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ポスター活動
P-A-27
Skypeを利用した各国視覚障害リハ事情と課題の学び合い

○新井愛一郎、芳賀優子
社会福祉法人国際視覚障害者援護協会

【はじめに】
国際視覚障害者援護協会では、1982年からアジアを中心とした開発途上国から視覚障害留学生を日本に招き、盲学校での理療の勉強を支援してきた。彼らは4年間、日本の視覚障害者と同じように生活し、自国の視覚障害者の自立について、それぞれ課題を認識して持ち帰っている。その問題意識を継続的に発展させることは大きな課題であった。しかし2012年までは、組織的な取り組みはできていなかった。

【Skypeを活用した日本語学習】
3年前(2013年)から、Skypeを活用して比較的簡単に交流ができるようになったことで、帰国後も日本語力の向上と日本の視覚障害者事情を学びたいという、継続的な希望があることがわかった。
モンゴル、中国、韓国、台湾、タイ、マレーシアなどの比較的インターネット通信状態が安定した国々の元留学生に、日本語学習ボランティアを募り、Skypeでの勉強を開始。そしてそれが、パソコンの指導、相互の視覚障害者事情の情報交流に発展していった。

【日本での生活体験から自国の課題へ】
留学生たちは日本で経験した有意義な制度やサービスを、自国で紹介もしている。以下にその一例を示す。
A.制度・サービスの前提として、社会の視覚障害者への理解が大切
B.家に閉じこもりがちな視覚障害者が、外の世界と接点がもてるようなレクリエーションも大切
C.自立のために大切な、移動支援・サービスが不可欠
・バスの車内放送
・スタッフが駅間で連携して誘導してくれる
D.ATMなどの社会システムから視覚障害者が阻害されない仕組みの構築が、本当の意味での社会参加
・音声とテンキーで操作できる券売機

【今後の展望】
前述の成果を踏まえて、以下の活動を計画している。
A.視覚障害者通訳のネットワークづくり
アジア10カ国の元留学生に参加してもらい、通訳者のネットワークを作る。
B.視覚障害リハの国際交流
相互の現状と課題を共に学び合い、将来的には解決に向けて連携を取り合える関係づくりに発展させていく。

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