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ポスター発表
P-R-48
「カラー触図」をさらにわかりやすくする為の触図分割方式の開発

○安田輝男(1)、岡本明(1)、安田孝子(2)、飯塚潤一(1)
(1)国立大学法人筑波技術大学、(2)触覚伝達デザイン研究会

【目的】
報告者らは、2002年に、視覚に障害のある人にも美術作品等を手で触って鑑賞できる「カプセルペーパー」による「触って観る」アート(触図)のモノクロ版を作成し、以後、二科展や盲学校、イベント、学会等で展示した。2012年には、「カプセルペーパー」による「カラー触図」の作成に本邦で初めて成功し、「カラー触図」の展示によって、「よりわかりやすくなった」との評価を得た。
報告者らは、「カラー触図」を分割して提示すれば、複雑な構図の美術作品でも、さらにわかりやすくなるであろうとの仮説のもとに、触図分割方式の開発を検討した。

【方法】
対象たる美術作品の構図を、「遠景、中景、近景」「上段、中断、下段」「左、中、右」「中央部分、外側部分」等の分割方式の中で、当該美術作品に最もふさわしい分割方式で画面を分割し、それぞれ分割された「カラー触図」を作成した。

【結果】
報告者らには、「カラー触図」作成の実績が既にあるので、それを分割した「カラー触図」の作成はスムーズに進行し、予定通りの触図が完成した。

【考察】
「カプセルペーパー」による「分割触図」の作成先行例としては、二科展「触って観る」アートコーナー(2009年)での展示(報告者ら)、「さわれる冨獄三十六景」展(2014年汐留ギャラリー常磐大学中村正之教授)がある。「カプセルペーパー」による「分割カラー触図」作成は本邦初である。実際に作成した試作の「分割カラー触図」複数枚と従来の「全体カラー触図」1枚を、それぞれ実際に手で触って鑑賞してもらったところ、「『分割カラー触図』があった方が、さらにわかりやすい」との感想を得た。

【結論】
「『分割カラー触図』があった方が、さらにわかりやすい」との感想を得たので、今後、「分割カラー触図」による調査を実施し、「カラー触図」のわかりやすさの為の新たな知見を得たいと思う。

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