ポスター活動
P-A-22
視覚障害者の就労支援機会の拡大の試みとしての学会でのマッサージサービス
○永井伸幸(1)、千葉康彦(2)、菅井裕行(1)
(1)宮城教育大学、(2)宮城県立視覚支援学校
【目的】
視覚障害者の就労支援については、一般就労支援だけでなく、就労継続支援事業の充実も必要である。今回は、就労継続支援事業における、視覚障害者の活動機会の拡大を図るため、大人数の集まる場での国家資格所有者によるマッサージの提供が、事業の一環として実施可能かを実践を通して検討した。
【方法】
会場:仙台市で開催された、1000人規模の参加者がある、3日間の学会の休憩室の一部を提供してもらった。スクリーンで仕切り、ブースを2つ設置した。
実施体制:認定NPO法人ビートスイッチで就労支援の一環として行った(同年10月1日に、就労継続支援B型事業所「希望の星」を開設)。2名のあん摩・マッサージ・指圧師免許を有する、盲学校専攻科卒業生および受付、移動支援のスタッフ数名によって実施した。
サービス内容:20分間の椅子に座った状態での首、肩に対するマッサージを、500円で提供した。
評価方法:マッサージ後に質問紙で評価してもらった。
【結果】
質問紙に回答した42名中、無回答1名を除く41名が、提供したマッサージについて、「よかった」以上の評価であった。また、「仙台で開催される他の学会でもやった方がいいと思いますか?」という問いに対して、39名が「思う」と回答した。
【考察】
評価は概ね高く、学会におけるマッサージの提供が、事業として成り立つ可能性が示唆された。一方で課題もいくつか挙げられた。今回は障害児者に関する学会であったため、了解を得る事に大きな困難は無かったが、そうではない学会の場合には円滑な実施が困難な可能性がある。また、大規模でプログラムが平行開催されるような学会でなければ「空き時間」が生じないため、マッサージを受ける時間が確保できない。その他、実施にあたっての検討課題を得ることができた。今後も機会を利用してこの事業の実施可能性を高めていく予定である。
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