ポスター発表
P-R-41
超初心者向けタイピング訓練ソフト「オトタイプ2」の開発
○大内誠(1)、大平和(1)、國井友里(1)、菅原沙友紀(1)、高平千世(2)、善積有子(3)、大久保陽介(3)
(1)東北福祉大学、(2)国立障害者リハビリテーションセンター、(3)アイサポート仙台
【目的】
パソコンに初めて触れる視覚障害者にとって最大の難関は、キーボードの配列を理解し、タッチタイピングをしなければならないことである。その際、入力した文字や画面の情報を音声化して伝えるスクリーンリーダが必要になるため、ハードルはさらに高くなる。
そこで、我々は、パソコンの超初心者を対象としたタイピング訓練ソフト「オトタイプ2」を開発することにした。オトタイプ2は、これまでに全くパソコンに触れたことがなくても、キーボードの配列を理解・記憶し、簡単な単語から長文まで入力できるようになるためのコースウェアを搭載している。なお、スクリーンリーダは不要である。
【方法】
始めに、教師役になるキャラクタ型エージェント「マリーナ」を開発した。マリーナは、キーボードから入力した文字や操作説明を音声化したり、学習者を励ましたりしてくれる。次にタイピングを習得するためのコースウェアを開発した。最後に、パソコン経験が2年以上ある視覚障害者3名を対象に、評価実験を行った。
【結果】
(1)コースウェア構成
a.基礎練習(ホームポジション他)
b.タイピング練習(基礎単語他)
c.自由入力練習
(2)評価実験結果
普段使用しているスクリーンリーダと比べ音声が聴き取りにくかったが、キーの位置や指使いなどを細かく指示してくれるので、パソコン初心者のタイピング訓練には役立つという評価を得た。
【考察】
読み上げ音声の評価が低かった理由として、声色や音程が自由に変えられない点が挙げられる。また、詳細読みの機能が未搭載のためスクリーンリーダの経験者にとっては、情報不足を感じたのではないかと推測される。
【結論】
読み上げ音声の品質に問題はあるものの、パソコンの超初心者が初めてタイピングを学ぶために必要な機能は概ね搭載されており、有益と思われる。今後は、読み上げ音声の品質改善等に尽力したい。
戻る