ポスター活動
P-A-24
視覚障がい当事者団体の情報発信の特徴
―5年間のブログ記事に対する一考察―
○奈良里紗、村上卓也、渡邊和宏、山本紗未、岩池優希
視覚障がい者ライフサポート機構“viwa”
【目的】
本報告では、当団体が2010年~2015年の5年間にわたって蓄積したブログ記事に設定されたラベル(以下、カテゴリ)から、当事者が自身の経験から共有しやすい内容とは何かについて考察することを目的とする。
【方法】
ブログを開設した2010年7月から2015年12月までに公開された記事574件を分析の対象とした。ブログ記事の特徴を捉えるため、ブログ記事を公開する段階で設定する大カテゴリと小カテゴリの件数を算出した。なお、複数のカテゴリに関連する内容が含まれるブログ記事には複数のカテゴリを設定しているため重複カウントされている記事がある。
【結果】
まずブログ記事の中から大カテゴリとして【生活・コミュニケーション】(84件)、【学校・勉強】(50件)、【趣味・余暇・スポーツ】(50件)、【補助具・便利グッズ】(49件)、【就職・職場】(18件)があり、大カテゴリの中で最も多かった【生活・コミュニケーション】の中には、次の11個の小カテゴリが設定されている。≪生活≫(37件)、≪おしゃれ≫(18件)、≪コミュニケーション≫(16件)、≪障がいの伝え方≫(14件)、≪交通≫(8件)、≪点字≫(8件)、≪障害者手帳≫(8件)、≪援助依頼≫(7件)、≪白杖≫(6件)、≪盲導犬≫(3件)、≪災害≫(1件)の順に多かった。
【考察】
当事者が実体験から経験やノウハウを共有しやすい内容としては、生活やコミュニケーションに関わる内容であり、その中でも生活に関連する内容が多いことが示された。また、コミュニケーションや障がいの伝え方に関する内容が白杖や点字、盲導犬等に比べて多いのは、本ブログの執筆者のほとんどが弱視者であるためと考えられる。今後は、ブログ読者からのニーズをヒアリングし、よりニーズに応じた情報発信に努めたいと考えている。
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