ポスター活動
P-A-14
早期教育院内相談に関するアンケート調査報告
○山本敬子(1)、大長洋子(1)、羅錦營(2)
(1)静岡県立静岡視覚特別支援学校、(2)羅眼科
【はじめに】
静岡県では、平成8年12月より静岡視覚特別支援学校と超早期教室指導員が静岡県立こども病院内で院内相談を実施しており、今年で20年目となる。これまで多くの乳幼児や保護者と対面し相談を行ってきたが、今回その有用性について考えるため、過去に院内相談を受けた保護者10名に対してアンケート調査を行った。院内相談が、当時の子育てやその後の子どもの成長にどのような効果をもたらしたのかを調査した結果を報告する。
【方法】
対象を、初回の院内相談を受けてから10年以上経過した保護者とし、電話で主旨を説明して同意を得た後、10名にアンケートを送付した。質問は、相談当初と現在の2つの視点から、「病院から早期教育相談を勧められた時、戸惑いや不安を感じたか」「病院内で早期教育相談を受けたことは、その後の子育てにとって意義があったか」等、相談当初の気持ちやその後の変化などについて尋ねる内容とし、①たいへんあった、②ややあった、③あまりなかった、④全くなかった、⑤わからない、の5段階評価と自由筆記で回答してもらった。
【結果と考察】
病院から相談を勧められた際、受けてみたいと感じた保護者が多く、戸惑いや不安を感じた人も、子育ての参考になるかもしれない、自分の不安や疑問を聞いてもらえるかもしれないという思いで受ける気になった等、前向きな意見が多かった。また、院内相談がその後の子育てにとって意義があったと答えた保護者が大半だったが、そこに至るまでの気持ちの変化は、子どもの眼の状態をどう受け止めるかにより異なった。自分の思いを話せる場がある安心感や不安の軽減など、子育てへの意義を保護者の心理面への影響と答える意見が多く、病院での出会いをきっかけに、その後も保護者が心理的に孤立しないように、相談に携わる者が時間をかけて丁寧にかかわり続けることが重要である。
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