ポスター発表
P-R-45
視覚障害者スキーの現状と課題
-ブラインドスキーサミット2015の開催を通して-
○矢部健三(1)、市川健太(2)、大橋由昌(2)、川添由紀(2)、串田直樹(2)、小須田佳代(2)、志村好枝(2)、福原亮彦(2)、町田由美(2)、八重樫幸夫(2)
(1)神奈川県総合リハビリテーションセンター七沢更生ライトホーム、(2)かながわブラインドスキークラブ
【目的】
かながわブラインドスキークラブ(以下K)の設立30周年記念事業として開催した同種の団体による情報交換会を報告し、視覚障害者スキーの現状と課題を明らかにする。
【方法】
Kの他、だいすきークラブ(神奈川、以下D)、シーハイル(東京、以下S)、TABS(東京、以下T)、三ツ星山の会(富山、以下M)の4団体の参加を得て、2015年10月神奈川県ライトセンターで「ブラインドスキーサミット2015」を開催し、活動実績、誘導方法、ボランティア募集方法等について情報交換を行った。
【結果】
活動開始が最も古いのは、Kの1985年で、Sの1986年がそれに続いた。他3団体も2000年前後から活動しており、いずれも10年以上の活動実績を有していた。
誘導は、原則視覚障害者1対晴眼者1とするのが2団体、晴眼者の数や視覚障害者の見え方、スキー技能によって1対1もしくは1対2とするのが2団体、原則1対2とするのが1団体だった。指示はいずれの団体も後方からが中心だが、視覚障害者の希望によっては前方からも行っていた。指示内容は4団体が曲がる方向だったのに対し、Tは、曲がるタイミングを「ターン」などの掛け声で知らせていた。誘導に使用する用具としては、3団体でワイヤレス式インカム・ヘッドセットやハンズフリー拡声器を使用していた。その他、全ての団体で滑走時には視覚障害者の団体であることが周囲から分かるビブスを着用していた。
ボランティア募集は、会員や過去の参加者、口コミがどの団体も中心だった。ポスター掲示やチラシ配布、HPやSNS利用は3団体が実施していた。また、TとSでは、ツアー会場付近の社協を通じて地元スキーヤーの協力を得ていた。
【結論】
ハンズフリー拡声器など共有備品購入資金の不足をあげる団体も複数あった他、各団体の共通の課題として、ボランティアの不足や高年齢化が明らかになった。
今後は、これら課題の改善に取り組むとともに、情報交換を継続して視覚障害者のスキー環境の充実・発展に繋げていきたい。
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