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ポスター活動
P-A-29
視覚障害者情報提供施設におけるイベント事業の取り組み

○鳥居秀和
川崎市視覚障害者情報文化センター・利用者支援グループ

【目的】
川崎市視覚障害者情報文化センターは一昨年の開館以来、イベント企画を事業の柱の一つに据えている。情報提供施設におけるイベントの意義と有効性について考察してみる。

【方法】
今年当センターが実施したイベントは大小あわせて15以上、毎月実施されるものもあるのでほぼ2~3週間に1回、何かしらのイベントをしていることになる。
センターまつりは、年1回行う最も大きなイベントである。外部講師を招いた講演会、ボランティア団体による朗読ミニライブや点字・パソコンの体験、盲導犬やロービジョン体験など、利用者、ボランティア、地域の三者が深く係わる場として大切な機会である。
また春と冬のコンサート、朗読会、防災イベント、音声解説付きDVD上映会、歴史的音源を聞く会など大小のイベントを定期的に開催している。これらイベントの日常化は、図書館としての役割から一歩進んだ多様な情報発信の役割を担い、地域の文化的施設としてセンターを位置づけ、利用者の生活をより豊かにするものである。
さらに生活訓練を受けている訓練生を対象に、訓練生交流会(ぶらぶら会)や屋外交流会を実施し、訓練生同士が互いに交流し親睦を深めることを積極的に行っている。

【結果】
当センターの啓発的役割は大きく、地域、行政、学校など各方面への情報発信の機能も持つことで、地域における障害者への理解を進めていくものである。また、イベントがあることで利用者が外出意欲をもち、職員とのコミュニケーションが豊かになることでセンターを身近に感じてもらい、相談や支援につながることも多かった。訓練生交流会では、孤立しがちな訓練生同士が交流会によって身近な情報を共有していく中で、不安を克服し生活の自立に向けてのヒントを得る方もいた。情報がセンターからの一方的なものではなく、相互に発信されていることが信頼感につながるといえる。

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