われているためである。しかし、新しく開発した視覚障害児用折りたたみ式白杖における使用感・操作性について官能評価試験を行った結果、使用感については直杖と新しく開発した視覚障害児用折りたたみ式杖では差異が見られなかった。一方、操作性については、シャフトの形式よりも石突とグリップの形状の組み合わせが最も影響することが明らかになった。また、視覚障害児は、身体の成長が著しく、白杖の長さがすぐに身体に適さなくなり買い替えの必要が出てくることが多い。それゆえ、折りたたみ式杖は経済性の面において適していないと考える盲学校の教師は多い。今回、新しく開発した視覚障害児用折りたたみ式白杖は、その課題を解決するためにシャフト部分が伸縮機能を有するものであり、これによって買い替えが不要になり経済性の面による課題が解決されることになった。 P-研-18 未就学視覚障碍児のための歩行訓練システムの実装 木村 照男(津山工業高等専門学校電子・情報システム工学専攻)、松島 由紀子(津山工業高等専門学校総合理工学科) 【目的】現在、小児失明疾患者は推定140万人に対して、視能訓練士は約12000人と、人数が不足している。そこで、本研究グループでは幼児など歩行に不慣れな障碍者の、歩行に対する恐怖心や抵抗感を減らし、安心した歩行を支援する装置の開発を行う。 【方法】 本システムは大きく、3D距離センサ部・超音波センサ部・出力部の3つに区分して開発を進める。3D距離センサ部と超音波センサ部で障害物の位置や大きさを検知し、出力部で検知した障害物の情報を視覚障碍児に伝達する。本研究では主に、障害物の存在を視覚障碍者に伝達するための音出力を担当する。出力部では、超音波センサ部の出力から障害物との距離を計算し、これに距離センサの出力を併せて、出力する音声またはビープ音を選択し、スピーカーから出力する。実際の障害物との距離と出力する音が正確に対応しているかを確認した。実験方法として、障害物との距離30cmごとに超音波センサを用いて距離を計測し、距離に応じた警告音を出力する。 【結果】実験結果は、障害物との距離が270cmのときに、不適切な警告音が出力されたが、距離計算プログラムにおいて、正確な気温を設定することで、正確に距離が計測され、適切な警告音が出力された。また、視覚障碍児にビープ音を聞いてもらい、どの周波数帯域の音が聞き取りやすいか調査した結果、300Hz付近と700Hz付近の音が聞き取りやすく、500Hz付近の音が聞き取りにくいことがわかった。 【考察】 超音波センサ、赤外線センサを用いた距離計算プログラムを作成したが、現段階では超音波センサ部の温度センサが未実装であるため、温度による出力の変化が大きく、実用性に足るには至っていない。今後は、超音波センサ部の距離計算プログラムに対して、温度センサによる補正を行う。また、視覚障碍児に対して、具体的な警告をするように改善する。 P-研-19 視覚障害者の歩行における反響定位の利用に関する研究 大谷 唯(広島大学教育学部)、森 まゆ(広島大学)、牟田口 辰巳(元広島大学) 【目的】視覚障害者が実生活の歩行において,どのように反響定位を利用しているのか,また反響定位を利用することでどのような利点があるのかについて経験的データを収集し,歩行訓練のカリキュラムに取り入れることに資する知見を得ることを目的とした。 【方法】縁故法により協力を依頼し、アンケート調査の対象者が18名,そのうち13名に追加でインタビューの調査を実施した。アンケート調査を電子メールにて実施し、インタビュー調査は,追加協力の意志が得られた対象者から順次,希望の日程に合わせて対面式または電話にて実施した。 【結果】「あまり意識していないがおそらくよく利用しているだろう。」と述べた対象者も含め,多くの対象者が日常生活や外出時の歩行において反響定位を利用しているという結果になった。しかし、すべての対象者が,利用の仕方を歩行訓練で教わったことはなく,経験や体験の中から独学で身につけたということであった。対象者からは歩行における反響定位の有効性として,慣れていない場所や初めての場所での歩行においての利用,道をまっすぐ歩くための利用,および曲がり角の発見のための利用の3つが挙げられた。 【考察】海外における先行研究と同様に,反響定位の利用の仕方が歩行訓練に取り入れられていない可能性があることが示唆されたが,それ以前に本研究においては,反響定位がどういったものなのかを知らない視覚障害者が多かった。経験や体験から独自に身につけた方法で反響定位を利用するよりも,反響定位が聴覚による手掛かりを利用していることを前提に,どのような環境で利用できるのかなどを知識として理解する必要があると考えられる。また、実生活における利点に基づいた歩行訓練を実践的に取り入れるために,実際の生活環境下における視覚障害者の反響定位の利用実態を,より多く調査する必要があると考えられる。 P-研-20 高齢化した保護者の入院をきっかけに社会資源と繋がった先天性視覚障害者の1例 橋本 伸子(しらお眼科) 【目的】視機能低下はなく環境の変化がきっかけでロービジョンケアに繋がった1例として報告する。 【症例】 40代、女性。9歳より盲学校入学。スタージ・ウェーバー症候群による視力障害で全盲。兄弟はなく両親との3人暮らし。就労なし。 【方法】通院時に付き添いの母親の疲れた表情に気が付き声掛けを行い、父親が入院した事を知った。そこでの両親の高齢化に伴い家族の負担軽減のためと今後の通院手段を確保のために同行支援の制度利用について勧め説明した。そして利用をするための地域の窓口の電話番号と手続きの流れについても伝えた。途中、何度か手続きの流れで不明があれば電話で対応し、窓口との連携を行った。 【結果】同行支援の利用と家事支援の利用に繋がった。対象からは、「自分が外出する際は常に両親の時間を使ってしまうのでずっと心苦しく感じていた。これからは、通院に時間を取られない分好きなことをして欲しい」と保護者からは「心配や寂しさもあるが、通院が確保できた安心感とその時間に本を読めるようになった」と喜ばれた。また家事援助を受けたことで、これまでは、自分から話すことが少なかった対象が通院のたびに最近作ったお料理の話をするようになった。 【考察】これまで外来におけるロービジョンケアでは、視力低下に伴う様々な訴えが介入のきっかけになっていることが多い。そのため、先天性の疾患で視機能低下を伴わない全盲者へのケアが抜け落ちてしまう可能性があると改めて感じた。特に当事者団体への所属や社会参加もしていないようなケースは気をつけなくてはならない。日頃から外来での会話で生活環境をさりげなく掴んでおくことが必要である。また、保護者の高齢化に伴う負担軽減と本人の自立支援といった包括的ケアもロービジョンケアには欠かせないものである。 P-研-21 19歳から墨字の学習を導入した視覚障害と高次脳機能障害を併せ持つSさんの学習効果 小林 章(社会福祉法人日本点字図書館 自立支援室)、清野 華子(社会福祉法人日本点字図書館 自立支援室) 【目的】6歳の時の転落事故で視覚障害および高次脳機能障害を持ち、19歳まで点字と音声による学習をしてきたSさんが、歩行訓練を主な目的に機能訓練の利用を開始した。初期評価及び初期訓練の過程で墨字学習の可能性が感じられため、文字等の学習訓練を提案し行うことになった。本研究では約8か月の取り組みの成果と今後の展望について報告することを目的とする。 【方法】ランドルト環の切れ目は弁別できないため、視力はジャンケンの手の形状弁別してもらい推測した。両眼ともに6mまで弁別が可能だった。学習用教材のフォントはHGS教科書体を使用し、大きさは本人が読みやすいと感じた150ポイントを採用した。また文字色は本人が読みやすいと申告した緑色とした。学習用教材としてひらがな1文字カードを作り、カードの裏には文字のヒントになる写真を張り付けた。カードとは別に書きの練習用にA4紙の左端にひらがな1文字ずつ、縦に3文字ずつ印刷した教材を作成した。訓練は最初に教材のひらがなを指でなぞってもらってから緑の水性ペンで模写してもらった。指でうまくなぞれない場合、書くことがうまくできない場合は訓練士が手を添えて正しい書き方を示した。学習に使用した時間は毎週土曜日の午後、約1時間であった。 【結果】 ひらがなは1回3文字ずつ新たなものを学習した。ヒントに使用した写真は認識できなかった。平成30年7月から開始して31年1月までに14回の訓練で46文字を学習した。11月頃までは記憶定着が悪かったが、12月から1月にかけて記憶定着が進んだように思われた。書きの学習では発砲紙による立体コピーの触察が効果的だった。2月時点で文章の読みよりも任意の文章の書きの方が確実にできるようになった。 【考察】19歳からでも視覚による文字学習の可能性が示された。今後のカタカナ、漢字学習への展望が開けた。 P-研-22 新しい視覚障害認定基準でゴールドマン視野計と自動視野計による予想等級が異なる症例 澤崎 弘美(いけがみ眼科整形外科 眼科)、加茂 純子(甲府共立病院 眼科)、梶本 美智子(かじもと眼科) 【目的】2018年7月に視覚障害認定基準が法律を大きく変えない形で改訂された。改訂では従来のゴールドマン視野計(GP)による認定基準に中心暗点への対応が加えられるなどの改善があったほか、あらたに自動視野計での認定基準が設けられた。GPと自動視野計で周辺視野の取り扱いが異なるため両者で予想等級に違いが出る症例を経験したので報告する。 【方法】症例は37歳男性、錐体ジストロフィーの診断で両眼の中心暗点がある。GPと自動視野計で視野検査を行い、それぞれ視覚障害認定基準に基づいて予想される等級を出した。さらに予測のFunctional Vision Sore(FVS)を算出しそれらを比較検討した。 【結果】視力Vd=(0.06p) Vs=(0.06p)、よって視力障害3級。GPではT/4e視標にて中心10度内に視野がないため視野障害2級、視力と併せ1級。自動視野計では両眼開放Esterman77/120で視野障害5級、視力と併せ3級となった。この症例の予測Functional Vision Sore(FVS)を算出したところスコアは28となった。 【考察】両眼の中心暗点を有する症例でGPと自動視野計のそれぞれ予想される障害等級が異なった。GPでは中心暗点に対応できるが自動視野計ではEstermanに中心7度内の刺激点が無いため中心暗点に対応できない。両眼の中心暗点を有する症例は自動視野計だけでなくGPの結果も確認した上でより患者の利益になる方で申請することが望ましい。FVSは患者の日常生活動作(ADL)に相関したスコアであることが知られる。本症例のFVSは28すなわち「極度の視覚喪失」となり「盲」まではいかないので、身体障害1級は評価しすぎの可能性がある。検査方法によって予想等級が異なるのも混乱を招きかねない。日本の視覚障害認定が複雑な手順で行われるのに対し、FVSのGPV/4e視標だけを用いる視機能評価は簡便かつ明快に患者のADLに即した判定が可能で国際的な統計にも適したものである。 P-研-23 病院、介護施設でリハビリ・介護を受ける患者の視機能スクリーニングに要する時間 加茂 純子(甲府共立病院)、原田 亮(甲府共立病院 眼科)、山田 洋二(甲府共立病院リハ室)、萩原 妃里子(甲府共立病院リハ室)、藤田 大輔(健康科学大学) 【目的】高齢化に伴い視機能が落ちる率も増加する。入院中介護施設で理学療法士等がリハビリするまたは、ケアマネや介護士が介護する患者の中にも視覚障害者が存在する可能性がある。理学療法士がColenbranderの1mの視力表と対座法視野でロービジョンが疑われる患者を調べる。 【対象と方法】2018年から2019年の間に甲府共立病院、通所介護施設において文書による同意を得てColenbranderの1mの視力表、および対座による視野検査でロービジョンが疑われる患者の率を知る。 【結果】12名(男性4、女性8)平均年齢82±6.3歳 自立から要介護4まで、Functional Acuity Score 69-100、対座法で視野欠損認めたもの3名、ロービジョンの範疇に入る可能性のあるものが12名中4名であった。 視力視野両者合わせての測定時間264±53秒 【考察】理学療法士、作業療法士が病棟や介護施設においてケアする前に1mの視力表と対座法を用いれば、4−5分でロービジョンがないかどうかを知ることができる。リハビリプラン、ケアプランに反映できる可能性が示された。ロービジョンが疑われる患者は今後眼科に紹介し、治療対象にならないか勧める必要も示唆された。 P-研-24 リアルなつながりが生む良質な情報交流と共助 ―情報交流会sq. の1年− 木村 仁美(世田谷区立保健センター) 【目的】地域における見えない・見えにくい方々(以下、当事者)の連携を拡大・強化するとともに、当事者個人の潜在能力を引き出すために試行してきた集団的アプローチの1年間を振り返る。 【方法】交流会参加者への聞き取り、および実施内容、人数、参加者の居住地や他団体とのつながりをチャートにし、交流会参加前後の参加者およびつながり方の変化を考察する。 【結果】交流会で当事者同士が出会ったことで、参加以前より各自つながっていた別のネットワークもつながりあった。より大きな当事者のネットワークが形成されたことがわかる。その反面、多くの地域で壮年層のネットワークが非常に乏しい(もしくは存在しない)ことも明らかになった。インターネット(以下、ネット)を利用する当事者は少なくないが、ネット上で欲しい情報を得られずに、交流会に救いを求めてきた者もいた。また、当事者同士のつながりだけでなく、支援者、企業関係者の参加により、情報交流は多岐に広がった。 【考察】見えない・見えにくいという共通の立場でありながらも、各々の背景は多様である。お互いを知ることによる孤立感の解消や共感だけでなく、個々の違いを知ることで、自分らしさを取り戻すこともできた。また、他者に情報を提供する、自身の特性を活かして他者に支援するなど、自分の存在を他者に認められたことで自信を回復した。このようなつながりから共助の精神も自然と芽生え、各地域での活動にも反映されつつある。ネット上の情報交換・情報収集は手軽だが、一部のユーザーに限られる。閲覧のみという者も多く、一方通行になりがちである。信頼性の見極めも容易ではない。一方、リアルなつながりから得られる情報は双方向性があり、信頼性も高い。移動の不便を除けば、誰もが自由に参加できるリアルな情報交流は、当事者にとって良質な情報収集手段と言える。 P-研-25 成人の盲知的障害者の点字習得を目指した指導に関する研究 志水 聡(広島大学教育学部特別支援教育教員養成コース)、森 まゆ(広島大学) 【目的】視覚障害と知的障害を併せ有する盲知的障害者の点字指導の実践例は,成人を対象とした場合ほとんどない。そこで本研究では成人の点字未習得の盲知的障害者1名を対象に点字習得を目指した指導を行い,成人の盲知的障害者の点字学習に関する知見を得る事を本研究の目的とした。 【方法】成人の点字未習得者1名を対象に点字の基礎学習並びに点字に関する指導を1年間継続して実践した。また家族など周囲の人たちのインタビューや観察を行った。それらの経過を記録し,学習の成果や学習者の生活への影響などを分析した。 【結果】点字の基礎学習により学習者の点字触読の基礎的な力を高めることができ,点の数が少なく読み取りやすい文字や学習者の親和性の高い文字であれば読み取れる頻度が高くなった。また余暇活動の一つとして自宅での学習活動に取り組むようになったことで生活の楽しみを増やすことができた事や,学習者が通う就労支援B型作業所での作業効率が上がった事や,家庭内でも点字を身近に感じさせるための工夫をしようといった周囲の環境変化など,学習面以外の影響も見ることができた。 【考察】盲知的障害者への学習指導の場合,学習を通して学習者に新たな楽しみを実感させることが重要であると考える。また学習の過程でできるようになった事を生活にどう活かすのかといった長期的な指導を行っていくことが重要であると考える。完全な習得は難しくても,読める文字を増やしたり,生活の中で使う点字を増やすことは可能であり,習得を目指す過程で,手指運動の発達や言葉の理解や表現力の発達を促すことができたと考える。そして点字学習という活動を通して生活の充実に発展することができるという事からも成人の盲知的障害者の点字学習の意義があると考える。 P-研-26 臨床実習前施術実技試験における医療面接ステーションの実践 伊藤 和之(国立障害者リハビリテーションセンター)、小笠原 ひろみ(国立障害者リハビリテーションセンター)、藤原 太樹(国立障害者リハビリテーションセンター)、飯塚 尚人(国立障害者リハビリテーションセンター)、舘田 美保(国立障害者リハビリテーションセンター) 【目的】あん摩マツサージ指圧師、はり師及びきゆう師に係る学校養成施設認定規則改正(2017年4月1日施行)により、「臨床実習前施術実技試験等」がカリキュラム上必修となった。当センターでは「臨床実習前試験(以下、前試験とする)」と称し、2018年度に実施した。前試験では、医療面接ステーション(ST)を設け、基本的臨床技能修得を確認し、事後の教育上の資料を得ることを目的とした。 【方法】前試験は後期期末試験に位置づけ、客観的臨床能力試験(OSCE)の形式で実施した。構成は6ST(医療面接、身体診察、技術評価4種)、1STは移動時間を含め20分。医療面接STの評価尺度は4件法、評価基準、38評価項目(視認37項目、感覚1項目)及び評価票を策定した。得点は1項目3点(max=114点)。教官4名で課題と模擬患者造型(症例シナリオ)を作成。2名が模擬患者と感覚評価、2名が視認評価と時間管理を担当。受験者は理療教育専門課程2年生10名及び高等課程2年生1名。実施日は2019年1月9〜11日。 【結果】評価結果は、専門課程10名が平均76.4点±18.8点、高等課程1名は90点であった。項目毎の特徴として、患者への挨拶、主訴が平均3.0点、現病歴各項目が概ね2点台だが、部位の触察時の声かけが1.8点、手の当て方が1.5点、医療機関受診行動4項目が1点未満、受容・共感の表現が1.6点であった。視認評価者間の一致率は99.3%であった。 【考察】前試験の結果、「主訴及び現病歴の聴取」は一定の教育効果が保証されたものの、「患者との信頼関係の構築」については教育上の課題が顕現した。医療面接ST作りには実質3ヶ月を要したが、模擬患者の役作りと評価の一致率を高める演習を通して、上記の信頼に足る結果を得た。臨床における患者とのコミュニケーション力を磨き、就労に繋ぐことが3年次臨床実習の目標となる。 P-研-27 ウフィッツィ美術館における視覚障害者対応の改革 大内 進(手と目でみる教材ライブラリー 国立特別支援教育総合研究所)、茂木 一司(群馬大学) 【目的】ウフィッツィ美術館における視覚障害者の鑑賞に関する改革の取組状況を把握する。 【方法】アクセシビリティ担当部門の学芸員4名への聞き取り調査及び資料取集を行った。調査期間は2018年9月9日〜10日。 【結果】当美術館はメディチ家のコレクションを収蔵する美術館で、展示物は2,500点、年館見学者は220万人程である。以下のことが明らかになった。 (1)受付 視覚障害者対応の窓口が設けられ、担当者が案内するなどの対応を受けることができる。 触覚による鑑賞:視覚障害者が触って鑑賞できる彫刻作品30点が選定されていた。作品には点字と音声の解説が付与されていた。特別な作品以外の全彫刻作品も触ることが可能となっていた。 (2)館内案内板 入口には点字および凸図、音声による館内案内板が設置されていた。ITを活用したさらにわかりやすいマルチメディア解説板を作成中であった。 絵画作品への配慮:ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」の作品横に、手で触って鑑賞できる半立体的に翻案した「触る絵」が展示されていた。 【考察】イタリアの国立美術館は旧態依然とした運営システムと予算不足に陥っていたが、文化省主導の改革が進み、ウフィツィ美術館の館長には、ドイツ人のアイク・シュミッツ氏が就任した。新館長は、障害者対応についても積極的に取り組んだ。その結果として、視覚障害者への対応も一気に進展したといえる。障害者の権利条約に対応して館長直轄のアクセシビリティ部門も誕生しており、障害者だけでなくアルツハイマー等も含めて潜在的な観客であると位置づけ、積極的な受け入れに力を入れる方向に進んでおり、そのスピードの速さに衝撃を受けた。わが国の緩やかな動きとは対照的であった。 P-研-28 視覚障害者用歩行訓練装置のための障害物検知システムの構築 太田 達也(津山工業高等専門学校)、趙 菲菲(津山工業高等専門学校)、薮木 登(津山工業高等専門学校)、松島 由紀子(津山工業高等専門学校)、木村 照男(津山工業高等専門学校) 【目的】  本研究では、小児を含む視覚障害者に対し、移動することの楽しさと空間的問題解決の楽しさを体験できるようにし、自立移動に伴う様々な発見や経験をもたせるため、歩行訓練における新規支援システムを構築することを目的とする。 【方法】  視覚支援システムの研究開発では「3次元カメラを用いた物体検知」「センサユニット による距離測定」「装置から使用者への伝達システム」の3つの要素によって構成される。本発表では2つ目の要素である選定した各センサ及びマイクロコンピュータを用いてシステムの開発に重点を置いた。本発表で製作したシステムは電源が入ると各センサが測定を行い、超音波センサ、赤外線センサのどちらかのセンサもしくは両方のセンサにおいて設定した範囲内に障害物があると、LEDの点滅とスピーカーの発音によって警告を行うというシステムである。  測定精度と測定特性の実験ではコンクリート壁、アクリル板、布の3種類の障害物を用いて実験を行った。アクリル板の採用理由は、それぞれのセンサにおいて透明な対象物が検知可能か調べるためであり、布の採用理由は、それぞれのセンサにおいて柔らかい対象物を検知可能か調べるためである。 【結果】  温度センサによる補正がない場合の超音波センサの測定値、温度センサによって超音波センサの測定値を補正した値を比べると最終的に0.98cm、真値に近づくよう補正が可能になり、さらに温度センサの標準偏差を補正無しの時に比べ、10%に抑えることに成功した。 【考察】  実験より、全ての障害物を検知するためには超音波センサと赤外線センサの併用が必要であることが分かった。測定値については、赤外線センサにおいて設定距離との誤差が若干みられるが、この誤差はプログラム上で補正することが可能である。 P-活-1 当事者団体主催の手引き・白杖勉強会の実践報告 小倉 芳枝(東京ヘレン・ケラー協会点字図書館)、岡崎 あずさ ※崎の右上は立(日本盲人職能開発センター)、吉本 浩二(個人)、大川 和彦(東京都盲人福祉協会青年部) 【はじめに】歩行訓練を受けていない視覚障害者が手引きの受け方や白杖の基本的な扱い方について知る機会は極めて少ない。そのため自己流の方法で手引き歩行をしていたり、白杖を持て余したりしている例も多々みられる。当事者団体が主催する勉強会を当事者と歩行訓練士が協力して開催したことで、より有意義なものにすることができたので報告する。 【勉強会について】1回目:平成29年3月30日 「同行援護に関する勉強会」(参加者8名) 手引きの受け方、同行援護の利用について 2回目:平成30年1月6日 「手引き歩行の歩行技術を考える青年社会教室」(参加者 当事者と家族等のペア参加 6組12名) 手引きの仕方と受け方、家族等を対象にした視覚障害体験 3回目:平成31年3月に予定 ※3回とも講師は3名(当事者1名、歩行訓練士2名)で実施。 【結果】具体的な質問が多く挙がり、活発な意見交換が行われて関心の高さが伺われた。手引きの方法や同行援護の利用について、よく分からずに困っていたことを知ることができたとの感想が多く聞かれた。また、家族等が障害体験を通して改めて視覚障害による困りごとについて考える機会を持ったことで、参加後に外出時の手引きや日常での接し方に変化があったとの報告が得られた。 【まとめ】勉強会では次のような効果を得ることができたと考えられる。@視覚障害者は手引きの受け方、同行援護の利用の仕方、白杖の基本的な扱い方等の情報を得ることができ、移動の安全性向上に繋がる。A家族等は支援方法を知り、障害の理解を図ることができ、日常的な相互のストレス軽減のきっかけになる。B当事者がファシリテーターを務めることで和やかながら踏み込んだ情報交換の場となり、歩行訓練士が演習を担当することで確実な動作支援や個々に適した方法の提案を行うことができる。従って、双方の立場から協力して開催することは大いに意義があったと言える。 P-活-2 鹿児島心の健康講座 実践報告Vol.7 良久 万里子(鹿児島県視聴覚障害者情報センター)、田中 桂子(神戸市立神戸アイセンター病院、橋村メンタルクリニック) 【はじめに】「鹿児島心の健康講座」は、視覚リハ担当者と心理カウンセラーが協働し、視覚障害者およびその家族、支援者を対象として、彼らのメンタルヘルス維持を目的とし、平成24年度から実施している。回を重ねる度に他分野の専門職との連携・協働による講座も実施できるようになってきた。ここではVol.6以降の実施分を報告する。 【内容】 1. 視覚障害者・家族を含む総合的支援 医療機関に繋いだり、視覚障害者対象の講座への参加を促したりしつつ、継続して支援している。 2. 視覚障害者・家族対象の講座の実施 「心の健康講座 ストレスとの向き合い方」ストレスと上手に向き合いつつ、日常生活の改善ができるようになることを目指した。 3. 他分野の専門職との連携・協働による、視覚障害者対象の講座の実施 「チャレンジド・ヨガ教室」視覚障害を理由にあきらめていたことにチャレンジすることで、日常生活の中に潤いを見いだし、自分自身で心と身体のケアができるようになることを目指した。「住環境と健康セミナー」建築の専門家より、身体と心に優しい家造りの基本、家具選び、業者との関わり方を学ことにより、非日常のことにも自信をもって対処できるようになることを目指した。 4. 支援者対象の講座の実施 盲ろう者通訳・介助員養成講習会(出張講座・鹿屋市)において、「身体と心の健康講座」 5回シリーズを鹿児島の鍼灸マッサージ師と鹿児島の心理カウンセラーが担当した。支援者が自分自身で心と体の健康を守れるようになることを目指している。 【今後の展望】視覚障害者が自分たちの生活を豊かにするアイディアやスキルを身につけられるように、精神医学の専門家による講座、10〜20歳代の視覚障害者の交流会、また、視覚障害当事者の家族を対象とする講座を企画する。 P-活-3 「見えない人・見えにくい人のためのワンポイント講座」1年間の取り組み 丹野 由加里(仙台市視覚障害者支援センター アイサポート仙台)、阿部 直子(仙台市視覚障害者支援センター アイサポート仙台)、善積 有子(仙台市視覚障害者支援センター アイサポート仙台) 【目的】仙台市視覚障害者支援センターアイサポート仙台(以下、当センター)での「見えない人・見えにくい人のためのワンポイント講座」1年間の取り組みについて紹介する。 【活動の概要】(1)講座の目的 当センターでは、毎月1回当事者同士の交流会を行っている。しかし、機器紹介や調理などの体験実習では、人数が多いため参加者一人ひとりに十分な体験の時間がとれずに終わることが多かった。その反省から、2018年から少人数でじっくり体験してもらうことを目的とし、機器の操作体験や、代償感覚の活用を身につける講習会を行うワンポイント講座を開催した。(2)講座の内容 2018年4月より、1カ月に1回の頻度で開催した(2019年2月時点で通算10回)。各回の定員を4名と少人数に設定し、毎回2〜6名が参加した。 実施形態:前半は説明、後半は一人ひとり体験を行っている。開催テーマの例:機器の操作体験として、「音声版拡大読書器」「プレクストーク」「AI視覚支援装置」などを、代償感覚の活用方法としては、「お金の識別」「電子レンジでの素麺作り」などを取り上げた。 【成果と課題】当講座は、定員を少人数に設定することで、交流会での実施経験と比較すると一人ひとりに十分時間をかけることができ、さらにスタッフも参加者に対し行き届いた対応ができた。結果、当初の目的を達成することができ、その機器や技術が自分に必要かどうかを本人が見極めるいい機会にもなった。また、スタッフも一人ひとりの状況を改めて確認することができた。一方、参加者自身が、参加して得た知識や情報を今後うまく生かしていくことができるのか、その後さらに抱える課題はないのかなど、一人ひとり確認し検討していくことが本来必要であったと考える。今後はアンケートや聞き取りを実施し、必要に応じて個別の支援も行い、当講座を充実させていきたい。 P-活-4 講習会「会食チャレンジ」の取り組み―気兼ねなく人前で食べるために― 内田 まり子(神奈川県ライトセンター)、青山 しのぶ(神奈川県ライトセンター)、村松 里恵(神奈川県ライトセンター)、中川 淳(神奈川県ライトセンター) 【はじめに】神奈川県ライトセンター(以下、当センター)は、県内の視覚障害者を対象に総合的なサービスを提供する施設として神奈川県が設置し、日本赤十字社神奈川県支部が指定管理者として運営している。情報提供・指導訓練・スポーツ振興・ボランティア育成・普及啓発が主な事業である。指導訓練事業において、技術講習会として開催した「会食チャレンジ」について、取り組みの概要と状況を報告する。 【取り組みについて】  技術講習会は、日常生活における諸技術の獲得を目指して開催している。「会食チャレンジ」では、会食が苦手だと感じている視覚障害者を対象に、毎回テーマを決め、意見交換をしながら食べ方を練習する。自信を持つことができず、選択の幅を狭めていたメニューについて、外食でチャレンジするきっかけになることを目的としている。 講師は当センター職員が務め、参加者1人に職員1人が付き、状況をフィードバックし、より良くするためにどんな方法が合っているかを試行錯誤しながら探していった。また、他の参加者がどのような工夫をしたのかを話し合う場も設定した。やりやすい方法は個人によって異なったが、共通しているポイントも見られた。また、参加者同士が意見交換する時間では、技術的なことばかりでなく、気持ちの部分での話題も出て、「こんなことが気になる」「自分は気にしすぎないようにしている」など話し合われた。 【取り組みから見えてきたこと】食べ方について、1回の講習会ですべての課題が解決するわけではない。しかし、「今まで避けていたが、今度挑戦してみようと思う」などの感想から、きっかけになった様子がうかがえた。 【今後について】現段階では、チャレンジのその後に踏み込んだ内容での実施はできていないが、今後はリピーター向けなど企画していきたいと考えている。 P-活-5 訓練ではないチャレンジド・ヨガだから出来ること 古きものから新しい価値を見出す 高平 千世(一般社団法人 チャレンジド・ヨガ〜視覚障がいの方のヨガ〜)、澤崎 弘美(いけがみ眼科整形外科)、城谷 直人(NPO法人江戸川区視覚障害者福祉協会)、佐藤 友見(一般社団法人チャレンジド・ヨガ理事 神奈川チームリーダー) 【目的】2013年活動開始。継続的に身体を動かす機会、人と社会と繋がるコミュニティ創出を目指し、現在全国16カ所で継続活動中である。実践現場の課題から、時代・ニーズに合ったチャレンジド・ヨガだからこそ出来る事を考察する。 【対象者と方法】参加者、サポーター、専門職を対象に、実績調査、アンケートによる変化・ニーズ調査を行う。 【結果】高齢視覚障害者の参加増加が顕著である。今後も加齢による重複障害、疾病、不定愁訴を抱える参加者の増加が予想される。参加者はヨガを通じ主観的健康観、幸福感を感じ、生活満足感に良い影響がある事が見てとれた。また、サポーターは視覚障害の理解や対等な関係性が深まり、学習意欲に繋がること、専門職からは、活動性や目標値の低い当事者が気軽に参加できる社会資源の一つとしてヨガが有効である事、ヨガをきっかけとし次の段階へ移行する相乗効果も示唆された。 【まとめ・考察】住み慣れた場所で健康維持、社会参加の場、誰もが参加可能な社会資源の一つとして、訓練ではないヨガだからこそ生活圏にある事の存在価値、役割は大きいと考えられる。未開拓地域へのアウトリーチ「意図的種まき」の必要性を感じている。重要なのは可能な限りハードルを低くしながらも戦略的、意図的、専門的介入を用い、数の種まきではなく、必要な場所に質の高い種まきを実践する、計画的なコミュニティ創出である。その為には眼科医、社会福祉士、ヨガ指導員等が学習意欲に働きかけ研修部として、正しいヨガの知識・理解を視覚専門職へ、正しい視覚障害の知識・理解をサポーターへ伝える事が、今、チャレンジド・ヨガだから出来る事であり、活動理念の1つ共生社会を目指す事に繋がると考える。4つのヨガの智慧、心の幸せ(シャンティ)、繋がり(ユジュ)、楽しむ心(アルプーダ)を大切にし、自立した仲間同士が互いに成長し合える場(クラ)を創出し続けたい。 P-活-6 高齢視覚障害者リハビリテーション事例研究分科会活動報告(第2報):第1回勉強会の開催 阿部 直子(視覚障害リハビリテーション協会 高齢視覚障害者リハビリテーション事例研究分科会、仙台市視覚障害者支援センター アイサポート仙台)、吉野 由美子(視覚障害リハビリテーション協会 高齢視覚障害者リハビリテーション事例研究分科会)、古橋 友則(視覚障害リハビリテーション協会 高齢視覚障害者リハビリテーション事例研究分科会、NPO法人六星 ウイズ蜆塚)、良久 万里子(視覚障害リハビリテーション協会 高齢視覚障害者リハビリテーション事例研究分科会、鹿児島県視聴覚障害者情報センター) 【緒言】本分科会の設置目的や参加者構成等については2018年大会で報告した。その後、第1回勉強会を開催し、高齢視覚障害者ならではの支援ニーズについて一定の仮説を導き出す検討をおこなったので報告する。 【第1回勉強会開催までの経過】分科会参加者での交流方法としてまずはメーリングリストを設けたが、参加者からの情報発信ややりとりは殆どなかった。その要因として参加者の職種が眼科医・歩行訓練士・教員など多様であり、さらに地域的にも北海道から鹿児島まで全国に散在していることが考えられた。 【第1回勉強会の開催概要】上述の経過を踏まえて、当初の計画にあった集合研修を企画実施した。具体的には参加者からの事例報告や課題意識の共有とそれに基づいた意見交換に多くの時間を取る勉強会を2019年2月9〜10日に宮城県仙台市で開催した。分科会参加者27名(世話人4名を含む)のうち10名が参加した。中途視覚障害者の地域リハビリテーションの体制構築に行政職員として携わった経験も持つ保健師(現在は地域包括支援センター勤務)による「高齢者支援の現状から、視覚障害リハビリテーションとのより良い結びつきを目指して」と題した講演の後、全員が「高齢視覚障害者ならではの支援ニーズ 現状から見える課題」を共通のテーマに話題提供し、それに基づく討論をおこなった。そして最後に、11題のプレゼンや討論で出た「高齢視覚障害者ならではの支援課題」を、KJ法を用いて分析した。 【第1回勉強会の成果】高齢視覚障害者ならではの支援課題として、「医療領域における対応不足」「高齢者福祉・介護関連職にみられる情報不足」「本人・家族・社会全体の情報不足」「視覚リハ従事者の知識不足」「加齢に伴う心身機能の変化を総合的に捉えた歩行訓練の提供力不足」「連携・協力」「いきがい支援によるQOLの向上や認知症の予防」のカテゴリーが生成された。これらは地域の違いを超えて共通の課題であることも示唆された。 P-活-7 メルマガ色鉛筆における多様性の追及〜シリーズ企画の実践〜 石川 佳子(公益社団法人 京都府視覚障害者協会)、小寺 洋一(京都府視覚障害者協会) 【はじめに】京都府視覚障害者協会では、見えない・見えにくい状況にありながら、人や情報とつながりがない「まだ見ぬ仲間」へ、「あなたは一人ぼっちじゃない」と声をかけるために、メールマガジン「色鉛筆」を全国へ無料配信している。七転八倒の今を生きるライターが語るレポートは、見えない・見えにくいならではのリアルな日常であり、当事者の読者へQOL向上のヒントを提供し、地域や立場を越えて視覚障害の理解につながる啓発を担うものである。2019年2月現在の読者登録数は1,420件、2013年創刊時の約7倍となった。その他、全国のネットワークのメーリングリストなどで転載されている。 【目的】読者の増加に伴い、より一層レポートの多彩さが求められている。当メルマガのコンセプトはそのままにレポートのさらなる多様性を追求していく。 【方法】ライターの拡充。記述式アンケートや対談、共通キーワードによるレポート作成。連続配信、シリーズ配信など一つのテーマを掘り下げた企画。 【結果】創刊時は24名だったライターは2019年2月現在85名に拡充。20〜70代、先天、中途、全盲、弱視、手帳の有無、盲導犬ユーザーなど多様な生活環境を持つライターがレポートを作成。一つのテーマで複数のライターが語る企画の導入により配信回数は月2回から3回に増加。失敗談、弱視、外出、鉄道、映画、アイホン、私のお気に入りなどの企画を複数回にわたり配信。読者コメント:「自分のやり方だけでなく他の工夫があることがわかり今後トライしてみたい」、「自分は中途だが先天の方の体験から学んだ」 【考察】ライターの拡充から体験レポートはより多彩になった。また、多様な生活環境、視覚状況のライターが一つのテーマに対して複数名にて語ることで、いろいろな工夫や思いが共有できる。レポートの多様性を追求することは、QOL向上につながるヒントの幅を拡げると言える。 P-活-8 「見えない・見えにくい人のためのメイクレッスンヒント集」の作成 道面 由利香(横浜訓盲院生活訓練センター)、小倉 芳枝(東京ヘレン・ケラー協会点字図書館)、加藤 陽子(荒川たんぽぽセンター)、内記 郁(神奈川県総合リハビリテーションセンター七沢自立支援ホーム)、藤井 絢子(社会福祉法人すみなす会金沢地域活動ホームりんごの森) 【背景】見えなくなったり、見えにくくなったりすると多くの人はお化粧をすることに消極的になってしまう。「ファンデーションが厚塗りになっていたらどうしよう」、「頬紅が濃すぎたらどうしよう」など、失敗してしまうことを恐れてしまうからだ。しかし、失敗してしまう原因を見つけ、その解決方法を提示することが出来れば、見えない・見えにくい人ももっとお化粧にチャレンジしてみようと思うのではないかと考えた。そのために、まずは支援者のためのメイクレッスンのヒントを集めることにした。 【到達目標】「見えない・見えにくい人のためのメイクレッスンヒント集」の作成を目指したい。ヒント集に取り入れたい項目は、ファンデーション、口紅、ほお紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライン、眉である。 【経過】2018年、第27回 視覚障害リハビリテーション研究発表大会にて、ファンデーション部分のみ作成したヒント集を、小冊子として配布した。2019年は、口紅、ほお紅、アイシャドウを追加したヒント集を作成した。作成したヒント集はHP(https://maketext.amebaownd.com/)からダウンロード出来るようにした。 【今後】2020年にはマスカラ、アイライン、眉についても加筆して行きたい。 P-活-9 視覚障害リハビリテーション協会ホームページリニューアル経過と今後の取り組み 吉野 由美子(視覚障害リハビリテーション協会)、稲垣 吉彦(有限会社アットイーズ)、北神 あきら(特定非営利活動法人視覚障害者パソコンアシストネットワークSPAN)、藤縄 泰彦(社会福祉法人日本盲人職能開発センター)、名児耶 剛(日本盲導犬協会東京事務所)、鈴木 亜衣子(日本盲導犬協会東京事務所) 【目的】協会ホームページリニューアルオープンにいたるまでの活動を会員と共有することによってホームページへの関心を高めること。 【経過】1視覚障害リハビリテーション(視覚リハと略す)の情報を会員や関係者以外の方たちにも広く知ってもらうことを目指して、ホームページリニューアルプロジェクトチームを2018年4月に発足させた。2 ホームページ(HPと略す)を「音声ユーザーに対するアクセシビリティーを維持しながら晴眼者やロービジョンのある方にっても魅力的なページにすること」「記事の作成と編集を自由におこなえること」「HPを管理・更新する人がHTMLの知識がなくても作業に携われること」の三条件をリニューアルの達成目標として決定し、2017年7月に、NPO法人等の活動をプロの技術をボランタリーに使って支援してくれるサービスグラントの企画に応募、採択された。3 支援を引き受けてくださった、日立チョコプロの方たちとミーティングを重ね、またチョコプロメンバーが実際に視覚リハサービスを行っている施設等を見学、コンテンツ管理システム(CMS)として広く利用されているWordpressを利用した成果物を2017年11月末に提示された。4 2018年1月に本サイト作成のための取り組み開始、使用するレンタルサーバーの決定、一般サイトに掲載する記事の執筆、最終的な公開作業を経て2018年12月8日にリニューアルオープンとなった。 【活動を成功に導いたもの】協会プロジェクトチームとチョコプロの方たちとの間で、忌憚のない意見交換ができ強い信頼関係ができたこと、メンバー一人一人のHP作成への情熱、メンバーが晴眼者・全盲で音声使用者のプロ・中度と重度のロービジョンのあるものから構成されておりそれぞれの立場で意見を述べ合うことができたこと、適切なタイミングでプロの力を借りることができたことが活動を成功の重要な要素であった。 P-活-10 点字付き・拡大文字付き百人一首かるた普及活動の紹介と、余暇活動としての意義 野々村 好三(大阪点字付きかるたを楽しむ会)、兵藤 美奈子(大阪点字付きかるたを楽しむ会)、関場 理華(百星の会)、南沢 創(百星の会)、渡邊 寛子(福島県点字付き・拡大文字付きかるたサークル) 【目的】点字付き・拡大文字付きかるた(バリアフリーかるた)交流会のこれまでの活動を振り返り、視覚障害者の余暇活動の1つとしての「かるた」の意義について考察する。 【活動概要】「百星の会」(関東中心)、「福島県点字付き・拡大文字付きかるたサークル」、「大阪点字付きかるたを楽しむ会」が日頃、それぞれの地域で活動しているが、年に1,2度交流会を開催する。各地の競技かるたの会のご協力を得ながら、先天盲の小学生から高年齢の参加者が一緒になってプレイしている。 【具体的な遊び方】  坊主めくり(お坊さんめくり)  四人一首(百星の会の札を使用)  二人が対面し、10枚ずつの同じ札をそれぞれの目の前の台に並べて対戦。  100枚並べた札を取り合う。 【視覚障害者にとってのメリット】1)意欲の創出:点字を読む・書き写す、歌を憶える・声に出して読む、かるた会で友人に会う。2)身体機能の維持・向上:空間認知、瞬発力。3)年齢・見え方・地域を超えた交流と外出機会の増加 【まとめ】最近まで、点字の付いた百人一首は市販されておらず、視覚障害者は手作りのものを使用するほかなかった。このため、先天盲者からは「これまでほとんど百人一首に触れたことがなかった」という声も聞かれる。また、点字を習い始めたばかりの中途視覚障害の方からは「点字がスラスラ読めなくても楽しめた」との感想を頂いた。視覚障害者の余暇がまだまだ少ない中、その広がりが期待される。2020年、オリンピック・パラリンピック東京大会の協賛イベントに合わせて、「バリアフリーかるた競技大会(仮称)」(一般社団法人全日本かるた協会主催) の開催が予定されており、そこで点字・拡大文字付きかるたが使用される。この大会に向けて、全国各地で機運が高まれば、視覚障害者のQOL向上に繋がると考えられる。 P-活-11 第二回ロービジョン・ブラインド川柳コンクール 神田 信(株式会社 三城)、梶谷 政志(株式会社三城)、中村 成美(株式会社三城ホールディングス)、影山 正樹(株式会社三城)、青山 ゆう子(株式会社三城)、布袋田 和貴(株式会社三城) 【開催目的】川柳を通して視覚障害に関する理解や共感を深めること 【応募期間】2018年12月1日~2019年1月31日 【応募部門】(1)見えにくさを感じている方部門:ロービジョン・ブラインド・色覚障害・盲ろう・眼瞼痙攣等の当事者等(2)メディカル・トレーナー部門:医療関係者、訓練施設職員等(3)サポーター部門:家族、友達、職場関係者、ヘルパー、一般の方等 【応募方法】視覚障害関係団体等を中心に告知し「視覚障害に因んだ川柳」をインターネットの特設サイトを通じて募集。 【結果発表】2019 年3月11日優秀作品を特設サイト上で発表。 【応募結果】応募総数1,668句。応募者の6割以上が視覚障害当事者。また50代以上の応募が6割だったが、第一回ではほとんどなかった20代以下からも15%近くの応募があり、応募者の裾野が広がった。最優秀賞は「ありがたや券売機のないラーメン屋」。見えにくさを感じている方部門からの選出で、現代でよくある効率化を視覚障害者という視点からうまく風刺した作品となっている。他にも当事者からは、困り事、失敗談、症状、虚しさを詠んだ句がある一方で、保有視機能や他の感覚器官の活用、白杖、スマホ、盲導犬、人の優しさ、病気の受容、医療、ICT への期待や夢を詠んだ句も多かった。メディカル・トレーナー部門、サポーター部門においては、それぞれの立場や視点で視覚障害者を描写し、心温まる句やウイットにとんだ句が多く集まった。 P-活-12 視覚障害リハビリテーション研究発表大会IN神戸スマートサイトサミット実施報告 田中 桂子(神戸市立神戸アイセンター病院)、山縣 祥隆(山縣眼科医院)、原田 敦史(堺市立健康福祉プラザ) 【企画の目的】昨今、各地で取り組みが始まっているスマートサイト及び地域ネットワーク(以下SSと記載)の実情を知り、それをより発展させていくために、現状での課題や今後の展望を語り合う場を設けることにした。 【企画の概要】※前日までの準備。大会ホームページからの募集開始後、瞬く間に定員一杯となった。急遽、大会実行委員会で協議し、参加枠を拡大するとともに、オブザーバー席を設けることとした。参加希望は、医療・福祉・教育など多方面からに及んだ。※当日の様子。1時間30分に、企画趣旨及び進め方の説明、山縣による講義、全体作業、助言者・講師からのフィードバックを詰め込んだ、かなりタイトなセッションであった。山縣の講義は、日本でのSSの発祥から今までの歩み、当初のSSは医療側の「姑息な手段」であり、現在のネットワーク主体のそれとは性質が違っていたこと、それらを踏まえての今後の提言などが盛り込まれた。全体作業では、事前課題「SSでうまくいっていること、そうでないこと」をグループごとに整理し、「SSがうまくいく要因、そうでない要因、それぞれ上位3つ」にまとめ、発表してもらった。各グループには、医療・福祉・教育から、SS・地域連携に造詣の深い助言者が加わり、グループ作業の促進に寄与する役割をになうとともに、全体講評をいただいた。 【今後に向けて】今回の企画は、SSの言語的意味を統一しないままの見切り発車での実施であり、議論も深まりを見せるまでには至らなかった。ただ、「顔見せ」としての役割は果たせたこと、自分の地域と同じような悩みを他地域も抱えていることを知ったなど、仲間意識を喚起できる要素はあったと思われる。この報告を元に、盛岡大会へ、更に今後へとSS発展の流れを繋いでいきたい。 P-活-13 岐阜県版スマートサイト「岐阜うかいネット」活動報告 松本 健太郎(社会福祉法人岐阜アソシア)、棚橋 公郎(社会福祉法人岐阜アソシア)、川瀬 和秀(岐阜大学眼科)、池谷 尚剛(岐阜大学教育学部)、宇佐見 潤(岐阜県眼鏡組合)、丹羽 健二(岐阜県眼鏡組合)、佐久間 仁(岐阜県眼科医会)、犬塚 裕子(いぬづか眼科)、浅野 紀美江(岐阜県視能訓練士会)、牧田 京子(岐阜県視能訓練士会)、白潟 仁(システムギアビジョン)、松井 康樹(平成医療短期大学) 【目的】2013年に開設された「岐阜うかいネット」はアウトリーチ型ロービジョンケアとして6年目を迎えた。現在までの視覚障害者の利用状況と岐阜うかいネットの役割について報告する。 【対象と方法】2013年9月から2019年2月までの5年5ヶ月間に「岐阜うかいネット」を利用した123例ついて年齢、僚眼視力、原因疾患、ニーズ、福祉サービス、補装具、日常生活用具に ついて検討した。 【結果】対象者の年齢は60代〜90代が75%、一番多い70歳代は34%であった。僚眼視力は0.1以下が37%であった。原因疾患は緑内障が45%、視神経萎縮が18%、網膜色素変性性が12%、増殖性網膜症10%、黄斑変性9%、角膜の病気が3%であった。ニーズは読み書きが39%であった。補装具は白杖が22%、遮光眼鏡が18%であった。日常生活用具は拡大読書器が49%であった。うかいネットへの利用申請を行った眼科は初年度の12件から始まり2018年度には計26件の眼科となった。 【結論】スマートサイトの岐阜県内の眼科への認知度は徐々に浸透している。スマートサイトの役割を広げていくという意図で2016年よりうかいネットはロービジョンケアの役割に加え視覚障害者災害ネットワークとしても活用することとなった。災害時に社会福祉法人岐阜アソシアが地域の眼科医と連携して視覚障害者の災害時のケアを行うこととなった。 P-活-14 京都ロービジョンネットワーク設立2年目の活動及び相談状況 鈴木 佳代子(公益社団法人 京都府視覚障害者協会)、中路 裕(京都府眼科医会)、百々由加利(京都府眼科医会)、松永 信也(京都府視覚障害者協会)、稲葉 純子(京都府眼科医会)、大菅 規子(京都府網膜色素変性症協会)、沖田 友子(京都ライトハウス)、鎌田 さや花(京都府眼科医会)、高橋 綾子(京都府眼科医会)、高橋 一夫(京都ライトハウス)、高間 恵子(京都府視覚障害者協会)、沼 朝代(京都府眼科医会)、本谷 美咲(京都ライトハウス)、三宅 正裕(京都府眼科医会)、横田 聡(京都府眼科医会) 【目的】我々は2017年4月に京都ロービジョンネットワーク(以下ネットワーク)を設立、2018年4月に京都府版ロービジョンケア紹介リーフレット「さくら」(以下「さくら」)を作成・運用開始し前回その経緯を報告した。今回ネットワーク設立2年目の活動および相談状況を報告する。 【活動】運営委員会で方針を定め下記の活動をした。1) 2018年4月より府眼科医会会員への広報、同会員と府内医療機関へ「さくら」を配付し、運用を開始した。2)医療関係者研修会を開催した。3)2つの教育機関を構成団体に追加した。4)相談員研修会を3度開催した。5)府民への広報としてネットワークと府眼科医会のホームページを充実させ新聞記事作成に協力した。6)2018年10月から「さくら」の配付場所を行政・福祉・教育機関等へ拡大し、小改訂した。7)医療関係者メーリングリスト作成、白杖の案内チラシ作成を行った。 【相談状況】2018年4月から2019年1月までに47箇所の医療機関を経由した215件、他5件の相談があった。ほぼ毎月新規の医療機関より相談があった。相談者の居住地は、京都府内180件、他府県40件だった。相談の紹介方法は、支援依頼書等での紹介103件、「さくら」を渡しての紹介13件、口頭での紹介104件だった。相談内容は、拡大機器や遮光眼鏡等の相談107件、福祉制度や就労等の生活相談154件、その他(疾患の相談、教育、訓練等)16件だった(重複有)。必要時に運営委員や構成団体相談員による多分野でのケース検討を行った。 【考按】ネットワークは府内医療機関で認知・利用が進んでいる。医療機関を起点とした「さくら」の運用は軌道に乗り、「さくら」の配付場所を拡大した。運営委員会での医療、福祉、教育、当事者による密な協働は相談にも奏功している。今後、医療関係者へのさらなる周知と利用拡大、相談スキルの向上、行政・教育機関との連携強化を進めたい。 P-活-15 視覚特別支援学校における学年に応じた盲導犬体験会の内容 堀江 智子(公益財団法人日本盲導犬協会富士ハーネス) 【目的】盲導犬利用を希望することは、視覚特別支援学校の児童生徒の全員が対象である。昨年、当センターで実施した5校の体験歩行会の内容と学年に応じたセッションの内容について報告する。 【方法】@対象者:幼稚部から理療科の児童生徒さん、先生、保護者、A時間:授業時間にあわせる学年や低年齢者と高年齢者を分けて実施、B場所:体育館やプレイルーム、教室等、歩行は校舎内、校内、学校周辺などで実施、C内容:犬との生活の仕方、盲導犬歩行の体験(屋内・屋外)、現役ユーザーからの話、D犬の選定:落ち着いた動作でおとなしく、どこを触ってもうれしい表現をする性格 幼稚部:生き物に親しむ・犬の感情と尻尾の振りの体感・触察・視覚観察 小学部低学年:触察・視覚観察・犬との会話(指示しGoodで褒める)、犬との歩行 小学部高学年:生き物の世話・犬との会話・地図のある校内の自由移動 中学部:歩行の選択肢のひとつ・世話の仕方・地図のある校内郊外の自由移動 高等部普通科:貸与の方法・犬からの情報を得て移動する・補助犬法の理解 高等部理療科:貸与の方法・犬からの情報を得て移動する・補助犬法の理解 先生・保護者:制度・ご本人の主体的な関わり・社会とのコミュニケーション・援助依頼 重複障害児童生徒:先生と一緒に個別対応 【結果】ある学校の小学部では、体験会で一緒に過ごした犬が食べているドッグフードの量を、音声計りの使い方と共に計量の練習をし、毛並みの違いを手触りの違う布を探して模型を作り、学習発表の教材として活用され、興味をもって学習に取り組まれていた。 【考察】在学中の学年に応じた情報提供により、より身近な存在となり、人と犬が互いに共同作業する存在として、将来相棒となる盲導犬歩行の選択肢があることを目標に、外出や社会参加の動機となり、自己実現につながる素材の一つとなることを期待している。 P-活-16 視覚障害児童生徒の卒業後の活動の分析ー在学中に深めるべき観点の把握 刀禰 豊(チーム響き、岡山東支援学校)、阿部 麿呂(チーム響き) 【目的】卒業後の視覚障害児童生徒の自主的な活動への広がりを目指すための課題について、卒業後の活動の状況や、在学時の思い、現在の状況の変化などについて比較し、核となる課題を探る。 【方法】視覚障害児童生徒が卒業後の自主的な活動の場として様々な活動を続けてきた「チーム響き」の現状を分析した。利用しているメンバー8名にインタビューとアンケート用紙の形で活動のたびに意見を集めた。活動の内容についての満足度や今後してみたい活動の内容や、活動に問題があると思ったことなどを意見として収集することができた。 【結果】スポーツのイベントや旅行など多様な活動に参加する中で、学校では実現することが少なかった、思いをお互いにぶつけ合う時間を持てたことを大きな利点としてあげる方が半数の方に見られた。また、そのような体験をしたいという希望は学校在学中からあり、卒業後も継続するような思いを児童生徒に培っていけるような取り組みを児童生徒に意識させることができるかが重要あることを意識させる意見も多かった。 【考察】彼らが学校という場で児童生徒の活動への期待感や「自分で進んで取り組みたい」という思いを深める体験について十分深めることができなかった点を学校在学中の活動の不十分さとして指摘する意見が多かった。個人の思いが話し合いという形で活動に反映される現状の「チーム響き」での彼らの思いや考えを分析する中で、在学中に実現できなかった一人一人の「思い」の大切さを改めて見直し、教育の場でも実現に向けて取り組んでいく大切さを再認識することとなった。 【結論】児童生徒の思いを尊重し、児童生徒の意欲を生かすことで、卒業後の自主的、自発的な社会への取り組みの中で醸成されていく主体的な社会への関わることの充実感を今「チーム響き」の実感しているようだ。彼らの語りの中で、教育の中で生かしていく「思い」の適切な把握、活動の取り組みをすることの大切さを卒業生の現状における活動の深まりから把握することができた。 P-活-17 生徒数減少に対する福井県立盲学校の取組 岡島 喜謙(福井県立盲学校) 【はじめに】現在、多くの盲学校において生徒数の減少傾向が続いている。福井県立盲学校も、幼稚部から理療科まで平成元年度の在籍数は59名であったが、平成30年度は19名と、約3割に減少した。盲学校の幼児児童生徒数が減少することは、盲学校に勤務する教員数の減少をもたらし、今後視覚障害教育における専門性の維持継承が困難となることが考えられる。原因は、インクルーシブ教育の推進や、理療以外への職域の広がりなどが考えられるが、本校においては盲学校についての正しい情報が、それを必要としている人に届いていないのではないかと考えた。例えば、盲学校は全盲者が学ぶ学校であり、弱視者は入学できないと考える人が多いことを日常的に感じている。 【具体的な取組】本校においては盲学校や視覚障害について正しく理解を得るため、視覚障害当事者や一般人を対象として、以下のような活動や行事を行っている。 ・盲学校のある福井市から車で2時間近くかかる地域でのサテライト教室の実施 ・見えない、見えにくい世界を小学生が体験する「来て、見て、知って、盲学校」の開催 ・福井県版スマートサイトである羽二重ねっと事務局としての活動 等 【今後へ向けて】今回の発表を通して、皆さんからご意見を伺い、今後の盲学校や視覚障害の理解啓発につなげ、生徒数減少に対する有効な方策を講じていきたい。 P-活-18 レーベル病患者の就学状況についての実態報告 渡辺 至俊(NPO法人目と心の健康相談室 レーベル病の会)、古庄 庄一郎(レーベル病患者会)、茂木 伸明、栗田 真由美(レーベル病患者会)、荒川 和子(NPO法人目と心の健康相談室)、若倉 雅登(医療法人社団井上眼科病院、NPO法人目と心の健康相談室) 【目的】レーベル病患者会では、前年度、患者会参加者にアンケート調査を行い、患者の実態を発表した。そのうち、10代までの病気発症が全体の約4割程度をしめていた。今回は、この10代で発症した患者たちが学校教育を継続するために、家族がどのような問題を抱え、どのように立ち向かっていったのかを調査し、今後の問題を家族の立場でまとめたので発表する。 【方法】患者会へ所属する10代の子供を持つ家族8名へのアンケート調査により、発症年齢・視力・障害者手帳等級・就学や進学の状況・学校の対応状況・その他学校や社会制度に対しての要望などについて自由記述でメール・書面で回答してもらったものを纏めた 【結果】回答者全員から学校の対応、学校や社会制度に対しての意見が寄せられた。学校の対応については決まった制度やルールはほぼ存在せず、補装具の持ち込み・試験の時間延長など各学校の個別対応となっている事、学校と個別に親が折衝・交渉が必要となっている現状が示された。社会制度に対しては視覚障害者の相談窓口はあるが、就学面での相談窓口がほとんどなく、回答者の家族全員が対応に苦慮している事が判明した。 【考察】発症から間もなく急激な両眼視力低下を招く本症の病態は、突然学業生活に多大な支障をきたす。障害者総合支援法や障害者差別解消法などの法律はあるものの、学校側でも視覚障害児に対する経験はほとんどなく、その事態への対応は手探り、もしくは満足な対応ができていない現状が明らかになった。 【結論】教育現場では、レーベル病を含む視覚障害者に対するサポート体制の確立や、就学や就学継続ついての総合相談窓口の整備が急務である。 P-活-19 ケース報告−軽度認知症と診断されたが、症状が発現しなくなったケース 安山 周平(堺市立健康福祉プラザ 視覚・聴覚障害者センター)、原田 敦史(堺市立健康福祉プラザ 視覚・聴覚障害者センター) 【はじめに】軽度認知症と診断され、会話中に反応がなくなることや記憶や動作の定着が難しい高齢視覚障害者の訓練を行った。意図せずに先のような症状が現れなくなることを経験したため、参考事例と考え報告する。 【Aさんプロフィール】78歳男性、妻と2人暮らし。身体障害者手帳1級、糖尿病性網膜症、右)0 左)0。肺気腫、心筋症、軽度認知症。週2回の訪問リハと週3回のデイサービスを利用。 【経過】2016年4月、訪問介護事業所からAさんについて相談があり、翌月にアセスメントを実施した。会話中、Aさんの応答がなくなることが度々あり、質問の多くは妻が回答した。また、本人から回答を得られた住居の間取りや家具配置の記憶には誤りが多く、自身の位置関係も同様であった。一方で少ない手順であれば提示通りの動作ができる場合があることも確認できた。そこで、記憶に課題はあるが反復による移動手順の定着が可能と考え、訪問介護事業所の協力を得て訓練を行うこととなった。しかし、2か月経っても手順の記憶定着には至らず、家族内で盲老人ホームへの入所の検討をはじめ、訓練を終了することとなった。それから1年4か月後、妻から訓練再開を希望する連絡があり訪問すると、以前のような症状はみられず、口頭での確認のみで誤認に気付くなど、記憶や理解力ともに改善されていた。妻によると肺気腫の手術をしないとの方針が決まって以降、急激に症状が改善したとのことから、心因性の認知力低下があったのではないかとも考えられた。現在も訓練を継続しているが、認知症と思われる症状は一度も現れていない。 【まとめ】アセスメントの段階では心理的な負担について確認できておらず、視覚障害以外のことは他専門家と情報共有し確認することが必要であった。今回は訓練再開希望の連絡により、たまたまAさんの経過を知ることができたが、終了後の経過を追うことは非常に重要であると考える。 P-活-20 失明当事者による視覚障害者一般就労の事例研究 松村 智也(npo new vision) 【目的】IT技術の進展により、マッサージ師以外の職業に就く重度視覚障害者が次第に増えている。とはいえ、まだその数は少なく、その経験知が広く共有されているとは言い難い。そこで、演者が経験した事象を当事者研究として発表し、視覚障害リハビリテーションに寄与したい。 【方法】演者は、薬剤師として10年ほど勤務した後、38歳のとき緑内障で失明した。生活訓練は受けずに職業リハビリテーションセンターで音声パソコンを用いてWORDやEXCELを使う訓練を受けた。そして大手IT企業の障害者部門に事務職として就職し、後に薬局チェーンに移った。これらの経験をフィールドワークとし、個々の問題に考察を加える。 【結果】演者は、失明後、一般就労において、予想しない課題にしばしば直面した。特に想定外だったのは、音声パソコンの高速読み上げによる脳疲労と、それによる強度の眠気であった。また、スクリーンリーダーJAWS14の初期バージョンのバグでWORDが落ちる問題に直面したが、最新版にバージョンアップすることで解決した。表情が読めないことでコミュニケーションにも齟齬が起きヤすかった。しかし失明後3年で、正社員になることができた。 【考察】中年の中途失明者の一般就労の情況は、決して芳しいものではないが、不可能でもない。演者が一般就労に成功したのは、薬剤師であったことが大きいであろう。しかし、音声パソコンを学んだことで、翻訳やマニュアル作成、薬局のレセプト業務など多岐の業務に携わることができた。 P-活-21 視覚障害者の遠隔サポートによる就労移行支援について(3) 石川 充英(東京視覚障害者生活支援センター)、山崎 智章(東京視覚障害者生活支援センター)、稲垣 吉彦(東京視覚障害者生活支援センター)、河原 佐和子(東京視覚障害者生活支援センター)、江崎 修央(鳥羽商船高等専門学校)、川邊 有紗(鳥羽商船高等専門学校)、村山 由莉衣(鳥羽商船高等専門学校)、伊藤 和幸(国立障害者リハビリテーションセンター研究所) 【はじめに】視覚障害者を対象とした就労移行支援事業所や職業訓練校は、全国的に数が少ない。そのため、就労するためのパソコン操作を修得するためには、受講者の居住地が大きく影響する。そこで我々は3年ほど前から、視覚障害者を対象とした遠隔サポートによる就労移行支援(以下、遠隔就労支援とする)として、[パソコン操作訓練](以下、PC操作)と[保有視覚評価と支援機器活用訓練](以下、LV活用)のシステムの構築に向けての実験をおこなってきた。そこで今回は、これまで取り組んできた遠隔就労支援の課題について報告する。 【[PC操作]での課題】[PC操作]では(1)OneDriveによる教材・課題の提供、(2)サポートのための音声通話と画面共有のソフト起動のためのアプリ設定、(3)学習支援サイトを構築して進捗状況の把握などにより、訓練は可能であることが明らかとなった。しかし、[PC操作]をおこなう際には、OneDriveやアプリの設定などの初期設定が必要であった。そこで、職場におけるチャット機能の使用頻度の高まりも踏まえ、教材の配布、文字によるサポート、音声通話や画面共有などについてTeamsに変更し、現在検証をおこなっている。なお、Teamsは初学者にとってすぐに使用できるものではないため、別途Webサイトを作成し、利用者がアクセスしやすい状況を整えている。 【[LV活用]での課題】[LV活用]では支援者に対してスマートフォン2台で利用者の目線、利用者が見ている対象物の状況について動画で情報提供することにより、アムスラーチャートやMNREAD-Jチャートをつかった視機能評価と据え置き型拡大読書器の活用訓練が可能であることは明らかとなった。しかし、[LV活用]では支援者の指示に基づきスマートフォンの配置位置、評価・活用訓練をアシストするサポーターが必要であり、さらにマニュアルの作成が課題であることが明らかとなった。 P-活-22 【活動報告】どこの眼科でも出来るタブレット指導マニュアル作成の取り組み 奈良井 章人(奈良井眼科)、氏間 和仁(広島大学大学院教育学研究科)、上原 知子(奈良井眼科)、西山 幸代(木村内科眼科病院) 【緒言】氏間は、視覚障害のある人の教育の場にタブレットPC(以下タブレット)を使用する有効性に着目し発表している。また、医療現場にも導入し2015年からロービジョン(以下LV)外来でタブレット講習を行い、LV外来で効果を確認している。しかし、現在はタブレットを利用したLVリハビリテーション(以下LVリハ)が提供できる施設は限定的である。一方、タブレットは身体障害の等級に関係なく購入が可能で、またLVエイドとしての活用が期待されるが、タブレット講習をどのように進めていくのか、手続きや対象等が明確にはなっていない。タブレットを利用したLVリハを広めていくには、マニュアル作成が必要と考えた。 【活動】我々は2017年7月からマニュアル作成を開始し、LV外来でタブレット活用を推進するために「どこの眼科でも出来るタブレット指導マニュアル」の開発を行った。マニュアルは教育学的評価と医療的評価の面から意見を出し合い作成した。マニュアルには対象、方法、医療現場での流れ、当事者によるタブレットの体験方法、その後の応対を明記した。内容は、外来での実効性、当事者への負担低減、医療関係者の理解の容易性を考慮し作成した。 【結論】タブレットを利用したLV外来を考えている眼科医等に、一般外来中でも出来るタブレット指導を実施するためのマニュアルを作成した。タブレットの講習に入る前に初歩的な対策ができ、当事者に過度の負担がなくタブレット講習に進めていくきっかけになると考える。今後は更にマニュアルの改善をして、タブレットを利用したLV外来が増えるよう情報を発信しマニュアルの普及を目指していきたい。 P-活-23 簡易な自覚的眼位評価法 −眼球運動障害が原因の視覚障害を不定愁訴としないために 大弓 幸子(岩手県立盛岡視覚支援学校相談支援部) 【背景】眼位ずれは視覚障害の原因と認識されているものの、眼位検査は視力検査のようにルーティン化されていないことが多い。また後天性眼球運動障害発症時に自覚する複視や混乱視、立体視の喪失感などの障害は当事者にとって不快な症状であるにも関わらず、主訴として表現することが難しい。さらに加齢により増加する末梢性の後天性眼球運動障害は、視方向による特異性が高く、特に上下の偏位は視診による看破が困難である。そのため、眼球そのものに異常がない場合、不定愁訴として扱われる可能性が高い。 【目的】微小な後天性眼球運動障害でも簡便に検出可能な自覚的眼位検査法を紹介する。 【対象】先天性斜視の既往がなく、光が認識できる視力がある例。 【方法】一眼に赤ガラスを装用し1)ペンライトの光を注視させ正面、上下左右に動かした時の赤い光と白い光の見え方を問う。2)赤い光と白い光が一つに見える場合、正面視で交代に眼を覆い、赤と白の光の位置の動きを(視差による動き)問う。動きがある場合、左右の動きなのか、上下の動きなのかを問う。覆いを取ったあと再び両眼で光を注視させ、見え方を問う。 【結果】1)の検査で、正面視で赤い光と白い光が離れて二つに見える場合、正面では一つだが、視線を動かした時に二つに見える場合、眼位ずれがあると判断する。2)の検査で、赤い光と白い光の動きがあり左右に動く場合は、水平のずれ(斜位)があり、上下に動く場合は、上下のずれ(斜位)があると判断する。続いて覆いをとったあとに光が、二つに分かれた場合、眼位を調整する働きが弱く、眼位ずれが潜在化していると判断する。 【考察】簡便で特別な器機も必要なく、眼位異常や眼球運動障害の有無が判断可能であり、ルーティン化できる有用なスクリーニング検査であると考える。 P-活-24 徳島県におけるアウトリーチ支援の取り組みについての報告 阪井 紀夫(徳島県立障がい者交流プラザ視聴覚障がい者支援センター)、湯浅 愛子(徳島県立障がい者交流プラザ視聴覚障がい者支援センター) 【はじめに】徳島県立障がい者交流プラザ視聴覚障がい者支援センター(以下支援センターとする)では平成30年度より徳島県指定管理業務のとして行っている生活訓練事業において、訪問支援・アウトリーチ支援として職員出張型支援の拡充を行った。そのうちアウトリーチ支援について取り組み内容や実績を報告する。 【事業目的と内容】普段利用している病院や施設内での支援を希望する方に、必要に応じて直接支援員が相談や訓練等の支援を実施することで、通所の利用が難しい施設入所の方への支援や早期の支援を目指した病院や役場の患者・利用者への相談等を実施する。施設や病院・各市町村役場などから直接の依頼にも対応する。 【平成30年度取り組み実績】障がい者施設及び高齢者施設による依頼5回、病院からの依頼3回、保健所からの依頼1回、地域で行われる福祉まつりでの相談1回。新たな試みとして、各市町村役場でセンター職員が半日常駐し相談にあたる「見えない見えにくい方への巡回相談」の実施。(計3箇所)さらに、県内で唯一、専門外来としてロービジョン外来を行っている徳島大学病院と12月に協定書を交わし、1月より支援センター職員が入り福祉に関する相談などを中心にできるだけ早期に視覚リハに繋げる取り組みも開始する。 【考察とまとめ】初年度ということで、実施件数は少なめだったが遠隔地施設からの依頼がいくつかあり、潜在的なニーズはあると思われるため、地域支援を行う支援者とより連携を図り支援者への視覚リハの周知も重要になると考えられる。さらに、上記で紹介した市町村役場での巡回相談やロービジョン外来の出張相談などは実施して間もないがすでに新規利用者や潜在的なニーズの開拓に一定の成果があった。今後も実施方法・回数など検討しながら、このような形態での早期リハの実施についての有用性を検証していく必要がある。 P-活-25 UDトークとスカイプを活用した盲ろう者オンラインミーティング参加の取り組み 御園 政光(千葉県視覚障害者福祉協会)、岡根 鉄郎(NVDAヘルプデスク)、野々垣 美名子(NVDAヘルプデスク)、麻野井 千尋(東京女子大学大学院)、九曜 弘次郎(富山盲ろう者友の会) 【はじめに】オンラインミーティングとは,インターネットを活用して会議を開催する方式である.会議は音声で行われるため,盲ろう者が参加するには障壁がある.実現するには,音声をリアルタイムに点字に翻訳する手段が必要である.今回,盲ろう者がSkypeのグループ通話とUDトークを用いてオンラインミーティングに参加する方法を検証したので報告する. 【機器環境】盲ろう者がオンラインミーティングに参加できるようにするため,送り側と受け側それぞれに次の機器とアプリ環境を整備した.括弧内は数量を示す. ●送り側…PC(1),iPhone SE(1),外付けスピーカー(1),グループ通話を行うための「Skype」,iOS用音声認識技術を使って会話/スピーチをリアルタイムに文字化する「UDトーク」 ●受け側…PC(1),点字ディスプレイブレイルメモ(1),スクリーンリーダー「NVDA」,ノートテイクアプリ「まあちゃん」 【手続き】1)PCに外付けスピーカーを接続し Skype を起動する. 2)iPhoneでUDトークを起動し,UDトークの公開URLとQRコードを発行する. 3)発行したQRコードとURLを参加する盲ろう者へメールで伝達する.盲ろう者はURLをまあちゃんで読み込み公開トークにアクセスする. 4)Skypeの音声をUDトークで認識させるため,iPhoneをPCの近くに置く. 5)Skypeでグループ通話を開始する.参加者全員の声がPCのSkypeを通じてUDトークで認識される. 6)認識された内容は文字化されまあちゃんに表示される. 7)表示された内容はNVDAの自動点訳機能により点字ディスプレイで表示される. 8)盲ろう者自身が発言する場合には,自分のPCのSkypeを通じて発話する. 【考察】支援機器を使いこなせる盲ろう者であれば実用的だが,より少ない機器でより簡単な方法で参加できる工夫が必要である. P-活-26 視覚障害者支援部てんとうむし 設立から6年間の活動報告 南 奈々(たかだ電動機(株)視覚障害者支援部てんとうむし)、梅崎 智香(たかだ電動機(株)視覚障害者支援部てんとうむし) 【はじめに】当事業所は、昭和49年10月より先代が創業し「たかだ電機」としてモーター等の巻替修理、整備事業を約40年営んできた。近年、モーター製作事業に大手競合他社の参入もあり、事業を継続していくための安定した基盤作りを目指し、平成26年4月に「たかだ電動機株式会社」として法人設立を行った。法人設立に当たり、電動機事業に加え、地域へ社会貢献をしていきたいという思いから福祉部門を展開することとなり、新規事業部門を設立した。この福祉部門「視覚障害者支援部てんとうむし」では、『視覚障害当事者向けの支援・訓練』『当事者を支援するヘルパー向け支援・指導』『一般向けの支援・アドバイス』の3つの柱を設け、それぞれ活動を行っている。設立当初の活動記録からこれまでの実践を振り返り、課題や今後のあり方を考察したい。 【活動実績】@ 視覚障害当事者向けの支援・訓練  開設当初から、佐賀県視覚障害者団体連合会の依頼で、中途視覚障害者緊急生活行動訓練を行っている。年々相談件数は増え、平成29年度は270件の相談対応や訓練を実施した。A 当事者を支援するヘルパー向け支援・指導  平成29年度から同行援護従業者養成研修の事業指定を受け、これまでのべ37名の同行援護従業者の育成を行っている。B 一般向けの支援・アドバイス  平成27年度から3年事業で、全国商工会連合会の小規模事業者持続化補助金の指定申請を受け、ホームページ作成や事業案内リーフレットの制作、支援器具の購入を行い、啓発の拡大を行った。 【考察】支援者支援や一般向け支援に力を入れることにより、当事者への情報提供となり、相談・訓練の希望者増につながっている実感を得ている。一方、専任訓練士1名で対応している現体制では、これ以上の事業拡大につなげることは難しく、今後の事業形態の抜本的改革が課題となる。 6−6視覚障害リハビリテーション協会主催企画 「視覚リハ未来への挑戦Part4」 大会連携委員会 委員長 田中 雅之  今回の盛岡大会における協会主催プログラムは、昨年度までに引き続き、「視覚リハ自分ごとプロジェクト」、「研究トラの巻」の2部構成で行います。  第1部の「視覚リハ自分ごとプロジェクト」は、「視覚リハの今日的課題」と題して、現在協会のなかで活動している5つの分科会(O&M、情報アクセス、余暇活動、ロービジョン、高齢)から、それぞれの研究テーマに即した「今日的課題」を宿題報告していただき、その後の参加者のグループディスカッションにつなげていきます。テクノロジーの発展と人口構造の変化、社会や制度の変化に我々視覚リハの専門職はどう応えていくのか。今回のプログラムを通して、現状や我々の活動を振り返り、「今日的課題」について、皆で共有するとともに、参加者それぞれが課題を自分ごとととらえ、それを解決する未来に向けた具体的なアクションにつなげていくことを目指しています。  第2部の「研究トラの巻」は過去3年間で、代表的な研究法である「事例研究」、「調査研究」、「実験的研究」をテーマに開催してきました。昨年までで一巡したため、今年度は再度「事例研究」をテーマに講義形式で行います。未来への挑戦の武器として、日々の仕事を振り返り、かつ様々な現場で役立つ臨床研究手法を学ぶ場としたいと考えています。 日時: 2019年7月26日(金) 13時から17時 会場: 盛岡地域交流センター(マリオス) 18階 会議室 定員: なし(150名までを想定) 内容: 13:00〜15:30 第1部『視覚リハ自分ごとプロジェクト』視覚リハの今日的課題 宿題講演者 O&M分科会: 金山 佐保(社会福祉法人 山梨ライトハウス青い鳥成人寮) 情報アクセス分科会: 阪井 紀夫(徳島県立障がい者交流プラザ 視聴覚障がい者支援センター) 余暇活動分科会: 石川 佳子(きららの会) ロービジョン分科会: ロービジョン分科会世話人で調整中 高齢視覚障害リハビりテーション事例研究分科会: 関谷 香織(一般社団法人 ソラティオ相談支援センター あらかわ) 16:00〜17:00 第2部『研究トラの巻』 其の4 現場から発信! 事例研究のツボ 講師 柏倉 秀克(桜花学園大学 教授) Orientation and Mobility 分科会 研修会  Orientation and Mobility 分科会は、第28回視覚リハビリテーション研究発表大会(盛岡大会)で、下記のとおり研修会(事例の検討)を開催致します。 日時: 7月28日(日)14時〜15時 (閉会式後) 場所: 盛岡市民文化ホール 第2会議室(大会と同じ建物の中、マリオスの建物の5階)      定員: 40名(申込みが多い場合は、分科会メンバーを優先します) 申込先: 以下の@からCを明記の上、oandmdivision.jarvi@gmail.com 宛に電子メールを送ってください。 @メールアドレス Aお名前(ふりがな) Bお住まいの都道府県 C所属機関 検討予定の事例: 事例1『極めて慣れている駅ホームでの転落 −歩行訓練・指導において「慣れ」をどう考えるか−』 【概要】数年来、毎日、通勤で利用している駅で発生した転落事例。いつもと同じように乗り換えようとしたところ、いつもは停まっているはずの電車はなく、転落した。慣れてくると、乗換先の電車の存在をだんだん確認しなくなるのは必然の振る舞いかもしれないが、どのように考えればいいのだろうか。 事例2『「視覚障害者・支援者がともに高齢である夫婦世帯」への関わりの1事例』 【概要】高齢化に伴い、視覚障害者当事者も支援する家族も高齢である夫婦世帯の増加が予想される。本研究では、「中途視覚障害者緊急生活訓練事業」の中で、歩行訓練士が介護支援専門員、作業療法士の他職種と連携して生活訓練を実施したことで、夫の介護負担が軽減された支援事例について報告する。 7関連企画 7−1日本眼科医会 社会適応訓練講習会デジタルロービジョンケア実践研修会 iPhone・iPadの活用で視覚障害者の「わかる・できる」を広げる!! 日時 2019年7月28日(日) 14時00分〜15時40分 会場 盛岡市民文化ホール 小ホール  視覚からの情報を入手することは活動や情動を豊かにするために非常に重要です。そのため、文字や人の表情や風景、その他の様々な視覚刺激が入らない/入りにくい状況になると、生活活動の低下や意欲の減退などさまざまな影響をもたらすことが指摘され、いわゆる生活不活発病の発生も懸念されています。一方で、昨今の情報通信(ICT)技術の急激な進化やICT機器の登場は、一般の人以上にロービジョン当事者の生活の質(QOL)の向上をもたらしてくれています。しかし、そのような情報をロービジョンケアに採り入れている眼科医や視能訓練士は、全国的にみても決して多くはありません。さらに眼科医療との連携が望まれる社会福祉や教育関係の専門職、さらには一般の人たちにもそれほど浸透していないのが実情です。  そこで、デジタルロービジョンケアの促進による当事者のQOL向上を図るため、眼科医療関係者をはじめとする支援者、ロービジョン当事者やその家族の方々がデジタルロービジョンケアの意義や重要性について基本的な視点と生活場面での活用の実際を学ぶ研修会を開催することにしました。多くのみなさまのご参加をお待ちしています。 内容 基調講演:「デジタルロービジョンケアの意義と実際を眼科医が知ることの重要性」 講師 三宅 琢(神戸アイセンター病院眼科医、産業医、(株)Studio Gift Hand代表) 当事者による実践紹介:iPhone・iPadを私はこんなことに活用しています 視覚障害になった経過や現在の視機能が異なる3人のプレゼンターが、仕事や余暇など生活場面での活用方法をご紹介します。 クロストーク:4人の演者と参加者による情報交換 進行 平塚 義宗(順天堂大学眼科・日本眼科医会) 早坂 朗(紫波中央眼科・岩手県眼科医会) 参加費 無料 ※ただし、日本眼科学会専門医制度生涯教育単位取得希望の眼科医は1,000円。会場受付でご納入ください。 主催 第28回視覚障害リハビリテーション研究発表大会事務局 岩手県眼科医会 日本眼科医会 視覚障害リハビリテーション協会 7−2視覚障害者向け機器・生活用具展示会  液晶画面に表示された時刻を音声で読み上げる時計、AI技術を取り入れた視覚補助具、パソコン画面が見えなくてもメール送受信や文書作成ができるソフト、さらには遮光眼鏡や拡大鏡、単眼鏡、拡大読書器、白杖……と、見えない人・見えにくい人の生活自立に役立つ補助具や便利グッズのメーカーや販売業者が全国から26社出展します。     日時 2019年7月27日(土) 12時〜17時 28日(日) 9時〜14時 会場 盛岡地域交流センター(マリオス) 18階 会議室 ※本展示会は、研究発表大会参加者をはじめ、視覚障害をお持ちの方やそのご家族の方、一般の皆さまなど、どなたでも無料でご入場いただけます。 出展者および主な展示品 ※各出展者から出展のお申し込みをいただいた際に提出された情報をもとにまとめております。 ※出展者の名称の50音順に掲載しております。 1.アイネット株式会社 よみあげ拡大読書器「よみあげ名人」 2.アイネットワーク有限会社 視覚障害者の日常生活用具 活字文書読上げ装置、視覚障害者の日常生活用具 拡大読書器 3.株式会社朝倉メガネ ルーペ・遮光眼鏡・弱視眼鏡・単眼鏡・暗所視支援眼鏡・携帯型読書器 4.株式会社アメディア 音声拡大読書器 快速よむべえ など 5.株式会社19&Cocktailz 白黒反転手帳、白黒反転ノート、かっこいい・かわいいノートKIMINOTE 6.株式会社インサイト 拡大読書器 7.株式会社エッシェンバッハ光学ジャパン 各種ルーペ、携帯型拡大読書器 8.MDS iサポート・Doitプランニング iPhone・iPad体験相談、アイアイサポーター 9.欧文印刷株式会社 2020年点字墨字共用ポケットカレンダー、冨嶽三十六景「神奈川沖浪裏」触察本、その他、点字・触知図印刷物等 10.株式会社QDレーザ 網膜走査型レーザアィウエア・Super Retinal Imaging Display(S.R.I.D.) 11.錦城護謨株式会社 視覚障がい者歩行誘導ソフトマット「歩導くん ガイドウェイ」 12.ケージーエス株式会社 点字ディスプレイ、ブレイルメモスマート、新型ブレイルメモスマート(試作参考出展)、リニューアル版点字ラベラー、OrCamMyEye2 13.株式会社高知システム開発 PC-Talker10他 14.株式会社KOSUGE 白杖MyCaneU,歩行支援および横断歩道信号機カメラのiPhone用アプリ 15.株式会社サン工芸 点字案内板・手摺用点字標示板などの点字サイン 16.株式会社システムギアビジョン 拡大読書器、電子ルーペ、ルーペ、音声支援機器(オーカム等) 17.篠原電機株式会社 高齢者・視覚障害者用LED付音響装置 18.東海光学株式会社 遮光眼鏡 (CCPシリーズ、ビューナル、ヴェルジネ) 19.有限会社読書工房 視覚障害関連書籍、凸面点字器など 20.株式会社ナイツ 拡大読書器、焦点調節式弱視眼鏡(単眼鏡) 21.なんやかんや CD・DVD等光媒体レーベル点字打刻器 てんじのわ、16マス定規 22.株式会社日本テレソフト 点字プリンター、拡大読書器、点字ディスプレイ 23.公益財団法人日本盲導犬協会 盲導犬体験 24.函館視力障害センター ポスター、パンフレット、視覚障害支援ハンドブックなど 25.HOYA株式会社 暗所視支援眼鏡HOYA MW10 HiKARI 26.有限会社ルート 日常生活用具(拡大読書器・ルーペ類)、補装具(遮光眼鏡・単眼鏡等) 8「視覚リハビリテーション研究」論文募集要綱 視覚障害リハビリテーション協会では、2010年度の第1回理事会で議題3として研究紀要の復刊が承認されたことを受け、編集委員会を設置しました。編集委員会では、研究紀要の復刊に伴い、これまで通り大会発表論文とともに新たに原著論文を募集すること、そして年2回発行することなど、これまでの大会論文集を一新し、新たに「視覚リハビリテーション研究」を発行することとしました。それに伴い、新しく募集する原著論文に関する執筆の手引きの案を作り、その執筆の手引きは同12月21日の第9回理事会で認められました。 原著論文とは、英語ではオリジナル・ペーパーとかオリジナル・アーティクルとか呼ばれます。内容は研究について記載した論文ですが、研究内容が他の雑誌などに出版されていないオリジナルなものとして認められるものです。また、通常、仮説に基づいて実証的な研究を行い、結果として得られた根拠に基づいて考察している形式であることも求められます。オリジナル・ペーパーとして掲載するのに妥当かどうかは、通常、専門を同じくする複数の人が匿名で査読(ピアレビュー)ということをして決めます。 査読は掲載の可否を決めるプロセスですが、同時に、投稿されてきた原著論文に注文をつけて、より良い論文として掲載できるよう修正を手伝うという側面を持っています。論文の著者と意見が一致しないとか気に入らないというのは査読者にとっては掲載を拒否する理由になりません。専門を同じくする人が、掲載に値するものかどうか、値するようにするにはどういう修正をすべきか意見を述べることで、交換されようとしている専門知識の内容(原著論文の中身)をより高めていくプロセスが査読です。この専門家の査読のプロセスを得て刊行される原著論文だからこそ、一定の信頼と価値が生まれるとも言えます。 研究発表大会で発表した内容についても、これまで通りの査読のない発表論文としてか、あるいは査読のある原著論文としてか、どちらか選んで投稿いただくことができます。査読が終わって採択されたものから、もっとも刊行の近い号に順次掲載していきます。(以前の大会論文集に既に掲載されたり、「視覚リハビリテーション研究」に発表論文として刊行されたりしたものは、同じ内容の再掲になるためいずれの論文としても掲載できません)。 2012年度の第6回理事会では、発表論文と原著論文の他に掲載するカテゴリとして、特定のテーマについて解説・レビューする「総説」と、原著ではないが掲載にふさわしい有用な内容をまとめた「報告」というカテゴリの2つを新設することが認められました。この2つのカテゴリについては上述したような厳密な意味での査読は行われませんが、掲載にふさわしいかどうかについては編集委員会で評価をし、修正をお願いすることがあります。また、原著論文の査読結果、不採択となった場合、「報告」に切り替えて掲載できる可能性もあります。  2015年の編集委員会にて、これらの4つのカテゴリについては一部不文律であったページ数の制約を明記することが決まりました。また、これまで書式の統一性が低かった発表論文や報告について対策を講じる検討がなされ、刊行から5年を経過していることに鑑み、「視覚リハビリテーション研究」における形式を原著論文の形式に一本化することが決まりました。総説・発表論文・報告の執筆についても、原著論文の書式に従ってください。 原著論文等執筆要綱 (2010年12月21日第9回理事会承認、2016年2月1日編集委員会にて微修正) 1. 原稿の仕様 1.1 原稿は電子データを以下の1.2に述べる書類と共に提出する。要約や図表を本文に配置した完成形 (以下、レイアウト原稿とする)での提出を原則とする。 1) 原稿の構成は原則として次の通りとする。 2) 連絡票(電子ファイルで提出ください。) 3) レイアウト原稿(視覚リハビリテーション研究のレイアウトに従ってレイアウトをしたもの。Wordファイルの例については以下のJJVRのWebページからダウンロードして用いて下さい。http://www.odalab.org/JJVR/) 4) 写真・図表説明原稿(通常の図表の説明以外に、視覚的な表現では分からない読者のためにテキストだけで説明した内容を別途用意してください。別ファイルでなくても、本文の最後に追加した形で構いません。) 5) レイアウト原稿の印刷物(印刷確認用ですので、紙に印刷したものを提出ください。) 6) 著作権譲渡同意書(著者全員が押印したもの、紙に印刷したものを提出ください。) 2. 原稿の提出 2.1 連絡票、レイアウト原稿、写真・図表説明原稿を電子メールで編集委員会へ投稿する。編集委員会のメールアドレスは jjvr-editors@freeml.com である。 2.2 レイアウト原稿の印刷物1部(印刷所校正用)、著作権譲渡同意書1部を郵送で編集委員会へ送付する。編集委員会の住所は以下である。 〒167-8585杉並区善福寺2-6-1 東京女子大学現代教養学部人間科学科小田研究室気付「視覚障害リハビリテーション協会論文編集委員会」 2.3 電子媒体やレイアウト原稿の提出が難しい場合は、編集委員会まで電子メールあるいは郵便にてあらかじめ相談し、提出方法について検討する。 2.4 提出期限 すべての原稿は、査読や編集委員会での判断・修正作業が終わり次第、近い号に掲載するため、とくに期限を定めない。発表論文については、1号については9月末ごろ、2号については12月末頃におおまかな締め切りを設けているが、掲載論文の数などによって変動する。 3. 著者校正 査読終了後、印刷前に1回著者校正を行う。査読終了後の大幅な内容の訂正は認めない。 4. レイアウト原稿 レイアウト原稿には、タイトル(和文論文題名)、英文論文題名、著者名、著者所属、著者名英語表記、所属英語表記、和文要約、キーワード、英文要約、英語キーワード、本文、文献、図表及び写真が含まれる。ただし、原著論文以外のカテゴリについては、英文論文題名、著者名英語表記、所属英語表記、英文要約と英語キーワードがなくても良い。 レイアウト原稿のフォーマットをJJVRウェブサイト(http://www.odalab.org/JJVR/)からダウンロードして使用する。掲載する論文カテゴリごとの長さは、レイアウト後の枚数で以下の通りとする ・原著論文・総説 最小6ページ〜最大10ページ ・発表論文・報告 最小2ページ〜最大6ページ 4.1. 連絡票 連絡票には、下記の1)から8)までの事項を記載する。 1) 論文の種類:原著論文と明記する。 2) 表題:論文内容に即したものとし、一連の研究の場合は類似した表題は避ける。 例:「△△△△におよぼす××××の効果」 3) 著者名:著者が複数の場合は[・]で区切る。 例:視覚太郎・山田里葉子 4) 所属機関名:大学の場合は、学部名等も記す。 例:点字大学教育学部 、白杖リハビリテーション医院 5) 表題の英訳: 例:The effects of ×××× for △△△△ 6) 著者名のローマ字表記:原則としてヘボン式を用いる。 例:Taro SHIKAKU and Rihako YAMADA 7) 所属機関名の英訳: 例:Faculty of Education, University of Tenji, Hakujyo Rehabilitation Hospital 8) 所属機関所在地のローマ字表記:市名、郵便番号 (7桁)のみとする 例:Yamahana-shi, 000-0000 4.2 要約とキーワード   和文については300字以上400字以内の要約と3〜5項目のキーワードをつける。それぞれのキーワードの間は半角スペースで区切る。   英文要約をつける場合(原著論文では必須)、ネイティブチェックを受けた200語以上300語以内の英文要約、3〜5項目の英語のKeywordsをつける。   和文と英文の要約は内容的に一致している必要がある。ただし一語一句一致している必要はない。 4.3 本文   本文は、「目的」「方法」「結果」「考察」の4章、あるいは事例・症例について報告する論文の場合には「目的」「症例」「結果」「考察」の4章に分け、章ごとに内容を分けて記載する。ただし、総説については、これに従う必要はなく、記載する内容に合わせて適切に章立てを行うこと。 4.3.1 論文構成に用いる記号 論文構成に用いる記号は半角数字を半角ピリオドでつないだものを用い(例:1. はじめに、2.1. 実験参加者、3.2. 主観的評価の結果)、見出しの数字で階層が分かるようにする。階層が深くなりすぎないよう、論文構成に配慮する。 1) 大見出し:算用数字1字を用い、上に1行をあける。数字の後ろにピリオドをつけ、全角1マス空けて見出しを書く (例:1. はじめに)。本文は改行して始める。 2) 中見出し:算用数字2字をピリオドでつないだものを用い、上に行をあけない。左端から1字あけて書く。全角1マス空けて見出しを書く (例:2.3. 手続き)。本文は改行して始める。 3) 小見出し:算用数字3字をピリオドでつないだものを用い、上に行をあけない。左端から2字あけて書く。全角1マス空けて見出しを書く (例:4.1.2. 先行刺激の効果が無かった原因の検討)、コロン (:)で区切って本文を書き始める。 4) これ以下の小見出しについては、必要な数の算用数字をピリオドでつないで用いる。表記法は小見出しに準じる。 5) リストの表記:算用数字に閉じ括弧 )をつけたものを用いる。 4.3.2. 表記について 1) 文体:原則として「である」調とする。 2) 句読点:「、」「。」とする。 3) 年号:原則として西暦使用とする。 (例:「2004年」) 4) 記号:以下の記号をその使用例のように用いることができる。 ・中点 (・) 並列する同種の語を列挙する場合。 ・ハイフン (−) 外国語の対語・対句の連結の場合。 ・引用符 (" "または「 」) 引用文に用いる。 ・括弧 ( )または[ ]を用いる。 ・コロン (:) 例、説明などを導く場合などに用いる。 ・セミコロン (;) 引用文献を列挙する場合、あるいは検定結果を列挙する場合に用いる。 ・省略符 (・・・) 引用文の一部あるいは前後を省略する場合に用いる。 5) カタカナ:本文中の外国語の使用はできるだけ避け、原則として日本語化した外国語を記述する時にのみ用いる。 6) 英数記号:原則として半角英数記号を用いる。 7) 略語:一般に用いられているものに限る。ただし、必要な場合には、初出の時にその旨を明記する。 8) 検定結果の表記:各種統計的検定の結果を示すときには、以下のように検定統計量、自由度ならびに有意水準等を明記する。 (F(1, 50) = 7.05,p< .05)、(χ2(5) = 1.54,p< .05)など F, t, pなどは斜体 (イタリック)とすること 4.4. 文献 4.4.1. 引用文献:本文において引用されたすべての文献を、著者名のアルファベット順に論文の後に「文献」として一括リストして記載する。同一著者の複数の文献は発行年順とする。同一著者による同一年の文献が含まれる場合は、発行年の後に小文字のアルファベットを付けて区別する。また、引用文献においては、題目・雑誌名・巻号の区切り文字の「.」「,」 は半角に統一する。 4.4.2. 文献リストの書式 1) 雑誌:著者名 (西暦年) 題目.雑誌名,巻数 (必要な場合は号数) ,開始頁-終了頁. 2) 著書:著者名 (西暦年) 書名.出版社,出版地,開始頁-終了頁 (必要な場合). 3) 分担執筆:著者名 (西暦年) 章題.編者名 (編),書名.出版社,出版地,開始頁-終了頁. 4) 訳書:原著者名 (西暦年) 原書名.出版社,出版地,訳者名 (西暦年) 書名.出版社,開始頁-終了頁 (必要な場合). 欧文の書名 (原書名)および雑誌名は斜体 (イタリック)とする。 和文著書の場合、出版地は省略する。 5) Webページ:著者名 (西暦年) 題目.Webサイト名,URL,(アクセス年月日). 例: 1) 雑誌(和) 同一著者・年はa、bで区別。 鈴木太郎・田中花子(2010a)視覚障害幼児への早期リハビリテーションに関する調査研究. 早期研究, 2, 12‐17. 鈴木太郎・田中花子 (2010b)視覚障害幼児への早期リハビリテーションの一事例. 実践早期研究, 3, 47-51. 2) 雑誌 (欧): 著者3名以上では&の前に (,)を必ず入 れる。雑誌名は斜体。 Leg, E. G., Bail, A., & Pel, E.(2007)Effects of early intervention for blind children. International Journal of Videology, 48, 611-618. 3) 著書 (和): 田中花子(1995)視覚障害の基礎.拡大社. 4) 著書 (欧):書名は斜体。 Kooman, A. (1997) Visual field. The Sample Press, Amsterdam. 5) 分担執筆 (和) 田中花子 (1988)視覚障害者のリハビリテーション.鈴木太郎 (編),障害者リハビリテーション.山花出版,9‐41. 6) 分担執筆 (欧):編者1名:(Ed.) 、編者複数:(Eds.) 、編者3名以上は& の前に (,)を挿入。 書名は斜体。 Keller, A., Miller, B., Dodd, C., & Brian, A. (2001) Vision care. In W. M. Taylor & D. Reynolds (Eds.), The world of vision rehabilitation. Tsunami Press, London, 35‐72. 7) 訳書 :原書名は斜体。 Barry, F. & Allen, G. (1999) Rehabilitation and education for low vision. Long Cane Press, New York. 鈴木太郎・山田次郎監訳 (2009)ロービジョンのリハビリテーションと教育.白杖学術出版社,39‐74. 8) Webページ 田中花子(2015)視覚障害幼児への早期リハビリテーションの新しい提案. 幼児教育フォーラム, http://www.earlyintervention.org/tanaka/2015/article.html, (2015/12/29). 4.4.3. 本文中の引用の仕方 著者名の省略は避け、全員の名前を明記する。ただし,著者が3名以上である場合は「 (筆頭著者名)ら」 (欧文の場合は「 (筆頭著者名)et al.」)と記す。著者名の連記は以下の例に従うこととする。 1) 文中の場合 例:鈴木・田中 (1995)および山田 (1987)は・・・ 。佐藤ら (1990)が・・・。 Ryan and Nelson (1984) は・・・。 (&記号は用いない) ・・・Cameron et al. (1991)によると・・・。 2) 文末などの( )内の場合 例:・・・と指摘されている (鈴木・田中,1981;山田, 1980)。 ・・・と指摘されている (Ryan and Nelson, 1984; ・・・)。 引用文献が複数の場合はセミコロン (;)で連ねる。 カッコ内の引用順は、論文末にあげる文献リストの順に準ずる。 4.5. 図表及び写真 4.5.1 図表は本文中の適切な位置に割り付け、引用順に図1、 表1のようにする。 写真も図に含める。それぞれに簡潔で適切な見出しをつける(例:図1 訓練前後での歩行速度の比較) 。掲載する図や表について、必ず本文中でその内容についての触れ、十分な説明をすること。 4.5.2. 写真を掲載する場合には、内容が理解できる程度の解像度を確保するとともに、過度に高い解像度のためにファイル容量が増大することの無いよう留意すること。また個人情報保護に特に注意をはらうこと。 4.5.3 図表、写真にカラーの原稿を用いても構わないが、仕上がりはモノクロとなるので、モノクロでも鮮明な画像となるよう留意すること。 5. 註釈 注釈が必要である場合は、本文中にその箇所を明示したうえで、1), 2)のように上付きで通し番号をつけて註を付す。また、本文、あるいは謝辞がある場合には謝辞と引用文献リストの間に、すべての註を1)、2)のように番号順に記載する。 本文例: (前略)ABC共和国における眼鏡の価格はおよそ500円で平均年収のおよそ10%に相当する1)。(後略) 注欄例:  註 1) 2005年当時の為替レートで計算した。なお、本稿掲載時には調査時、執筆時とは状況が大きく異なっている可能性がある。 2) (後略) 6. 写真・図表説明原稿   本誌を点字版やデータ版で読んでいる会員が、図や写真を理解しやすいよう、説明原稿を用意する。図と写真は文章化し、表はテキストデータを提出する。図表の作成に使用した基本ソフトとアプリケーションソフトを明記する。 7. 研究倫理の遵守 投稿者は所属機関等の倫理規定に従い、投稿する論文の内容について充分に人権及び研究倫理上の配慮をしなければならない。また、研究実施の際に配慮した研究倫理に係る事項があれば、論文中に記載すること。なお、二重投稿や著作権・肖像権の侵害などの倫理的問題を避けること。倫理上の問題のある論文は掲載できない。 8. 著作権譲渡同意書   論文を投稿する場合には、著者全員が押印した著作権譲渡同意書を1部提出すること。JJVRウェブサイト(http://www.odalab.org/JJVR/)からダウンロードした著作権譲渡の書式を用いること。   この譲渡によって、視覚障害リハビリテーション協会は、視覚リハビリテーション研究に刊行された原著論文やその電子的形態による利用を含めた包括的な著作権を有する。しかし、これは著者自身が自著の原著論文を複製,翻訳,翻案等の形で利用することを禁止するものではない。ただし、その全部あるいは大部分を他の著作物に利用する場合には,その旨を協会(事務局)に申し出るとともに,出典を明記すること。また一部分を利用する場合にも,文献あるいは図説の下に出典を明記すること。このことは、原著論文にのみ適用される。 9. 投稿の資格 投稿時に筆頭著者が視覚障害リハビリテーション協会の会員であり、年度会費を納入済みであること。 9第29回視覚障害リハビリテーション研究発表大会 in 岡山 開催案内 会期 2020年9月11日(金)〜13日(日) 会場 岡山大学創立五十周年記念館(津島キャンパス内) 大会テーマ ど田舎にもお宝が・・・“肩寄せ合えば暖かい” 特別講演 “見えなくても見えた支える笑顔” NPO法人ヒカリカナタ基金 理事長、岡山県立岡山盲学校 元教頭 竹内 昌彦 氏 演題登録受付期間(口頭・ポスター発表) 2020年2月1日〜3月31日 参加登録受付期間 2020年5月15日〜7月31日 主催: 視覚障害リハビリテ−ション協会 主管: 第29回視覚障害リハビリテーション研究発表大会in岡山 実行委員会 〜中四国9県(島根・鳥取・山口・広島・岡山・愛媛・香川・高知・徳島)の仲間からなる実行委員会がお届けします〜 大会長:守本 典子(岡山大学眼科学講座・岡山大学病院眼科) 副大会長:渡辺 英臣(岡山県眼科医会会長) 副大会長:片岡 美佐子(岡山県視覚障害者協会会長) 事務局: 岡山大学眼科学講座(守本・熊瀬) 事務局長:岸本 和宣(岡山県視覚障害者協会 地域生活支援事業所みちしるべ) 大会事務局メールアドレス:taikai.okayama@jarvi.org 10抄録作成支援について 抄録作成支援について  第21回大会から行われてきた抄録作成支援を本大会でも実施いたしました。その支援内容は、「抄録としての基本的要件である、目的・方法・結果・考察のような章立てた構成がなされているか」「各章のタイトルと内容にずれがなく、読者が分かりやすく理解できるような記載となっているか」「内容の有効性と800字の活用具合はどうか」「個人情報の取り扱い」「明らかな間違いや誤字脱字の指摘」などです。  大会実行委員会委員のうち、視覚障害リハビリテーションに実践・臨床・人材育成などの立場で携わり、本研究発表大会をはじめとする学会や研究大会などでの発表経験を持つメンバーで構成した抄録作成支援チームが、上記の視点に基づいて登録された抄録を確認し、その結果について発表者にフィードバックさせていただきました。このことにより発表者は抄録を修正する機会ができ、より発表の質が高められたことと期待しております。  修正に応じていただきました多くの発表者の方々に心より感謝申し上げます。 11後援・協力者一覧 後援 岩手県眼科医会、岩手県視覚障害者福祉協会、いわて視能訓練士の会、岩手県立視聴覚障がい者情報センター、公益社団法人日本網膜色素変性症協会、日本ロービジョン学会、公益社団法人日本眼科医会、公益社団法人日本視能訓練士協会、視覚支援機器用具事業者協議会、社会福祉法人視覚障害者文化振興協会、特定非営利活動法人全国視覚障害者情報提供施設協会、全国盲学校長会、日本歩行訓練士会、社会福祉法人日本盲人社会福祉施設協議会、公益財団法人日本盲導犬協会、特定非営利活動法人アイサポート仙台 労務提供協力 参天製薬株式会社、千寿製薬株式会社、ノバルティスファーマ株式会社、日東メディック株式会社 ボランティア協力 岩手県立視聴覚障がい者情報センター 広告掲載協力 参天製薬株式会社、錦城護謨株式会社、社会福祉法人視覚障害者支援総合センター、 千寿製薬株式会社 寄付 岩手県眼科医会、いわて視能訓練士の会、錦城護謨株式会社 ※2019年7月5日現在 12実行委員会 大会長 佐渡 一成(視覚障害リハビリテーション協会 理事、さど眼科 院長) 大会副会長 及川 清隆(社会福祉法人岩手県視覚障害者福祉協会 理事長、       社会福祉法人日本盲人会連合 副会長) 森  敏郎(岩手県眼科医会 会長、森眼科クリニック 院長) 事務局長 阿部 直子(視覚障害リハビリテーション協会 理事、       特定非営利活動法人アイサポート仙台 仙台市視覚障害者支援センター       社会福祉士) 実行委員(50音順) 大弓 幸子(いわて視能訓練士の会、岩手県立盛岡視覚支援学校) 大和田清子(いわて視能訓練士の会、岩手県立大船渡病院) 小泉 大介(株式会社トラストメディカル) 下坪喜美子(岩手県立盛岡視覚支援学校) 田上 礼子(岩手県立視聴覚障がい者情報センター) 玉川久美子(有限会社ルート) 永井 伸幸(宮城教育大学) 早坂  朗(岩手眼科医会、紫波中央眼科) 星野美和子(岩手県立盛岡視覚支援学校) 村井 孝典(公益財団法人日本盲導犬協会仙台訓練センター) 山口 史明(公益財団法人日本盲導犬協会仙台訓練センター) 13おくづけ 第28回視覚障害リハビリテーション研究発表大会 抄録集 発行日: 2019年7月26日 編集・発行: 第28回視覚障害リハビリテーション研究発表大会 事務局 〒980-0021 宮城県仙台市青葉区中央2丁目4-11 水晶堂ビル2階 さど眼科内