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ポスター発表
P-R-29
鉄道ホーム改善推進協会の設立と活動経過
-安全な駅ホーム利用の実現に向けた取り組み

○今野浩美
鉄道ホーム改善推進協会

【目的】
ハンディのある方が駅ホーム特有の条件下で身の安全をどのように確保しながら移動できるのか、その実態を社会に伝える啓発活動をしようと2014年に結成されたのが「鉄道ホーム改善推進協会(以下協会と略す)」(会長今野真紀)である。ここでは、協会の活動を概括する。

【方法】
2年間で4回のセミナー、2回の最新ホーム柵メーカー見学会、その他交流会と学習会を経て、具体的な取り組み事例報告提供を受けることとなった。人的取り組み・機器設備分野の事例収集、研修テーマとして、”音サインの現状把握””可動式ホーム柵の見学会と意見交換会””エスカレーター利用の状況把握””鉄道会社の安全についての取り組み事例(東急電鉄)”などを取り上げ、参加者とのディスカッションの時間を積極的に作った。

【結果】
協会は通常会うことのない技術者と意見交換する機会を作ったことで、高額な設備費用を安価にするための開発努力が継続されていることを知ったり、調査団体の報告を受けブロックで誘導されてはいないエスカレーター利用者が多いことに気付くなど、ホームがより安全になるための研究が進んでいる事実や設備が現状に合っていない状況があることを知った。ホーム柵のセンサーに必要以上の機能を付けた結果、当事者にとって不便な配慮となってしまった事例を現場でメーカーと共に共有できた見学会は、大変好評だった。

【考察】
設置側にも事情がある中、駅ホームをどのような専門家が取り巻き、現実的にどのように対策が工夫されているのかを正しく理解した上で相互のコミュニケーションが図られるメリットは大きいことを実感した。

【結論】
現状として従来型のホーム移動方法の研究が不可欠とは思うが、当事者の歩き方訓練ノウハウを持つ会員が少ない。歩行環境整備といった分野との共通理解も不可欠と言えることから、問題をどのように解決していくのかを研究する多方面からの新しいコミュニティーの形成について、今後認識していかなければならないと考える。

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