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ポスター活動
P-A-21
就労移行支援事業5年間の活動実績報告

○坂田光子、佐藤利昭、海田展子、藤縄泰彦、北林裕、杉江勝憲
日本盲人職能開発センター

【はじめに】
社会福祉法人日本盲人職能開発センターでは平成23年4月より就労移行支援事業を開始し、丸5年が経過した。本事業についてこれまで実施した職業訓練の内容、利用者の状況および就労実績について報告する。

【実績報告】
(1)訓練概要
視覚障害を持つ就労希望者に対し、音声パソコン初心者の方にもタッチタイピングの基礎から段階的に訓練を行う「基礎コース」、画面読み上げソフトJAWSを使用し、より高度な職業訓練を行う「応用コース」、フルキー六点漢字入力を用いて速記の技術を身につける「速記コース」の3つのコースがある。定員は18名である。
(2)利用者属性
過去5年間の利用者に関して利用者属性(障害等級、年齢、性別、求職在職の別、居住地など)について調べた。
(3)利用人数
延べ利用人数は21,697人(見込み)であった。利用人数は年々増加しており、平成27年度は事業開始1年目と比べ1.5倍、5,000人以上の方が利用している。
(4)修了後の進路
新規就職した方が4割弱と最も多く、次いで、在宅に戻られた方が約3割であった。
(5)就労実績
新規就職者65名(平成28年1月現在)の職種は、事務職が28名、企業内マッサージ師(ヘルスキーパー)13名、治療院マッサージ等10名、その他、SE、テレビモニター、電話サポート、販売などとなっている。また、新規就職者の身体障害者手帳等級は、1級が12名、2級が41名で重度の方が8割を占めている。

【考察と課題】
就労を目的とする視覚障害者にとって、パソコン訓練のニーズは高く、就職者のほとんどが、実際の就労にあたってパソコンスキルを活用している。休職者や継続就労中の方も一定数利用されているが、制度上、利用が難しくなってきていることが課題であり、就労移行支援を利用した在職者訓練が必要とされている。

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