ポスター活動
P-A-37
点字・大活字避難所運営ゲーム(HUG)の開発(第1報)
○藤原義朗(1)、金平景介(2)、坂本康久(3)
(1)高知県視力障害者の生活と権利を守る会、(2)公益財団法人高知県身体障害者連合会、(3)高知市点字図書館
【はじめに】
東日本大震災では、視覚障害者で一旦助かった命が1年後には8%以上亡くなっている(日本盲人福祉委員会調べ)。そこには、トイレ問題をはじめ深刻な避難所運営の課題がある。
一方、2006年静岡県で開発された避難所運営ゲーム(HUG)(以下、ハグと呼ぶ)は、参加者が避難所の受付役を担い、様々な課題を体験し、解決策を共有するワークショップである。
今回、静岡版ハグを基に、「ゆめ風基金」より助成金を受け、視障者が参加しやすいよう点字と大活字および立体図を組み合わせたハグ(以下、点字ハグ)を作り、視障者と市民が共に学ぶ機会を得たので報告する。
【作製の目的】
①視障者自身が体験し、避難所で起こる様々な課題を知る。
②地域でハグが行われる時、視障者自身が障害の課題を述べる力を付ける。
③点字ハグの使用により、視障者のことを市民が知る機会とする。
【点字ハグの作製】
①ハグカード(250枚)(個別事例、イベントカード)を約1.7倍(面積比約3倍)に、大活字および点字を付記。
②学校敷地図および校舎図を立体にし、点字を付記。
③避難所となる体育館を模式化(約85㎝×120㎝)
④視覚障害事例カード(20枚)を、それぞれ5セット
【点字ハグ大会の実施】
第1回2015年4月(高知、27名/うち視障者11名)
第2回2015年5月(埼玉、31名/23名)
第3回2016年1月(高知、28名/7名)
第4回指導者養成講座(東京、14名/13名)
以後、和歌山、福岡、神奈川で予定
【結果】
点字ハグを実施したことで、上記の意義の確認および次の点が得られた。
①一般の市民の参加により、視障者の避難所問題を主体的に考える機会を得た。
②貸出しの希望も出ており、広がりの可能性が出てきた。
【展望】
点字ハグの出前講座を行ない、住民が視障者の問題を考える機会を作る。
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