ポスター活動
P-A-26
日本ロービジョン学会による視覚障害者向け 災害対応啓発用リーフレットの作成
○張替涼子(1)、加藤聡(2)、安藤伸朗(3)、木村肇二郎(4)、國松志保(5)、佐渡一成(6)、陳進志(7)、中野泰志(8)、永井伸幸(9)、仲泊聡(10)、原田敦史(11)、八子恵子(12)、山本百合子(13)
(1)新潟医療福祉大学、(2)東京大学、(3)済生会新潟第二病院、(4)木村眼科クリニック、(5)東北大学、(6)さど眼科、(7)あさひがおか眼科、(8)慶応義塾大学、(9)宮城教育大学、(10)国立障害者リハビリテーションセンター、(11)堺市立健康福祉プラザ視覚聴覚障害者センター、(12)北福島医療センター、(13)グラフィックデザイナ
【背景】
2011年の東日本大震災では、災害時の視覚障害者の状況や支援に関して様々な問題が明らかとなった。支援に尽力した視覚障害リハビリテーション関係者らが、その経験や教訓、提言を発信し共有する動きも活発である。しかし、情報の共有範囲は限られており当事者である視覚障害者へそうした知見を周知する機会は乏しいのが実情である。ことに、当事者団体に属していない視覚障害者やロービジョン者は災害時に視覚障害者がおかれる状況を知る機会は極めて限られている。また、災害時の視覚障害者支援には眼科医療機関が一定の役割を果たすことも期待されるが、眼科医療機関は災害に関する基本的な知識を持っていない現状がある。
【目的】
視覚障害者とその家族や支援者(眼科医療機関を含む)が知っておくべき防災や被災時の行動に関する情報を効率的に提供し、災害への備えを促す。
【方法】
日本ロービジョン学会災害調査対応委員会にて下記の2種類のリーフレットを作成した。
1.「災害が起きたときのこと、考えていますか?」:災害への備えについて、視覚障害者が準備
しておきたい事柄を解説した。
2.「被災してしまったら」:被災した視覚障害者が適切な支援を受けるために知っておくべき事柄を解説した。
内容は実際に被災地での支援活動にあたった委員の経験と、社会福祉法人日本盲人福祉委員会発行の「災害時の視覚障害者支援者マニュアル」「災害時の視覚障害者支援体制マニュアル」を中心にまとめた。リーフレットは日本ロービジョン学会のホームページに掲載し、自由にダウンロードできるようにした。
【今後の課題】
今後リーフレットの活用を推進するためには医療・福祉・教育、その他広範囲にその存在を広報していくことが必要である。特に、多くのロービジョン者が通院している眼科医療機関での活用を促すため、眼科専門誌への掲載、学会での見本の配布などの広報活動を継続的に行っていく必要がある。
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