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ポスター活動
P-A-31
川崎市視覚障害者情報文化センターにおける用具販売の意義

○島田延明
川崎市視覚障害者情報文化センター・利用者支援グループ

【はじめに】
開所当初に想定していた用具販売の目的は、「便利に買い物ができる場所の提供」に過ぎなかったが、2年を経過した今、用具利用客から視覚リハビリテーション(以下視覚リハ)や図書登録につながるケースが多く、想定以上の波及効果が認められる。その背景や効果について述べる。

【背景】
視覚リハ施設で視覚障害者向けの用具の充実した展示や販売はほぼない。利用者から要望があれば、販売している施設を紹介するか仲介役をするかにとどまっている。当センターでも、当初は指定管理業務の中に「用具の販売」は含まれていなかったが、「商品を手にとって試せる場所を増やして欲しい」という要望が多く、川崎市にお願いして用具販売を認めてもらった。

【展示・販売方法】
白杖などの補そう具、日常生活用具といった定番のものは勿論、便利グッズやアイデア商品といった品々も一通り揃えている。白杖の修理や時計の電池交換等、緊急を要するものは部材を常に用意してあり、数十分程度で対応可能としている。

【効果】
白杖やデイジー再生機を給付申請しに来た方、ショッピングを楽しみにきた方などに商品説明をしながらニーズを把握することが出来る。その結果、視覚リハや図書登録につながるケースが非常に多い。また、相談や視覚リハ希望で来所された方が、色んな用具に触れることにより日常生活上の困難を軽減したり、新たなニーズを獲得している。訓練生に対しても「新商品があるから用具に遊びに来れば?」など施設利用を促すことが可能である。他にも、歩行訓練士がいることで安心して白杖を購入できるなどの声も寄せられている。
「買い物を楽しんでもらう」という当初想定していた以上の効果があがっており、図書登録者数は57名増など施設利用率は確実に高まっている。「買い物」という気軽に利用可能なスペースがあることで、施設へのアクセスのハードルを下げている。

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