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ポスター活動
P-A-18
建屋内の歩行訓練
-問題解決の視点から見た指導について-

○村上琢磨(1)、石川充英(2)、酒井智子(3)、山口規子(4)、河原佐和子(3)、千葉康彦(5)、中澤由美子(5)、宍戸久子(3)、関田巖(6)
(1)NPO法人視覚障がい者支援しろがめ、(2)NPO法人しろがめ、東京都視覚障害者生活支援センター、(3)NPO法人しろがめ、(4)関西盲人ホーム、(5)宮城県立視覚支援学校、(6)NPO法人しろがめ、筑波技術大学

【目的】
視覚障害者の歩行訓練は、建屋内(自宅、リハ施設、その他)及び敷地・道路・公共交通機関などで行われ多くの成果を上げている。訓練記録には指導された歩行技術が主に記されているため、初めにどのような問題が存在したか明確でない。
我々は、歩行訓練は視覚障害者が抱える歩行の問題を解決することであると理解している。そこで今回、リハ施設建屋内を白杖を使わず安全・確実に単独で歩くことを阻害すると考えられる問題を整理し、その問題を解決するために指導した項目を明らかにすることで、歩行訓練に資したい。

【方法】
複数のリハ施設建屋内の単独歩行訓練事例を、安全・確実な単独歩行を妨げていると考えられる問題について解決するために指導した項目を分析する。

【結果】
リハ施設建屋内の訓練経路の形態は、I字、L字、T字、十字、クランクの5つに大別される。リハ施設は戸建と比較すると建屋内の通路で両腕を広げても両側に届かない程広い場合も含んでいるという特徴がある。
安全・確実な単独歩行を妨げていた問題を解決するために指導した項目(歩行技術を除く)を分析した結果は次の9項目である。
(1)歩く経路を把握する方法(出発地点から目的地点までの範囲で、それ以外は含まない)、(2)経路上の危険と危険箇所の把握、(3)危険箇所に対する安全策の取り方、(4)移動地点(位置・方向)を知る方法、(5)曲がり角を見つける方法(L字路・T字路・十字路・クランク)、(6)曲がり角を曲がる方法((5)と同じ)、(7)経路を渡る(横断する)方法(I字路・L字路・T字路・十字路・クランク)、(8)目的地点を見つける方法、(9)移動の方法

【終わりに】
今回の分析で得られた項目は、視覚障害者が単独で歩行を試みようとする一般的な環境にも適用可能である。

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