ポスター活動
P-A-17
盲学校における盲ろう生徒への歩行指導の実施について
○坂部司
愛知県立岡崎盲学校、NPO法人愛知視覚障害者援護促進協議会
【目的】
演者(教員・歩行訓練士資格)は、平成25年度からに盲学校で自立活動の時間に歩行指導を実施している。また、平成26・27年度と文部科学省モデル事業「特別支援学校のセンター的機能充実事業」を利用し、業後に自力通学希望者に対して、演者が歩行指導に関わっている。
今回、高等部普通科に在籍している盲ろう男子生徒の歩行指導を平成25年度から3年間実施したので、その3年間の指導方法の変化と結果について報告する。
【方法】
学習目標は生活自立に向けて、コミュニケーション能力、援助依頼の方法の獲得とし、単独歩行技能を身に付けることとした。
1.自立活動の時間での歩行指導
平成25年度から平成27年度、毎週1回、50分の授業、年間約13回実施。
2.センター的機能充実事業
平成26年度から平成27年度11月から12月、120分/1回、年間4回実施。
【結果】
1.境界線(民地側・グレイチング・視覚障害者誘導用ブロック)沿いに歩行することにより、手がかりの検出が可能となり安全が確保された。
2.信号機のある交差点の横断では、能動的な援助依頼により安全な横断が確保された。
3.クラス担任と保護者の協力を得て、コミュニケーションカードなどを作成し使用することにより、他者(歩行者、コンビニエンスストアー店員、鉄道駅員)とのコミュニケーションが可能となり、買い物や公共交通機関(バス・電車)の利用が可能であることが生徒自身に理解が得られた。
【結論】
境界線を活用した白杖操作の徹底とコミュニケーションを取ることに重点を置き、生徒自身が「こうすればできる」という行動方法の自信にもつながったと考えられる。
戻る