抄録集(テキスト版) 作成日:2016年6月15日 バージョン:1.1 第25回 視覚障害リハビリテーション 研究発表大会 抄録集 2016年6月 日時:2016年6月17日(金)・18日(土)・19日(日) 会場:グランシップ静岡 主催:視覚障害リハビリテーション協会 主管:第25回視覚障害リハビリテーション研究発表大会in静岡実行委員会 第25回視覚障害リハビリテーション研究発表大会 開催のご挨拶 第25回視覚障害リハビリテーション研究発表大会 大会長 松久充子 多くの地方都市と同様に静岡県にも総合的な視覚リハビリの施設がありません。このため41年前に故市川健三静岡県眼科医会会長が発起人となって、県内の福祉・医療・教育・就労に関わる個人および団体が連携して視覚障害児・者の社会参加を促進するために活動する静岡視覚障害者福祉推進協議会(静視協)を立ち上げました。全国各地で様々な視覚障害者支援ネットワークが立ちあがっておりますが、静視協はその先駆けだったと思われます。静視協では毎年、視覚障害用福祉機器展・体験相談コーナーと市民講座、様々な講習会などの活動をしてまいりました。第25回大会は静視協のメンバーに加えて新たな分野の専門家の参加をお願いして実行委員会を立ち上げて開催させていただきます。 テーマは「みんなで一緒に!Change and Union」です。2016年4月から障害者差別解消法が実施され、2020年には東京パラリンピックが開催されます。障害の区別なく、障害がある人もない人もみんなで一緒に学び働き生活を楽しむ社会でありたい、障害が個性となる社会を目指して、全ての環境と連携してChange!を、皆様と一緒に考えて参りたいと思います。 特別講演では武蔵野美術大学の佐々木幸弥氏の「視覚障害者の音活用の未来」、市民公開講座には静岡文化芸術大学谷川賢司氏の「ユニバーサルデザインプラスの発想」を静岡から発信をさせていただきます。福祉機器展では静視協の経験を活かして40社以上の様々な機器をご覧いただけます。また、ソフトバンク様のご協力でiPadで抄録集を見ていただくために貸出やアプリ紹介も企画しております。実行委員が一丸となって様々な静岡企画を準備しております。 また、家康公が愛した静岡市は富士山・美保の松原の世界遺産、久能山東照宮・静岡浅間神社など歴史的遺産、さらに海・川・山の幸が楽しめます。 皆様、ぜひ静岡大会を楽しんでいただきますようお待ち申し上げます。 目次 大会長挨拶 P1 目次 P2 会場アクセス P3 会場案内図 P4 参加者へのご案内 P6 抄録作成支援について P9 静岡企画について P10 発表者へのご案内 P11 大会日程表 P13 大会プログラム P16 抄録 P19 協会企画 P21 口頭発表Ⅰ P25 ランチョンセミナーⅠ P31 特集演題 P32 口頭発表Ⅱ P39 特別講演 P45 ランチョンセミナーⅡ P46 市民公開講座 P48 ポスター発表 P49 ・研究発表 P58 ・活動報告 P107 機器展示 P145 「視覚リハビリテーション研究」論文募集要綱 P163 後援・協賛・協力一覧 P168 第26回大会案内 P213 実行委員一覧 P214  会場アクセス ●東海道新幹線(ひかり) 東京から1時間/新大阪から2時間、静岡駅下車 ●東海道本線 上り方面に乗換、東静岡駅まで約3分 東静岡駅南口からメインエントランスまで徒歩約3分 ●車 静岡駅から12分(3.2km) ●バス 静鉄バス11番のりば(静岡駅北口) 「静岡日本平線、県立美術館線、動物園線」行き 東静岡駅南口 下車 ※東静岡駅改札から会場までは誘導ボランティアを配置します。 ※スタッフはオレンジ、ボランティアはブルーのベストを着用しています。 会場案内図 フロアガイド 6F 交流ホール:懇親会 展示ギャラリー1:機器展示・物産土産、福祉施設 展示ギャラリー2:機器展示・美容体験、マッサージ体験 展示ギャラリー3:機器展示、防災コーナー そのほか:機器展案内・盲導犬体験受付 9F 901:委員会、理事会 909:受付(6月17日㈮のみ) 910:開会式、協会主催企画 10F 展望ロビー:総合受付 1001:ポスター会場、静岡企画 1002:スタッフ控室 1003:第二会場「会議ホール・風と同時進行」 1004:クローク 11F 会議ホール・風:講演、口頭発表会場、ランチョンセミナー そのほか:ランチョンお弁当受け渡し 1101:口頭発表者受付(PCセンター)、クローク(日曜日のみ)、クローク(日曜日のみ)  参加者へのご案内 1.受付 ・事前登録 当日の受付は必要ありません。名札を忘れた方は総合受付へお申し出ください。 ・当日登録 17日㈮13時15分~16時00分まで9階(909会議室) 18日㈯8時30分から10階(展望ロビー) 19日㈰8時30分から10階(展望ロビー) ・会場内では必ず名札をご着用ください。 2.大会参加費 ・学生の方は、当日受付に学生証をご提示ください。 ・視覚障害者の付添者は無料ですが、受付で名札を受け取りご着用ください。 ・機器展示、市民公開講座のみの参加は無料です。 ●事前登録 会員:5,000円 非会員:7,000円 学生:1,000円 ●当日登録 会員:6,000円 非会員:8,000円 学生:1,000円 3.抄録集 ・事前登録の方には予め郵送いたしますのでご持参ください。 ・抄録集を追加で購入希望の方には1冊1,000円、CD版(テキストデータ)は1枚500円に て受付で販売しております。 4.協会企画※ 事前申込み優先です。 ●日時: 6月17日㈮14:00~17:30 ●場所: 9階910会議室 *大会参加者であれば会員、非会員を問わず参加できます。 *13:45から大会開会式を行います。 5.視覚障害リハビリテーション協会各種委員会・理事会 ●日時: 6月17日㈮18:00~21:00 ●場所: 9階910・901会議室 6.視覚障害リハビリテーション協会定期総会(会員のみ) ●日時: 6月18日㈯10:40~11:40 ●場所: 11階会議ホール・風 7.ランチョンセミナー※事前申込み制です ●日時: 6月18日㈯12:00~13:00 19日㈰11:45~12:45 ●場所:11階会議ホール・風 ・「体に良い」「静岡産」にこだわった特別弁当をご用意しております。 ・開始15分前より11階ロビーにて引換券と交換いたします。 ・食事は机席のみの飲食となります。1003会議室(第2会場)もご利用いただけます。 8.地域ブロック会 ●日時: 6月18日㈯17:15~18:10 ●場所: 11階会議ホール・風、10階1003会議室 全国6ブロックに分かれての交流の場です。協会員の資格は問いません。 〈1003会議室〉 ●北海道・東北:北海道、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、新潟 ●関東・甲信:茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野 〈会議ホール・風〉 ●東海:静岡、岐阜、愛知、三重 ●近畿・北陸:石川、富山、福井、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山 ●中国・四国:鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知 ●九州:福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄 ※各県の振り分けをしておりますが、他県ブロックへの参加も可能です。 9.機器展示会場 ●日時: 6月18日㈯10:00~17:00 19日㈰9:00~14:30 ●場所: 6階展示ギャラリー 10.懇親会 ●日時: 6月18日㈯18:30~20:00 ●場所: 6階交流ホール ●参加費: 事前申し込み5,500円当日申し込み6,000円 ※総合受付にて受け付けております。 ※定員となり次第、締め切りといたします。 11.市民公開講座 ●日時: 6月19日㈰14:00~15:30 ●場所: 11階会議ホール・風 12.視覚障害者の誘導・口頭説明サービス ・東静岡駅改札から会場までは誘導ボランティアを配置します。(スタッフはオレンジのベス ト、ボランティアはブルーのベストを着用しております。) ・会場内での手引きが必要な方は、総合受付にお申し出ください。 ・ポスター発表、機器展の口頭説明を希望される方は、「ボイスサインカード(デザイン:佐藤麻依)」を名札に差し込んで見えるように掲示ください。 ※当日登録の方は、総合受付でお申し付けください。 13.託児所 会期中の託児所のご利用は事前に申し込みが必要となります。 大会ホームページからお申し込みください。 14.クローク 10階1004会議室にて荷物をお預かりします。 日曜日のみ1101会議室でもお預かりします。 15.生涯教育事業 ・日本眼科学会専門医制度生涯教育事業(認定番号28231)、および日本医師会生涯教育事業に認定されています。 専門医制度登録カードをご持参の上、受付にお越しください。 受付場所は、金曜日は9階、土・日曜日は10階となりますのでご注意ください。 ●専門医制度単位取得証受付時間 取得単位 6月17日㈮13:15~16:45 3単位 6月18日㈯8:30~16:25 3単位 6月19日㈰8:30~13:15 3単位 ・視能訓練士協会生涯教育単位認定事業として申請予定です。 16.その他 ・6階機器展会場および11階ホールに、ウォーターサーバーと冷茶サーバーを設置します。 ・実行委員会として記録保存のため、大会中に動画、静止画の撮影をしますが、公開は致しません。 抄録作成支援について 第25回視覚障害リハビリテーション研究発表大会 大会長 松久充子 視覚障害リハビリテーション協会の依頼を受け、第21回大会から行われてきた抄録支援を本大会でも実施いたしました。大会事務局が依頼した支援者には登録された抄録を読んでいただき、発表内容がより伝わりやすいものになればとの視点で発表者にフィードバックさせていただきました。 その支援内容は「抄録としての基本的要件、形式が目的・方法・結果・考察のように区分けして記載、内容がわかりやすく記載、内容の有効性、800字の活用具合、個人情報の取り扱い、明らかな間違いや誤字脱字の指摘」などです。 このことによって発表者は抄録を修正する機会ができ、より発表の質が高められたことと期待しております。 修正に応じていただきました多くの発表者の方々に心より感謝申し上げます。また、お忙しい中を支援協力いただきました池谷尚剛様、柏倉秀克様、川瀬芳克様、川嶋英嗣様、田中雅之様、  羅錦營様、実行委員(稲垣理佐子、佐々木幸弥、田中恵津子)にも厚く御礼申し上げます。 突発的な災害時の対応について 第25回視覚障害リハビリテーション研究発表大会 大会長 松久充子 熊本をはじめとする九州地方での地震被災者の皆様にお見舞い申し上げます。 静岡大会に際しまして東海地方における突発的な災害が発生し参加者の皆様の交通手段や安全が確保できないことが想定される場合は、HPにて大会中止を告知させていただく所存です。 その際には混乱が発生していることと思いますので、ご配慮をいただきますようお願い申し上げます。 地震などの災害で大会中止となった場合、皆様の参加費は復興支援の義援金(視覚障害者支援を優先)として遣わせていただきたくお願い申し上げます。 皆様とともに大会が迎えられますことを祈願いたします。  静岡企画『しぞ~か企画いいらぁ~』 10階受付前 静岡大会実行委員会による「みんなで一緒に!Change and Union」の企画です。 1.地元学生による「自助具デザインプロジェクト」 静岡文化芸術大学の谷川憲司先生と学生が、地元で働く2名の視覚障害者と交流し、発想・作成した自助具を紹介します。 2.「iPadで抄録集」(音声、拡大、UDブラウザ) iPadの「読み上げ」や「拡大表示」の基本操作、それにデジタル版抄録集(ホームページ形式・タグ付けPDF形式・UDブラウザ形式など)の閲覧・検索方法を、スタッフが説明します。実際に触ってお試し下さい。 3.「お役立ちiPadアプリ」を一挙ご紹介 情報のユニバーサルデザインを発信し続けた認定NPO法人浜松NPOネットワークセンターが「お役立ちiPadアプリ」を紹介します。 4.静岡発!ロービジョン「生活裏ワザまとめ」 「視覚障害での生活に潜むちょっとした不便を、先人の工夫でさっと解決!」を目指して、「生活裏ワザまとめ」のページを静岡大会実行委員で作成しました。設置されたPCで御覧ください。そして、あなたの「裏ワザ」もぜひご紹介下さい。 5.ロービジョンエイドで「見える!の体験ツアー」 ロービジョンのシミュレーションをしながら、6階機器展にあるエイドを体験するツアーです。「便利!」「見える!」「できる!」をガイドの説明と一緒に体験できます。ガイドは、アサクラメガネ山中幸宏氏の指導をうけた地元視能訓練士が担当します。 6.「おもてなし講習会」in静岡 視覚障害の方にも心地よく滞在していただけるように、地元のホテルとタクシー会社スタッフに、誘導方法や配慮等の講習会を開催しました。ご不自由があれば、気軽にお声掛け下さい。  発表者へのご案内 Ⅰ.口頭発表 1.発表時間 発表7分質疑応答3分 円滑な進行のため時間厳守でお願いします。 2.発表会場 11階会議ホール・風 3.進行 発表の1時間前までに、PCセンターでデータの受付、動作確認等をしてください。 発表者は講演開始時間の15分前までに会場内の次演者席につき、座長の進行に従って発表を行ってください。 4.発表時の配慮 視覚障害者が言葉のみで理解できるように、具体的な説明を心がけてください。 指示語(あれ、これ等)の多用はご遠慮ください。図や写真も言葉で説明してください。 5.配布資料 資料の配布をご希望の方は、事前に事務局(with-shijimi2008@ab.auone-net.jp)までご連絡ください。 6.プレゼンテーション 全ての発表は、PCによるプレゼンテーションとなります。 PCは事務局でご用意します。条件は下記のとおりです。 基本ソフト OS:Windows7。Microsoft Powerpoint2013インストール済み 画面サイズ 4:3 画面解像度 1024×768以下 フォント オリジナルフォント 動画・音声 Windows Media Playerで再生できるフォーマット 【注意】 〈ハードウエア〉 ・上記の条件以外では、誤動作や誤表示、文字化けなど動作保証ができませんのでご了承ください。 ・Macユーザーは、ご自身のPCと出力コネクタをご持参ください。 ・PC本体をお持ち込みの場合、ACアダプターは各自ご持参ください。 〈作成ファイル〉 ・発表データファイル名は下記の例に従って発表番号と名前の表記でお願いいたします。 例)O-1-3富士三太郎 ・バックアップ用データとしてUSBメモリを必ずお持ち込みください。(CDは受け付けません) ・発表データは終了後、事務局にて責任を持って消去いたします。 〈スライドデザインへの配慮〉 ・背景と文字に、色でなく、明るさのコントラストをつけてください。 ・行間を充分とり、字づまりにならないようにしてください。 ・スライドに掲載されている内容を把握するのに十分な提示時間を確保できるスライド枚 数としてください。 ・背景色と文字色に、以下の組み合わせはなるべく避けてください。 (赤-緑 オレンジ-黄緑 緑-茶 青-紫 ピンク-白-灰色 緑-灰色-黒 赤-黒 ピンク-明るい青) Ⅱ.ポスター発表 1.発表会場:10階1001 2.ポスター発表のスケジュール ●6月18日㈯ ポスター貼付 8:30~10:00 自由閲覧 10:00~17:00 ポスター発表(奇数番号) 13:05~14:00 ●6月19日㈰ 自由閲覧 9:00~14:30 ポスター撤去 14:30~16:00 ポスター発表(偶数番号) 12:50~13:45 3.ポスター作成時の注意事項 ・大きさ:横85cm×縦150cm(図1) ・演題番号は予め事務局で貼付しますので、ポスター内に記述する必要はありません。 ・タイトルには、演題名、所属名、氏名(発表者に○) を入れてください。 ・文字サイズ、行間調整して視認性に配慮してください。 ・ポスター貼付用の画鋲は事務局でご用意します。 ・6月19日16:00以降に残っているポスターは、こちらで処分いたします。 ・「with voice」と書かれた名札(ボイスサインカード、図2)を付けている方には、口頭による説明をお願いします。 大会日程表 ●6月17日(金) 13:00~18:00 機器展示会場準備 〈6階 展示ギャラリー〉 13:15~ 受付 〈9階 909〉 13:45 開会式 〈9階 910〉 14:00~17:15 協会企画 〈9階 910〉 18:00~19:00 委員会 〈9階 901・909・910〉 19:00~21:00 理事会 〈9階 901〉 ●6月18日(土) 8:30~ 受付 〈10階 1001〉 8:30~10:00 ポスター設営 〈10階 1001〉 9:00~ 挨拶・静岡大会について 〈11階 会議ホール・風、10階 1003(第2会場)〉 9:15~10:30 口頭発表1 〈11階 会議ホール・風、10階 1003(第2会場)〉 10:00~17:00 機器展示 体験ブース 〈6階 展示ギャラリー〉 10:00~17:00 ポスター展示 静岡企画 〈10階 1001〉 10:40~11:40 協会 定例総会 〈11階 会議ホール・風、10階 1003(第2会場)〉 12:00~13:00 ランチョンセミナー 国松志保 〈11階 会議ホール・風、10階 1003(第2会場)〉 13:05~14:00 ポスター発表(奇数番号) 〈10階 1001〉 14:25~15:00 特集演題 松久充子 〈11階 会議ホール・風、10階 1003(第2会場)〉 15:05~15:40 特集演題 中野泰志 〈11階 会議ホール・風、10階 1003(第2会場)〉 15:50~16:25 特集演題 山本利和 〈11階 会議ホール・風、10階 1003(第2会場)〉 16:30~17:05 特集演題 指田忠司 〈11階 会議ホール・風、10階 1003(第2会場)〉 17:15~18:10 地域ブロック会 〈11階 会議ホール・風、10階 1003〉 18:30~20:00 懇親会 〈6階 交流ホール〉 ●6月19日(日) 8:30~ 受付 〈10階 1001〉 9:00~9:10 挨拶 〈11階 会議ホール・風、10階 1003(第2会場)〉 9:00~14:30 機器展示 体験ブース 〈6階 展示ギャラリー〉 9:00~14:30 ポスター展示 静岡企画 〈10階 1001〉 9:10~10:25 口頭発表2 〈11階 会議ホール・風、10階 1003(第2会場)〉 10:30~11:30 特別講演 佐々木幸弥 〈11階 会議ホール・風、10階 1003(第2会場)〉 11:45~12:45 ランチョンセミナー 尾花明 太田由利子 〈11階 会議ホール・風、10階 1003(第2会場)〉 12:50~13:45 ポスター発表(偶数番号) 〈10階 1001〉 14:00~15:30 市民公開講座 谷川憲司 〈11階 会議ホール・風、10階 1003(第2会場)〉 14:30~16:00 ポスター撤去 〈10階 1001〉 15:40~ 閉会式 〈11階 会議ホール・風、10階 1003(第2会場)〉 第25回視覚障害リハビリテーション研究発表大会プログラム 大会テーマ “みんなで一緒に!Change and Union” 1日目:6月17日㈮ 会場:910(当日受付:909) 13:15~ 当日受付 13:45~13:55 開会式 14:00~17:15 協会主催企画 視覚リハ未来への挑戦 Part1 企画1:視覚リハ自分ごとプロジェクト クローズアップ高齢者 企画2:研究トラの巻其の1 現場から発信!事例研究のツボ P21 2日目:6月18日㈯ 会場:会議ホール・風 9:00~9:15 挨拶 9:15~10:30 口頭発表Ⅰ 座長:阿部直子(アイサポート仙台)、川嶋英嗣(愛知淑徳大学) O-1-1 駅プラットホームからの転落事例データベースの公開について 大倉元宏 P25 O-1-2 視覚ダイナミックレンジ計測法の開発 仲泊聡 P26 O-1-3 高次脳機能障害における小児同名半盲例の視野評価としての光干渉断層計の役割 羅錦營 P27 O-1-4 盲ろう者の理療就労に関する研究 高橋忠庸 P28 O-1-5 当事者、福祉従事者、医療者による小学生の「視覚障害理解の学習」講演についての評価 稲垣理佐子 P29 O-1-6 スマートフォンにおける日本語入力アプリの機能評価 -重度ロービジョン者の利用を想定- 高橋伊久夫 P30 12:00~13:00 ランチョンセミナーⅠ(共催:日本アルコン株式会社) 座長:飯田文人(イイダ眼科医院) LS-1-1 視野狭窄患者さんのロービジョンケア ~自動車運転問題を考える~ 国松志保(東北大学) P31 13:05~14:00 ポスター発表(10階ポスター会場) 研究発表(奇数番号)、活動報告(奇数番号) P49 14:25~15:40 特集演題 Change and Union 2016 -4つの最新トピックス- 座長:氏間和仁(広島大学) FL-1-1 眼科医と教育連携Change and Union 松久充子(さくら眼科) P32 FL-1-2 教育機関における合理的配慮の現状と課題 -教科書のアクセシビリティと大学における支援を中心に- 中野泰志(慶応義塾大学) P33 15:50~17:05 座長:小林章(国立障害者リハビリテーション学院) FL-1-3 アメリカと日本の歩行指導内容の違い 山本利和(大阪教育大学) P34 FL-1-4 障害者差別解消法の施行と視覚障害者の生活 指田忠司(障害者職業総合センター) P35 17:15~18:10 地域ブロック会(会議ホール・風、1003) 18:30~20:00 懇親会(6階交流ホール) 3日目:6月19日㈰ 会場:会議ホール・風 9:00~9:10 挨拶 9:10~10:25 口頭発表Ⅱ 座長:羅錦營(羅眼科)、吉野由美子(視覚障害リハビリテーション協会) O-2-1 突起の小さな屋内用点字ブロックの開発 桑波田謙 P39 O-2-2 視野狭窄患者に対する訓練効果の判定 林知茂 P40 O-2-3 視覚障害者の就労継続における早期支援と介入のあり方に関する研究 髙橋政代 P41 O-2-4 視覚障害者に望まれる音声ATMのテンキーによる振り込み操作方法の調査 豊田航 P42 O-2-5 視覚障害高齢者への配慮普及の取り組み -心得の作成及びアンケート調査- 鎌田貴身江 P43 O-2-6 盲学校在籍児の通学における移動支援の実態に関する調査 中野泰志 P44 10:30~11:30 特別講演 座長:和田浩一(愛媛県立松山盲学校) SL-2 視覚障害者の音活用の未来 佐々木幸弥(武蔵野美術大学) P45 11:45~12:45 ランチョンセミナーⅡ(共催:参天製薬株式会社) 座長:羅錦營(羅眼科)、片平考美(静岡視覚特別支援学校、静岡県視覚障害者協会) LS-2-1 酸化ストレスから網膜を守ろう! -今日からできる生活改善- 尾花明(聖隷浜松病院) P46 LS-2-2 からだに良い食べ方 ~健やかに生きるために~ 太田由利子(さくら眼科) P47 12:50~13:45 ポスター発表(10階ポスター会場) 研究発表(偶数番号)、活動報告(偶数番号) P49 14:00~15:30 市民公開講座(共催:公益社団法人日本眼科医会(社会適応訓練講習会)) 座長:松久充子(さくら眼科) LP-2-1 ユニバーサルデザイン・プラスの発想 ~新しい楽しさと便利さを加えて~ 谷川憲司(静岡文化芸術大学) P48 15:40~ 閉会式 協会企画 視覚障害リハビリテーション協会主催企画 視覚リハ未来への挑戦 Part1 第一部 視覚リハ自分ごとプロジェクト クローズアップ高齢者 第二部 『研究トラの巻』 其の1 現場から発信!事例研究のツボ 協会主催大会プログラム検討委員会 委員長田中雅之 ◆協会主催大会プログラムについて 視覚障害リハビリテーション協会では、2009年度以降、年に1回の研究発表大会を各地域の課題や特色を打ち出した開催地域主体のプログラムで実施してきました。一方で、大会も25回を迎え協会会員が一致協力して検討する課題も見えてきました。また、近年の社会のグローバル化やネットワークの進歩により視覚リハビリテーションの分野でも、より日本を俯瞰して大きな視点で考えることが求められ始めています。そこで、研究発表大会プログラムの一部に試行的に協会主催大会プログラムを設け、今後の大会のプログラムや開催方法について検討していく事になりました。運営は協会主催大会プログラム検討委員会が担い、試行期間は3年間です。3年間を通しての総合テーマは『視覚リハ未来への挑戦』として、第一部は、宿題報告と討論形式で行い、『視覚リハ自分ごとプロジェクト』として特定の領域(今年度は高齢者)を取り上げます。関連する領域の複数の専門家に各領域での視覚リハの特徴と現状、そして課題を宿題報告していただきます。講演後、参加している会員の皆様とクロスオーバーにテーマを討論し未来への挑戦へのバネにしていただく企画です。第二部は、講義形式で、未来への挑戦の武器として日々の仕事を振り返り、かつ様々な現場で役立つ臨床研究手法を『研究トラの巻』シリーズで実施していきます。『研究トラの巻』シリーズの企画・運営は、当協会の論文誌編集委員会に依頼しています。 ◆プログラム 第一部 『視覚リハ自分ごとプロジェクト』 クローズアップ高齢者 14:00~16:00 総合司会:小林幸一郎(NPO法人モンキーマジック)、田中雅之(名古屋総合リハビリテーションセンター) 宿題報告者:高間恵子(京都府視覚障害者協会)、武田貴子(福祉用具プラザ北九州)、木本多美子(NPO法人モンキーマジック)、新井千賀子(杏林アイセンター) 第二部 『研究トラの巻』 其の1 現場から発信!事例研究のツボ 16:15~17:15 講師:篠ケ谷圭太(日本大学経済学部准教授) 協会企画 ◆第25回大会 協会主催大会プログラム 視覚リハ未来への挑戦 part1 第一部 『視覚リハ自分ごとプロジェクト』 クローズアップ高齢者 高齢者をクローズアップし、相談支援領域から高間恵子さん(京都府視覚障害者協会)、訓練領域から武田貴子さん(福祉用具プラザ北九州)、余暇活動領域から木本多美子さん(NPO法人モンキーマジック)、医療領域から新井千賀子さん(杏林アイセンター)に、それぞれの領域での高齢者の視覚リハの特徴、現状どこまでできていて課題は何かを宿題報告していただきます。 自分の専門領域はもとより他の専門領域では何が起きているかを共通認識し、そこにある課題に自分の専門性で何ができるか?他の専門領域に何ができるか?を皆様と討論します。高齢者の視覚リハを自分ごととして取り組んでいただけるような材料を共有したいと考えています。結論はあえて求めず、クロスオーバーな領域のセッションによって視覚リハの未来に何かを起こす起爆剤となればと期待しております。 第二部 『研究トラの巻』 其の1 現場から発信!事例研究のツボ リハビリテーションの研究領域で最も日常的であり臨床に直結する事例研究の手法を篠ケ谷圭太さん(日本大学経済学部准教授)にご講義いただきます。研究というと我々の日常の仕事からかけ離れたイメージがあり、若干ハードルが高いイメージがあります。しかし、普段現場で皆さんが患者さんや利用者さんへの対応を通して経験している事や職場の同僚、先輩などと話している見立てのような事の多くは明日の視覚リハの大きな鍵を握っています。それを発表としてまとめ多くの方と共有することで新たな視覚リハの未来を切り開く種になっていきます。篠ケ谷氏には、そういった我々の日常業務の中での発見や気づきを、どうやって科学的な視点で分析し発表レベルにまとめるか、事例研究の手法とコツをわかりやすくご講義いただきます。皆さんの日々の実践の成果を多くの人達と共有しそれをブラッシュアップする方法のポイントを一緒に勉強しましょう! ★協会主催大会プログラム委員会 田中雅之(委員長)、新井千賀子(副委員長)、吉野由美子、園順一、和田浩一、田中恵津子、古橋友則 口頭発表Ⅰ O-1-1 駅プラットホームからの転落事例データベースの公開について ○大倉元宏(1)、山﨑陽一(2)、豊田航(2)、安養寺一久(3)、松田均(3)、高島潔(3)、村上美佳(3) (1)成蹊大学理工学部、(2)成蹊大学、(3)CML,LLc 【目的】 科学研究費助成事業の支援を受けて作成していた視覚障がい者の駅プラットホームからの転落事例データベース(以下、転落事例DB)を公開する準備が整ったのでその概要を報告する。このDBの主たるねらいは、晴眼者に転落の実態を広く周知することで、駅プラットホームにおける視覚障がい者の見守りの促進を図ることにある。 【方法】 インターネットに接続されたサーバー上に転落事例DBを構築した。 【結果】 1)URLはhttps://omresearch.jp/fall/browse/で、各種のブラウザーにより閲覧可能である。 2)本DBでは3つの画面を介して、転落事例に関する情報を得ることができる。 (1)検索条件画面:いわゆる「検索キー」を入力する画面である。検索キーとして、「地区」「路線」「駅」「ホームの形状」「時間帯」「ホーム上での移動方向」「転落時の年齢」「性別」「転落時の等級程度」「歩行訓練状況」が用意されている。テキストボックスやコンボボックスにより入力もしくは選択する。 (2)検索一覧画面:検索条件に合致する転落事例の一覧が主要情報とともに表示される画面である。主要情報とは「路線」「駅」「時間帯・天候」「ホームの形状」「転落までの移動状況」である。この画面の情報で事例の概略は把握できる。 (3)詳細画面:すべての情報が「転落の経緯」「転落者の障がいの原因」「転落発生時における駅とプラットホーム」「その時の転落者の状況」の4つに区分され、表示されている。「転落の経緯」には、日時、当該駅の利用頻度、普段と異なる事情あるいは突発的イベント、転落までの移動状況、転落原因と対策などが、「その時の転落者の状況」には、転落時の保有視覚の程度などが掲載されている。 3)スクリーンリーダーについては、JAWS、PC-Talker、及びNVDAの動作が確認されている。 【考察】 現在の10数件の事例が掲載されているが、事例数を増やしていく仕組みを考えていく必要がある。 口頭発表Ⅰ O-1-2 視覚ダイナミックレンジ計測法の開発 ○仲泊聡、清水朋美、林知茂 国立障害者リハビリテーションセンター病院 【目的】 視覚ダイナミックレンジの簡便な計測法を開発し、健常者と羞明のある患者の比較を行うこと。 【方法】 PC等のモニター上に提示した白から黒のグラデーションからなる長方形の「真っ白」または「真っ黒」に見える部分と真っ白でも真っ黒でもない中間領域との境界をクリックまたはタップで決定する課題により、一見して変化のわかる明るさの範囲(視覚ダイナミックレンジ)を計測する手法を開発した。今回、提示装置にiPad(iOS9)を用い、健常者10名の明室(1200~1700lx)と暗室(0.3~1.7lx)での測定および羞明を訴える患者4名の明室での測定を行った。 また、患者では室内用の遮光眼鏡を使用している1名に、それを装用している場合としていない場合について測定を行った。刺激は、暗背景(9.5cd/m2)、中間背景(68.4cd/m2)、明背景(202cd/m2)の3条件で擬似ランダムな順で総計42回提示された。結果は、背景ごとに最大、最小値を除外した残りを平均して表示した。 【結果】 健常者の結果において、真っ白でも真っ黒でもない中間領域は、暗背景、中間背景、明背景のいずれにおいても82%内外であり、暗室では明室よりも白判断の占める割合が大きかった。また、両照明条件において、白判断は、暗背景では明背景よりも大きい傾向がみられた。患者データについては、総じて中間領域が狭く、遮光眼鏡によってこれが拡大する例が存在した。1回の測定に必要とした時間は、健常者では50~127秒、患者では32~180秒であった。 【考察】 羞明のある患者では、遮光眼鏡による眼入射光量の適正化により、視覚ダイナミックレンジが改善することが予想できる。 【結論】 我々が開発した視覚ダイナミックレンジの簡便な計測法により、羞明のある患者の中間領域が狭いことが示された。遮光眼鏡の選定の補助として本測定法が有用である可能性が示された。 口頭発表Ⅰ O-1-3 高次脳機能障害における小児同名半盲例の視野評価としての光干渉断層計の役割 ○羅錦營 羅眼科、帝京大学視能矯正学科 【目的】 脳内疾患による同名半盲と黄斑部の網膜神経節細胞の逆行変性について病理学的には既に知られている。小児の同名半盲と黄斑部の網膜神経節細胞の逆行変性の対応関係を光干渉断層計(OCT)による神経節細胞複合体(ganglion cell complex:GCC)が視野検査の代わりになるかの研究報告がないため、5症例の脳内病変の同名半盲とGCCパターンについて報告する。 【方法】 2012年から眼科外来にて高次脳機能障害を示す患児のなかでGoldmann視野計測(GP)のできた脳内疾患を有する患児に対してSD-OCTを用いて黄斑領域のGCCを評価し、GPのできない患児に対して、短時間で検査できるGCCの有用性を検討した。 症例1.13歳男子:左片側性巨脳症とてんかんのために左大脳半球切除術を受けた。右同名半盲のため、プリズム眼鏡の装用中であるが、OCTのGCC所見は半盲視野との対応が見られた。 症例2.15歳女児:Sturge-Weber症候群の右大脳低形成に伴う左同名半盲。右眼の緑内障を伴い、視神経陥凹萎縮を示した。 症例3.12歳女児:7歳に右大脳側頭葉の動静脈奇形による出血後後遺症として、左同名半盲と外斜視が認められた。 症例4.8歳女児:生後4ヶ月に右中脳海綿状血管腫のため、2回開頭手術を受けた。外斜視と垂直注視麻痺に左の半身麻痺が認められた。視野は左同名半盲、矯正視力は右0.1、左1.0。 症例5.9歳男児:3歳に頭蓋咽頭腫の手術後に右の視索障害による左同名半盲。 同名半盲5症例に対して電気生理学的検査と核磁気断層、GP及びOCT検査を施行した。 【結果】 各種脳疾患のOCT検査ではGCCの菲薄化が網膜黄斑半分の半盲対応部に著明に認められた。 視神経周囲の網膜神経線維層計測よりも黄斑部網膜神経節細胞の局在欠損を示すGCC計測の方が明瞭で確認容易である。 【結論】 網膜神経節細胞の逆行変性は小児の脳内疾患の同名半盲症例にも認められた。非協力的な高次脳機能障害小児の視野検査の困難さから、迅速に測定できるOCTのGCCの菲薄化検出は小児視野欠損の検出には非常に有用なツールと思われる。 口頭発表Ⅰ O-1-4 盲ろう者の理療就労に関する研究 ○高橋忠庸、浮田正貴、伊東和之 国立障害者リハビリテーションセンター 【目的】 我が国における盲ろう者の人口は、平成24年の実態調査により、約1万4千人とされ、そのうち、労働年齢である18歳以上65歳未満の割合は2,490名(17.8%)である。平成16年度の全国盲ろう者協会の調査によると、過去の職業として、理療師18%、会社員43%、現在の職業として理療師11%、会社員4%である。この結果は、理療師が盲ろう者の職業として有力且つ継続性が高いことを示している。そこで、本研究では、盲ろう者の就労の中で高い割合を占めている理療師に焦点を当て、支援から雇用の状況、盲ろう当事者の立場から把握することで、就労に向けての配慮や課題点を明らかにすることを目的とする。 【方法】 予備調査として、理療就労している盲ろう者並びに盲ろう者の関連施設の職員から面接による聞き取り調査を実施することとした。対象者は、男性理療師1名(A氏)と、施設職員1名(B氏)とした。調査項目は、(1)就職するまでの経緯と支援の実態、(2)就労先での工夫や課題とした。 【結果】 A氏の面接から、就労の条件として、環境面ではパソコンなどコミュニケーション手段が確立していること、通勤など移動における手段を持っていることが挙げられ、施術面では、患者とのコミュニケーションにおいて非言語的な合図を決めること、突発的な問題に対応するためのサポーターが近くにいることが見出された。また、B氏からは、理療の免許取得までの支援や工夫は個別性が強いことが挙げられた。 【考察】 予備調査結果から、盲ろう者の理療就労時から今日までの試行錯誤や周囲からの理解を獲得していく過程には、多くの支援上の課題が含まれていることがわかった。また、それらは多方面に亘って複雑に絡み合うため、未整理且つ個別的な問題として留め置かれるケースがあることも示唆された。 【結論】 理療就労の盲ろう者の詳細な実態を、共有し得る資料にまとめていく必要があり、今後、本調査を実施することとする。 口頭発表Ⅰ O-1-5 当事者、福祉従事者、医療者による小学生の「視覚障害理解の学習」講演についての評価 ○稲垣理佐子(1)、菅原純一(2)、鷲山愛(1)、山城ウエンディ(3)、斯波千秋(3)、堀田喜裕(1)、佐藤美保(1) (1)浜松医科大学眼科、(2)雄踏町医師会菅原眼科、(3)NPO法人六星ウイズ半田 【緒言】 平成19年から平成27年の9年間に年1回、地域の小学校4年生約150名に当事者、福祉従事者、医師、視能訓練士が各々の立場から、「視覚障害理解の学習」の講義と体験学習を行っている。 多職種が関与した講義と体験学習で、幅広い観点からの知識の習得を目的としている。 【目的】 多職種が様々な角度から行った「視覚障害理解の学習」講義の感想文からこの講義の効果を検討する。 【方法】 担当教員より提供された自由記述の感想文を「知識の習得」「体験により得た気づき」「視覚障害者のイメージ」「行動への意欲」に分類し、記載された数を1人に各項1つとカウントし、全体における割合を示した。個人への感想文は除外した。 【結果】 平成26年度までの8年間に317人分の感想文を得た。講義への否定的な意見はなかった。「知識の習得」は98.7%で道具や障害者への接し方など初めて知ったという記述が多かった。「体験より得た気づき」は65.6%で不自由なことへの不安や理解、声かけの大切さが、「視覚障害者のイメージ」は56.4%で、点字が速く読めることへの称賛や心の強い人であると尊敬する意見もみられた。しかし可哀想という意見もあった。「行動の意欲」は53.9%で困っている人には声をかけたい、人の役に立つ仕事に就きたい、強くなりたいという前向きな意見があった。 【考察】 この講義で視覚障害者への接し方や道具などの新しい知識を提供できたことは、感想文から多く見受けられた。自らの視覚障害体験では、我々が提供した講義以外の気づきも伺え体験型の学習が有効と思われた。そして意識の変化、今後の行動への具体的な提示がみられ、この講義が効果的であったと考える。この記憶が定着しているかの経時的な変化も今後の検討課題である。 このような講義を学校で行うには、多くの人の協力が必要であり、システムで行うかについて前向きに検討する必要があると考える。 【結論】 視覚障害に関与する多職種が小学生に講義をすることは有意義であった。 口頭発表Ⅰ O-1-6 スマートフォンにおける日本語入力アプリの機能評価 -重度ロービジョン者の利用を想定- ○高橋伊久夫 株式会社アーク情報システム 【はじめに】 スマートフォン普及率を見ると、視覚障害者にも相当数使用されている。その要因は、画面読み上げや拡大など、視覚サポート機能の充実にあると考える。ロービジョン(以下「LV」と表す)と言ってもその見え方はさまざまであり比較的重度になると、スマートフォン使用時にVoiceOver機能を利用しており、一方では障害があることから一部使い方を制限している。たとえば、メールは受信専用やなるべく短文にするなどである。これらは、使用する日本語入力アプリの種類やその機能に問題があると考える。 【目的と方法】 本研究では、重度LV者にも使いやすい日本語入力の方法はないか、流通する日本語入力アプリを調査し、その種類と機能を評価することを目的とした。具体的には、アップルストアを「日本語入力」で検索、選択されたアプリを調査した。また、キー方式や手書き文字入力アプリについて、その操作性やVoiceOver機能との関連を調査した。 【結果と考察】 条件に合致したアプリは45本あったが、キーボードとして登録できるものは9本だった。入力方法では、キー方式6本、手書き文字2本、音声1本だった。キー配列としては、テンキー、QWERTy、子音・母音指定によるものがあった。キー及び手書き文字入力アプリを実際に操作したところ、VoiceOver環境で動作するものは1本だった。また、操作法やキーの大きさなど、LV者の利用に役立つ機能を備えたアプリは存在しなかった。手書き入力アプリについては、比較的に変換精度が良いアプリが1本あった。総合的に判断し、重度LV者に推奨できる日本語入力アプリは発見できなかった。 ランチョンⅠ LS-1-1 視野狭窄患者さんのロービジョンケア ~自動車運転問題を考える~ ○国松志保 東北大学医学部眼科学教室 日本の普通自動車運転免許取得・更新にあたっては、中心視力が良好な場合、視野検査は行われず、高度な視野狭窄があっても、運転免許を取得することは十分可能である。しかし、末期緑内障患者や網膜色素変性症患者の中には、「左右の安全確認をしたのにも関わらず、側方から突然来た自転車と衝突した」など、視野狭窄による安全確認の不足が原因と疑われる事故を起こしている。また、2013年7月には、交通死亡事故を起こした40才の網膜色素変性症患者の刑事裁判で無罪とする判決があり、免許更新時の視野の検査をする必要性が言及され、大きな社会問題の一つとして注目された。 ロービジョン患者の管理・教育を考えるにあたっては、公共の交通網の乏しい地方都市では、自動車運転の可否が、Quality of lifeを維持できるかどうかに関わっている。そのため、視覚障がい者の視機能と自動車事故との関連性について検討することは、非常に重要である。 われわれは、自治医科大学附属病院眼科において、ロービジョン外来受診患者119例を対象に運転実態調査(運転歴、事故歴、運転時間、運転の目的について聴取)を施行したところ、119例中54例に運転歴があり、12例(10.1%)は、ロービジョン外来受診時に運転を継続しており、12例中4例が過去5年間に事故を起こしていた。また、ロービジョン外来受診患者のうち、中心視力が良好であるものの、高度の求心性視野狭窄をきたす患者に、運転の危険性を認知させる目的でドライビングシミュレータ(DS)を導入したところ、標識や信号は認識できるものの、側方からの車や子供の飛び出しに、全く気づかず衝突した場面が多く、DSは患者に自分の運転の危険性を自覚させるのに有用であった。 本講演では、DSを用いた研究の最新情報を紹介し、視覚障がい者の自動車運転、特に運転を継続している場合の対応について考えたい。 【略歴】 1993年 千葉大学医学部卒業、東京大学医学部眼科・研修医 1994年 東京大学医学部分院眼科・助手 1995年 国保旭中央病院・医員 1996年 日本医科大学眼科・助手 1998年 東京大学医学部眼科・助手 2005年 自治医科大学眼科・講師 2012年 東北大学病院眼科・助教 自治医科大学眼科・非常勤講師 2013年 東北大学病院眼科・講師 共催:日本アルコン株式会社 特集演題 FL-1-1 眼科医と教育連携 Change and Union ○松久充子 医療社団法人橘桜会さくら眼科 平成元年の開業時から学校保健に携わった。当初は就学時健診や小学1年学校健診で弱視を発見していた。就学後の弱視治療は中断しやすく、臨界期(7歳)をはるかに過ぎて発見されることもあった。このために静岡市教育委員会(市教委)に就学時健診や小学低学年の視力不良は弱視の疑いがあるとの啓発を行った。学校保健安全法の対象は園児も含まれているので、市教委の協力を得て平成13年から公立幼稚園の視力検査を開始した。徐々に対象を広げ平成22年には静岡市の公立・私立の全幼稚園・保育園・こども園で視力検査が実施されるようになった。平成27年には三歳児健診に政令指定都市で初の他覚的屈折検査を導入した。眼科医と市教委の連携に始まり保育課・こども未来局・健康づくり推進課等との連携の和が広がって弱視の早期発見早期治療が可能になった。 弱視が早期発見されるようになるとロービジョン(LV)・学習障害(LD)・発達障害児も早期発見されるようになった。 LV児には早期からの「見える」体験が重要である。就学前にロービジョンエイドの使用を開始したい。幼児期~就学(視覚特別支援校や通常学級)後~就労に至るまで、眼科医と視覚特別支援学校が緊密に連携して補装具・学習用具・ICT支援機器の選択と使用法の指導を実施して学習を支援することができる。 LD児は読み書きにICTを活用して「わかる」ようにすることで学習の遅れを回避することができる。ICTを使用した予習・復習・宿題・読書ができるようにして後、授業や受験での使用につなぎ、社会生活でも活用させる。 発達障害児は感覚運動統合が不得手なことがある。幼児~小学低学年には衝動性・追従性眼球運動が円滑でないことから推定できる。発達を促す遊びを奨励し、教師が子どもの多様性を理解し叱責を繰り返すことがないように理解を図る。 眼科医は子どもの「見える」「わかる」「理解される」を手伝って未来を担うための学習をサポートすることができる。 【略歴】 1981年 日本医科大学卒業 1983年 浜松医科大学眼科学教室助手 1985年 国立静岡病院眼科 1988年 医療社団法人橘桜会さくら眼科院長 2014年 静岡視覚障害福祉推進協議会会長 厚生労働省視覚障害者用補装具適合判定医師・日本医師会認定産業医・日本糖尿病協会糖尿病療養指導医・日本眼科学会認定眼科専門医日本眼科医会学校保健委員・静岡市静岡医師会園医学校医委員(学習障害児の支援委員)・静岡市学校保健会評議員・静岡市保健所運営協議会委員長 特集演題 FL-1-2 教育機関における合理的配慮の現状と課題 -教科書のアクセシビリティと大学における支援を中心に- ○中野泰志 慶應義塾大学 中央教育審議会では、「合理的配慮」を「障害のある子どもが、他の子どもと平等に『教育を受ける権利』を享有・行使することを確保するために、学校の設置者及び学校が必要かつ適当な変更・調整を行うことであり、障害のある子どもに対し、その状況に応じて、学校教育を受ける場合に個別に必要とされるもの」であり、「学校の設置者及び学校に対して、体制面、財政面において、均衡を失した又は過度の負担を課さないもの」と定義している。そして、学校への入学の出願の受理、受験、入学等を拒むこと等は不当な差別的取扱いとし、校内の物理的環境への配慮、移動の支援等の人的支援、教科書・教材等を点訳・拡大する等の意志疎通の配慮、試験の際に電子機器等を用いることを認める等のルール・慣行の柔軟な変更等を合理的配慮の例として示している。 教科書や教材等を拡大したり、音声や点字にしたりすることは、視覚障害児にとって重要な配慮だと考えられるが、拡大・音声・点字に変換するために高価な機材や高度な知識・技術等が必要になると、過度の負担になる可能性がある。そこで、文部科学省では、この課題を解決するための一つの方策として「教科書デジタルデータを活用した拡大教科書、音声教材等普及プロジェクト事業」や「学習上の支援機器等教材研究開発支援事業」を実施してきた。本報告では、これらの事業で実践されてきた視覚障害や発達障害等に配慮した教科書デジタルデータの活用に関する最新情報や教科書・教材閲覧アプリ「UDブラウザ」の開発・活用状況等について紹介する。 障害者差別解消法が施行されると、国公立の大学等では障害者への差別的取扱いの禁止と合理的配慮の不提供の禁止が法的義務となり、私立の大学等では障害者への差別的取扱いの禁止は法的義務、合理的配慮の不提供の禁止は努力義務となる。本報告では、文部科学省高等教育局長決定により開催された「障がいのある学生の修学支援に関する検討会」の報告、大学入試における合理的配慮に関する最新情報、日本学生支援機構や全国高等教育障害学生支援協議会等の全国的な動向について紹介する。 【略歴】 1984年 東京国際大学教養学部人間関係学科卒業 1988年 慶應義塾大学大学院社会学研究科修士課程(心理学専攻)修了 1988年 国立特殊教育総合研究所研究員 1997年 慶應義塾大学経済学部助教授 2003年 東京大学先端科学技術研究センター特任教授 2006年 慶應義塾大学経済学部教授 特集演題 FL-1-3 アメリカと日本の歩行指導内容の違い ○山本利和 大阪教育大学、大阪教育大学附属特別支援学校 第2次世界大戦の戦争失明者向けに1940年代に作られたプログラムはフーバー博士のアイデアが盛り込まれたものだった。これが今日の白杖による歩行などの基本的歩行指導の始まりである。1960年代にはその指導方法が日本に持ち込まれ、日本ライトハウスで歩行訓練指導者養成が開始されるようになった。その後、基本的歩行指導法が指導の中心として受け継がれている。 しかし、今日アメリカで指導される定位・移動技術は1960年代のものとは大きく異なっており、日米の違いが鮮明になっている。そこで、この違いについて2010年にアメリカで出版された教科書(Foundations of Orientation and Mobility(3rd ed.), AFB)を引用しながら解説する。 その上で歩行訓練士が有用な職種であり続けるために、幅広いニーズに応える指導技術を習得していることの重要性と、その指導技術が根拠に基づいたものであることの重要性を、最近の研究を例にとりあげながら述べたい。 【略歴】 1984.3 関西学院大学文学研究科博士過程後期課程満期退学 1984.4 社会福祉法人日本ライトハウス研究生(1986.3まで) 1987.4 羽衣学園短期大学講師 1991.6 文学博士(関西学院大学)、歩行指導員(歩行訓練士) 1992.11 大阪教育大学教育学部助教授 2000.4 大阪教育大学教育学部教授 2014.4 大阪教育大学附属特別支援学校長 (その他) 視覚障害乳幼児研究会会長 ライト・オン・デザイン・プロジェクト代表 神戸市こども家庭局総合療育センター講師 特集演題 FL-1-4 障害者差別解消法の施行と視覚障害者の生活 ○指田忠司 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構障害者職業総合センター 障害者差別解消法は2013年に制定され、今年4月から施行されています。この法律は、2006年に国連で採択された「障害者の権利に関する条約」の批准に向けて、国内法を整備する一環として、障害者基本法における差別禁止規定をより具体化していくために制定されたものです。 法律施行に先立って行われた「基本方針」、各省庁による「対応方針」と「対応要領」の策定過程では、障害当事者、民間事業者を含む関係者からの意見を聴取して、法律施行の円滑を期しています。 講演では、まずこの法律施行までの過程を概括的に振り返りながら、法制定の意義と特徴について解説します。そして次に、視覚障碍者が日常生活で直面するさまざまな差別的扱いの中から、居住、移動(交通機関の利用)、買い物や店舗利用などの場面の差別について、どのような対応が可能なのかを具体的に考えてみます。 最後に、障害者差別解消法と同じく、今年4月から施行されている「障害者の雇用の促進等に関する法律」における差別解消関連規定の内容について紹介します。そして、ここでは、募集、採用、職場環境の整備などの場面で視覚障碍者が直面する差別への対応について具体的に考えてみます。 【略歴】 1978年3月 早稲田大学法学部卒業 1992年~2013年 障害者職業総合センター研究員 2013年~現在 障害者職業総合センター特別研究員 主に、欧米の障害者差別禁止法制と雇用政策、アジア太平洋地域の職業リハビリテーション制度、視覚障害者の就労実態やキャリア形成のあり方などに関する調査研究に従事。 口頭発表Ⅱ O-2-1 突起の小さな屋内用点字ブロックの開発 ○桑波田謙 株式会社クワハタデザインオフィス 【目的】 視覚障害者誘導用ブロック(以下点字ブロック)は、屋外の多様な路面状況でも足裏で検知できるように、突起高さが5㎜となっている。この突起高さが、高齢者の躓きやベビーカー・車いす利用者らに負担を与える為、屋内で規定以外の場所に設置されることは少なく、屋内は視覚障害者の移動が困難な状況が続いている。そこで、他の利用者の影響が少ないと考えられる低突起型の点字ブロックを開発した。 【方法】 突起高さや形状、配列の異なる警告ブロック12種と誘導ブロック18種を作成し、視覚障害者10名以上に白杖による検知実験を実施した。方法は、静止状態での検知実験1、歩行状態での検知実験2、警告ブロックと誘導ブロックの識別実験とした。更に突起形状の影響を確認するため、高齢者・片麻痺患者による歩行実験と、車いす・ベビーカーによる移動実験を実施した。 【結果】 検知実験1及び2より、警告ブロックは千鳥格子配列、誘導ブロックは突起本数が2本の組み合わせが最も分かりやすかった。また、突起高さは高い方が分かりやすいが、歩行実験や移動実験から、突起高さは低いほうが他者への影響が少ないことが確認された。 【考察】 突起の形状や配列方法を工夫することで、突起高さがわずか1㎜であっても、検知率は100%となることが確認された。低突起でも分かりやすくするためには、床面が平滑である必要がある。 屋外は困難だが、比較的床面環境が平滑な屋内では、低突起型の点字ブロックは有用だと考えられる。 【結論】 本実験により、1㎜、2㎜という小さな突起形状で視覚障害者を誘導できることが確認された。この突起は、視覚障害者以外の利用者の移動に影響が少ないことから、屋内空間をよりユニバーサルに活用するうえで有効であろう。特に、これまでよりも視覚障害者を誘導できる範囲が格段に広がり、視覚障害者のQOLを大きく高めるだろう。 口頭発表Ⅱ O-2-2 視野狭窄患者に対する訓練効果の判定 ○林知茂、仲泊聡、清水朋美、三輪まり枝、西脇友紀、山田明子、中西勉 国立障害者リハビリテーションセンター病院 【目的】 視野狭窄患者に眼球運動訓練などの訓練を施行し、日常生活動作への影響と我々の開発したアクティブ視野計や既存の視野計で測定した結果からその効果を判定すること。 【方法】 対象は、視野狭窄患者18名(同名半盲9名、網膜色素変性8名、緑内障1名、良い方の眼が0.6以上、平均年齢50.4歳)であった。訓練前後にアクティブ視野、ハンフリー視野(10-2プログラム)、エスターマン両眼視野、読書速度測定、視覚関連QOL評価表(VFQ11)、視覚関連ADL評価表(DLTV)を計測した。訓練は視覚探索訓練、視覚走査訓練、眼球運動訓練の3種のうち2種をランダムに選択した。被検者に各訓練を1日5分間ずつ、1週間行うことを課した。訓練前後での検査結果を、対のあるt検定(片側)で比較し、訓練効果を検討した。 【結果】 訓練前に比較し訓練後では、VFQ11のスコアが上がり、アクティブ視野で視標出現時にサッケードの生じない回数が減り(p=0.024)、平均視標捕獲誤差が小さくなり(p=0.045)、エスターマン視野計で見えた点数が多くなる(p=0.029)という訓練効果を期待できる結果が得られた。 【考察】 少数例の検討で、なおかつ短時間の訓練プログラムであったが、日常生活に比較的近い状態での見え方が改善している可能性がある。平均視標捕獲誤差は小さくなる傾向、すなわち視線変換の精度が向上する傾向にあり、視標出現時にサッケードの生じない回数の減少は、訓練により眼球運動が促されていることが考えられる。一方、ハンフリー視野と読書速度については、今回の条件では有意な訓練効果は得られなかったが、少数例での解析であるため、結論を出すには、症例数を重ねるとともに長期観察における判定が必要と考えられる。 【結論】 短期間・短時間の訓練であっても、視野狭窄患者においては、効果が期待できることがわかった。 口頭発表Ⅱ O-2-3 視覚障害者の就労継続における早期支援と介入のあり方に関する研究 ○髙橋政代(1)、三宅琢(2)、山田千佳子(3) (1)公益社団法人先端医療振興財団先端医療センター病院、(2)東京大学先端科学技術研究センター、公益社団法人先端医療振興財団先端医療センター病院、(3)国立研究開発法人理化学研究所多細胞システム形成研究センター 【目的】 再生医療を標準治療とする研究が続けられている一方、再生医療の不完全さを補完するものとしてロービジョンケア及び視覚リハビリテーションがある。そこで本研究では、視覚障害者の就労に焦点を当て、就労を継続するために必要な方法や社会資源に関する情報が適切な時期に提供されることで視覚障害者の就労及び雇用の拡大、福祉の負担軽減を可能にすることを明らかにする。 【方法】 本研究では有識者による研究会を開催し、就労支援フローの検討を行った。就労支援フローによる情報の流れから視覚障害者に情報が行き届かないまたは止まる箇所を確認。潤滑な情報の流れを検討するために協力機関から情報のフィードバックを得るなどして問題点と課題の抽出を行った。 【結果】 就労支援フローによる情報の有効性・必要性を検討し、兵庫県の特性を活かした視覚障害者の就労支援情報アプリの設計書を作成。主な項目は下記のとおり。 検索機能:現在位置を中心とした施設マップ一覧表(キロ圏内) 詳細表示:手帳・受給者証有無、通所・入所希望、在職・就労状況 施設情報:利用可能時間、電話番号 外部リンク機能:ロービジョンマップへのリンク 【考察】 視覚障害者の就労支援情報アプリは、眼科医、産業医、当事者、家族など属性によって必要な情報が変化する為、抽出データに偏りや数の減少が起きないよう質問入力項目を厳選し、利用者自らが選択できる余地を残すことにした。 【結論】 兵庫県では福祉関係者だけでなく医療従事者によるロービジョンケア及び視覚リハビリテーション普及の取り組みが積極的に行われているが、必ずしも必要な情報が適切な時期に視覚障害者に行きわたっていない問題があった。兵庫県版視覚障害者の就労支援情報アプリにより、地域の特性を活かした就労支援フローの構築が可能になると考えており、今後は医療とセットにした形での普及を目指す。また、今後は視覚障害者の就労支援情報アプリの基本設計書を公開し、兵庫県版をモデルとして全国展開が望まれる。 口頭発表Ⅱ O-2-4 視覚障害者に望まれる音声ATMのテンキーによる振り込み操作方法の調査 ○豊田航(1)、高桑智史(1)、比企直樹(1)、鈴木邦和(2)、細野直恒(3)、赤津裕子(2)、大倉元宏(1) (1)成蹊大学、(2)沖電気工業株式会社、(3)沖コンサルティングソリューションズ株式会社 【目的】 視覚障害者団体から、テンキー付きハンドセットが搭載されたATM(以下、音声ATM)による振り込み取引が望まれている。本研究では、将来音声ATMの振り込みシステムを設計する際の参考データを得ることを目指し、視覚障害者から経験上望まれる音声ATMの振り込み操作方法を明らかにすることを目的とした。 【方法】 視覚障害者14名(全盲13名、ロービジョン1名;47.7±17.0歳)から協力を得た。調査参加者に対して、音声ATMの利用状況、振込ニーズ、音声ATMやICT機器等の利用経験上望ましいテンキーによる振り込み操作方法を半構造化面接によって聴取した。 【結果】 参加者の半数が音声ATMを月1回以上の頻度で単独利用し、14名中13名が同様の頻度でガイドヘルパー等の代行で利用していた。普段振り込みを行う方法は、代行によるATM(14名中7名)、ネットバンキング(同5名)、窓口(同1名)、振込しない(同1名)であった。14名中13名が音声ATMによる振り込みを望んでおり、主な理由としてプライバシーの保護、自力で取引できる、振込手数料が安い等があげられた。 経験上最も望まれる振り込みの操作方法は、「トグル入力」(14名中12名。例:「え」は1番キーを4回押して入力させる)、「番号入力」(14名中2名、例:取引項目とその対応番号を入力させる)であった。また、最も良い操作方法ではないものの、テンキーの2、4、6、8番を十字キーとして割り当てる「十字入力」(14名中12名)も挙げられた。 【考察】 タッチパネルによる振り込みでは、金融機関の種別入力、名称入力、最終決定の3つの操作段階がある。音声ATMでもこれを踏襲するならば、各操作段階においてトグル入力、番号入力、十字入力のどれがユーザビリティ上適しているのかを明らかにする必要があり、現在評価実験を行っている。 【結論】 視覚障害者によって経験上望まれる振り込みの操作方法として、トグル入力、番号入力、十字入力が挙げられた。 口頭発表Ⅱ O-2-5 視覚障害高齢者への配慮普及の取り組み -心得の作成及びアンケート調査- ○鎌田貴身江 和田町眼科クリニック 【目的】 近年の高齢化に伴いを視覚障害高齢者も増加している。しかし、視覚障害を対象としたリハビリテーションやサービスは高齢者施策にはない。介護保険施策に視覚障害に関するサービスの導入を推進するとともに、介護職員や家族等多くの人が視覚障害高齢者の自立を支援することが重要であり、そのための啓発が必須である。今回、多くの人が視覚障害に対する配慮を知るために簡単で覚えやすい標語形式の接し方の心得を作成した。 この心得の活用の可能性および今後の改善内容を検討することを目的に、心得の内容について介護職員にアンケート調査を行った。 【方法】 2015年10月から2016年1月までに有料老人ホームや通所介護施設に勤務する介護職にある者(介護福祉士、介護支援専門員等)に対し、郵送によるアンケート調査を行った。回答数は163件。 アンケートの内容は(A)心得の分かりやすさや量について(B)心得にある各配慮事項の分かりやすさ及び、既に心がけているかどうかを確認した。また(C)視覚障害を持つ高齢者との関わりで苦慮している事の自由記述を求めた。 【結果と考察】 (A)心得の分かりやすさについて:心得の内容については67%、具体例については65%、具体例の量については57%が「そう思う」と回答した。おおむね内容としては理解しやすいものであったが、具体例や詳細な説明を加える事で内容を充実させる事ができると考える。 (B)心得のうち、既に心がけられているのは「近づく前の声かけ(40%)」「転倒・衝突防止のための環境整備(32%)」であった。他の「指示代名詞を使わない(26%)」、「物の定位置を決める(25%)」などは実施率が高くはなく、今回の心得を定着させる事により介護現場で視覚障害高齢者への配慮が進むのではないかと考える。 口頭発表Ⅱ O-2-6 盲学校在籍児の通学における移動支援の実態に関する調査 ○中野泰志(1)、高木憲司(2)、田中良広(3)、三谷照勝(4)、桑山一也(5)、田添敦孝(6)、坂本洋一(7)、堀智貴(7)、片桐大樹(7)、益子徹(8)、三科聡子(1)、山口毅(1) (1)慶應義塾大学、(2)和洋女子大学、(3)国立特別支援教育総合研究所、(4)東京都立文京盲学校、(5)東京都立王子第二特別支援学校、(6)東京都立光明特別支援学校、(7)株式会社ピュアスピリッツ、(8)日本社会事業大学 【目的】 移動支援に関する事業全般に於いて「通学等の通年かつ長期にわたる外出」を対象としていないが、通学に際してどの程度の移動支援のニーズがあるかは明らかになっていない。また、通学支援のために、家族の社会参加にどのような影響が出ているのかについても明らかになっていない。そこで、盲学校を対象に、実態調査を実施した。 【方法】 全国盲学校長会の協力を得て、盲学校の学校長と保護者(各校10名)に調査を依頼した。主な調査項目は、登下校の方法や通学に関する支援の実態等で、調査項目数は学校長用が326項目、保護者用が68項目であった。盲学校及び視覚障害部門を併設している特別支援学校85校に郵送方式のアンケート調査を実施した。なお、本調査は、慶應義塾研究倫理審査委員会の審査を受けて実施した。 【結果】 学校からは58校(68.2%)、保護者からは390人(45.9%)の有効回答が得られた。学校調査の結果、在籍児は合計2,819人、スクールバスの運用を行っている学校は27校(46.6%)、利用している児童は647人(23.0%)であり、学校までの通学の間に付き添いが必要な児童は1,358人(48.2%)であった。保護者調査の結果、登下校時に付き添いをしている保護者が330人(84.6%)、付き添いのために生活や就労に影響が出ている保護者が298人(76.4%)、登下校に移動支援サービスを利用したい保護者が273人(70.0%)あることがわかった。 【考察】 盲学校には通学に際して付き添いを必要とする児童が多く、そのために家族の生活や就労に影響が出ていることから、通学に対して同行援護等の移動支援サービスを提供する必要性が高いことがわかった。 【結論】 盲学校の児童の半数は通学に付き添いが必要であり、移動支援サービスの通学への適応が急務の課題であることがわかった。 特別講演 SL-2 視覚障害者の音活用の未来 ○佐々木幸弥 武蔵野美術大学 視覚障害者にとって音を聞くことは、物に触ることと同様に、情報取得手段としての重要な役割を果たしている。しかしながら音には形が無く、あまりにも身近であるがゆえに、その存在は認識されにくい。加えて近年は様々な支援技術の開発や支援制度の充実により、以前に比べて視覚障害者の音への依存度は減少し、音を活用するスキルの低下が懸念されている。 視覚障害者が音を活用する代表的な場面としては、空間認識や移動支援、そして情報取得が挙げられる。視覚障害者が歩行する際、自身の足音や白杖を突く音の反射を聞いて空間を認識する。公共空間ではサイン音が多用され利便性が高まっている反面、無秩序に配置された音の洪水によって、足音や白杖の音も聞こえない、視覚障害者にとって逆に危険な音空間も多数みられる。 さらに一日中鳴り響く過剰な音によって、音の不要な人への影響も懸念されている。情報取得手段としては録音再生技術が中核となっており、近年めまぐるしく発達したIT技術を伴って、さらに利便性が高められている。 本講演ではこれらの実例を紹介した上で、音の特徴や視覚障害者と音との関わりを考える。音に対する意識を高め、大切に活用することによって、音による視覚障害者の支援が、共生社会に向けたサウンドデザインとなることを目指したい。 【略歴】 1987.3 千葉大学工学部電子工学科卒業 1987.4 ヤマハ株式会社入社 2004.4 武蔵野美術大学非常勤講師 ランチョンⅡ LS-2-1 酸化ストレスから網膜を守ろう! ―今日からできる生活改善― ○尾花明 聖隷浜松病院眼科 “酸化ストレス”という言葉、最近はテレビの健康バラエティでもよく使われ、ご存じの方も多いでしょう。いわゆる悪玉酸素と呼ばれる“活性酸素”によって身体が錆びると表現されるもので、老化の根本です。この酸化ストレスが目の病気を起こすのです。というより、私たちが毎日ものを見ている間、実は眼はずっと酸化ストレスと戦っており、それに負けた時に病気が起こります。この講演では、まず、私たちの目はどのようにしてものを見ているか、視覚のメカニズムを簡単にお話しし、目と酸化ストレスの関係をご理解頂きます。 その上で、最近、増加している加齢黄斑変性など、光の影響が大きいと考えられる目の病気を紹介し、それらの病気の予防や進行を和らげるために、自分でできる生活改善についてお話しいたします。 人類誕生から10万年間、祖先は自然環境にあわせて進化と適応を重ねてきました。しかし、私たちをとりまく“光”の環境をちょっと考えてみて下さい。戦後70年で急激に変化していることに容易に気づかれるでしょう?蛍光灯からテレビができて、パソコンからLED、今は幼児がスマホをすいすい操る時代になりました。つまり、私たちの目は祖先が見ていたものとはまったく違うものを、昼夜を問わず見て、しかも寿命が延びたため長い期間、目を使っています。現代社会で生きる私たちは、こんな環境の変化に対して“目に良いこと”を今から実践しなければなりません。 多数のご聴講をお待ち致しております。 【略歴】 (学歴) 昭和58年 大阪市立大学医学部卒業 昭和62年 大阪市立大学大学院医学研究科外科系眼科学修了 (職歴) 昭和62年 大阪市立大学医学部助手(「眼科学」担当) 平成2年 大阪市在外研究員として独国ミュンヘン大学眼科病院へ出張 平成11年大阪市立大学医学部助教授(「眼科学」担当) 平成15年 浜松医科大学光量子医学研究センター光化学治療寄付研究部門客員教授 平成16年聖隷浜松病院眼科部長 平成28年 浜松医科大学光尖端医学教育研究センターフォトニクス医学研究部医学分光応用寄附研究室 医学博士 日本眼科学会眼科専門医 日本眼科学会認定指導医 ランチョンⅡ LS-2-2 からだに良い食べ方 ~健やかに生きるために~ ○太田由利子 医療法人社団橘桜会さくら眼科(管理栄養士・糖尿病療養指導士) 我が国は超高齢化社会を迎え世界の上位を占める長寿国である。2015年の日本人平均寿命は男性80歳、女性87歳だった。また、日常生活が制限されることなく生活できる健康寿命も伸び続け、2013年の健康寿命は男性71.19歳、女性74.21歳だった。ちなみに静岡県は全国1位であった。 これらの調査から、男女とも健康寿命を過ぎてから少なくとも10年間前後は、何らかの疾患を治療しながら健康とはいえない状態で生きていかなければならない。このため、いかにして健康寿命を伸ばしていくかが今後の課題となる。健康と食に関する情報があふれる中で、情報を整理して自分にあった食事をしていくことは私たちの知恵が試されている。 一方、2014年の国民栄養調査によると、糖尿病が強く疑われる人のうち通院治療を継続しているのは6割に過ぎず、働き盛りの40代では4割であった。さらに近年、20~30代の若い世代の発症が増えていることは今後、糖尿病合併症が増加するのではないかと危惧される。 眼科初診時に糖尿病網膜症を発症している人は長期間にわたり健康診断を年受けていないか、健康診断などで糖尿病の疑いがあると指摘を受けたにもかかわらず放置していることが多い。このことは我が国の経済情勢の悪化を反映していると思われ、今後も重症糖尿病網膜症による視覚障害者は減少しない恐れがある。 また、糖尿病をはじめとする慢性疾患(高血圧症、脂質異常症、慢性腎臓病など)の多くは、血管内の炎症を伴っていることが知られている。これらの炎症を防ぐことが健やかに生きていくための重要なポイントになる。今回は血管内の炎症にターゲットを絞り「血糖」「食塩」「酸化ストレス」と食事との関係を考えてみたい。 なお、今大会の二日間のランチョンセミナーでは、からだによい食材をできるだけ使用して提案させていただきました。本日のセミナーの内容と照らし合わせて静岡の味をご堪能していただければ幸いです。 【略歴】 1982年 静岡県立女子短期大学(現静岡県立短期大学)食物栄養科卒 1982年 静岡済生会総合病院勤務 1990年 管理栄養士免許取得 1997年 さくら眼科勤務 2003年 静岡県栄養士会栄養ケアステーション所属市内診療所にて栄養指導 2007年 糖尿病療養指導士認定 2008年 厚生労働省慢性腎臓病悪化予防戦略研究(From-J)参加 共催:参天製薬株式会社 市民公開講座 LP2-1 ユニバーサルデザイン・プラスの発想 ~新しい楽しさと便利さを加えて~ ○谷川憲司 静岡文化芸術大学 ユニバーサルデザインの概念が提唱されて30年になる。その間に高齢化は進み、ユニバーサルデザインの必要性はますます高くなっていると考えられる。では、ユニバーサルデザインへの期待や関心は高まっているだろうか。残念ながら、2000年前後に各地の自治体で取り組みが始まり国際会議開催等で盛り上がったのに比較すると、今は少し精彩を欠いているように見える。 多様な人の特性に配慮して、誰もが使いやすいモノやサービスを提供することがユニバーサルデザインの基本理念である。ところが、不便さの解消・ネガティブなファクターをなくすという側面において、不便さを感じていない人にとっては実感がなく他人事になってしまうきらいがある。ユニバーサルデザインは障害者のためのもので自分に関係ないとする偏見が払拭できない。 しかし、ユニバーサルデザインのもたらすものは不便さの解消だけではない。人の多様な特性を超えて使うことを追求すると、新しい使い方や新しい機能を発見することができるのである。 一例をあげると、スマートホンの読み上げ機能と音声認識は、視覚に障害のある人の操作を可能にしたばかりでなく、一般者の運転中や手の話せない状況など、これまで不可能だった状況での操作を可能にしている。さらに複雑な操作をスキップできるので、高齢者や一般者が大変使いやすいものになった。 このように、人の多様な特性や状況に着目して解決を図ったことによって、誰もが使えることだけでなく、普段気がつかないような新しい機能や新しい魅力を生み出すことができる可能性がある。そこでプラスのファクターを生み出すユニバーサルデザインを「ユニバーサルデザイン・プラス」と名付けた。 超高齢社会で世界に先駆けている日本だからこそ、ユニバーサルデザインで社会を充実させると同時に、ユニバーサルデザイン・プラスの発想によって、新しい競争力、産業の活性化に結びつけていくことを期待したい。 【略歴】 1977年 京都工芸繊維大学意匠工芸学科卒 1977年 セイコーエプソン株式会社(当時:株式会社諏訪精工舎)入社 1977年~ 同社ウオッチ事業部・・・(ウオッチデザイン) 1981年~87年 同社パリ駐在事務所・・・(欧州市場トレンド調査、デザイン開発) 1990年~ 同社開発本部、デザインセンター・・・(新商品開発、人間中心設計) 2000年~ 同社ウオッチ事業部・・・(商品企画、デザインマネージメント) 2011年~ 公立大学法人静岡文化芸術大学教授・・・(プロダクトデザイン、ユニバーサルデザイン) 日本インダストリアルデザイナー協会会員、日本デザイン学会会員、日本感性工学会会員 静岡県UD推進委員会委員長、共用品ネット副代表 共催:公益社団法人日本眼科医会(社会適応訓練講習会) ポスター発表 (研究発表・活動報告) 会場:10階1001 自由閲覧:6月18日㈯10:00~17:00 6月19日㈰9:00~14:30 発表者による説明: 奇数番号 6月18日㈯13:05~14:00 偶数番号 6月19日㈰12:50~13:45 研究発表ポスター 発表No. 発表内容 掲載ページ の順に記します。 P-R-1 見えない、見えづらい方に関するアンケート調査(5) 高齢当事者のニーズから(2) 上光陽子 P58 P-R-2 山梨県におけるロービジョンケア:山梨モデルの創生を目指して 金山佐保 P59 P-R-3 医療者への8年間の発信で分かったこと-視覚障害者に情報を届けるために- 鈴木佳代子 P60 P-R-4 視覚障害者の医療・健康情報入手についての質問紙調査の報告 原田敦史 P61 P-R-5 盲ろう者の通所における課題と在宅等の支援者間の連携について 堀内恭子 P62 P-R-6 視覚障害者の就労移行支援に関する活動報告 石川充英 P63 P-R-7 医療面接から施術録作成を学ぶ 中途視覚障害者のための実践と調査 伊藤和之 P64 P-R-8 本人の心身の状態の変化に応じた支援や情報・環境の提供の大切さ 中口潤一 P65 P-R-9 視覚障害者の障害告知後における心理状況と支援体制についての実態調査 大槻剛康 P66 P-R-10 マスキングされた問題を考える-視覚の問題とともに一人の人間の心理発達を支えた経験からの一考察- 中津大介 P67 P-R-11 東日本大震災時の視覚障害者の避難行動 内田まり子 P68 P-R-12 頭部や体幹の肢位と姿勢のしづらさとの関係について 中村直子 P69 P-R-13 我が国の視覚リハビリテーション史における東北大学教育学部視覚欠陥学教室の意義 安藤伸朗 P70 P-R-14 ブライユ点字の21世紀的展開と、タッチ画面入力、体表点字、 3D触知ロボット 長谷川貞夫 P71 P-R-15 拡大鏡と目の距離における収差について 山中幸宏 P72 P-R-16 遮光眼鏡装用による固視安定性への影響の検討 長尾祥奈 P73 P-R-17 読材料の文字数がMNREAD-J読書評価に与える影響 大西まどか P74 P-R-18 老視に配慮した置き型拡大鏡の選定方法 小林章 P75 P-R-19 BRVOに対するラニビズマブ硝子体注射治療後のMNREAD-Jによる視機能評価 山本佐智子 P76 P-R-20 字づまり文字認知訓練が読書に及ぼす効果 新山由衣 P77 P-R-21 拡大補助具使用時の読書特性Ⅱ―テキストレイアウトが最大文字サイズに及ぼす影響― 川嶋英嗣 P78 P-R-22 浜松視覚特別支援学校専攻科生を対象としたロービジョン支援-視機能とニーズの分析- 田中恵津子 P79 P-R-23 MNREAD-Jを活用したロービジョン者向けディスプレイコントラスト比の評価 清家順 P80 P-R-24 白杖の長さ、振り幅、歩幅による死角部分の面積の変化 田邉正明 P81 P-R-25 視覚障害児用白杖の開発および実証的検討 吉岡学 P82 P-R-26 視覚障害者の訪問型歩行訓練依頼のきっかけ:歩行訓練士によるブレーンストーミング 尾形真樹 P83 P-R-27 駅プラットホームからの転落事例-視覚あるいは触覚標示に対する誤解- 大倉元宏 P84 P-R-28 川崎市視覚障害者情報文化センターにおける歩行訓練士の役割に関する一考察 中村透 P85 P-R-29 鉄道ホーム改善推進協会の設立と活動経過-安全な駅ホーム利用の実現に向けた取り組み 今野浩美 P86 P-R-30 七沢更生ライトホームにおける歩行訓練の効果(2)~歩行訓練の到達度と視野狭窄~ 内野大介 P87 P-R-31 歩行軌跡の偏軌における近似曲線を用いた分析 門脇弘樹 P88 P-R-32 白杖のシンボルとしての有効性に関する予備実験 木村仁美 P89 P-R-33 視覚障害児者の2本白杖歩行に関する実践的研究 松井繁 P90 P-R-34 広範囲聴覚空間認知訓練システムWR-AOTSにおける歩行検出方法の改良について 関喜一 P91 P-R-35 録音とGPSを組み合わせたアイホン用歩行支援アプリの実用的活用研究 望月優 P92 P-R-36 ステレオカメラを有するハイテク歩行器 森英雄 P93 P-R-37 新たな歩行訓練用触地図の開発に向けた設計要件の抽出 豊田航 P94 P-R-38 エッジ検出と歩行の関係 天本拓朗 P95 P-R-39 ロービジョンの歩行困難と視機能についての文献調査 麻野井千尋 P96 P-R-40 視覚障害者における電子投票システムを用いた選挙方法の有効性と改善指針 北神あきら P97 P-R-41 超初心者向けタイピング訓練ソフト「オトタイプ2」の開発 大内誠 P98 P-R-42 学習障害児の学習にICTを活用した読み書き技術の導入支援 篠野公二 P99 P-R-43 弱視者向け音声触図学習iPadアプリの開発 肌野喜一 P100 P-R-44 視覚障害教育における有効な教育カリキュラムの有効な整備のための諸条件の検討 刀禰豊 P101 P-R-45 視覚障害者スキーの現状と課題-ブラインドスキーサミット2015の開催を通して- 矢部健三 P102 P-R-46 カメラ画像の色認識を用いた音声触図システムの開発 小澤裕太郎 P103 P-R-47 カラー版触図による複雑なイラスト教材の試作-解剖学循環器系教材への適用- 市川あゆみ P104 P-R-48 「カラー触図」をさらにわかりやすくする為の触図分割方式の開発 安田輝男 P105 P-R-49 視覚障害者用時計、触感時計タック・タッチの既存製品との機能比較 伊藤一男 P106 活動報告ポスター 発表No. 発表内容 掲載ページ の順に記します。 P-A-1 「鹿児島ロービジョンフォーラム」活動報告 斉之平真弓 P107 P-A-2 鹿児島心の健康講座実践報告Vol.4 良久万里子 P108 P-A-3 京都府におけるアウトリーチ活動(1) 野崎正和 P109 P-A-4 仙台・宮城版スマートサイト推進委員会の「活動方針」と「規約」について 佐渡一成 P110 P-A-5 見守りサービスを開始して~安心して自宅で暮らせるお手伝い~ 山田悟史 P111 P-A-6 就労継続支援B型事業所における高齢視覚障害者への支援の可能性 古橋友則 P112 P-A-7 高齢の視覚障害者に対しての川崎市視覚障害者情報文化センターの取り組み 遠藤佳世子 P113 P-A-8 羽二重ねっと(福井県視覚障がい者支援ネットワーク)設立と今後の課題 岡島喜謙 P114 P-A-9 高知県の視覚障害生活訓練指導員の増員を目指して(1)-1万人を超える署名活動の報告- 金平景介 P115 P-A-10 高知県の視覚障害生活訓練指導員の増員を目指して(2)-増員の根拠を示す- 吉野由美子 P116 P-A-11 ロービジョンケア北海道の活動について 小宮康生 P117 P-A-12 「子ども向け支援者研修会」報告~視覚障害者について理解しようプログラム~ 武田貴子 P118 P-A-13 米国視覚障害児教育プログラムを経験して-米国留学を通して- 野呂美遥 P119 P-A-14 早期教育院内相談に関するアンケート調査報告 山本敬子 P120 P-A-15 肢体不自由児の重複障害に対する視機能評価と学習援助 有若由加理 P121 P-A-16 本会における拡大教科書製作20年の推移 山本潔 P122 P-A-17 盲学校における盲ろう生徒への歩行指導の実施について 坂部司 P123 P-A-18 建屋内の歩行訓練-問題解決の視点から見た指導について- 村上琢磨 P124 P-A-19 理療教育を学ぶ盲ろう者が実技を習得するための支援-第2報 浮田正貴 P125 P-A-20 視覚障害理学療法士を対象とした実態調査実施の検討-卒前教育の向上を目指して- 薄葉眞理子 P126 P-A-21 就労移行支援事業5年間の活動実績報告 坂田光子 P127 P-A-22 視覚障害者の就労支援機会の拡大の試みとしての学会でのマッサージサービス 永井伸幸 P128 P-A-23 メルマガ色鉛筆全国の読者と情報共有を!さらにマイクロ色鉛筆による啓発活動へ! 石川佳子 P129 P-A-24 視覚障がい当事者団体の情報発信の特徴-5年間のブログ記事に対する一考察- 奈良里紗 P130 P-A-25 ロービジョン支援ホームページ更新調査報告 西脇友紀 P131 P-A-26 日本ロービジョン学会による視覚障害者向け災害対応啓発用リーフレットの作成 張替涼子 P132 P-A-27 Skypeを利用した各国視覚障害リハ事情と課題の学び合い 新井愛一郎 P133 P-A-28 『ぶらぶら会』利用者の集まり~活動を通して~ 高橋佐知子 P134 P-A-29 視覚障害者情報提供施設におけるイベント事業の取り組み 鳥居秀和 P135 P-A-30 静岡県における在宅リハのシステム作り 土居由知 P136 P-A-31 川崎市視覚障害者情報文化センターにおける用具販売の意義 島田延明 P137 P-A-32 薬局における視覚障害者向け生活便利品の情報提供について 石川優子 P138 P-A-33 視覚障害者にブラインドメイクを指導した実践報告 若槻裕子 P139 P-A-34 川崎市視覚障害者情報文化センターの貸出業務について 岩渕百世 P140 P-A-35 チャレンジド・ヨガ~視覚障がいの方のヨガクラス~活動の変化&繋がり 高平千世 P141 P-A-36 盲ろう者を対象としたクライミングプログラム開発 木本多美子 P142 P-A-37 点字・大活字避難所運営ゲーム(HUG)の開発(第1報) 藤原義朗 P143 ポスター発表 P-R-1 見えない、見えづらい方に関するアンケート調査(5) 高齢当事者のニーズから(2) ○上光陽子(1)、吉野由美子(2)、別府あかね(3)、金平景介(3) (1)高知県立盲学校、(2)視覚障害リハビリテーション協会、(3)㈶高知県身体障害者連合会 【はじめに】 過去4回(第18回・第19回・第21回・第24回)の本大会において、高知県内における「視覚障害支援者の認知度」と「高齢者を中心とした当事者の生活実態と当事者団体の活動」についてのアンケート調査の結果を報告したが、それによると地域への効率的な支援のためには当事者はもとより「支援者」への情報提供と、質の高いケアマネジメントが必要であることがわかった。 【目的】 そこで本大会では、昨年度のアンケート(「高齢当事者のニーズ」)の結果をふまえ、生活の実態を具体的に掘り下げるとともに、中山間の多い高知県で、高齢当事者がどのように地域で生活し、何を課題として考えているかを考察した。 【方法】 高知県内に居住し、団体の活動に参加している60才以上の中途視覚障害者10人にインタビュー形式で実施。昨年の質問項目に加え、現在の生活((1)生活の課題(2)将来について考えていることなど)について追加アンケートを行った。 【結果と考察】 今回のアンケートにより、高齢の中途視覚障害者であっても、個人のニーズに沿った訓練や支援を受け、自身の見え方に対する理解や必要な支援、また情報の入手の仕方において有効な手立てをもつことができるようになったことで、生活の指針が明確化したことが示唆された。また、これが相互支援の方法においても有効な手立てとなり、県内全体の視覚障害者への「質の高い支援」に目を向けることができるようになってきている。これは今大会で発表される「高知県の視覚障害生活訓練指導員の増員を目指して(1)(2)」の活動内容につながるものであり、これら一連の内容を同じ場で発表し、「地域での視覚障害支援」の現状と課題として、参加者の皆様と意見交換をしながら情報や課題を共有したいと考えている。 ポスター発表 P-R-2 山梨県におけるロービジョンケア:山梨モデルの創生を目指して ○金山佐保(1)、田辺直彦(2)、田辺譲二(3) (1)社会福祉法人山梨ライトハウス、(2)田辺眼科、(3)たなべ眼科 【目的】 山梨県眼科医会の59施設には約80名の眼科医が所属している。そのうちロービジョン外来は甲府共立診療所1ヶ所で10年前より行われていたが、4年前より田辺医師がロービジョンケアを開始した。田辺眼科の取り組みを中心に山梨県におけるロービジョンケアについて報告する。 【経過】 田辺直彦医師はかつて山梨県立中央病院(以下「県中」)に勤務していた際、ある患者より就労相談を受けたことをきっかけにロービジョンケアに取り組み始める。2012年7月に田辺眼科へ異動し開業医となった傍ら、隔週水・木曜の午前中に山梨大学医学部附属病院眼科(以下「医大」)の網膜外来の診療助手を務め、ロービジョン学会にも参加し、2013年5月に視覚障害者用補装具適合判定医師研修会に参加する。これにより田辺眼科は山梨県内で唯一(2016年1月現在)ロービジョン検査判断料が算定可能となった。田辺医師がロービジョンケアに取り組むきっかけとなった患者は、NPO法人タートルによる情報提供や地元民間企業での研修実施などの協力を得て、相談開始から半年間で再就職に至る。「何も治療をしていないが患者の希望が叶った」この事例から、たとえ治療が難しくても医者にはまだできることがあるのではないかと感じたり、医師の診断書の重要性や障害者手帳などの制度に関しても勉強する必要があると強く感じたという。 【考察】 山梨県は交通インフラが弱いがコンパクトにまとまっている。大きな眼科としては県中と医大の2つがあり、どちらも交通面で比較的通院しやすく、ほとんどの患者がどちらかに通院経験がある。両方の病院で月に1回ロービジョン外来を行えば、ほぼ漏れのない取り組みができると予想される。治らない疾患であっても患者がまず来るのは眼科医のところであり、視覚リハビリテーションの専門職同士の連携を基にしたワンストップの相談システム作りが必要である。その他の課題としては就労相談の充実などが挙げられる。 【結論】 山梨の良さを生かしたロービジョンケアにより山梨モデルの創生を目指していく。 ポスター発表 P-R-3 医療者への8年間の発信で分かったこと ―視覚障害者に情報を届けるために― ○鈴木佳代子(1)、高間恵子(1)、薩摩彩美(1)、牧和義(2)、京極裕子(2)、新居平康(2) (1)公益社団法人京都府視覚障害者協会、(2)社会福祉法人京都ライトハウス 【目的】 視覚障害を負っても、自力で相談機関やリハビリテーションにたどり着くことは難しい。多くの方が有効な情報を知らないまま不安を抱え、眼科にだけは必死に受診し続けている。早期に必要な支援を届けるためには、医療者からの情報提供が不可欠であると考え、医療関係者向け研修会を開催し始めた。8年が経過した今、医療からの紹介件数は増加し、日常的な連携関係が生まれつつある。この取り組みから分かったことを報告する。 【方法・経過】 2008年から年に1度、「医療関係者向け研修会」を京都ライトハウスと京都府視覚障害者協会の共催で開催する。始めた頃は、手引きの指導や施設紹介などを通して「福祉へ繋いで欲しい」と一方的に呼びかける内容だった。参加者も多く感想も良好だが、患者紹介はあまり増えなかった。 参加者の声から、「どんな状態の患者に声をかけたらよいかわからない」「紹介した後の対応がイメージできず心配」「多忙で聞き取る時間がない」等、進まない原因が見えてきた。その後、研修会の企画や講師として医療者にも参加してもらい、医療現場の困難さを共感したうえでの発信や双方向での意見交換ができる研修会となってきている。 患者紹介や日常的な連携も年々増え、新規相談の約2割が医療からの紹介である。病院を訪問して入院患者の相談を受けることも多く、そこで医療者に間近で対応の様子を感じてもらうことも、信頼を得るきっかけとなっている。 患者への声かけや福祉紹介のシステム化を模索した大学病院では、昨年度から月1回定例の患者相談会が始まり、患者への早期情報提供の場が実現している。 【まとめ】 患者へ早期に情報を届けるためには、医療と福祉双方が現状を理解し合い、紹介や相談のシステムを工夫することが不可欠である。今後、さらに発展させるため、京都府内の医療・福祉・教育等関係者で成るネットワークの構築を目指す。 ポスター発表 P-R-4 視覚障害者の医療・健康情報入手についての質問紙調査の報告 ○原田敦史(1)、八巻知香子(2) (1)堺市立健康福祉プラザ視覚・聴覚障害者センター、(2)国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター 【目的】 欧米諸国においては、障害のある人が障害のない人に比べて健康状態が悪いこと、健康サービスの利用が阻害されていることについて、実態の把握と改善に向けた検討が行われている。しかし、日本においては実態の把握は遅れている。本研究では、視覚障害者に質問紙調査を行なうことで、障害者の健康情報の入手と健康サービス利用の一端を明らかにし、調査結果から関係機関や医療機関が取り組むべき課題を明らかにすることを目的とする。 【方法】 堺市在住の視覚障害者のうち、視覚・聴覚障害者センターの利用登録者および堺市視覚障害者福祉協会の会員のうち重複して登録している人を除く計311名を対象とし、質問紙調査を実施した。質問紙は拡大文字・デイジー・点字の3種類を用意し、回答は墨字・点字・電話での中から選択し回答を得た。 【結果】 分析対象者は150名(回収率48.2%)であった。回答者は、健康診断・人間ドックの受診率、がん検診の受診率においては一般住民と大きな差は見られなかった。しかし、健康診断・人間ドックや、がん検診の未受診の理由に「ガイドヘルパーや付き添いの手配が大変だから」「医療者が障害に対して適切な対応をしてくれないと思うから」「医療機関が障害に対応してくれないと思うから」と答えた人が回答者の約1割に達した。 【考察】 回答者が、郵送調査に回答できた集団であることを考慮する必要がある。そうして結果をみると、家族の支援やスキルを駆使できる人であっても、障害特有と思われる阻害理由をあげる人が1割に達することは、支援・サービスを利用しにくい状態である障害者にとって、情報の入手がより困難であると考えられる。また、紙媒体以外に医療情報を得られる手段が限られていることを考えると、代替手段による提供についても関係機関が積極的に担っていく必要性が考えられた。 ポスター発表 P-R-5 盲ろう者の通所における課題と在宅等の支援者間の連携について ○堀内恭子(1)、多比良小百合(2)、鶴見朝子(3) (1)日本ライトハウス視覚障害リハビリテーションセンター養成部、(2)日本ライトハウスきらきら、(3)日本ライトハウスてくてく 【目的】 盲ろう者の通所に至るまでの経緯、通所における機能訓練の内容、在宅指導の内容、盲ろう者向け通訳・介助員の関わりについて事例報告により明らかにする。 【事例報告】 平成6年生まれ、両眼共全盲(義眼)、視覚障害1級、聴覚障害2級、感音性難聴(聴力・右93dB、左、91dB)の男性。県立ろう学校を平成25年3月卒業、平成25年4月より障害福祉サービス事業所(生活介護)を利用。平成14年(8歳)から27年まで(18年を除く)在宅指導を実施。言葉やパソコンの勉強をすることを目的とし、日本ライトハウスきらきら(機能訓練)への通所の手続きをとる。派遣の費用を捻出できない、通所での利用は不可という理由により、県の盲ろう者向け通訳・介助員派遣事業の利用不可。地域生活支援事業の移動支援での送迎、自治体の手話通訳士の派遣による館内での通訳という体制を作り、何とか通所に至った。機能訓練では、週1回通所。すみ字や個別指導、点字、パソコンの時間に文章を書き、わからない言葉を学習した。在宅指導においては、機能訓練で練習したすみ字をレーズライターで書き、買い物に行ったり、個別指導の時間に実施した郵便局でのATMの利用を行った。元在宅指導の担当者が盲ろう者向け通訳・介助員としてブレイルセンスプラスの指導時の通訳を行い、メールの送受信が可能になっていた。アドレスの追加方法などを在宅指導でも実施した。 【考察】 手話通訳者は盲ろう者向け通訳・介助員と異なる。盲ろう者向け通訳・介助員は、状況説明の必要性や点字を知っているという利点がある。同施設内に通所、在宅担当者、盲ろう者向け通訳・介助員が存在することで、互いの関わりを確認することができた。通所時にも盲ろう者向け通訳・介助員が利用できる体制が必要であり、支援者間の情報の共有が重要であると思われる。 ポスター発表 P-R-6 視覚障害者の就労移行支援に関する活動報告 ○石川充英、山崎智章、小原美沙子、宮之原滋、稲垣吉彦、長岡雄一 東京都視覚障害者生活支援センター 【はじめに】 当センターにおいて、あん摩マッサージ指圧師の資格を有し、ヘルスキーパー等への就労を希望して就労移行支援を利用した視覚障害者に対して実施したプログラム内容の評価について活動報告をする。 【方法】 対象者:2010年4月から2015年12月までに当センターの就労移行支援を利用し、ヘルスキーパー等で就労した視覚障害者 分析方法:カルテや予約の管理などに必要なパソコン操作(以下、PC)、マッサージ技術の維持向上のための臨床実習(以下、実習)の2評価項目について、対象者から寄せられた意見より、内容分析を行った。 倫理的配慮:個人情報保護の視点を十分留意し、倫理的配慮を実施した。 【結果・考察】 対象者の総数は22名で、就労先はヘルスキーパー12名、高齢者施設のマッサージ師・機能訓練指導員8名、その他2名であった。利用開始時平均年齢は40.1歳、マッサージ業務への就労経験は未経験者10名、経験者12名、就労までの平均利用期間は約10.5ヶ月であった。 PCは、エクセル、ブラウザ等の習得は全員が役立ったと回答があった。一方、グループウェア導入企業に就労した対象者全員から、就労後の短期間での操作習得に苦労したと回答があった。このことから、実践に近いPC項目の再検討の必要性とフォローアップの重要性が示唆される。 実習は、未経験者全員が技術向上と自信に繋がり、経験者全員も定期的な施術で維持向上に繋がったとの回答があった。また、継続した実習は面接試験時のアピールに繋がったとの回答もあった。一方、未経験者は就労後の施術で苦労した経験があったと回答があった。このことは、就労現場の現状を踏まえた実習の設定やフォローアップの重要性が示唆される。 【結論】 就労移行支援プログラムのPC、実習の評価をした結果、プログラム内容は有用であると考える。今後は就労後の現状を踏まえたプログラムの精度をさらに高めていく必要がある。 ポスター発表 P-R-7 医療面接から施術録作成を学ぶ 中途視覚障害者のための実践と調査 ○伊藤和之 国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局 【目的】 鍼灸マッサージ師(理療師)は、患者の迎え入れ、医療面接、身体診察、施術、患者の送り出し、施術録の作成を行う。この一連の行動を中途視覚障害者が円滑に行うには、知識と技能の習得に加え、種々の患者情報を記録、記憶しなくてはならない。そこで、本研究では、中途視覚障害者が医療面接と施術録作成のための効果的な学習・訓練プログラムを構築するために、実践と調査を行うことを目的とした。 【方法】 (1)医療面接関連単元の実践と評価:2003、2005、2006、2007、2008年度理療教育専門課程1、2年生119名を対象として授業評価を得た。評価は1点から5点までの5件法とした。 (2)漢字力判定調査:2013、2014、2015年度理療教育専門課程1年生40名を対象として漢字検定2~10級の漢字40問の書き取りを行った。 【結果】 (1)授業アンケート:109名の回答のうち、5点が26名(23.9%)、4点が63名(57.8%)で、授業単元としての評価を得た。自由筆記からは、ロールプレイの充実、取扱い時数の増量についての意見が特徴的であった。 漢字力判定調査:平均23.1±7.8点、中央値23.5点であった。理療の学習を成立させると仮定している3級レベルに届いていないケースも確認された。 【考察】 授業評価から、知識の習得と体験型学習の組合せがコミュニケーション技能の修練に効果的であると考えられる。課題は、模擬患者の確保である。また、患者から得た情報を的確に記録し、要約する技能は必須であるが、そのための記録の方法を確立することが学習効果を高める上で欠かせないことがわかった。 【結論】 視覚障害リハビリテーションの一局面である就労移行支援(養成施設)において、医療面接と施術録作成技能の習得と、それを支える記録方法の確立は、資格取得後の臨床を支える礎石としての機能を果たす重要なコンテンツと言える。 ポスター発表 P-R-8 本人の心身の状態の変化に応じた支援や情報・環境の提供の大切さ ○中口潤一(1)、京極裕子(2) (1)香川県視覚障害者福祉センター、(2)社会福祉法人京都ライトハウス鳥居寮 【目的】 県内外の様々な職種と支援にあたった結果、A氏は、障がい者採用を行っている民間企業に就職できた。振り返ると、訓練や人との出会いを通じて、意欲や気持ちが変化し、目標が変わってきた。時期に応じたコーディネートに基づく支援が必要なことを書きたい。 【対象】 A氏、女性、30代、身体障害者手帳上の視力:右(0)左(光覚弁)、1種・1級、糖尿病性網膜症 【結果】 平成21年、点字訓練を希望し香川県視覚障害者福祉センターへ初めて来館した。当時は体調を崩しがちだったため、様子を見ながらパソコンや歩行の訓練も増やしていった。なかなか長期目標の見通しが立たず、視野を広げるため、平成23年、日本盲導犬協会島根あさひ訓練センター主催の短期リハビリテーションに参加した。そこで接した視覚障がい者から影響を受け、自分を見つめなおし、自立への意識が高まった。その後、自立訓練を希望し、平成24年、京都ライトハウス障害者支援施設鳥居寮に入所した。訓練を受け、生活スタイルを形成できた。また、多くの視覚障がい者と接したことで情報を得られ、自己形成につながった。自信を得て、結果、あらゆる場面で自己決定ができるようになった。平成25年、香川に戻る。就職を目標とし、障害者就業・生活支援センター、就労継続支援B型、相談支援事業所らと連携しながら支援を行った。 平成26年、障がい者就職面接会で面接を受けた企業に採用された。平成27年1月から勤務を開始し、平成28年1月現在も同企業で勤務している。 【考察】 対象者と話し合って、今の状態やニーズの変化に合わせた支援プログラムを立てることが必要と考える。それぞれの専門機関の特徴を理解し、他職種ばかりではなく、同じ職種も含めてコーディネートする重要性を学んだ。 ポスター発表 P-R-9 視覚障害者の障害告知後における心理状況と支援体制についての実態調査 ○大槻剛康(1)、永徳一輝(1)、田中雅之(2)、松枝孝志(2) (1)人間サポート研究会、(2)名古屋市総合リハビリテーションセンター 【目的】 当会は視覚障害者(以下当事者)が属する豊田市認定ボランティア団体である。会所属の当事者の悲痛な体験から、障害告知後の支援体制がルール化されていないことに気づき、他の多くの当事者も心理的に追い込まれているのではないかと考えた。また近年、障害者に関する法制度が目まぐるしく変わる状況において、当事者が益々「情報障害」に陥ることが懸念される。そこで今回、当事者自ら医療・福祉両分野での障害告知後の心理状況と支援体制について、実態把握を目的に愛知県下の3支援機関の協力を得て調査を実施した。 【方法】 回答方法は直接聴き取り、メール、アンケート用紙に記入からの選択で当事者86名から回答を得た。主な質問項目は、性別、年齢、家族構成、見え方、障害告知時期、障害告知後の希死念慮を含む心理的変化、医療関係者や福祉窓口から他機関への紹介状況、医療・福祉などの関係機関に望むことなどとした。 【結果】 今回のアンケートでは、7割以上の当事者が希死念慮の経験がある、または心理的に追い込まれたと回答した。さらに、全体の6割が障害告知後に医療関係者から福祉窓口などの関係機関を紹介されなかったと回答した。 【考察】 これらの結果は当事者の多くが心理的に追い込まれているにも拘らず、適切な支援機関につながることが出来ない現状を示唆している。中でも未遂経験及び現在希死念慮者7名の大半が、支援機関を紹介されなかったのに加えて、福祉窓口で適切な相談窓口を紹介してもらえなかったと回答した。更にこの内の4名が、未遂及び念慮要因の一つに「医療関係者又は福祉窓口の支援なし」をあげていた。当事者が求める情報をさらに分析し、適切な情報提供を受けられる体制を整えることで、障害告知後の当事者にとっての有効な支援につながると考えられる。本結果がリハ中核施設を擁する地域であることを考慮すると、他の地域でも広く調査が望まれる。 ポスター発表 P-R-10 マスキングされた問題を考える ―視覚の問題とともに一人の人間の心理発達を支えた経験からの一考察― ○中津大介 東京都視覚障害者生活支援センター 【目的】 視覚障害当事者が抱える問題は本来視覚の障害に由来する問題のみではないが、視覚の問題が存在することで、本人や周囲にその他の問題がマスキングされ覆い隠されることがあることをしばしば経験する。本研究では、マスキングされた心理的発達課題へのサポートが有効であった事例を通して、マスキングされた課題への取り組みが機能訓練に促進的な役割を果たすことを示す。 【方法】 Wolfram症候群の23歳女性との全12回の統合的心理療法面接の事例を取り上げ、その面接経過を考察した。 【結果】 面接開始前、歩行訓練が提供されていたが、訓練が進んでいなかった。問題と解決方法が結びつかず、進路決定に混乱があった。心理面接の枠を設定し、目標設定を細分化。先天的疾患に自分の人生が強く影響を受けたことや、自己の価値観に気づきがあり、本人の自己洞察の深まりとともに自ら希望する進路を語るようになった。新しい目標をたて取り組み続けることができ、自己効力感が育まれていた。途中内科的疾患の不安定さを強く訴え、精神的不安定さが再燃した。 【考察】 当初視覚障害の問題に焦点があてられていたが、心理面接開始後はClの自己の体験様式の振り返りや心理発達課題のアイデンティティ拡散の問題に焦点を当てた。疾病治療が幼少期から生じていたことからlocusofcontrolが自己に乏しく、心理発達課題にも影響していることを取り上げ、自己洞察が深まっていった。そのことがアイデンティティ拡散からアイデンティティの確立に向き、進路決定や訓練効果にもよい影響を及ぼしたと考えられた。限定的な介入では精神的な課題の未解決も残った。 【結論】 視覚障害の問題を機能訓練で解決すると共に、マスキングされた課題に焦点を当てることが機能訓練にもよい効果を及ぼす。しかし限定的な介入には未解決の問題を残す危険性も伴うことが示された。 ポスター発表 P-R-11 東日本大震災時の視覚障害者の避難行動 ○内田まり子(1)、原田敦史(2)、加藤俊和(2)、笹山夕美絵(3)、菅原美保(3)、堀江智子(3)、畑野容子(4)、安山周平(4) (1)神奈川県ライトセンター、(2)元日本盲人福祉委員会東日本大震災視覚障害者支援対策本部、(3)公益財団法人日本盲導犬協会、(4)堺市立健康福祉プラザ視覚・聴覚障害者センター 【はじめに】 東日本大震災から5年、災害発生後の支援体制づくりは進んでいるが、災害発生直後(概ね3日間)における障害者ヘの対応は地域内での支援が重要となる。今回、東日本大震災発生直後の視覚障害者の避難行動と状況についてまとめたので報告する。 【方法】 電話による聞き取りを実施した。電話が通じなかった者は自宅および避難所を訪問した際に直接聞き取った。実施期間は震災発生の数日後から約1ヶ月間。日本盲人福祉委員会現地支援対策本部の立ち上げに合わせて、宮城県在住の視覚障害者で、訓練・相談、図書館等の福祉サービスを利用していた者を対象とした。 聞き取り内容は1.震災発生時にいた場所、2.避難所利用の有無、3.医療情報の必要性等。震災直後ということもあり、対象者の負担とならないようできるだけ簡素な内容とし、安否確認、支援物資の希望を聞く際に併せて行った。 【結果】 190名から回答を得た。震災発生時120名(63%)が自宅におり、70名が仕事や買い物等で外出中であった。震災後、避難所に行った人は45名(24%)、知人・親戚宅・職場等に避難した者は21名で、合計35%が自宅以外へ避難をしていた。なお52名は避難の必要がなかった、4名は避難所に行きたくなかったと回答した。68名は未回答。 避難所に行った時期については、45名のうち30名(68%)が震災発生当日、1名が翌日、1名が3日後に行ったと回答。避難所に滞在した日数は聞いていない。 【考察】 対策本部は4月から現地活動を開始し、宮城県内のすべての避難所を訪問したが、視覚障害者と会うことは多くはなかった。聞き取りでは避難所の滞在日数を尋ねてはいないが、対策本部が訪問支援の開始前、震災発生から数日間で避難所から自宅等へ戻ったケースが多かったためと考えられる。 大災害であっても長期間避難するよりも、短期間避難するケースが多いと思われ、専門家がいなくても支援が受けられるような体制作りが必要である。 ポスター発表 P-R-12 頭部や体幹の肢位と姿勢のしづらさとの関係について ○中村直子(1)、柳久子(2) (1)筑波技術大学、(2)筑波大学医学医療系 【目的】 本研究では視覚障害者の机上動作の特徴を頭部や体幹の肢位に着目して調べ、障害のタイプ別にその傾向を比較し、傷害予防や個々にあった視覚保障機器を検討するための基礎資料としたいと考えている。今回は様々な机上動作時の頭部~胸部の傾斜角や、目と文字の距離を測定し、主観的な尺度としての姿勢のしづらさとの関連性を比較した。 【対象】 20~40代の成人男女で、1)弱視者15人(良眼矯正視力0.3未満。軽度の視野障害を含む。)および、2)視野障害者16人(両眼とも50%以上視野欠損あり。視力障害を含む。)である。(以下、弱視群、視野群と記載する。) 【方法】 様々な条件下で書字・読字などの机上動作を行い、動作中の頭部~胸部の傾斜角および対象物と外眼角の距離をデジタル傾斜計にて計測した。設定した条件は、(1)視覚保障機器なし(コンタクト・眼鏡のみ使用)、(2)拡大読書器使用、(3)ノートPC使用、(4)デスクトップPC使用、(5)タブレット端末使用、(6)携帯電話使用、である。また主観的な姿勢のしづらさの尺度として、姿勢継続可能時間を調査した。これらの関係についてSpearmanの順位相関係数にて比較した。 【結果】 両群とも視覚保障機器を用いない作業やノートPC操作について多少の関連が認められたが、その他の課題では傾斜角と姿勢のしづらさとの間にあまり関連は認められなかった。 【考察】 今回関連が認められた2つの作業は、他の作業と比較し頭部体幹の前傾が必要とされる作業であったため、主観的な姿勢のしづらさとの間に関連が認められやすかったのではないかと予想された。 【結論】 様々な机上動作時の頭部・胸椎の傾斜角と姿勢のしづらさとの間の関係を調べた結果、より前傾の強い作業においては、傾斜角が大きいほどつらい姿勢であることが示唆された。 【謝辞】 本研究はJSPS科研費24700586、および筑波技術大学教育研究等高度化推進事業の助成を受けたものです。 ポスター発表 P-R-13 我が国の視覚リハビリテーション史における東北大学教育学部視覚欠陥学教室の意義 ○安藤伸朗 済生会新潟第二病院 【目的】 我が国の視覚リハビリテーションの歴史を知ることは、有意義なことである。我が国における古くは、平安時代に発した当道座まで遡る。その後、1878年(明治11年)京都盲亜院設立、1906年(明治39年)廃兵院法、1948年(昭和23年)東京と塩原に光明寮(国立リハセンターの前身)、1983年(昭和58年)国立身体障害者リハビリテーションセンター第三機能回復訓練部(視覚障害)設立、1992年(平成4年)視覚障害リハビリテーション協会(山梨正雄)、2000年(平成12年)日本ロービジョン学会(田淵昭雄)と幾つかの変遷を経て今日に至っている。今回、その歴史を振り返り、特に東北大学教育学部視覚欠陥学教室に焦点を当て、本教室の歴史的意義について調べた。 【方法】 現在、当時を調べる材料は少ないが日本眼科学会百周年記念誌(1997年)や、同門の方々の証言を基に、出来うる限りの資料を集め分析した。 【結果】 日本における最初のロービジョン外来は、1964年の順天堂大学眼科の眼科臨床更生相談所開設であるが、本教室の設立は、翌年の1965年である。初代教授である原田政美先生が本教室の目指すところを記載している。「広く視覚欠陥に関する基礎科学的研究を行うことを目的とする。視覚に欠陥のあるものが現代社会によく適応し、各個人の最大限の可能性をもって、社会生活を営めるような知見を提供すべく、医学的、心理学的、教育学的な研究を行う」(臨床眼科1965年)。まさにロービジョンケアそのものであった。 【考察】 我が国の本格的ロービジョンクリニックである眼科臨床更生相談所(順天堂大学眼科)と、ほぼ同時期にアカデミックにロービジョンケア学を目指した本教室が始まったことこととなる。 【結論】 長い我が国の視覚リハビリテーション史の中で、本教室の存在は希有なものであった。しかし本教室は現在は存在しない。当時の資料の多くも紛失している。今こそ本教室の業績を詳らかにすることは意味あることである。 ポスター発表 P-R-14 ブライユ点字の21世紀的展開と、タッチ画面入力、体表点字、3D触知ロボット ○長谷川貞夫(1)、成松一郎(2) (1)桜雲会ヘレンケラーシステム開発プロジェクト、(2)読書工房 【目的】 コンピュータ時代において、1825年ルイ・ブライユが発明した点字こそ、音声言語、文字の視覚言語に並ぶ全人類の身体通信言語であることを、コンピュータの入出力機能で証明し、普及させることを目的とする。 また、文字処理を基礎に、視覚障害者にとって、これからは遠隔物体触知技術時代であることを実験を通して証明する。 【方法】 タッチ画面点字式入力と体表点字については、その応用として、このコンピュータ通信時代にもかかわらず、1bitの信号さえ届かない盲ろう者の世界に、実用的電話のヘレンケラースマホを開発し、2013年より試行している。 視覚障害者遠隔物体触知システムは、米国製ファントムシリーズGeomagicTouchを購入して実験を行っている。 http://www.nihonbinary.co.jp/Products/VR/Haptic/Phantom/phantom_omni.html 最初の対象は、国土地理院の3D地理データの富士山部分である。 【結果と考察】 盲ろう者用電話は、実用である。ロボットアームで、富士山の頂上、周囲の斜面を触知した。 点字を上手に読み書きできるのは、視覚、聴覚障害者だからではない。健常者などが通常の文字を、幼児期から10年以上をかけて、日本語、外国語の基礎が読めるようになるのと同じである。だから、人類は、幼児期より体表点字を能率的に学習すれば、視覚から文字情報が入るように、全身からも文字情報が入る。人類の情報環境は一変する。 富士山を触知できたことにより、望遠鏡、顕微鏡など、光の現象をすべて触知する方法を確立する。 以上を実現するには、1973年からの視覚障害者点字式コンピュータ利用と同じ年数の約40年を要するであろう。 これらを実現するために、本「視覚障害リハビリテーション協会」の長年の協力をお願いする。 ポスター発表 P-R-15 拡大鏡と目の距離における収差について ○山中幸宏、小野充、相沢学 株式会社朝倉メガネ 【目的】 拡大鏡は、収差が少なく見える「目と拡大鏡の距離のレンジ」が、メーカーや倍率によって異なる。拡大鏡の選定・使用方法の指導にあたっては、収差が少なく見える距離を認知していることが大切と考える。そこで、アサクラメガネで販売数の多いエッシェンバッハ・シュバイツアー・コイル3社の拡大鏡に付、収差の少ないレンジを調べたので報告する。 【方法】 3社の拡大鏡を表面が検者の眼の方にするようにしてその焦点距離に固定し、上部から覗き込む形でアムスラーチャートを確認し、アムスラーの周辺部が歪まなくなるレンジの距離を、拡大鏡から目を離したときと、離れたところから拡大鏡に近づけたときの2方向各10回ずつ行い測定した。 測定する拡大鏡のディオプターは、10D~40Dまでの7種類とした。なお、検者眼はー1.25Dの近視を完全矯正して測定した。 【結果】 調査に使用した一番弱度の10Dの拡大鏡では、各社の収差が少ないレンジは、エッシェンバッハ社約11~20cm、シュバイツアー社は0cm、コイル社は0~26cmであった。逆に調査した拡大鏡のうち一番強い40Dのレンジは、各社ともに0~約7cmであった。各社ともに共通して言えるのは、ディオプター(倍率)が強くなるにしたがい、収差が少ないレンジは狭くなりかつ目に近づけた方が良いという結果であった。COIL社の拡大鏡は他の2つのメーカーと比べて、どの度数でも目に比較的近づけた方が収差は少ない結果となった。 【考察】 使用方法の指導をしないで拡大鏡を使用させた場合、まず見たい物を手に持ち、そこに拡大鏡の焦点を合わせるため、多くのケースで目と拡大鏡の距離が30cm程度離れる。比較的弱度の10Dであっても、30cmでは歪んで見えるため使いづらい拡大鏡となってしまう。拡大鏡の選定にあたっては、収差が少ない目と拡大鏡の距離などに関する情報を認知し、正しい使用方法の説明をすることが大切と考える。 ポスター発表 P-R-16 遮光眼鏡装用による固視安定性への影響の検討 ○長尾祥奈(1)、澤田園(2)、長篤志(1) (1)山口大学大学院理工学研究科、(2)市立長浜病院眼科 【目的】 遮光眼鏡装用上で固視に影響を及ぼす要因について検討する。 【方法】 被験者は眼科的疾患のない矯正視力1.0以上の11名(平均年齢24.9±3.1歳)。遮光レンズ装用にて視距離60cmでモニター上の視標を固視させ、Tobii社製視線追跡装置TX300を用いて、300Hzの測定頻度で固視の変動と瞳孔径を15秒間記録した。視標サイズは0.275度でコントラストを100%、45%、30%、15%に設定し、遮光レンズは東海光学社製STGのAC、SP、YL、OY、NL、YG、RO、FRを用いた。固視変動は、記録された反射光の位置を座標で表し、記録中の平均座標と測定座標までの距離で評価した。目的変数を固視変動、説明変数を瞳孔径、視感透過率、視標コントラストとして単回帰分析と重回帰分析を実施し、さらに瞳孔径と視感透過率の相関を調べた。また各コントラスト条件での固視変動と瞳孔径についてFriedman検定を行った。 【結果】 今回の検討での固視変動の範囲は全体で0.11~0.77度、瞳孔径は2.25~5.45mmであった。 瞳孔径では単回帰分析、重回帰分析ともに正の関係性、視感透過率では負の関係性を認めた(p<0.001)。また瞳孔径と視感透過率の間に強い負の相関を認めた(r=-0.71、Speaman)。 視標コントラストでは回帰分析で有意性を認めないが負の関係性を示し(p=0.35)、500nm以下の短波長光の透過率が低いYLでコントラスト低下による固視変動の増大傾向を認めた(p=0.07)。視感透過率が近似のOYとNLに着目すると、短波長光を50%以上透過するNLでは大部分を遮断するOYと比較し、固視変動と瞳孔径が小さかった(p<0.05)。 【考察】 遮光レンズは、視感透過率が低く、短波長光遮断の比率が高くなるほど瞳孔を散大させ、固視の安定性に影響を及ぼす。固視の不安定な弱視眼ではこれらの影響をより受けやすい可能性が示唆された。 【結論】 遮光眼鏡の色選択には、瞳孔径に大きな変化を来すと固視の安定性に影響が及ぶ可能性がある点を考慮する必要がある。 ポスター発表 P-R-17 読材料の文字数がMNREAD-J読書評価に与える影響 ○大西まどか(1)、小田浩一(1)、山上精次(2) (1)東京女子大学大学院、(2)専修大学 【目的】 読材料の違いは読書評価の結果に大きく影響する。MNREAD-Jの読材料は、教育漢字とひらがなで構成され、難易度の均質性を保証している。1文の長さは10字×3行の30字で、1回の評価に19文を要するため、およそ5分程度の時間を要する。臨床的には評価時間の短縮が求められており、本研究では、1材料あたりの文字数を減らしてその影響を検討した。 【方法】 呈示刺激は使用頻度の高い常用漢字と平仮名の助詞で構成された2,4,10文字の簡単な日本語文節であった。大きさは視角2.15~21.47分で、0.1log単位で変化した。日本語母語話者の大学生47名(平均年齢19.74±0.85歳、小数視力平均1.19±0.29)が実験に参加した。 pcMNREAD-J(小田・西村,2002)と同様の手続きで読書評価を行い、読書視力(RA)、臨界文字サイズ(CPS)、最大読書速度(MRS)を算出した。参加者一人につき、練習1セッション、呈示文字数ごとに3セッションの計4セッションが実施された。視距離は240cmであった。 【結果・考察】 RA,CPS,MRSを従属変数、実験参加者の視力(最小分離角)と文字数を説明変数にした重回帰分析を行った。RAには参加者の視力が有意に影響しており、文字数と関係がなく、近見視力とほぼ同じ値が得られるという先行研究(小田ら,2002)を支持した。CPSは文字数、視力の両方の影響を受けていた。MRSには視力も有意に影響したが、文字数が大きく影響しており、文字数が多いほど速度が上がるはっきりした傾向がみられた。 読時間=読み始め潜時+1文字あたりの読時間×文字数という線形モデルを仮定して、MRSを読時間(msec)に変換したのち、個人差の変動要因を組み込んだ階層線形モデルの回帰分析を行ったところ、非常に高い精度(r>.99)で予測できた。 【結論】 読材料の文字数を変えて読書評価を行ったところ、RAやMRSは少ない文字数で実施した際の評価値から推定できることがわかった。CPSへの文字数の影響や、改行をモデルに組み込んだ読時間の検討が今後の課題である。 ポスター発表 P-R-18 老視に配慮した置き型拡大鏡の選定方法 ○小林章 国立障害者リハビリテーションセンター学院 【目的】 調節力の衰えた老視眼の状態に合わせ、眼精疲労の生じにくい置き型拡大鏡の選定方法を検討する。 【方法】 以下の手順で、調節力0.84D(検査時照度300lx)の著者自身をモデルとして研究を行った。 (1)任意の置き型拡大鏡を選び、無限遠に焦点を合わせた単眼鏡(ナイツ社製PK-6)と眼鏡用テストレンズを用いて、Dickinson(1998)の方法により拡大鏡ごとに虚像の位置を求めた。(2)完全矯正をした眼鏡と、(1)の結果により虚像に遠点を結ぶ加入をした眼鏡を用意し、印刷された活字をそれぞれの眼鏡と拡大鏡を使用して観察した。 【結果】 完全矯正の眼鏡を使用しても虚像は鮮明に見える気がしたが、数分も経過すると目に疲労感が生じた。加入した眼鏡を使用した場合は鮮明に虚像が見え、かつ疲労が生じなかった。 【考察】 理論的には調節力不足のため虚像にはピントが合っていない状態だが、拡大された虚像は「よく見える」という感覚を生じさせつつ、調節機能には大きな負荷がかかるために疲労が生じると思われた。虚像距離に合わせた加入をした場合、加入度の焦点距離よりも目を遠ざけると虚像がぼやけることから、Dickinson(1998)の方法はテストレンズの0.25Dステップでの測定にはなるが、虚像までの距離をほぼ正確に測れることが確認できた。 【結論】 調節力が衰えた老視の者に置き型拡大鏡を選定する場合、拡大鏡の虚像距離を確認し、使用する時の目とレンズの距離を考慮したうえで老眼鏡の度数を決定する必要がある。また、その際の倍率は拡大鏡の屈折力、老眼鏡の屈折力、2枚のレンズの距離によって変化する等価屈折力を考慮したうえで拡大鏡を選定する必要がある。 ポスター発表 P-R-19 BRVOに対するラニビズマブ硝子体注射治療後のMNREAD-Jによる視機能評価 ○山本佐智子、一與清美、田邊裕貴、郷渡有子、瀬戸孝彦、守山貴宣、尾花明 聖隷浜松病院 【目的】 網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)に対するラニビズマブ硝子体注射治療後の視機能評価をMNREAD-Jを用いて行い、日常視(読書)の改善の有無を検討した。 【方法】 2014年4月から2015年12月にラニビズマブ硝子体注射を施行したBRVO患者50名52眼において、注射前後の遠見視力、近見視力、MNREAD-Jのパラメータである最大読書速度(MRS)、臨界文字サイズ(CPS)、読書視力(RA)を測定した。 本研究は倫理委員会の承認下に、文書による同意を得て施行した。 【結果】 ラニビズマブ硝子体注射治療後に遠見視力がlogMAR0.2以上改善した9眼では、MRSは8眼(89%)に、CPSは7眼(78%)に、RAは7眼(78%)に改善がみられた。治療後に遠見視力が不変であった43眼では、MRSは28眼(65%)に、CPSは33眼(77%)に、RAは26眼(60%)に改善がみられた。 【考察】 治療後に遠見視力が不変であっても、MRS、CPS、RAに改善がみられる例がある。 【結論】 MNREAD-Jによって、通常の視力検査では評価できない日常視(読書)の改善の有無を評価出来る。 ポスター発表 P-R-20 字づまり文字認知訓練が読書に及ぼす効果 ○新山由衣、川嶋英嗣 愛知淑徳大学健康医療科学部視覚科学専攻 【目的】 ロービジョン者の読書能力を向上させるために読書視力値の文字サイズを用いた訓練法が英語の読書研究で提案されている。この訓練法はサイズ閾の文字で再学習させて閾付近の読書能力を向上させることにねらいがある。日本語の読書に適用するための基礎的研究として、藤井・川嶋(2015)は視覚正常者を対象に字ひとつの平仮名文字を用いた文字認知訓練を行ったが、訓練前後で読書視力値の向上は認められなかった。これは読材料では読み取る文字の両側に別の文字が配置された字づまり状態であることが関係していると考えた。本研究では、読書視力値の文字サイズによる字づまり文字認知訓練が読書に及ぼす効果について検討した。 【方法】 矯正視力1.0以上で、母国語を日本語とする10名(平均年齢21歳)を対象として実験群と統制群に5名ずつ分けた。自作のMNREAD-Jkと訓練視標はPsychopyで作成し、MacBookProRetina上に呈示した。訓練では、清音と濁音の平仮名計66文字を用いて3文字で構成した無意味語単語を訓練刺激として真ん中の文字を読ませた。訓練群は、1日66×15試行の4日間で計3960文字の訓練を行った。訓練効果は、MNREAD-Jkによる読書視力、臨界文字サイズ、最大読書速度の読書成績を訓練前後で比較した。統制群は訓練を行わず、読書成績の比較を1週間の間隔をおいて行った。 【結果】 訓練群の訓練中における誤答数の変化は、一元配置反復測定分散分析の結果、訓練日数を重ねるにつれて有意に減少した。対応のあるt検定の結果、訓練群では読書視力のみ有意に向上したが、統制群では読書成績の全てについて有意な変化が認められなかった。 【考察】 本研究で実施した訓練を用いることで字づまり文字の読み取りは向上できることが示された。訓練によって読書視力値の向上が認められたことは、文字サイズ閾付近の読書には字づまりの影響があり、訓練によって向上できることを示唆している。 【結論】 読書視力値の文字サイズを用いた字づまり文字認知訓練は読書視力向上に有効である。 ポスター発表 P-R-21 拡大補助具使用時の読書特性Ⅱ ―テキストレイアウトが最大文字サイズに及ぼす影響― ○川嶋英嗣、大森都 愛知淑徳大学健康医療科学部視覚科学専攻 【目的】 拡大補助具使用時の読書関数では読書速度の低下は小さい文字サイズ側だけでなく大きい側でも起こる。文字サイズが大きい側での臨界サイズは最大文字サイズと呼ばれており、読材料のテキストレイアウトの広さによって変わる可能性が指摘されている(川嶋・若山、2014)。本研究では拡大補助具使用時の読書関数を広さが異なる3種類のテキストレイアウトで測定して、テキストレイアウト条件間の最大文字サイズを比較した。 【方法】 被験者は眼疾患がなく矯正視力1.0以上の5名(平均年齢21歳)であった。刺激文章の読材料は中学1年国語教科書から抜粋して、テキストレイアウト条件(縦x横)として3x10、6x20、9x30文字を横書きで設定した。iPadAir2(Apple製)のカメラ機能で紙に印刷された刺激を映してアプリ「明るく大きく」を用いて、画面文字サイズを視距離20cmで0.4~1.8logMARの範囲で変化させた。被験者は画面上に文章刺激全てが一度に画面に表示されない場合、紙を動かしながらできるだけ速くかつ正確に音読した。刺激文章を読み終えるまでの時間から読書速度(文字数/分)を算出した。 【結果】 文字サイズ別の読書速度にフィッティングした2直線の交点のX座標値を最大文字サイズとした。一元配置反復測定分散分析の結果、テキストレイアウトによる最大文字サイズの違いは有意であり、レイアウトが広いほど最大文字サイズは小さくなった。また最大文字サイズのときの画面に表示される横文字数を算出すると、各テキストレイアウト条件の横文字数とほぼ一致した。 【考察】 本研究の結果から最大文字サイズとは拡大補助具の操作を必要としない最も大きい文字サイズであることが示唆された。テキストレイアウトが広い場合、拡大補助具の操作なしで読むためには、文字サイズを小さくしないと文章全体を一度に表示させることはできない。このことが最大文字サイズの減少と関係している可能性がある。 【結論】 拡大の上限である最大文字サイズは読材料のテキストレイアウトが広いほど小さくなる。 ポスター発表 P-R-22 浜松視覚特別支援学校専攻科生を対象としたロービジョン支援 -視機能とニーズの分析- ○田中恵津子(1)、渡辺淳(2) (1)浜松視覚特別支援学校、愛知淑徳大学、杏林大、(2)浜松視覚特別支援学校 【目的】 2010年より浜松視覚特別支援学校では、担当教員、自立活動教員、非常勤視能訓練士による生徒の視機能評価と学習環境整備の支援活動を行っている。ここでは、専攻科生徒の記録をもとに、視機能の実態と支援の特徴を分析する。 【方法】 2010年~2015年に、主に専攻科1年在籍の中で参加を希望した生徒の支援のべ43事例(33人=在籍者総数の約3割)、のべ63回の記録より、視機能(視力、視野、コントラスト感度、眼球運動、MNREADによる読書評価など)、本人の訴え(現状の補助具、困難や不安の内容)の実態と両者の関連性について分析をした。対象者の年齢は、18歳~60歳、平均38.0±12.9歳で、67.4%が中途視覚障害者であった。 【結果と考察】 主な視機能結果の平均(最低値~最高値)は、小数視力は0.29±0.29(0.01未満~1.2)、最大読書速度(MRS)は229.2±92.9文字/分(67~411)、臨界文字サイズ(CPS)は0.97±0.39logMAR(0.21~1.9)であった。周辺視野狭窄は対象の60.5%に、中心10度以内の視野障害は70.0%にみられた。訴えに「学習の方法がわからず不安」が多くあった(39%)。不安ありとなしのグループを比べると、視力やCPSに違いはなかったが、不安群は、MRSが有意に遅く(173.2vs.266.8文字/分)、中心視野障害の割合が有意に高かった(88%vs.55%)。また不安群は、必要な拡大環境が未整備な人が有意に多いこと(63%vs.17%)と、書字(メモ)困難を訴える人が多い(75%vs.0%)という特徴があった。 【結論】 専攻科学生の学習支援には、読書速度、中心視野の視機能に着目し困難の存在を見逃さないことと、書字課題や適切な拡大補助具の選択を支援する必要がある。医療機関からの屈折や視野の情報をもとに現場で学習環境をみなおす支援は有効である。 ポスター発表 P-R-23 MNREAD-Jを活用したロービジョン者向けディスプレイコントラスト比の評価 ○清家順(1)、飯塚潤一(2) (1)有限会社ユニバーサルワークス・筑波技術大学、(2)筑波技術大学 【目的】 JISX8341-3(高齢者・障害者等配慮設計指針-第3部:ウェブコンテンツ)及びその関連国際規格ISO/IEC40500では、ロービジョン者向けにウェブコンテンツが最低限確保すべきコントラスト比を4.5:1と定めている。この数値は、ISO9241-3で定めた3:1に、視力低下に伴う感度損失1.5を加味したものである。本研究ではコントラスト比を変え、ロービジョン者に見やすい値を検証する。 【方法】 JISZ8513-2006は晴眼者を想定しているため、MNREAD-Jを用いて、ロービジョン者9名の臨界文字サイズを算定し、評価用文字サイズを決定した。次に、コントラスト比を変えた画面に表示した無意味文から、指定文字を見つけきるまでの時間を測定した。その後「画面の明るさ」「文字の読みやすさ」について主観評価を行った。これらを晴眼者10名のデータと比較した。 【結果及び考察】 ロービジョン者は晴眼者と同じく、コントラスト比が低下するに従って、検索により多くの時間を要した。しかし、いずれの区間においても検索時間の明らかな変化は見られず、JISで示されていた数値基準4.5:1周辺、3:1周辺でも、特徴的な変化は認められなかった。 ロービジョン者は、コントラスト比の低下に伴う検索時間の増加割合が、晴眼者の3倍にのぼった。コントラストが低いと、ロービジョン者は、文字が急激に識別しにくくなり、すなわち、情報の取得に際してより多くの時間を要すると言える。 最も高いコントラスト比6.6:1においても、ロービジョン者は、晴眼者の1.9倍の検索時間を要した。 【結論】 JIS/ISOの規定では測定できなかったロービジョン者に対してMNREAD-Jによる臨界文字サイズを適用することにより、ディスプレイの見やすいコントラスト比を評価することができた。ロービジョン者にとって、高いコントラスト比を確保することは晴眼者に比べて非常に重要である。各自の見やすさのばらつきを考慮すると、ロービジョン者へのアクセシビリティを確保するには、JIS規定値4.5:1よりも更に高い値が必要である。 ポスター発表 P-R-24 白杖の長さ、振り幅、歩幅による死角部分の面積の変化 ○田邉正明 日本ライトハウス養成部 【目的】 視覚障害者の白杖は左右に振って障害物を探知するために、障害物に白杖が当たらない死角に当たる部分が生じる。白杖の長さ、振り幅、歩幅によって死角に当たる部分の面積がどのように変化するのかを、白杖の石突の軌跡の方程式を利用してシミュレーションすることにより調査する。 【方法】 視覚障害者の白杖は体の正中線に回旋中心を置き、障害物の探知を行うために左右に振子のように振って歩き(スライド法(constant contact cane technique)やタッチテクニック(two-point-touch cane technique))、その軌跡は振子の単振動の軌跡と同様であるが、振子の単振動がcosカーブで表せられるのに対し、白杖の石突の軌跡は地面への射影が描く円弧のsag(⊿x)の長さだけcosカーブより進行方向へ移動する。白杖の長さをRとしたときの地面への射影をr、振り幅をy、振り幅の最大値/2をA、距離をx、2歩幅をλ、2歩幅の周期をT、振り始めの位置を変えるために左端から振ったと仮定したときの経過時間をtとした白杖の石突の軌跡を波動方程式で表しグラフ化することにより死角に当たる部分の面積を求め、白杖の長さ、振り幅、歩幅と死角の面積を比較した。 【結果】 杖の長さと振り幅を一定にした場合、死角部分の面積は歩幅に対して正の相関があった。振り幅と歩幅を一定にした場合、死角部分の面積は杖の長さに対して負の相関があった。白杖の長さと歩幅を一定にした場合、死角部分の面積は振り幅に正の相関があった。 【考察】 白杖を振った範囲内で障害物を探知できない場所を比較した場合、探知できない面積を少なくするには、歩幅を小さくするか、振り幅を狭くするか、白杖の長さを長くすればよいことが分かった。ただし、振り幅を狭くすると左右の大雑把な障害物探知はできなくなってしまうことは否めない。 ポスター発表 P-R-25 視覚障害児用白杖の開発および実証的検討 ○吉岡学(1)、清水順市(2) (1)金沢大学、(2)東京工科大学 【目的】 本研究は、視覚障害児が初めて白杖操作訓練を行う際、操作しやすく、身体的に負荷がかからない専用白杖の開発及び実証的検討を目的としている。 【方法】 本研究の対象者は、8歳から12歳の視覚障害以外の疾患を持たない女児7名とした。全ての女児は週1時間の歩行訓練を1年行った。本研究の実施にあたり、対象者及びその保護者には研究の内容を口頭で説明し、同意を得た。本研究に使用した白杖は新しく開発した白杖と従来の白杖の2種類とした。開発した白杖は、長さ調整が可能であり、重心位置は全長の先端部から34%の部分に位置する軽い白杖(180g)である。一方、対照杖である従来の白杖は、長さが調整できず、重心位置は全長の先端部から38%の部分に位置する重い白杖(245g)である。また、長さはいずれの白杖も女児らが学校にて使用している80cmのもとした。石突は、新規開発した交換式のものであり、パームチップとローラチップの2つの機能を有しているものと一般的なペンシル型を用いた。 本実験では、視覚障害児が各白杖で10mの歩行通路をスライド法により単独歩行を行い、その時の上肢筋活動、手首関節角度、歩行速度の測定より2種類の白杖による重さの身体的負荷について評価した。 【結果】 各白杖操作における上肢筋活動電位(尺側手根屈筋、尺側手根伸筋、腕橈骨筋、上腕二頭筋)を測定した。結果、従来の白杖による操作より新しく開発した白杖による操作の方が各対象部位にて筋電位が低い値を示した。手首関節角度では、重量が重い白杖が軽い白杖よりも角度が小さかった。歩行速度においては、重量が重い白杖のほうが大きいことが明らかになった。 【考察】 新しく開発した白杖は、従来の製品より軽量であった。また、石突はパームチップとローラチップの2つの機能を有しており、路面による摩擦抵抗が少なく、操作性に優れていた。それら2つの要因により、白杖のスライド法操作によって使用される上肢筋活動(尺側手根屈筋、尺側手根伸筋、腕橈骨筋、上腕二頭筋)負荷が軽減されたものと思われる。また、石突がローラチップ型の性能を有しているため、安定した手首によるスライド操作が可能になったものと思われる。 【結論】 新しく開発した白杖では、従来の白杖より上肢の筋負荷は43%減少しており、視覚障害児にとってスライド操作しやすくなっていた。つまり、スライド操作といった白杖歩行訓練において正確な動作を学習することが可能であり、障害児専用白杖として適した自助具であるといえる。 ポスター発表 P-R-26 視覚障害者の訪問型歩行訓練依頼のきっかけ: 歩行訓練士によるブレーンストーミング ○尾形真樹(1)、豊田航(2)、早苗和子(3)、高橋芳枝(4)、林笑美(3)、箭田裕子(5)、大倉元宏(2) (1)杏林大学医学部付属病院アイセンター、(2)成蹊大学理工学部システムデザイン学科、(3)公益社団法人東京都盲人福祉協会、(4)社会福祉法人東京ヘレン・ケラー協会、(5)社会福祉法人武蔵野生活リハビリサポートすばる 【目的】 視覚障害者の歩行困難調査はこれまでもあった。しかし、視覚障害者が歩行訓練を依頼した「きっかけ」の調査は未だない。歩行困難があってもきっかけを得られず、歩行訓練に至らない視覚障害者も多い。そこで視覚障害者が訪問型の歩行訓練を依頼するきっかけを探ることで,今後の訓練のあり方を考える一助としたい。 【方法】 訪問型の歩行訓練経験のある訓練士5名(平均8.7±7.1年)が4回(平均100分)のブレーンストーミングを実施し、経験を基に訓練依頼のきっかけを列挙した。きっかけをKJ法により分類し、視覚障害者が歩行困難の改善方法を体験しやすい環境を検討した。 【結果】 訓練士によるブレーンストーミングの結果、きっかけは全33項目があげられた。そして、白杖(12.12%)、行動範囲の拡大(21.21%)、安全な歩行欲求(21.21%)、環境の変化(12.12%)、視機能の変化(12.12%)、他者から勧められた(12.12%)、その他(9.09%)の7つに分類できた。 【考察】 訓練士があげた視覚障害者が訪問型の歩行訓練を依頼する「きっかけ」のうち、長期間の指導を必要としそうな白杖に関連した項目は全体の1割程度だった。それ以外に、電車やバスを利用したい、階段の降りが怖い、引っ越した、見えにくくなった、人から危ないといわれたなど、今現在の問題をその都度改善したいという希望が9割を占めていた。このことから、訪問型の歩行訓練では、視覚障害者の直面する問題に対処する技術を、訓練士が繰り返し提供することが必要だとわかった。またこれにより、問題以前と同程度の安全な歩行が可能な状態を維持し続けられるように支援することの重要性が示唆された。そのような環境として、安全な歩行を気軽に体験できるワークショップの開催、医療機関内で杖の操作にこだわらない歩行困難の改善を助言することなどは、その一例となるかもしれない。 ポスター発表 P-R-27 駅プラットホームからの転落事例 -視覚あるいは触覚標示に対する誤解- ○大倉元宏(1)、高部友樹(1)、山﨑陽一(1)、豊田航(1)、田中雅之(2)、竹下亘(3)、堀内恭子(3)、清水美知子(4)、田内雅規(5)、村上琢磨(6) (1)成蹊大学、(2)名古屋市総合リハビリテーションセンター、(3)日本ライトハウス、(4)モビリティ研究会、(5)岡山県立大学、(6)NPO法人しろがめ 【目的】 ロービジョンと全盲の駅プラットホームからの転落事例について報告する。未然防止に役立てるのが目的である。 【方法】 調査票に基づき当事者に転落の概要を聴取するとともに、当該駅に同行してもらい、歩行軌跡等を実地検分した。 【結果】 事例1:転落者は51歳のロービジョンの女性で、転落は阪神梅田駅で発生した。転落者はコントラストが高ければ大きな文字は読める程度の保有視覚を有していた。当該駅はターミナル駅でホームの形状は櫛形であった。不案内な駅であったが、利用する特急電車は1番線から発車することはあらかじめ知っていた。改札を入って1番線のある右の方に向かっていると点字ブロックを検知し、さらに天井から吊り下がっている「2」という標示が確認できた。しかし、1番線を示すであろう「1」という標示は見つけられなかった。「2」の裏面に「1」があるのではないか想定し、裏側に回り込んで見上げたが何もみえなかった。そこで見える範囲を拡げるためにそのままの体勢で後ずさりしたところ転落した。後ずさりしていたので、白杖による路面の探索は行っておらず、ホーム縁端の点字ブロックにも気づかなかった。 事例2:転落者は22歳の全盲の男性で、転落が発生したのは桜通線今池駅であった。通学に利用している駅で、いつもの時間にホームに到着した。人の流れに乗りながら中央部の階段に誘導している線状点字ブロックを探していたところ、それが左側にみつかったので、階段に向かうブロックと判断した。それに沿って進むと点状の警告ブロックが出てきたため、階段手前のブロックだと思い、左足を出したところ、そのまま左足から転落した。それは実際にはホーム縁端の警告ブロックであった。 【考察】 2つの事例とも白杖でドロップポイントを検知しなかったことが直接的原因であるが、視覚や触覚標示に対する誤解も転落の一因と考えられる。 ポスター発表 P-R-28 川崎市視覚障害者情報文化センターにおける歩行訓練士の役割に関する一考察 ○中村透 川崎市視覚障害者情報文化センター 【目的】 報告者は川崎市視覚障害者情報文化センター(以下情文と略す)に平成27年度から“歩行訓練士”として、利用者支援グループに所属している。本報告では報告者が27年度中に相談支援及び視覚リハ訓練に直接携わった40名の利用者について概括し、一地域の歩行訓練士に求められる役割について考察し、若干の知見を得たので報告する。 【対象】 利用者のプロフィールは、年齢は最高齢95歳、最低年齢は6歳で、60代以上が18名(45%)である。視機能は全盲(光覚以下)12名(30%)、LV(実際にはLV1は、概ね0.02以下、LV2は、0.03~0.04、視野3%以内、LV3はそれ以上に分けてアプローチをしている)は28名(70%)、現段階で終了者は17名(43%)である。 【結果と考察】 本人のモチベーションがないなど、思うように訓練ベースにのせられない者は16名(40%)、認知症や精神疾患、知的な障害などで、利用者個々の総合的な能力が、低いと判定した方が13名(33%)であり、アプローチの多様性が求められた。情文にアクセスしてくる利用者は、最初から“視覚リハ訓練を受けたい”と希望する人よりも“白杖を購入したい”“見えづらくなってきて困っている”“仕事をしたい”など様々な相談をしてくる。実際には実働時間中に、相手の状況に合わせて、支援機器についての相談及び解説、就労継続に関する相談支援、地域施設との連絡調整、家族へのアプローチ、余暇活動への参加の動機付けなど、歩行訓練以外のニーズにも積極的に関与している。 【結論】 一般的に「歩行訓練士」という立場は、必要な人に白杖による歩行訓練を提供する人と思われがちである。しかし、地域で活動する専門家は、ニーズへの対応を狭めると、利用者は少なく、期待をされなくなる可能性が高い。個々の利用者の状況を正確に把握するとともに利用者本人のニーズを浮き彫りにし、可能な限り対応する必要がある。 ポスター発表 P-R-29 鉄道ホーム改善推進協会の設立と活動経過 -安全な駅ホーム利用の実現に向けた取り組み ○今野浩美 鉄道ホーム改善推進協会 【目的】 ハンディのある方が駅ホーム特有の条件下で身の安全をどのように確保しながら移動できるのか、その実態を社会に伝える啓発活動をしようと2014年に結成されたのが「鉄道ホーム改善推進協会(以下協会と略す)」(会長今野真紀)である。ここでは、協会の活動を概括する。 【方法】 2年間で4回のセミナー、2回の最新ホーム柵メーカー見学会、その他交流会と学習会を経て、具体的な取り組み事例報告提供を受けることとなった。人的取り組み・機器設備分野の事例収集、研修テーマとして、”音サインの現状把握””可動式ホーム柵の見学会と意見交換会””エスカレーター利用の状況把握””鉄道会社の安全についての取り組み事例(東急電鉄)”などを取り上げ、参加者とのディスカッションの時間を積極的に作った。 【結果】 協会は通常会うことのない技術者と意見交換する機会を作ったことで、高額な設備費用を安価にするための開発努力が継続されていることを知ったり、調査団体の報告を受けブロックで誘導されてはいないエスカレーター利用者が多いことに気付くなど、ホームがより安全になるための研究が進んでいる事実や設備が現状に合っていない状況があることを知った。ホーム柵のセンサーに必要以上の機能を付けた結果、当事者にとって不便な配慮となってしまった事例を現場でメーカーと共に共有できた見学会は、大変好評だった。 【考察】 設置側にも事情がある中、駅ホームをどのような専門家が取り巻き、現実的にどのように対策が工夫されているのかを正しく理解した上で相互のコミュニケーションが図られるメリットは大きいことを実感した。 【結論】 現状として従来型のホーム移動方法の研究が不可欠とは思うが、当事者の歩き方訓練ノウハウを持つ会員が少ない。歩行環境整備といった分野との共通理解も不可欠と言えることから、問題をどのように解決していくのかを研究する多方面からの新しいコミュニティーの形成について、今後認識していかなければならないと考える。 ポスター発表 P-R-30 七沢更生ライトホームにおける歩行訓練の効果(2) ~歩行訓練の到達度と視野狭窄~ ○内野大介、末田靖則、矢部健三、渡辺文治 神奈川県総合リハビリテーションセンター七沢更生ライトホーム 【目的】 内野ら(2015)は、七沢更生ライトホーム(以下、LH)の利用者に実施した歩行訓練の効果を歩行訓練の到達度(以下、到達度)として数値化し、年齢や視力等で比較して報告した。 本報告では、前回の調査結果を再分析し、視野狭窄と到達度の関連について明らかにしたい。 【方法】 過去20年間の入所利用者を対象に、視力、視野、到達度等について、各利用者のケースファイル等を調査した。到達度を示すため、訓練エリアと難易度をもとに以下の8つのstageに区分した。到達度は各stageの訓練エリアで単独歩行が可能であることを表す。 stage1:LH生活エリア stage2:LH訓練室エリア stage3:併設の病院エリア stage4:LH周辺エリア stage5:住宅街エリア stage6:繁華街エリア stage7:バス利用 stage8:電車利用 【結果】 20年間の利用者総数297名のうち、訓練対象者は292名であった。医学的意見書を参照して、視野状況を視野狭窄の有無に分類した。視野狭窄有り132名(45.2%)、視野狭窄無し148名(50.7%)、不明等12名(4.1%)であった。視力別に視野狭窄の有無で到達度の平均を比較した結果、大きな差は見られなかった。また視野狭窄の有無に関わらず、到達度の低い利用者には、重複障害の有ることが多かった。 【考察】 視野狭窄の有る場合、単独歩行は可能だが多くの困難を抱えていることが多い。訓練を受け白杖操作に慣れ、必要な視覚情報が活用できるようになったため、到達度が上がったと考えられる。 【結論】 到達度を指標とした前回の調査では、視力は到達度に関連していた。しかし、今回視野狭窄の有無による調査では、はっきりした関連は数値では出なかった。 今後も到達度に関連を及ぼす要因を分析し、歩行訓練の専門性を高めていきたい。 ポスター発表 P-R-31 歩行軌跡の偏軌における近似曲線を用いた分析 ○門脇弘樹、牟田口辰己 広島大学大学院教育学研究科 【目的】 歩行軌跡の偏軌について、線形近似と多項式近似を用いて適合度を分析し、歩行軌跡が示す偏軌の特徴を明らかにすることを目的とした。 【方法】 大学生2名(対象者A:男性、対象者B:女性)を対象にし、X大学体育館に設定した歩行路(縦16m×横幅10m)で歩行実験を行った。対象者は、3種類の歩行速度(m/分、「遅い」・「通常」・「速い」)で白杖歩行を行った。計測は、各歩行速度で3試行ずつ、計9試行を歩行速度ごとに無作為に行った。対象者はアイマスクを着用し、ウェアラブルカメラ(Panasonic製、HX-A500)を腰に装着した状態で白杖歩行を行った。得られた歩行軌跡は、線形近似および多項式近似の関数を最小二乗法によりそれぞれの適合度を求めた。 【結果】 対象者Aは左側に、対象者Bは右側に偏軌する歩行軌跡を示した。対象者Aの歩行軌跡に関して、「遅い」の場合の適合度は、線形近似0.8961±0.0639、多項式近似0.9919±0.0079、「通常」の場合の適合度は、線形近似0.9363±0.0038、多項式近似0.9974±0.0014であった。「速い」の場合の適合度は、線形近似0.9819±0.0083、多項式近似0.9988±0.0006であった。対象者Bの歩行軌跡に関して、「遅い」の場合の適合度は、線形近似0.9354±0.0034、多項式近似0.9981±0.0014であった。「通常」の場合の適合度は、線形近似0.9151±0.0191、多項式近似0.9977±0.0013であった。「速い」の場合の適合度は、線形近似0.7909±0.1015、多項式近似0.9853±0.0054であった。 【結論】 歩行軌跡の偏軌に関して、線形近似および多項式近似の適合度で比較した結果、歩行速度に関わらず、多項式近似の適合度が高い値を示した。このことから、偏軌の歩行軌跡は線形近似よりも多項式近似の説明率が高いことが示唆された。今後、対象者の数を増やして分析することで、歩行軌跡の偏軌予測や歩行支援機器の開発といった研究に応用することができる。 ポスター発表 P-R-32 白杖のシンボルとしての有効性に関する予備実験 ○木村仁美 世田谷区立総合福祉センター 【目的】 白杖の携行は自身が視覚障害であることを周知するために必要とされ、法律においても「目の見えない者」は携行が求められている。しかし、白杖を携行しているにも関わらず、周囲の無理解に困惑する当事者も少なくない。 先行研究では、杖の構成要素のうち「形状」のみに着目し「直杖は視覚障害者の杖としての認識が高いが、近年増加傾向にある身体支持杖は視覚障害者の杖としての認識は低い」との知見を得た(第22回視覚リハ研究発表大会にて報告)。本研究では、さらに色彩の要素を加え、人々の認識がどのように異なるかを検証する。 【方法】 「白い杖であっても、直杖以外の形状では視覚障害者であることを認識しにくい」という仮説に基づき、実験を計画した。 予備実験では、ノートパソコンの画面上に16枚(4形状×モノクロ4色)の杖の画像を1枚ずつランダムに繰り返し提示し、「視覚障害者の杖だと思うか」の回答を求めた。実験参加者は10代から70代まで5名である。画像の提示から回答までの時間と回答を記録し、分析した。 【結果】 直杖は色に関わらず、視覚障害者の杖としての認識が高く、身体支持杖は白色であっても視覚障害者の杖としては認識されにくいことがわかった。 【考察】 実験参加者数やその属性、画像の提示方法など課題は多い。しかし、仮説を支持する結果が得られたことは、白杖が社会に深く浸透していることを裏付ける一方、直杖以外では認識されにくいことを客観的に示している。 【結論】 今後も実験計画を見直しながら予備実験を繰り返し、本実験へと進める。 ポスター発表 P-R-33 視覚障害児者の2本白杖歩行に関する実践的研究 ○松井繁 金沢星稜大学人間科学部 【目的】 視覚障害者の独歩の主流である現今の白杖歩行の問題点を踏まえて、安全でスムーズ、スマートな歩行技術の向上を図る。 【方法】 基準に適合する長さの杖を用い、タッチテクニックまたはスライド法で歩行することが基本、前提である。白杖を2本同時に持って歩行する。両手でそれぞれ1本ずつ杖を持ち、そのうちの1本を通常「身体の防御」に使用する。例えば、左手で持った杖で、踏み出そうとする足の前の安全を確認する。右手で持った杖は、体の前で右上方から左下方へ斜めに保持する。また、危険な場所などでは、臨機応変に右手をも使って2本の杖で必要な「情報」を収集する。 【結果】 本方式では、白杖で体前面を防御するため、例えトラックや細い鉄柱などの障害物があっても、ただ杖が当るだけで、身体を直接それらにぶつける事故は起きない。また、プラットホームなどでは、身体両前外側の情報を広く得ることができるので、転落事故を防ぐことができる。 【考察】 一般人は両目で見つつ歩いており、視覚障害者にとってその視覚の代行が杖(手の触覚)である。触覚(情報の1.5%)は、視覚(83.0%)より劣位にある。1本杖歩行では、杖をどれほど巧みに操作しても、トラックや細い鉄柱などとの衝突事故は避けられない。プラットホームからの転落事故も後を絶たない。健常者が両目を使っているように、用いる白杖を1本ではなく2本にしてフルに活用すれば、合理的に歩行技術を向上させることができる。さらに、視覚障害者のシンボル的影響も大きくなる。 【結論】 視覚障害者の2本白杖歩行では、以下の結論が得られた。 (1)衝突事故を防ぐことができるので、安全性が向上する。 (2)2本の杖を触覚器として用いる時、1本に比してより多くの情報が得られる。 (3)衝突や転落に対する恐怖が軽減するから、安心感・ゆとりが得られ、歩行時の姿勢が良くなる。 ポスター発表 P-R-34 広範囲聴覚空間認知訓練システムWR-AOTSにおける歩行検出方法の改良について ○関喜一(1)、岩谷幸雄(2)、大内誠(3)、鈴木陽一(4) (1)産業技術総合研究所、(2)東北学院大学、(3)東北福祉大学、(4)東北大学 【目的】 視覚障害者にとって、音により周囲の状況を認知する聴覚空間認知能力を獲得することは不可欠である。筆者らは、2013年4月に広範囲聴覚空間認知訓練システムWR-AOTSを実用化し、その後も継続的にアップデートを提供している。WR-AOTSは訓練生が実際に歩きながら音を聴取して訓練を行うシステムであるが、加速度センサの誤差により、従来は歩行検出が不安定であった。今回は、歩行検出方法を大幅に見直して改良し、2015年8月にVer.2.09として公開したので報告する。 【方法】 従来版であるVer.2.08以前では、訓練生の歩行検出のために、歩行開始・停止時に発生する大きな前・後方向の加速度を使用していた。しかし、加速度センサの誤差により、誤判断が発生する場合があった。 Ver.2.09では、前後方向ではなく、歩行時に発生する上下方向の加速度の絶対値を判定に使用する方法を採用した。 【結果】 この改良により次の3つの改善が実現した。 (1)高いSN比の計測が可能 (2)頭部の水平回転によるノイズが発生しない (3)誤判定が持続しない 実際に被験者実験を行った結果、誤判定が全くなく、10m程度の歩行距離ではほとんど誤差なく歩行距離を計測できることを確認した。 【考察】 今回の改善は、前後ではなく上下の加速度で歩行検出を行うという発想の転換から実現した改善である。今後更に加速度データの処理方法を見直すことによって、更に精度のよい歩行検出が可能になると考える。 【結論】 今回は、従来不安定だった歩行検出方法について改良を行い、Ver.2.09として2015年8月にリリースした。既に約80件の視覚障害関係施設に配布済みである。 ※詳細は以下のWebサイト参照 http://sta.aist.go.jp/yoshikazu-seki/AOTS/WR-AOTS/index-j.html ポスター発表 P-R-35 録音とGPSを組み合わせたアイホン用歩行支援アプリの実用的活用研究 ○望月優 株式会社アメディア 【目的】 視覚障害者の単独歩行を支援するアプリの試作・検討 【方法】 アプリを使わないで歩いたときと、使って歩いたときの状態を比較。 アプリの概要:歩行中の音を録音し、マークを着ける操作を行うと、GPSの位置情報とその時点の録音内容が紐着いて、再び同じルートを歩いたときに、マーク地点の録音が再生される。よって、このアプリには、道案内作成場面と道案内利用場面とがある。 【結果】 アプリを使わずに歩いたときは、2回ほど歩行者に目的地の位置を尋ねた。アプリを使用して歩いたときは、一度も周囲の歩行者に尋ねることなく、目的地にたどり着くことができた。また、歩行中、使用しているときの方が安心感がある。 【考察】 私は、初めて練馬総合病院に行った帰りに、このアプリで記録を取りながら歩いた。そして、2回目に行くときに、帰りルートの録音を手掛かりに歩いた。逆であることを意識していれば、十分に有効な道案内となった。このアプリの欠点は、単独歩行で道案内を作るときに負担がかかることである。そのため、ガイドヘルパーや友人等と歩くときに、ルートの記録を取っておくことが多くの視覚障害者にとって実用的な使い方となる。 【結論】 歩きなれているルートでも、アプリを使って歩くと、安心感が高まる。雨などで歩行環境が悪いときに迷っても、アプリを使用することにより、修正が容易になる。タクシーで下りた直後に、自分の本来いるはずの位置と、現在地との関係を知ることができる。歩行訓練中に、このアプリでルートを記録しておけば、その人は、少なくとも記録されたルートは一人歩きできるようになるであろう。道案内記録データをネットを介して支援者から利用者及び利用者同士が交換するようになれば、視覚障害者が初めての場所にも気楽に行けるようになることは間違いない。 ポスター発表 P-R-36 ステレオカメラを有するハイテク歩行器 ○森英雄(1)、丹沢勉(2) (1)NPO法人歩行ガイドロボット、(2)山梨大学 【目的】 歩行器にステレオカメラを搭載し、道路環境を認識して視覚障害者を音声で道案内するハイテク歩行器の開発 【方法】 ハイテク歩行器は、山梨大学が開発したPCベースのステレオカメラと、距離計(キャスターにつけた回転計)、超音波センサー、磁気方位計を搭載する。 ステレオカメラが検出するのは、1mから20m先の道路境界データ(塀や生垣など)と障害物データ(人や車など)と路面データ(側溝や穴を除く路面)である。視覚障害者が歩行器につかまって歩くと、イヤホーンを通してオリエンテーションとモビリティの指示をする。 【結果】 たとえば、左側の道路境界に沿って歩くときは、“左側に塀がある”さらに進むと“塀の切れ目”、“交差点”などと発話する。真っ直ぐ進んで良いときは、“ピンポン”と鳴らし、道路境界に近寄りすぎると“左左”と離れ過ぎると“右右”と発話する。前方に障害物があるときは、“2m先、注意”、さらに近づくと“止まれ、止まれ”と発話する。また、遠方で道路が左に曲がっているときは“10m先で左にカーブ”などと発話する。ステレオ画像処理に要する時間は70msecと短いが、音声発話の周期は発話の内容によって異なり“右右”で1.2秒、“左に塀がある”で1.9秒である。 ステレオカメラが検出できないのは、雪道の道路環境と一定間隔の縞模様がある壁やフェンスである。 【考察】 ハイテク歩行器は、安価で使い方が簡単である。バスや電車に携行でき、折り畳んで車に載せることができる。白杖との併用ができ道路交通法に抵触しない。 視覚障害者の利用には訓練が必要である。たとえば、交差点を横断するときは、自動車の走行音を聞いて、渡るタイミングを決めて白杖などを挙げて意志を表示するなどである。 【結論】 ハイテク歩行器は、白杖や盲導犬を用いて単独歩行できない視覚障害者に、有用と思われる。 ポスター発表 P-R-37 新たな歩行訓練用触地図の開発に向けた設計要件の抽出 ○豊田航(1)、須藤友輝(1)、大内進(2)、尾形真樹(3)、清水美知子(4)、大倉元宏(1) (1)成蹊大学、(2)国立特別支援教育総合研究所、(3)杏林大学医学部付属病院アイセンター、(4)モビリティ研究会 【目的】 触地図は歩行訓練の補助具として有効だが(豊田ら、2016)、視覚障害者の個別ニーズに応じた触地図の作製は時間的・経済的コストがかかり、訓練では必ずしも使用されない。本研究では、歩行訓練士が触地図を簡便に作製可能な歩行訓練用触地図の開発に向けて、歩行訓練での使用に適した触地図の設計要件を明らかにすることを目的とした。 【方法】 触地図の使用経験がある歩行訓練士8名から協力を得た。8名が様々な素材での自作、5名が立体コピー、3名がレーズライター、1名がサーモフォームによる触地図の作製経験があった。参加者には、これまでに作製した触地図の現物や写真を可能な限り持参させ、それらの使用経験から歩行訓練で有効な触地図の作製方法を、半構造化面接により聴取した。得られた逐語録から内容のまとまりを一行程度の文章に要約した項目群を抽出し、意味が共通するものを集めて概念化した。 【結果】 参加者が作製した触地図は物理的設計の類似性と訓練用途から3つに分類された。(1)ルート地図(主に歩行ルートとランドマークを示した触地図)、(2)環境地図(主に環境全体の形状や位置関係を示した触地図)、(3)概念地図(特定の環境の形状を抽象化して示した触地図)。 概念化した情報により、歩行訓練士は訓練の進行状況、視覚障害者の属性等に応じて触地図を容易に修正できることを望み、さらに触地図に高い触知性、携帯性、耐久性を求めていることが明らかとなった。また、触地図の物理的設計に関しては、ランドマークの形状、まとまり感、識別性、見つけやすさ、触感等の具体的条件が抽出された。 【考察】 歩行訓練士が望む多様な条件を満たす新たな歩行訓練用触地図として、歩行訓練士が視覚障害者のニーズに応じて現場で簡便に作製・修正可能な触地図作製キットが有効である。 【結論】 歩行訓練士に対する調査から、新たな歩行訓練用触地図の設計要件が明らかとなった。 ポスター発表 P-R-38 エッジ検出と歩行の関係 ○天本拓朗、川嶋英嗣 愛知淑徳大学健康医療科学部視覚科学専攻 【目的】 ロービジョン者の歩行時には境界部(エッジ)の検出に困難を有している。先行研究ではピークコントラスト感度と歩行能力の高い相関を報告しており、エッジ検出と歩行の関連を示唆している。本研究ではiPad上で手軽にエッジコントラスト閾を測定できるアプリを自作し、エッジコントラスト閾と歩行時の問題のうち特に危険な階段下降との関係について検討する。 【方法】 被験者は眼疾患のない平均年齢21歳の15名。バンガーターフィルタを用いた5段階のフィルタ条件に各段階3名を割り当てた。コントラスト閾測定では、視角5.7°の円を半分に分け輝度を変化させたエッジ刺激(コントラスト1%~99%の19段階)をiPad2上に呈示し、エッジ方向(垂直or水平)をスワイプで反応させ、極限法下降系列の手続きでコントラスト閾を求めた。歩行測定では、段鼻と下段踏面のコントラスト8%の階段を用い、階段の1m前からスタートして最後の段を下りきり両足がつくまでを歩行時間(秒)として測定した。フィルタ非装用下での各被験者の歩行時間を基準速度とし、フィルタ装用下の歩行時間を歩行速度の変化率(PPWS)に換算し分析に用いた。 【結果】 全被験者のコントラスト閾は11%~45%、PPWSは96%~29%の範囲で変化し、コントラスト閾とPPWSの間には有意に相関が認められた。コントラスト閾が高くなるほどPPWSは低下することがわかった。 【考察】 全被験者中PPWSが最高の者でも96%であった理由はコントラスト閾が11%であり、8%コントラストの階段が見づらかったためであり、その他の被験者ではこれ以上にコントラスト閾は高くなるためPPWSはさらに低下する結果となったと考える。このことはアプリで測定されたコントラスト閾は階段のエッジ検出と対応しており、階段下降能力の予測に有用であることを示している。 【結論】 本研究で開発したアプリは階段下降能力の予測に有用である。 ポスター発表 P-R-39 ロービジョンの歩行困難と視機能についての文献調査 ○麻野井千尋(1)、小田浩一(2) (1)東京ライトハウス、(2)東京女子大学 【目的】 中途視覚障害の人は移動と読み書きに最も困難を感じている。読み書きに比べ移動の訓練開始の客観的な判断は難しく、訓練の導入が遅れる現状がある。歩行困難と関連する視機能が分かれば医療機関から訓練施設への早期照会が可能となる。本研究では視機能のどのような障害が歩行困難と関連するかを文献調査により明らかにする。 【方法】 ロービジョンの人の歩行困難に関する21本の文献(1982~2013年)から、視力、視野、コントラスト感度、視野の中心部の暗点の大きさが、歩行困難(歩行速度の障害物への衝突)とどの程度関連するかを調査した。また歩行困難をもたらす視機能が厚生労働省が定める障害程度等級のどれに該当するか検討した。 【結果】 歩行速度と障害物への衝突回数と関連が深い視機能は、視野とコントラスト感度であり、視力との関連は低かった。残存視野は歩行速度と、コントラスト感度は衝突回数と関連した。視野が半径57°を下回ると歩行速度が落ち、衝突回数が増大し、15°を下回ると顕著になった。中心37°以内は特に重要で、この領域の左右と下部に暗点があると衝突のリスクが高まった。この半径57°を厚生労働省の視能率に換算すると74.3%になり、障害程度等級基準には該当しなかった。 【考察】 身体障害者手帳に該当しないロービジョンであっても、歩行速度が低下し障害物へ衝突する危険性が示唆された。このため身体障害者手帳の有無に基づき訓練の開始を決定すると、これら身体障害者手帳に該当しないロービョンの人の訓練が遅れる可能性がある。 【結論】 視野狭窄や中心部付近の暗点、コントラスト感度の低下は、障害程度等級基準に該当しないロービジョンの人においても歩行困難の原因となる。このようなロービジョンの人の歩行訓練では、盲の人を対象とした訓練とは質的に異なる方法が必要であると考えられる。残存視機能を活用できる訓練の導入が望まれる。 ポスター発表 P-R-40 視覚障害者における電子投票システムを用いた選挙方法の有効性と改善指針 ○北神あきら(1)、藤縄泰彦(2)、三浦貴大(3)、名児耶剛(4) (1)NPO法人視覚障害者パソコンアシストネットワーク、視覚障害リハビリテーション協会選挙管理委員会、(2)社会福祉法人日本盲人職能開発センター、視覚障害リハビリテーション協会選挙管理委員会、(3)東京大学高齢社会総合研究機構、視覚障害リハビリテーション協会選挙管理委員会、(4)公益財団法人日本盲導犬協会、視覚障害リハビリテーション協会事務局 【目的】 視覚障害リハビリテーション協会では、3年に一度理事選挙を実施している。従来の理事選挙では、郵送での投票形式を採っていた。ただ、視覚障害のある会員は支援者の代筆を求める必要があった他、選挙管理委員会での事務処理などの費用や手間に課題があった。この改善のため、2015年度の理事選挙ではインターネット経由で投票できる電子投票システムを導入した。本発表では、電子投票の結果などを通じて、視覚障害者の利用可否や選挙手法の有効性を分析し、視覚障害者に必要な配慮なども指針化することを目的とする。 【方法】 視覚障害者も使用可能である投票システムとして、株式会社グラントのe投票を導入した。導入前には、開発者にアクセシビリティ改善を更に要望の上、スクリーンリーダ下での操作性向上を図った。また、事前に会員内でテスト投票を実施し、音声によるシステム操作手順を作成して会員に周知した。電子投票できない会員には、郵送投票もできるよう配慮した。 電子投票システムの検討段階から選挙実施までの記録事項や、選挙後に実施したアンケートの内容を分析する。また、電子投票システムの視覚障害者の使い勝手についても検討する。本稿では投票率および投票の仕組み上の課題を挙げる。 【結果】 前回の投票率(46.5%)に対し、本投票では54.2%に増加した。さらに、コスト面や事務処理の効率化の他、視覚障害者が代筆なしに投票できたため、システム導入に伴う効果があったと言える。 【考察・結論】 電子投票システムはスクリーンリーダ下でも操作できるが、ボタンの位置などの分かりにくさなどの改善点が未だに散見される。このため、弱視者やICTの操作に習熟しない者への対応も今後の課題になると思われる。 また、有権者の理解が十分に得られていない点もあるので、運用面での改善を図りながら関係者の理解を得ることも重要と言える。 ポスター発表 P-R-41 超初心者向けタイピング訓練ソフト「オトタイプ2」の開発 ○大内誠(1)、大平和(1)、國井友里(1)、菅原沙友紀(1)、高平千世(2)、善積有子(3)、大久保陽介(3) (1)東北福祉大学、(2)国立障害者リハビリテーションセンター、(3)アイサポート仙台 【目的】 パソコンに初めて触れる視覚障害者にとって最大の難関は、キーボードの配列を理解し、タッチタイピングをしなければならないことである。その際、入力した文字や画面の情報を音声化して伝えるスクリーンリーダが必要になるため、ハードルはさらに高くなる。 そこで、我々は、パソコンの超初心者を対象としたタイピング訓練ソフト「オトタイプ2」を開発することにした。オトタイプ2は、これまでに全くパソコンに触れたことがなくても、キーボードの配列を理解・記憶し、簡単な単語から長文まで入力できるようになるためのコースウェアを搭載している。なお、スクリーンリーダは不要である。 【方法】 始めに、教師役になるキャラクタ型エージェント「マリーナ」を開発した。マリーナは、キーボードから入力した文字や操作説明を音声化したり、学習者を励ましたりしてくれる。次にタイピングを習得するためのコースウェアを開発した。最後に、パソコン経験が2年以上ある視覚障害者3名を対象に、評価実験を行った。 【結果】 (1)コースウェア構成 a.基礎練習(ホームポジション他) b.タイピング練習(基礎単語他) c.自由入力練習 (2)評価実験結果 普段使用しているスクリーンリーダと比べ音声が聴き取りにくかったが、キーの位置や指使いなどを細かく指示してくれるので、パソコン初心者のタイピング訓練には役立つという評価を得た。 【考察】 読み上げ音声の評価が低かった理由として、声色や音程が自由に変えられない点が挙げられる。また、詳細読みの機能が未搭載のためスクリーンリーダの経験者にとっては、情報不足を感じたのではないかと推測される。 【結論】 読み上げ音声の品質に問題はあるものの、パソコンの超初心者が初めてタイピングを学ぶために必要な機能は概ね搭載されており、有益と思われる。今後は、読み上げ音声の品質改善等に尽力したい。 ポスター発表 P-R-42 学習障害児の学習にICTを活用した読み書き技術の導入支援 ○篠野公二、寺島博美、小野田有華、杉山望、松岡悟、岩崎佳奈枝、松久充子 医療社団法人橘桜会さくら眼科 【目的】 学習障害児に読み書き方法の代替手段としてInformation and Communication Technology(以下ICT)を導入し、読み書きの手段で時間を費やすのではなく、内容を理解することに重点をおいた学習の有効性について検証した。 【方法】 学校や小児科からの紹介により、当院で学習障害と診断した児を対象に(1)音声読み上げ機能を利用して教科書や図書を読む練習、(2)タブレット端末での書字練習や文字や文章の入力練習、(3)アプリを使用した総合的な学習、(4)ICTを安全に使用する為の環境設定(保護者対象)を個別指導した。 【結果】 学習意欲の低下していた児がタブレットを利用した学習で内容を理解して読めるようになり、苦手な漢字テストの複数回の再試験が減少した。また、学校での理解が深まり、居残りでの板書や漢字練習から解放された。さらには不登校の児が楽しそうに学習に取り組むようになった。個別に発達特性、家庭環境、学習能力を把握しながら指導ができるので、保護者が児の発達特性を理解し配慮に繋がった。 【考察】 学習障害児は、知的障害はないが視覚・聴覚の認知・記憶や文字に言語(音)で意味付けする音韻処理に障害があるために、従来の読み書きの方法では学力低下をきたすが、ICTを活用することで知的能力に応じた学習が可能になる。教育現場ではその認知度が低く配慮が不足しているために、学習の遅れや不登校などの二次障害に至っている。読み書き等へのICTの活用は社会人になっても必要なことである。 【結論】 学習障害児はICTを活用した読み書き技術を習得することで、学習の困難を減少させることができる。医療から教育現場に様々な対応法を早期から具体的に指示する事で学校での配慮に繋がり、二次障害を防ぐことが可能である。斜視・屈折調節異常などの眼疾患への対処には眼科的検査、神経疾患の鑑別には小児精神科での検査が必須である。医療(眼科・小児科)と教育の連携は学習障害児の将来性に大いに貢献できる。 ポスター発表 P-R-43 弱視者向け音声触図学習iPadアプリの開発 ○肌野喜一(1)、細川陽一(2)、森川慧一(3) (1)名古屋工業大学工学部都市社会工学科、(2)愛知県立名古屋盲学校、(3)名古屋工業大学大学院工学研究科社会工学専攻 【はじめに】 本研究室では触図学習の問題点を解決すべく、タッチパネルとPCを組み合わせた音声触図学習システムの開発とその普及を行ってきた。このシステムで使用する触図の画像データは、対象の輪廓を強調し、不要な情報を削除し、触認識が効果的にできるものとなっている。この図の特徴は、弱視者にも見やすく、図の理解にも有用だと考えられる。また弱視者が図を学習する場合、触れることよりも拡大できることのほうが重要である。そこで本研究では弱視者が図を拡大しながら学習できるiPadアプリを開発したので、その概要を報告する。 【開発したアプリ】 iPadで触図画像を表示し、ユーザーの見やすいように画像の拡大や画面の回転を行った後、タップをするとその点に関する音声情報を得られるようにした。音声触図学習システムで作成した、人体の経脈と経穴の図や日本地図などのデータを使用できるようにした。 【結果】 このアプリにより音声触図学習システムで使用する触図とデータを用いて、図を拡大しながら音声で学習することが可能となった。本アプリを弱視者の方4名に試用して頂いたところ、画像の拡大をしながら音声案内を聞けることを高く評価して頂いた。これはVoiceOver起動時に画像の拡大が出来ない事に由来する。また、アプリ操作のユーザビリティに関しては、向上が必要であると分かった。 【結論】 改善点は存在するが、弱視者が図を拡大しながら学習できるiPadアプリを開発できた。本アプリと音声触図学習システムにより、視覚障害者全般を対象とした図の学習システムとなり、使用対象者が広がったため本システムの導入が期待される。そのため今後はこれらのシステムで使用できるコンテンツを充実させることが重要である。また本アプリは触図に限らず、iPadで撮影した写真や絵画の内容の把握にも効果的であると推測され、学習以外での活用法も期待できる。 ポスター発表 P-R-44 視覚障害教育における有効な教育カリキュラムの有効な整備のための諸条件の検討 ○刀禰豊 岡山県立岡山東支援学校 【目的】 視覚障害教育についての、有効な児童生徒についての有効で効果的な介入のための事例の分析と有効なシステムの整備について考察する。 【対象と方法】 視覚障害教育において実践されてきた指導のあり方を「拡張されたコア・カリキュラム」(ECCEssentail(2014))などにおける設定との比較の中で、我が国の指導の方向性の方向性を探る。また、今後の視覚障害教育の有効なシステムの方向性について整理する。 【結果】 我が国における視覚障害教育では、方法の整理の事例は多いが、「システム」として一般化し整理する流れは十分ではない。欧米等の「拡張されたコア・カリキュラム」において具体的に示されている項目や記述を検討すると、明らかな取り組みの方法論の差を見いだすことができる。 【考察】 個々の視覚障害教育に関する実践は、単に視覚障害教育の場に限定するものではなく、「視覚」「視機能」の視点は、広範な障害の教育の関連領域でも活用できる。多様な場での実践の情報が広く活用されるためには、個々の事象が効果的に集積、整理していくことが大切である。視覚障害教育では、いまだ支援のための具体的な方法に配慮し、有効な情報として繋ぐシステムは十分ではない。視覚障害教育の分野は知的障害、発達障害、LD等他の領域の教育実践と関連性を持っている。見ること(あるいは聞くことを含め)、他の関連領域の実践も考えることが大切である。そのために、多様な取り組みの検討や情報の提供が多様な形でなされる必要もあると考えられる。 【結論】 欧米等の「拡張されたコア・カリキュラム」では、詳細な項目が規定されている。具体的な指導の方向性を整理することは、「システム」としての特別支援教育の強化、改善に寄与すると考えられる。今後も、視覚障害教育の改善のために必要な具体的方法や、改善に向けた有効なシステムのための条件整備を進めていくことが重要である。 ポスター発表 P-R-45 視覚障害者スキーの現状と課題 -ブラインドスキーサミット2015の開催を通して- ○矢部健三(1)、市川健太(2)、大橋由昌(2)、川添由紀(2)、串田直樹(2)、小須田佳代(2)、志村好枝(2)、福原亮彦(2)、町田由美(2)、八重樫幸夫(2) (1)神奈川県総合リハビリテーションセンター七沢更生ライトホーム、(2)かながわブラインドスキークラブ 【目的】 かながわブラインドスキークラブ(以下K)の設立30周年記念事業として開催した同種の団体による情報交換会を報告し、視覚障害者スキーの現状と課題を明らかにする。 【方法】 Kの他、だいすきークラブ(神奈川、以下D)、シーハイル(東京、以下S)、TABS(東京、以下T)、三ツ星山の会(富山、以下M)の4団体の参加を得て、2015年10月神奈川県ライトセンターで「ブラインドスキーサミット2015」を開催し、活動実績、誘導方法、ボランティア募集方法等について情報交換を行った。 【結果】 活動開始が最も古いのは、Kの1985年で、Sの1986年がそれに続いた。他3団体も2000年前後から活動しており、いずれも10年以上の活動実績を有していた。 誘導は、原則視覚障害者1対晴眼者1とするのが2団体、晴眼者の数や視覚障害者の見え方、スキー技能によって1対1もしくは1対2とするのが2団体、原則1対2とするのが1団体だった。指示はいずれの団体も後方からが中心だが、視覚障害者の希望によっては前方からも行っていた。指示内容は4団体が曲がる方向だったのに対し、Tは、曲がるタイミングを「ターン」などの掛け声で知らせていた。誘導に使用する用具としては、3団体でワイヤレス式インカム・ヘッドセットやハンズフリー拡声器を使用していた。その他、全ての団体で滑走時には視覚障害者の団体であることが周囲から分かるビブスを着用していた。 ボランティア募集は、会員や過去の参加者、口コミがどの団体も中心だった。ポスター掲示やチラシ配布、HPやSNS利用は3団体が実施していた。また、TとSでは、ツアー会場付近の社協を通じて地元スキーヤーの協力を得ていた。 【結論】 ハンズフリー拡声器など共有備品購入資金の不足をあげる団体も複数あった他、各団体の共通の課題として、ボランティアの不足や高年齢化が明らかになった。 今後は、これら課題の改善に取り組むとともに、情報交換を継続して視覚障害者のスキー環境の充実・発展に繋げていきたい。 ポスター発表 P-R-46 カメラ画像の色認識を用いた音声触図システムの開発 ○小澤裕太郎(1)、細川陽一(2) (1)名古屋工業大学工学部都市社会工学科、(2)愛知県立名古屋盲学校 【目的】 本研究室では触図学習の問題点を解決するためタッチパネルとPC、AR(拡張現実)とPCを組み合わせた二通りの方法で音声触図学習システムの開発とその普及を行ってきた。本研究ではまた別のアプローチとしてカメラ画像の色認識を用いたシステムの開発に取り組んでおり、先行研究で問題であったタッチパネル制作の材料費と手間、ARの指認識の精度改善と座標一致の誤差の解決が期待できる。 【方法】 カメラに歪んで映った触図を元の形状に戻すために、PCカメラで映した触図の四隅の画像の座標を取得し、射影変換を行い触図上の座標と一致させる。指の位置を検出するために指先にラベルを張り、その色を認識して指の位置が登録点で一定時間静止する事で音声案内する。 【結果】 本研究によりカメラとPCで音声触図学習が可能となり、座標の誤差も少なくなった。しかし音声案内のトリガーが指の静止なので、タッチパネルのようにタップの回数によって音声案内の内容を変更して一カ所に複数の情報を織り込む事ができない。また光の当たり方によってはラベル認識できない、触察中ラベルが取れてしまうといった問題がある。 【考察】 一カ所で複数の音声案内をするために、指を静止させ続けて一定の時間間隔ごとに音声案内の内容を切り替える事で解決できる。ラベル認識の問題は光の加減によってラベルの色の明度が変化し、パソコンに取り込んであるラベルの色と一致しない事が原因である。これを解決するためにHSV色空間で色を認識し、色相は狭い閾値で、彩度と明度は広い閾値をもたせて色の一致判定を行う。 【結論】 改善点は多く存在するが、本研究である色認識を用いた音声触図システムの開発によって先行研究の主要な問題は解決できた。将来的に本システムは視覚障害者が独力で扱えるものにしたい。そのためにはカメラで触図を映した際、触図全体を捉えているか使用者に教える仕組み、カメラに映る触図を変えるとそれに応じて音声案内も切り替わる仕組み等が必要となる。 ポスター発表 P-R-47 カラー版触図による複雑なイラスト教材の試作 ―解剖学循環器系教材への適用― ○市川あゆみ(1)、加藤一夫(1)、安田輝男(1)、安田孝子(2)、飯塚潤一(1) (1)筑波技術大学、(2)触覚伝達デザイン研究会 【目的】 我々はこれまで、触図をカラー化することにより、弱視者と全盲者双方にとって内容が理解しやすく、わかりやすくなることを明らかにしてきた。この知見を活かし、カラー版触図として詳細な表現が必要となる、解剖学の教材を試作した。 【方法】 図は、循環器系のものを選択した。講義担当者と相談の上、ドロー系ソフトウェアを使用し、解剖学の専門書を元に輪郭線を描画した。次に、学習において重要な部位に着色/網かけを施した。本学で解剖学を受講する視覚障害学生の多様な見え方に対応するため、図のレイアウトを変えずに、(1)カラー印刷・墨字(軽度弱視者用)、(2)カラー版触図・点字(重度弱視者用)、(3)モノクロ版触図・点字(全盲者用)の3種類を作成した。 【結果】 軽度弱視者は色、重度弱視者は色と凹凸、全盲者は凹凸で、血管内の血液の性質を理解できるようにするため、上述の(1)(2)は、動脈血が流れる血管にはオレンジ、静脈血が流れる血管にはブルーを配色した。配色は色覚異常に配慮し、赤よりも視認性の良いオレンジを使用した。 (3)は、オレンジの代わりにドットの網をかけ、ブルーに代わり内腔全体が盛り上がるようにした。 【考察】 ドロー系ソフトウェアの階層機能を使用することで、同じ線図を墨字版・点字版で共用し効率的に教材作成をすることができた。本試作に用いた詳細な図を触図化すると、面積の狭い部分が多くなる。それを改善するためには、(a)狭い領域でも色の識別ができるように図をデフォルメする、(b)広い領域では前報で報告したよう網かけ密度20~30%が最適であるが、狭い領域では10%程度にする、などの必要がある。また、これらの実現には、図のどこを強調し、または省略するのか等、事前に行う講義担当者との入念な打合せが重要となると考えられる。 今後、講義で使用し、さらに使いやすいカラー版触図に改良していく。 ポスター発表 P-R-48 「カラー触図」をさらにわかりやすくする為の触図分割方式の開発 ○安田輝男(1)、岡本明(1)、安田孝子(2)、飯塚潤一(1) (1)国立大学法人筑波技術大学、(2)触覚伝達デザイン研究会 【目的】 報告者らは、2002年に、視覚に障害のある人にも美術作品等を手で触って鑑賞できる「カプセルペーパー」による「触って観る」アート(触図)のモノクロ版を作成し、以後、二科展や盲学校、イベント、学会等で展示した。2012年には、「カプセルペーパー」による「カラー触図」の作成に本邦で初めて成功し、「カラー触図」の展示によって、「よりわかりやすくなった」との評価を得た。 報告者らは、「カラー触図」を分割して提示すれば、複雑な構図の美術作品でも、さらにわかりやすくなるであろうとの仮説のもとに、触図分割方式の開発を検討した。 【方法】 対象たる美術作品の構図を、「遠景、中景、近景」「上段、中断、下段」「左、中、右」「中央部分、外側部分」等の分割方式の中で、当該美術作品に最もふさわしい分割方式で画面を分割し、それぞれ分割された「カラー触図」を作成した。 【結果】 報告者らには、「カラー触図」作成の実績が既にあるので、それを分割した「カラー触図」の作成はスムーズに進行し、予定通りの触図が完成した。 【考察】 「カプセルペーパー」による「分割触図」の作成先行例としては、二科展「触って観る」アートコーナー(2009年)での展示(報告者ら)、「さわれる冨獄三十六景」展(2014年汐留ギャラリー常磐大学中村正之教授)がある。「カプセルペーパー」による「分割カラー触図」作成は本邦初である。実際に作成した試作の「分割カラー触図」複数枚と従来の「全体カラー触図」1枚を、それぞれ実際に手で触って鑑賞してもらったところ、「『分割カラー触図』があった方が、さらにわかりやすい」との感想を得た。 【結論】 「『分割カラー触図』があった方が、さらにわかりやすい」との感想を得たので、今後、「分割カラー触図」による調査を実施し、「カラー触図」のわかりやすさの為の新たな知見を得たいと思う。 ポスター発表 P-R-49 視覚障害者用時計、触感時計タック・タッチの既存製品との機能比較 ○伊藤一男 アイスマップ有限会社 【目的】 これまで視覚障害者が使用している携帯時計は、音声式、触読式があり、前者は電車、バスなどの車内や仕事の会議中には使用できないなど問題があり、後者は点字同様熟練が必要などの問題がある。本開発では、振動式を採用し振動の数と長さによって時刻が肌に伝わる方式で、視覚障害者が外出時気兼ねなく使用できる携帯時計の開発を目的とする。 【方法】 1.時刻の提示、2.機能、3.電池、4.装着方法、5.外観デザインの検討、検証。 【結果】 1.時刻の提示方法…振動の数と長さで簡単に時刻がわかり、音も出ず外出時気軽に時刻を知ることができた。 2.機能…時刻提示機能に加え、アラーム機能と2種類のタイマー機能を備え、特にタイマー機能は従来品にはない機能となった。 3.電池…従来品は時計店での交換が必要だったが、コンビニ、スーパーで手軽に250円程度で購入できるリチウム型コイン電池とし利便性が向上した。 4.装着方法…強力な磁力を有するネオジム磁石の採用で、視覚障害者でも簡便に腕に装着が可能となった。 5.外観デザイン…本体、ベルト部は一体物とし、肌にやさしいシリコンゴムを採用した。 【考察】 振動式の採用によって、従来の音声式、触読式の使いづらさを解消し、時刻に加え、アラーム、タイマー機能を備えた視覚障害者用時計が開発できた。 【結論】 平成27年6月28日発売以来、多くの視覚障害者が利用しており、視覚障害者の日常生活の利便性向上に貢献している。  ポスター活動 P-A-1 「鹿児島ロービジョンフォーラム」活動報告 ○斉之平真弓(1)、藤田敦子(2)、北葉月(3)、伊比健児(4)、園田真也(5)、福宿宏英(6)、伊地知洋(7)、有村昇(8)、山下高明(1)、園田祥三(1)、坂本泰二(1) (1)鹿児島大学病院、(2)藤田眼科、(3)きた眼科、(4)阿久根眼科、(5)園田病院、(6)鹿児島生協病院、(7)いぢち眼科、(8)鹿児島市立病院 【はじめに】 「鹿児島ロービジョンフォーラム」は鹿児島県の医療・教育・福祉・その他の視覚障害者(児)の支援に携わる者の知識向上や情報交換、社会への貢献を目的として、2014年6月1日に設立された。これまでの活動を報告する。 【活動報告】 1.講習会:第1回(2014年6月21日)(1)基礎からはじめるロービジョンケア~ニーズと具体例・斉之平真弓(2)網膜像の拡大と光学的視覚補助具(ルーペ)について・本田孝文、第2回(2015年6月13日)(1)スマートサイト鹿児島・さつまの輪について・斉之平真弓(2)ロービジョンエイドとしてのiPadの活用・氏間和仁、第3回(2016年6月12日)(1)ロービジョンケアとの出会いから20年・中村善晄、(2)視野狭窄患者のロービジョンケア・国松志保 2.勉強会:第1回(2015年2月7日)ロービジョンケアの基本と実践・三輪まり枝、第2回(2016年2月6日)ロービジョンケア実践編・三輪まり枝 3.セミナー:第1回(2015年10月31日)クイズで学ぶロービジョンケア・斉之平真弓 4.鹿児島県の視覚障害補償制度をまとめ会員に配布(2015年4月) 5.鹿児島県のロービジョンケア医療機関の調査(2015年4月) 6.スマートサイト鹿児島「さつまの輪」の発行(2015年5月) 【終わりに】 「鹿児島ロービジョンフォーラム」の現在の会員数は92名である。鹿児島県では県外の講習会や勉強会に出席できない医師やスタッフも多く、更に、県内で充実した講習会や勉強会等が開催できるよう取り組んで行きたい。また「鹿児島ロービジョンフォーラム」を通じて、医療・福祉・教育・職業等の連携に寄与していきたいと考える。 ポスター活動 P-A-2 鹿児島心の健康講座実践報告Vol.4 ○良久万里子(1)、田中桂子(2) (1)鹿児島県視聴覚障害者情報センター、(2)先端医療センター病院診療部再生治療ユニット眼科・橋村メンタルクリニック 【はじめに】 「鹿児島心の健康講座」は、視覚リハ担当者と心理カウンセラー(研修のため定期的に来鹿)により、平成24年度から実施している。 ここでは平成27年度実施分を報告する。 【内容】 1.個別相談(以下の2名とも、心理カウンセラーが関係する医療機関からの紹介者) *Xさん:治療ではなくリハビリに方向転換できるように心のケア、情報提供した。 1回目施設へ来館遮光眼鏡について説明し、トライアルレンズの貸出およびロービジョンケアを実施している眼科の紹介 2回目視覚リハ担当者が自宅訪問、情報機器訓練についての相談 *Yさん:手帳交付およびメガネ処方についてのアドバイス 2.盲ろう者通訳介助員養成講習会、同行援護従業者養成研修会合同講座 「視覚障害者の心理」「活動する前に知っておいて欲しいこと」の単元を心理カウンセラーが担当 3.盲ろう者通訳介助員現任研修会(出張講座) 施設での研修会に出席困難な遠方の支援者のために「支援者の心のケア―自分の取説」の講座を実施 4.本人・家族を含む総合的支援 *Zさん 1回目 視覚リハ担当者が訪問歩行訓練実施。心理的サポートの必要を感じ、心理カウンセラーに相談 2回目 訪問歩行訓練に心理カウンセラーが同行し、本人および家族と面談 3回目 本人および家族、来館。今後の方針の作戦会議実施 4回目 診察に同席 5回目 施設のイベントへの参加を支援 6回目 他分野の支援者の協力で訓練を実施 【まとめ】 「鹿児島心の健康講座」は、年を追うごとに支援内容がバリエーション豊かになってきた。それは、演者らが、連携・協働のコツを少しずつ身につけ、それを利用して、相談者や周りの支援者に働きかけることができるようになったことが大きい。 今後も、演者らは、自己研鑽を怠ることなく、この取り組みを継続していきたい。 ポスター活動 P-A-3 京都府におけるアウトリーチ活動(1) ○野﨑正和(1)、田井太加次(2)、田伏久士(2)、牧和義(1) (1)京都ライトハウス・鳥居寮、(2)京都視覚障害者支援センター ●京都府内は大きく分けて、以下の三地域に分けられる。 (A)京都市を除く、それ以北の日本海に至る広大な北部地域、 (B)京都市を除く、それ以南の比較的コンパクトにまとまった南部地域、 (C)政令指定都市である京都市域、 ●それぞれの地域の特徴としては、 (A)北部地域:エリアが広大なことと交通機関の不便さなども相まって、全体的に過疎化及び高齢化が進行しており、視覚障害者を取り巻く環境も一段と厳しいものとなっている。そのため、地域全体での取り組みが始まっている。 (B)南部地域:京都・大阪の大都市圏への通勤圏内という環境のため、交通機関も北部と比較すれば充実しており、視覚障害者へのアウトリーチ活動の実践や活動拠点の実現などにも大きな成果を上げている。 (C)京都市域:視覚障害者を対象とした支援施設は、そのほとんどが京都市域に存在する。なかでも視覚障害者への専門的相談支援の充実度は全国屈指のものであろう。また、京都市行政当局の視覚障害者福祉に対する予算措置等の支援施策も、これまでは伝統的に手厚いものであった。しかし、近年は非常に厳しいものとなってきている。 ●上記の三地域でのアウトリーチ活動としては、京都府・市の単費事業により、 (A)(B)の京都府域では京都視覚障害者支援センターの生活指導員派遣事業(担当者2名)及び京都ライトハウス鳥居寮の訪問訓練事業(担当者2名)。 (C)の京都市域では京都府視覚障害者協会の中途失明者生活指導員派遣事業(担当者3名)及び京都ライトハウス鳥居寮の訪問訓練事業が行われている。 ●これらの活動について今後順次報告していければと考えているが、今回はそのうち最も状況の厳しい(A)の北部地域での活動状況と新しい取り組みについて報告したい。 ポスター活動 P-A-4 仙台・宮城版スマートサイト推進委員会の「活動方針」と「規約」について ○佐渡一成(1)、阿部直子(2)、善積有子(2)、笹山夕美絵(3)、菅原美保(3)、金井政紀(3)、小澤聡(4)、中澤由美子(5)、小泉大介(6)、陳進志(7) (1)さど眼科、(2)アイサポート仙台、(3)日本盲導犬協会スマイルワン仙台、(4)宮城県視覚障害者情報センター、(5)宮城県立視覚支援学校、(6)㈱トラストメディカル、(7)あさひがおか眼科 【はじめに】 昨年の本会で、「最近は新たに利用した眼科の増加が少ないので啓発を強化する予定であること、リーフレットを新しくカラフルなものにすること、コーディネーターを2か所から3か所に増やしたこと」を報告した。さらに宮城県立視覚支援学校にもコーディネーターとしての参画を働きかけていたなかで、各地でスマートサイト活動を行っているグループにとっても有用だと思われることを教えていただいたので共有する。 【経緯】 昨年6月3日に視覚支援学校の校長・教頭を訪ね、スマートサイトの趣旨とコーディネーターに加わっていただきたいことを説明したところ賛同いただいたので、12月22日には校内の全スタッフを対象にスマートサイトについて理解を深めるための研修会を行った。その後、仙台・宮城版スマートサイト推進委員会(委員会)は任意団体であっても、正式に視覚支援学校と連携して活動するためには委員会側が「運営方針」や設置要綱や事業の規約等を作成し,委員会の役割や名簿を整備することが望ましいとの助言を1月25日にいただいた。 【結果】 宮城県立視覚支援学校も4月からコーディネーターに加わる予定になった。また、委員会の「活動方針」と「規約」のたたき台を1月27日に試作しメンバーに提示した。「活動方針」と「規約」の作成には同意を得たので、今後メンバー間で議論を行い完成させる。 【結論】 全国各地にスマートサイトが広がりつつあるが、地域ごとに中心メンバーは異なっているのが現状である。視覚支援学校(盲学校)、視覚障害者情報センター(点字図書館)は各都道府県に存在するので、これら公的な組織が中心メンバーとして参画すれば全国各地活動が安定することが期待できる。組織やメンバーがそろえば支援活動が充実するわけではないが、組織やメンバーがそろわなければ充実した支援は行えない。組織やメンバーがそろった上で連携しながら支援の質を高めていくことが必要である。また、任意団体だとしても公的な組織と連携するためには「活動方針」と「規約」は作成しておくことが望ましい。 ポスター活動 P-A-5 見守りサービスを開始して ~安心して自宅で暮らせるお手伝い~ ○山田悟史(1)、石川優子(2)、石川雅章(2)、小澤恵子(2) (1)㈱アイドラッグはっぴーすずらん、(2)㈱アイドラッグ 【諸言】 私たちアイドラッグでは、昨年12月より、「見守りサービスはっぴーすずらん」を立ち上げた。ハウスクリーニング・家事代行などの「生活の中でのお困り事」に対応をするソフト面と、最新の「見守り連絡システム」の設置と、定期訪問をさせていただくハード面の両サービスで、ご年配の方や視覚障害の方が、安心してご自宅で暮らせるお手伝いを開始したので報告する。 【活動報告】 見守りサービスは、「見守り通報装置」をご自宅に設置させていただき、24時間365日対応のコールセンターで保健師が対応し、健康相談やご家族、民生員、アイドラッグはっぴーすずらんにて対応している。また、緊急性がある場合には、消防本部、看護師の相談・駆けつけ対応できる体制をとっている。 現在、「見守り通報装置」をはじめ、「ペンダント型の通報機」、利用者様の体温を感知して生活状況を見守る「お元気センサー」などを設置させていただく事で、ご自宅での生活に「安心」をご提供し感謝されている。 また、毎月1回の定期訪問を行い、ご利用者とのコミュニケーションを深めながら生活でのお困り事に対してもご相談をさせていただいてきた。 毎日の家事より大変な「電球の交換」「庭の草刈り」「病院の付き添い」等の様々なお困り事にも対応し、サービスを充実させている。 【今後の展望】 営業当初は、12月と言うこともあり、ハウスクリーニングの注文が多く、一人暮らしの方の需要を感じた。 家事代行サービスは、大手のサービスも普及している。薬局事業・介護事業などで信頼を培ってきた、アイドラッグはっぴーすずらんだからこそできる、定期訪問や見守りサービスの周知をはかり、一人でも多くの、生活に不安を感じている方々にご利用をいただき、安心してご自宅でお過ごしいただけるよう活動していきたい。 ポスター活動 P-A-6 就労継続支援B型事業所における高齢視覚障害者への支援の可能性 ○古橋友則(1)、斯波千秋(2)、高橋静(1) (1)NPO法人六星ウイズ蜆塚、(2)NPO法人六星ウイズ半田 【はじめに】 視覚障害者に特化した作業所として平成8年にスタートしたウイズは、白杖製作、広報誌の点字印刷、自主製品づくりを通して、県内の就労施設でもトップクラスの工賃を支払うまでに成長した。 しかし一方で中途の視覚障害者、とりわけ高齢の視覚障害の方から、「居場所」としてのウイズを作ってほしいという要望が多く上がり、平成20年にウイズ蜆塚をオープンした。 現在、視覚障害者の3分の2以上が65歳以上という状況の中、高齢視覚障害者の日中支援の場として障害者総合支援法の就労継続支援B型事業をあえて選択した。 【特徴】 1.障害支援区分に関係なく利用が可能である 2.介護保険にないサービスのため、65歳以上であっても利用が可能である 3.利用について期限がなく、継続した利用が可能である 4.工賃を得ることで、できるという「自信」の回復と、社会参加しているという「やりがい」の獲得ができる 5.必要に応じてレクリエーションやイベントを行うことが可能である 6.毎日の利用でなくても、週2、3回の利用が可能である 7.送迎に対しての加算がつくので、対応がしやすい。 【課題】 このような特徴から、高齢視覚障害者の日中支援の提供事業として「就労継続支援B型」は有益であると考えられるが、現在9年目を迎える中で下記の課題も見えてきた。 1.課税状況による利用負担金の差 2.食事、排せつに関する支援の限界 3.重度者に重きが置かれた支援が中心になる 4.介護施設への移行のタイミング ポスター活動 P-A-7 高齢の視覚障害者に対しての川崎市視覚障害者情報文化センターの取り組み ○遠藤佳世子 川崎市視覚障害者情報文化センター・利用者支援グループ 【目的】 川崎市視覚障害者情報文化センターは、2014年4月から川崎市から指定管理を受け、視覚障害者の訓練事業、図書館業務、用具販売事業、イベント開催事業等を行っている。訓練事業では、訓練契約を結んでいる利用者の6割が60代を越えるなど、利用者の高齢化が進んでいる状況にある。週1回の訓練ベースに乗ることが難しい利用者に対し、どのような訓練を提供したか、訓練以外にどのような働きかけをしたかを報告したい。 【方法】 訓練事業については、各種訓練を継続していく中で、地域資源との関係構築を積極的に行った。例としては、ケアマネージャーとの連絡調整、眼科への訓練進捗報告等があげられる。 訓練を希望しない利用者については、イベント類(音声解説付きDVD映画体験会の開催、当事者同士の交流会、コンサート、読書会、歴史的音源の公開等)の参加や図書登録について、積極的に呼びかけを行った。 【結果】 地域資源と繋がることで、本人の生活により即した訓練を提供することができた。また、イベント紹介や図書館登録を行うことで、ガイドヘルパー等を利用し、センターへ定期的に来所する利用者を獲得することができた。 また、外出の機会やセンターという窓口ができたことにより、自信回復や気分が向上し、旧友との交流が再開する等、本人の生活が変化したというケースも見られた。 【結論】 高齢者が地域社会で生活していくためには、社会資源を適切に活用していく必要がある。地域支援機関との関係を積極的に構築していくことで、本人の生活の質をより高めていくことができると考えられる。訓練を希望しない利用者に対しても、当事者同士の交流を求める方、運動不足を感じている方が多くいるため、当センターを定期的に利用していただくことにより、外出や社会参加の機会を持っていただけるよう今後も心がけていきたい。 ポスター活動 P-A-8 羽二重ねっと(福井県視覚障がい者支援ネットワーク)設立と今後の課題 ○岡島喜謙(1)、島本史郎(2)、有若由加理(2)、荒木博文(3)、小山尊(4)、村井勝(5)、金牧廣(6)、五十嵐陽子(1)、奥田悟志(1) (1)福井県立盲学校、(2)島本眼科医院、(3)社会福祉法人光道園、(4)社会福祉法人福井県視覚障害者福祉協会、(5)一般財団法人村井勇松基金、(6)福井県盲教育振興会 福井県内では、従来より複数の団体が視覚障がい者支援の活動を行ってきた。ただ、それらは個々の活動が中心で、それぞれが連携して活動することはほとんどなかった。しかしながら、視覚障がい者は見えない・見えにくいという特性上、自らが求める情報にたどり着くことは容易ではない。また自らに有益なサービスや商品があることすら知らずに生活しているものも多いと考えられる。特に人生の半ばで見え方に困難を負ってしまった場合、今までとは全く異なった人生を歩まざるを得ず、その精神的、経済的な負担は計り知れない。 そこで、福井県内で視覚障がい者に関わる7団体が連携し、ネットワークを構築することとなった。特に見え方で困難を感じる方々がはじめに訪れることの多い眼科医も参加し、眼科医療機関から医療・福祉・教育の各組織が連携する、いわゆる福井版スマートサイトの構築を目指している。 設立総会は2016年1月10日に行われ、第一歩を踏み出した。しかし希望とともに課題も山積している。例えば、現在でもロービジョン外来や歩行訓練などは行われているが、その数は十分とは言えない。就労継続や日常生活訓練などの専門家も現段階では確保されていない。他にもケース会議のあり方や、個人情報の保護など解決しなければならない問題は多々残されている。 今後はこれらの課題を一つずつ解決しながら、見え方に困難を抱える一人でも多くの方々に、迅速かつ適切な情報提供ができる組織作りに努めていきたい。 ポスター活動 P-A-9 高知県の視覚障害生活訓練指導員の増員を目指して(1) -1万人を超える署名活動の報告- ○金平景介(1)、別府あかね(2)、吉野由美子(2)、長崎秀子(3) (1)公益財団法人高知県身体障害者連合会、(2)視覚障害リハビリテーション協会、(3)署名活動の代表者 【はじめに】 高知県視覚障害者生活相談・訓練事業では、高知市を除く(高知市は中核市として独自に事業を実施)すべての市町村の県境まで訪問対象のエリアとして実施している。 高知県は東西に広く、訪問の為の移動距離・時間もかかる為、1日の訪問件数は、1件の場合も多く、相談・訓練が重なると、訪問を待機しなければならない状況である。 【内容】 視覚障害リハビリテーションの訓練を終了したメンバー達が、同じ地域に住む訓練を受けていない視覚障害の方々が、視覚障害リハビリテーションの存在はおろか、音声時計等の日常生活用具の制度すら知らない現状に問題意識を感じ、訓練指導員増員の署名活動を始めた。 発起人は、県の中部、西部、東部にお住まいの方で、パソコン訓練を受講した方のグループを中心メンバーとして、メーリングリストやスカイプを駆使しながら署名活動を行った。 【まとめ】 7か月の期間に13506筆の署名が高知県内外から集まった。現在は、署名を平成27年1月に高知県知事宛に提出し、今後の動向を見守っている状況である。街頭署名活動や新聞への掲載がされ、この署名活動自体が啓発につながったといえる。 既存の当事者団体に所属していない視覚障害者が行政へ訴えることのハードルは、決して低いものではない。それでも自分たちや同じ境遇の仲間達のために行ったこの署名活動は、現状を行政に知ってもらい、今後の視覚障害リハビリテーションの礎となったはずである。 相談訓練待機中に意欲が低下して、訓練や相談に至らなかったことも少なくない。また、視覚障害リハビリテーションが当事者にも家族にも支援関係者に対しても充分に伝わっていないことも考えられる。いつでも誰でもどこに住んでいても訓練や相談を受けたい時に受けられる体制を作ることはもちろんのこと、「目が見えなければ何も出来ない」と思ってあきらめている方々へ視覚障害リハビリテーションの存在を知ってもらう事が求められている。 ポスター活動 P-A-10 高知県の視覚障害生活訓練指導員の増員を目指して(2) ~増員の根拠を示す~ ○吉野由美子(1)、金平景介(2)、別府あかね(1)、長崎秀子(3)、上光陽子(4) (1)視覚障害リハビリテーション協会、(2)高知県身体障害者連合会、(3)署名活動の代表者、(4)高知県立盲学校 【はじめに】 高知県で視覚障害生活訓練指導員(歩行訓練士)の増員を目指して署名活動を始めた当事者の方たちから、「増員が絶対に必要である」と言う根拠を示した意見書を知事宛に書いて欲しいと依頼された私は、手帳所持者の77%が65歳以上の高齢視覚障害者である高知県の現状を念頭におき、当事者の方たちとの意見交換を踏まえて、高齢視覚障害者に対する介護保険を中心とするサービスを当事者が安心して楽しく受けられるようにするためには、視覚障害生活訓練指導員(歩行訓練士)の増員が必要であるという意見書を知事に提出した。 【内容】 「80歳の幼い頃からの全盲の方が有料老人ホームに入所した時、職員が親切のつもりで、その方の荷物を本人のいないところで、タンスなどにかたづけてしまった。自分の持ち物がどこに行ったか分からなくなってしまったその方は、すっかり混乱してしまい、部屋に閉じこもって出てこなくなった」と言う実際にあった事例や、デイケアーでプログラムについていけず、孤立していやな思いをしている事例を述べ、一方、生活訓練指導員が事前に、職員研修をおこない、当事者の方に入所時にファミリアリゼーションを実施して、スムーズに目の見える方たちの仲間に入って、楽しく毎日を送っている例との対比などを分かりやすく説明し、視覚障害生活訓練指導員(歩行訓練士)の必要性について述べた。 【まとめ】 「待機者がいるといっても10人ほど」だから、増員は必要ないという数の論理を跳ね返すために、単に「今までのサービスを展開するには人が不足」という発想ではなく、高知県が2011年に策定した「高知県地域福祉支援計画~新しい支え合いのカタチ「高知型福祉の実現」の一環として、高知発の視覚障害リハビリテーションモデルを構築する目的での増員をという攻めの内容の意見書の作成を試みたのである。 この意見書の効果については、署名運動の結果とともに、6月の大会時に報告する。 ポスター活動 P-A-11 ロービジョンケア北海道の活動について ○小宮康生 公益社団法人札幌市視覚障害者福祉協会 それぞれの方が多様な見えにくさのあるロービジョン者は、自身の不自由さ、不安などを周囲の人だけでなく、家族でさえも理解してもらうことは一般的に難しい。また訓練施設、当事者団体などとつながっておらず、孤立しているロービジョン者が多い。そのようなロービジョン者が気軽に集い、情報交換できる場(サロン)をつくろうということで、「ロービジョンケア北海道」は平成22年4月にスタートした。「毎月第2土曜日13時から開催」とし、ロービジョンに関心のある方は誰でも参加でき、視覚障害当事者、サポーター(家族、福祉・教育・医療関係者など)が同じ目線で話ができる情報交換会となっている。最近では、毎回3~40名の参加があり、定着してきている。 今回の活動報告で、「ロービジョンケア北海道」の歩みを紹介し、活動の中から浮かび上がってきた、このような形の集まりの良い点、改善点、問題点などをお伝えし、それぞれの地域での活動の参考になればと考える。 ポスター活動 P-A-12 「子ども向け支援者研修会」報告 ~視覚障害者について理解しようプログラム~ ○武田貴子、西村亜希子 北九州市立介護実習・普及センター 【目的】 北九州市では「中途視覚障害者緊急生活訓練事業」の中で、平成22年度より夏休みの特別企画として、毎年『子ども支援者研修会』を開催してきた。これまでの5回の研修会を振り返り、その取り組みについて紹介することで、各地の視覚障害者支援者育成の活動に役立てられることを期待する。 【研修内容】 参加者:各回約15名(平均小学4年生)時間:5時間/プログラム(1)自己紹介(2)グループ作り(3)アイマスク体験(4)昼食体験(5)弱視体験(6)まとめ 【大切にした視点】 (1)年齢層を平均化した2グループに編成し、対抗戦ゲームで視覚障害者に対する知識と理解が進むように課題を設定した。 (2)「知識を学ぶ」→「体験する」→「考える」→「まとめる」→「伝える」という流れで各プログラムを提供した。 (3)学んだことや他者の意見を聞くことで理解したことを、その都度感想シートに記入していくことで確認させていった。 (4)各々の感想シートは一冊のファイルにして提供し、夏休みの自由研究として、帰宅後、体験し学んだ内容を家族や学校の友人と共に振り返ることのできる材料とした。 (5)修了証を授与することで子どもに自信を持ってもらい、これからの支援活動の動機づけとした。 (6)子どもが理解しやすいよう、説明はわかりやすい言葉に言い換えて用いるよう配慮した。 (7)どのような発言や気づきに対しても褒めることを重視し、達成感を充たす工夫をした。 【今後の課題】 楽しんで学習できることを基本として進めてきたが、時には課題のゲーム性にのみ着目してしまい、学習の狙いが伝わらなかった場面があった。また、低学年・高学年の年齢差を考慮し、各々にどこを達成目標とするのかを設定しておく必要があった。今後も研修会を継続しさらに深めていきたい。 ポスター活動 P-A-13 米国視覚障害児教育プログラムを経験して -米国留学を通して- ○野呂美遥(1)、野呂林太郎(2)、Susan Kramek(3)、Gina J Schmidt(3)、羅錦營(4) (1)都立葛飾盲学校、(2)日本医科大学、(3)Montgomery public school、(4)羅眼科 【体験報告】 11歳の視覚障害児が二年三ヶ月の、米国視覚障害児教育プログラムを経験したので報告する。アメリカの障害者教育の支援は、1990年に施行されたADA法(障害を理由にしたあらゆる差別を禁止する)が根底にある。特に視覚障害者支援は非常に進んでいて、初等、中等および高等教育は州ごとにシステムの相違はあるものの、countyに一つずつ機関が設けられている。その役割のほとんどが自立支援および学習支援がほとんどである。そして我々はメリーランド州のMontgomery county Vision programによる支援を受けた。 長女は渡米後、Montgomery public schoolの教育委員会で、基礎的な英語力のテスト(ESOLの能力別クラス分け)に加えMontgomery county Vision programのスタッフの面談を受け、どのような援助や教育が必要なのかを相談した。 そして学期ごとに自立行動面および学習面において目標を掲示したプログラムが組まれた。学習面ではtechnology specialists、paraeducators、a Braillist、また自立行動面ではOrientation and Mobility Instructors、またプログラムの進行の評価のために Program Support teacherに係わって頂けた。現地校である5、6、7年生(日本での小学校5、6年生、中学1年生相当)のクラスでは健常者と学習を共にし、コミュニケーションを取ることができた。クラス担任のほかにbraillistがパーキンス、私物のブレイルセンスおよび点訳ソフト搭載のコンピュータを用いて授業が進行した。自立行動面では、白杖歩行、家庭訪問での日常生活の指導を行って頂いた。学期ごとに会議が開かれ、プログラムの達成度を評価し、次学期のプログラムが作られた。また多数のボランティアの協力のもと定期的な校外学習に家族で参加できた。 この二年の経験、様々な方々との出会いや係わりは、本人にとって非常に大きな自信となった。日本での視覚障害児は、その視力の程度にもよるが、盲学校や視覚特別支援学校でしか専門教育を受けることができない。健常人と係わりを持つことができる公立学校でも同様な教育を受けるシステムを作って頂きたいと願っている。 ポスター活動 P-A-14 早期教育院内相談に関するアンケート調査報告 ○山本敬子(1)、大長洋子(1)、羅錦營(2) (1)静岡県立静岡視覚特別支援学校、(2)羅眼科 【はじめに】 静岡県では、平成8年12月より静岡視覚特別支援学校と超早期教室指導員が静岡県立こども病院内で院内相談を実施しており、今年で20年目となる。これまで多くの乳幼児や保護者と対面し相談を行ってきたが、今回その有用性について考えるため、過去に院内相談を受けた保護者10名に対してアンケート調査を行った。院内相談が、当時の子育てやその後の子どもの成長にどのような効果をもたらしたのかを調査した結果を報告する。 【方法】 対象を、初回の院内相談を受けてから10年以上経過した保護者とし、電話で主旨を説明して同意を得た後、10名にアンケートを送付した。質問は、相談当初と現在の2つの視点から、「病院から早期教育相談を勧められた時、戸惑いや不安を感じたか」「病院内で早期教育相談を受けたことは、その後の子育てにとって意義があったか」等、相談当初の気持ちやその後の変化などについて尋ねる内容とし、①たいへんあった、②ややあった、③あまりなかった、④全くなかった、⑤わからない、の5段階評価と自由筆記で回答してもらった。 【結果と考察】 病院から相談を勧められた際、受けてみたいと感じた保護者が多く、戸惑いや不安を感じた人も、子育ての参考になるかもしれない、自分の不安や疑問を聞いてもらえるかもしれないという思いで受ける気になった等、前向きな意見が多かった。また、院内相談がその後の子育てにとって意義があったと答えた保護者が大半だったが、そこに至るまでの気持ちの変化は、子どもの眼の状態をどう受け止めるかにより異なった。自分の思いを話せる場がある安心感や不安の軽減など、子育てへの意義を保護者の心理面への影響と答える意見が多く、病院での出会いをきっかけに、その後も保護者が心理的に孤立しないように、相談に携わる者が時間をかけて丁寧にかかわり続けることが重要である。 ポスター活動 P-A-15 肢体不自由児の重複障害に対する視機能評価と学習援助 ○有若由加理、島本史郎 島本眼科医院 肢体不自由を主な障害として受け入れている特別支援学校の児童生徒の中に、学習に支障をきたす視覚障害が重複していることも稀ではない。教師も主たる障害に対しては専門性を持って対処できるが、重複する視覚障害には十分な知識を有していないことが多い。 2010年ごろから学校現場において、外部専門家の活用による障害児の指導計画、実施、評価、改善という、いわゆるPDCAサイクルによるPT、OT、STなどの導入がなされているが、視能訓練士の報告は少ないようである。 福井県では、4年前から特別支援学校からの要請に応じて県立盲学校の教師が出向いて視力検査をおこなっているが、視機能全般については把握が困難である。そこで学校側の要請により視能訓練士が赴いて、保護者の同意を得た児童の視覚の状態(眼位、眼球運動、頭位異常、固視状態やおおまかな視野の推計など)を検査または観察し、それらを総合的に判定して学習の場における適切な視環境について助言をおこなってきた。 実施校は福井県立特別支援学校、小学部から高等部までで生徒総数は約80名。2012年から年1回、4年間で男6名、女9名のべ19名を対象とした。小学部低学年12名、高学年3名、中学部1名、高等部3名であった。障害状態は脳性まひによる両上下肢障害12名と多数を占めており、それ以外は腫瘍、外傷であった。そのうち全介助が必要なもの5名、車椅子使用者8名、歩行可能者は2名であった。 眼科的には、斜視11名、眼鏡装用者5名。視力測定困難または不能は9名で、測定可能であった者6名の良いほうの視力は矯正をふくめて0.1以上であった。 4年間の成果として視能訓練士による助言は、教師にとり非常に有益であり、障害児への情報伝達法についてより的確な指示を得られたとの評価であった。視能訓練士が、教育の場でその専門性を生かして重複障害児の視覚障害リハビリテーションに関わっていくことは、きわめて意義深いことと考える。 ポスター活動 P-A-16 本会における拡大教科書製作20年の推移 ○山本潔、高柳泰世、福田法子 愛知視覚障害者援護促進協議会 本会では、様々なボランティア活動の一つとして平成4年度からオーダーメイドによる拡大写本製作を開始し、弱視児童生徒に読みやすい教科書を提供してきた。しかし、拡大教科書は自己負担で購入しなければならなかったため、本会への製作依頼は少なかった。 平成16年度より本人が拡大教科書を希望すれば無償給付されることになった。このことにより、各地域の学校や教育委員会から本会への製作依頼が一気に増加した。さらに、平成20年6月に公布された通称「教科書バリアフリー法」により拡大教科書は教科書出版社に製作義務が課せられた。これによって、今度は本会への製作依頼数は激減した。 しかし、教科書出版社が製作する拡大教科書は、ポイント数等で種類(ほぼ3種類)が限定されている。ポイント数の大きい拡大教科書等は本会がオーダーメイドによる製作を継続している。ボランティアによる教科書を含めた拡大写本製作の現状を報告し、参加者のご意見をいただき今後の活動に生かしたい。 ポスター活動 P-A-17 盲学校における盲ろう生徒への歩行指導の実施について ○坂部司 愛知県立岡崎盲学校、NPO法人愛知視覚障害者援護促進協議会 【目的】 演者(教員・歩行訓練士資格)は、平成25年度からに盲学校で自立活動の時間に歩行指導を実施している。また、平成26・27年度と文部科学省モデル事業「特別支援学校のセンター的機能充実事業」を利用し、業後に自力通学希望者に対して、演者が歩行指導に関わっている。 今回、高等部普通科に在籍している盲ろう男子生徒の歩行指導を平成25年度から3年間実施したので、その3年間の指導方法の変化と結果について報告する。 【方法】 学習目標は生活自立に向けて、コミュニケーション能力、援助依頼の方法の獲得とし、単独歩行技能を身に付けることとした。 1.自立活動の時間での歩行指導 平成25年度から平成27年度、毎週1回、50分の授業、年間約13回実施。 2.センター的機能充実事業 平成26年度から平成27年度11月から12月、120分/1回、年間4回実施。 【結果】 1.境界線(民地側・グレイチング・視覚障害者誘導用ブロック)沿いに歩行することにより、手がかりの検出が可能となり安全が確保された。 2.信号機のある交差点の横断では、能動的な援助依頼により安全な横断が確保された。 3.クラス担任と保護者の協力を得て、コミュニケーションカードなどを作成し使用することにより、他者(歩行者、コンビニエンスストアー店員、鉄道駅員)とのコミュニケーションが可能となり、買い物や公共交通機関(バス・電車)の利用が可能であることが生徒自身に理解が得られた。 【結論】 境界線を活用した白杖操作の徹底とコミュニケーションを取ることに重点を置き、生徒自身が「こうすればできる」という行動方法の自信にもつながったと考えられる。 ポスター活動 P-A-18 建屋内の歩行訓練 -問題解決の視点から見た指導について- ○村上琢磨(1)、石川充英(2)、酒井智子(3)、山口規子(4)、河原佐和子(3)、千葉康彦(5)、中澤由美子(5)、宍戸久子(3)、関田巖(6) (1)NPO法人視覚障がい者支援しろがめ、(2)NPO法人しろがめ、東京都視覚障害者生活支援センター、(3)NPO法人しろがめ、(4)関西盲人ホーム、(5)宮城県立視覚支援学校、(6)NPO法人しろがめ、筑波技術大学 【目的】 視覚障害者の歩行訓練は、建屋内(自宅、リハ施設、その他)及び敷地・道路・公共交通機関などで行われ多くの成果を上げている。訓練記録には指導された歩行技術が主に記されているため、初めにどのような問題が存在したか明確でない。 我々は、歩行訓練は視覚障害者が抱える歩行の問題を解決することであると理解している。そこで今回、リハ施設建屋内を白杖を使わず安全・確実に単独で歩くことを阻害すると考えられる問題を整理し、その問題を解決するために指導した項目を明らかにすることで、歩行訓練に資したい。 【方法】 複数のリハ施設建屋内の単独歩行訓練事例を、安全・確実な単独歩行を妨げていると考えられる問題について解決するために指導した項目を分析する。 【結果】 リハ施設建屋内の訓練経路の形態は、I字、L字、T字、十字、クランクの5つに大別される。リハ施設は戸建と比較すると建屋内の通路で両腕を広げても両側に届かない程広い場合も含んでいるという特徴がある。 安全・確実な単独歩行を妨げていた問題を解決するために指導した項目(歩行技術を除く)を分析した結果は次の9項目である。 (1)歩く経路を把握する方法(出発地点から目的地点までの範囲で、それ以外は含まない)、(2)経路上の危険と危険箇所の把握、(3)危険箇所に対する安全策の取り方、(4)移動地点(位置・方向)を知る方法、(5)曲がり角を見つける方法(L字路・T字路・十字路・クランク)、(6)曲がり角を曲がる方法((5)と同じ)、(7)経路を渡る(横断する)方法(I字路・L字路・T字路・十字路・クランク)、(8)目的地点を見つける方法、(9)移動の方法 【終わりに】 今回の分析で得られた項目は、視覚障害者が単独で歩行を試みようとする一般的な環境にも適用可能である。 ポスター活動 P-A-19 理療教育を学ぶ盲ろう者が実技を習得するための支援-第2報 ○浮田正貴、伊東和之、高橋忠庸 国立障害者リハビリテーションセンター 【目的】 盲ろう重複障害を有する学習者に対する効果的な理療の学習支援技術の構築を目的として、教育を実践している。本報では、あん摩マッサージ指圧実技において、より就労を意識した支援を行った結果、安定してきた点と課題が見出されたので、その内容を報告する。 【方法】 対象者:A氏50代女性 期間:1年 支援計画の方法:毎回の授業終了後、A氏から手技及び医療面接の内容確認を行い、関係する教官間で情報共有し、患者へのコミュニケーション方法の内容について、A氏と共に検討することとした。医療面接では、問診を補助的に用いるカードを2種類作成することとした。A氏が使いやすい、「肩こり」などの症状を記入した5つのカードを使用することとした。また、施術中の力度などの患者の訴えについては、予め用意した振動機を用いた。患者からの振動数は、1回が「良い」、4回が「不快」とした。支援終了後、A氏及び患者役の教官から評価を得ることとした。 【結果】 A氏は、医療面接では2回に1回程度、患者の状態を把握することができた。また、振動機の使用によって、患者の訴えに対応し、施術をスムーズに行えるようになった。支援終了後、A氏の評価から、「主訴が把握しやすくなった」「自信を持って施術できるようになった」とあったが、教官からの評価は「患者とのコミュニケーションは不安定」とあり、差異がみられた。 【考察】 これまでの実践から、A氏の就労に値する施術力は安定した。一方で、医療面接、身体診察時の患者とのコミュニケーション面の強化が必要であると考えられる。 【結論】 盲ろうの方の理療就労を目指す理療教育において、支援によって施術面での安定感が増す一方、コミュニケーション面での課題が明確化した。今後、使いやすいカードの作成や身体での合図など、非言語的な媒体で患者からの情報が把握できる力を養うための支援技術を構築する。 ポスター活動 P-A-20 視覚障害理学療法士を対象とした実態調査実施の検討 -卒前教育の向上を目指して- ○薄葉眞理子(1)、中川義嗣(2)、飯塚潤一(3) (1)筑波技術大学保健科学部保健学科理学療法学専攻、(2)水戸協同病院、(3)筑波技術大学 【背景と目的】 高齢社会では、医療・介護領域における理学療法士の活躍が求められている。特に、視覚障害を有する理学療法士の活躍は、障害の壁を超え健常者と共に就労できる職域を広げるにとどまらず、共感的立場で患者に関われる質の高い理学療法士の育成に重要と思われる。そこで、本活動は、視覚障害を有する現職理学療法士に対し、書面等による実態調査を行い、障害補償の現状と就労環境の課題及び、就業前に協調的な学習を要する事項等を明らかにし、より良い卒前教育の実現に示唆を与えることを目的に実施する。 【方法】 調査の対象は、視覚障害を有する理学療法士を養成している筑波技術大学(短期大学含む)を卒業し、現在理学療法士として勤務している者とする。質問紙は、実務年数等の基本項目や雇用の待遇、行動範囲に基づく就労前後の視覚障害程度を問う18項目と、職場における視覚障害補償の現状及び困難に対する工夫についての9項目、更に、就労経験に基づく卒前教育の提案を問う3項目の計30設問により構成した。 【結果と考察】 実務経験年数の増加に伴い、職場の適応や困難に対する工夫により、視覚障害補償の満足度が高まった。しかしながら、勤務形態など待遇面における障害支援は、社会情勢や運営面の影響により、実務年数に関係なく明らかな差を示さなかった。視覚障害補償に関する卒前教育については、良好なコミュニケーションスキルや起業論や推論的な臨床思考の指導が要望された。本調査により得られる示唆は、理学療法士を目指す視覚障害学生の就労に際して有益な知見を与えるものと思われる。 ポスター活動 P-A-21 就労移行支援事業5年間の活動実績報告 ○坂田光子、佐藤利昭、海田展子、藤縄泰彦、北林裕、杉江勝憲 日本盲人職能開発センター 【はじめに】 社会福祉法人日本盲人職能開発センターでは平成23年4月より就労移行支援事業を開始し、丸5年が経過した。本事業についてこれまで実施した職業訓練の内容、利用者の状況および就労実績について報告する。 【実績報告】 (1)訓練概要 視覚障害を持つ就労希望者に対し、音声パソコン初心者の方にもタッチタイピングの基礎から段階的に訓練を行う「基礎コース」、画面読み上げソフトJAWSを使用し、より高度な職業訓練を行う「応用コース」、フルキー六点漢字入力を用いて速記の技術を身につける「速記コース」の3つのコースがある。定員は18名である。 (2)利用者属性 過去5年間の利用者に関して利用者属性(障害等級、年齢、性別、求職在職の別、居住地など)について調べた。 (3)利用人数 延べ利用人数は21,697人(見込み)であった。利用人数は年々増加しており、平成27年度は事業開始1年目と比べ1.5倍、5,000人以上の方が利用している。 (4)修了後の進路 新規就職した方が4割弱と最も多く、次いで、在宅に戻られた方が約3割であった。 (5)就労実績 新規就職者65名(平成28年1月現在)の職種は、事務職が28名、企業内マッサージ師(ヘルスキーパー)13名、治療院マッサージ等10名、その他、SE、テレビモニター、電話サポート、販売などとなっている。また、新規就職者の身体障害者手帳等級は、1級が12名、2級が41名で重度の方が8割を占めている。 【考察と課題】 就労を目的とする視覚障害者にとって、パソコン訓練のニーズは高く、就職者のほとんどが、実際の就労にあたってパソコンスキルを活用している。休職者や継続就労中の方も一定数利用されているが、制度上、利用が難しくなってきていることが課題であり、就労移行支援を利用した在職者訓練が必要とされている。 ポスター活動 P-A-22 視覚障害者の就労支援機会の拡大の試みとしての学会でのマッサージサービス ○永井伸幸(1)、千葉康彦(2)、菅井裕行(1) (1)宮城教育大学、(2)宮城県立視覚支援学校 【目的】 視覚障害者の就労支援については、一般就労支援だけでなく、就労継続支援事業の充実も必要である。今回は、就労継続支援事業における、視覚障害者の活動機会の拡大を図るため、大人数の集まる場での国家資格所有者によるマッサージの提供が、事業の一環として実施可能かを実践を通して検討した。 【方法】 会場:仙台市で開催された、1000人規模の参加者がある、3日間の学会の休憩室の一部を提供してもらった。スクリーンで仕切り、ブースを2つ設置した。 実施体制:認定NPO法人ビートスイッチで就労支援の一環として行った(同年10月1日に、就労継続支援B型事業所「希望の星」を開設)。2名のあん摩・マッサージ・指圧師免許を有する、盲学校専攻科卒業生および受付、移動支援のスタッフ数名によって実施した。 サービス内容:20分間の椅子に座った状態での首、肩に対するマッサージを、500円で提供した。 評価方法:マッサージ後に質問紙で評価してもらった。 【結果】 質問紙に回答した42名中、無回答1名を除く41名が、提供したマッサージについて、「よかった」以上の評価であった。また、「仙台で開催される他の学会でもやった方がいいと思いますか?」という問いに対して、39名が「思う」と回答した。 【考察】 評価は概ね高く、学会におけるマッサージの提供が、事業として成り立つ可能性が示唆された。一方で課題もいくつか挙げられた。今回は障害児者に関する学会であったため、了解を得る事に大きな困難は無かったが、そうではない学会の場合には円滑な実施が困難な可能性がある。また、大規模でプログラムが平行開催されるような学会でなければ「空き時間」が生じないため、マッサージを受ける時間が確保できない。その他、実施にあたっての検討課題を得ることができた。今後も機会を利用してこの事業の実施可能性を高めていく予定である。 ポスター活動 P-A-23 メルマガ色鉛筆 全国の読者と情報共有を! さらにマイクロ色鉛筆による啓発活動へ! ○石川佳子、小寺洋一 京都府視覚障害者協会 【目的】 京都府視覚障害者協会(以下当協会)では、見えない・見えにくい状況にありながら、人や情報とつながりがない「まだ見ぬ仲間」へ、「あなたは一人ぼっちじゃない」と声をかけるために、メールマガジン色鉛筆を創刊した。七転八倒の今を生きるライターが語るレポートは、見えない・見えにくいならではのリアルな日常であり、当事者の読者へQOL向上のヒントを提供し、地域や立場を越えて視覚障害の理解につながる啓発を担うものである。読者の拡がりと、レポートによる啓発活動について報告する。 【配信による活動】 当協会より無料のメールマガジンを月2回程度発行、幅広い年齢層の36名のライターが多面的なテーマでレポートする。平成27年には、編集チームと読者の双方向で作成したレポート「共有しましょう」を10回シリーズで配信した。 【マイクロ色鉛筆による啓発活動】 当協会主催の第49回白杖安全デーでは、本メルマガより外出時のエピソードを発表した。さらに、レポートをコンパクトにまとめた名刺サイズのマイクロ色鉛筆を作成し、サポートを受けた際のサンクスカードとして活用することで、当事者自身による視覚障害理解への啓発につなげていく。 【結果と考察】 平成25年11月創刊、28年1月現在、75のレポートを配信、当事者からは共感、晴眼者からは心のバリアフリーにつながる読者コメントが全国から寄せられた。読者による口コミは、人と情報をつなぐかけはしとなり、全国の当事者・ボランティアグループにてレポートは転載された。28年1月現在の読者登録数は1,005件、メーリングリスト転載協力6グループ450件、合計約1,400件となった。情報につながる手段として、メールマガジンというツールの手軽さは有益であった。マイクロ色鉛筆カードにより、レポートは啓発のためのツールとなり、「読者以外にも情報を届ける」という活動の拡がりを得た。 ポスター活動 P-A-24 視覚障がい当事者団体の情報発信の特徴 ―5年間のブログ記事に対する一考察― ○奈良里紗、村上卓也、渡邊和宏、山本紗未、岩池優希 視覚障がい者ライフサポート機構“viwa” 【目的】 本報告では、当団体が2010年~2015年の5年間にわたって蓄積したブログ記事に設定されたラベル(以下、カテゴリ)から、当事者が自身の経験から共有しやすい内容とは何かについて考察することを目的とする。 【方法】 ブログを開設した2010年7月から2015年12月までに公開された記事574件を分析の対象とした。ブログ記事の特徴を捉えるため、ブログ記事を公開する段階で設定する大カテゴリと小カテゴリの件数を算出した。なお、複数のカテゴリに関連する内容が含まれるブログ記事には複数のカテゴリを設定しているため重複カウントされている記事がある。 【結果】 まずブログ記事の中から大カテゴリとして【生活・コミュニケーション】(84件)、【学校・勉強】(50件)、【趣味・余暇・スポーツ】(50件)、【補助具・便利グッズ】(49件)、【就職・職場】(18件)があり、大カテゴリの中で最も多かった【生活・コミュニケーション】の中には、次の11個の小カテゴリが設定されている。≪生活≫(37件)、≪おしゃれ≫(18件)、≪コミュニケーション≫(16件)、≪障がいの伝え方≫(14件)、≪交通≫(8件)、≪点字≫(8件)、≪障害者手帳≫(8件)、≪援助依頼≫(7件)、≪白杖≫(6件)、≪盲導犬≫(3件)、≪災害≫(1件)の順に多かった。 【考察】 当事者が実体験から経験やノウハウを共有しやすい内容としては、生活やコミュニケーションに関わる内容であり、その中でも生活に関連する内容が多いことが示された。また、コミュニケーションや障がいの伝え方に関する内容が白杖や点字、盲導犬等に比べて多いのは、本ブログの執筆者のほとんどが弱視者であるためと考えられる。今後は、ブログ読者からのニーズをヒアリングし、よりニーズに応じた情報発信に努めたいと考えている。 ポスター活動 P-A-25 ロービジョン支援ホームページ更新調査報告 ○西脇友紀、仲泊聡、清水朋美、林知茂 国立障害者リハビリテーションセンター病院 【目的】 全国に多数の視覚リハビリテーション関連施設が存在するが、どこでどのような施設が何をしているか点在している情報を一括して把握することは難しい。また同じ点字図書館という名称であっても対応内容が異なる場合もあり、名称のみからでは対応内容が不明確な場合がある。そこで仲泊らは対応内容毎に各地域の施設が一覧できるロービジョン支援ホームページ(以下、HP)を2013年に開設した。今回、HPの更新にあたり全国の視覚リハビリテーション関連施設を対象にHPへの情報掲載可能な支援項目について調査を行ったので報告する。 【対象と方法】 2015年11月、全国の視覚リハビリテーション関連の202施設を対象に、点字、パソコン、歩行訓練など27の支援項目のうち本HPに掲載可能な項目について問う回答用紙を郵送または電子メールで送付しFAXまたはメールで回答を求めた。結果を1)支援項目別、2)「点字図書館」における支援項目別、3)現在掲載中のリストと合わせた施設数を都道府県別に集計した。 【結果】 回答率は58%であった。 1)最多支援項目は点字で94(80%)、次いでパソコン62(53%)、歩行訓練57(50%)、日常生活動作訓練52(44%)であった。 2)回答した117施設のうち「点字図書館(類似呼称含む)」は39施設で、最多支援項目は点字34(87%)、次いでパソコン17(44%)、視覚支援の情報提供14(36%)、歩行訓練10(26%)であった。一方、点字の項目のみ回答した施設は9(23%)であった。 3)都道府県別での施設数は、多い順に東京23、神奈川9、北海道8、埼玉7、大阪7、一方、未掲載地域は1県、1施設のみが23県であった。 【考察】 各施設で対応内容が異なり地域格差がみられた。今後、さらなる情報収集が必要である。 <参照>ロービジョン支援HP:http://www.shikakuriha.net/ ポスター活動 P-A-26 日本ロービジョン学会による視覚障害者向け 災害対応啓発用リーフレットの作成 ○張替涼子(1)、加藤聡(2)、安藤伸朗(3)、木村肇二郎(4)、國松志保(5)、佐渡一成(6)、陳進志(7)、中野泰志(8)、永井伸幸(9)、仲泊聡(10)、原田敦史(11)、八子恵子(12)、山本百合子(13) (1)新潟医療福祉大学、(2)東京大学、(3)済生会新潟第二病院、(4)木村眼科クリニック、(5)東北大学、(6)さど眼科、(7)あさひがおか眼科、(8)慶応義塾大学、(9)宮城教育大学、(10)国立障害者リハビリテーションセンター、(11)堺市立健康福祉プラザ視覚聴覚障害者センター、(12)北福島医療センター、(13)グラフィックデザイナ 【背景】 2011年の東日本大震災では、災害時の視覚障害者の状況や支援に関して様々な問題が明らかとなった。支援に尽力した視覚障害リハビリテーション関係者らが、その経験や教訓、提言を発信し共有する動きも活発である。しかし、情報の共有範囲は限られており当事者である視覚障害者へそうした知見を周知する機会は乏しいのが実情である。ことに、当事者団体に属していない視覚障害者やロービジョン者は災害時に視覚障害者がおかれる状況を知る機会は極めて限られている。また、災害時の視覚障害者支援には眼科医療機関が一定の役割を果たすことも期待されるが、眼科医療機関は災害に関する基本的な知識を持っていない現状がある。 【目的】 視覚障害者とその家族や支援者(眼科医療機関を含む)が知っておくべき防災や被災時の行動に関する情報を効率的に提供し、災害への備えを促す。 【方法】 日本ロービジョン学会災害調査対応委員会にて下記の2種類のリーフレットを作成した。 1.「災害が起きたときのこと、考えていますか?」:災害への備えについて、視覚障害者が準備 しておきたい事柄を解説した。 2.「被災してしまったら」:被災した視覚障害者が適切な支援を受けるために知っておくべき事柄を解説した。 内容は実際に被災地での支援活動にあたった委員の経験と、社会福祉法人日本盲人福祉委員会発行の「災害時の視覚障害者支援者マニュアル」「災害時の視覚障害者支援体制マニュアル」を中心にまとめた。リーフレットは日本ロービジョン学会のホームページに掲載し、自由にダウンロードできるようにした。 【今後の課題】 今後リーフレットの活用を推進するためには医療・福祉・教育、その他広範囲にその存在を広報していくことが必要である。特に、多くのロービジョン者が通院している眼科医療機関での活用を促すため、眼科専門誌への掲載、学会での見本の配布などの広報活動を継続的に行っていく必要がある。 ポスター活動 P-A-27 Skypeを利用した各国視覚障害リハ事情と課題の学び合い ○新井愛一郎、芳賀優子 社会福祉法人国際視覚障害者援護協会 【はじめに】 国際視覚障害者援護協会では、1982年からアジアを中心とした開発途上国から視覚障害留学生を日本に招き、盲学校での理療の勉強を支援してきた。彼らは4年間、日本の視覚障害者と同じように生活し、自国の視覚障害者の自立について、それぞれ課題を認識して持ち帰っている。その問題意識を継続的に発展させることは大きな課題であった。しかし2012年までは、組織的な取り組みはできていなかった。 【Skypeを活用した日本語学習】 3年前(2013年)から、Skypeを活用して比較的簡単に交流ができるようになったことで、帰国後も日本語力の向上と日本の視覚障害者事情を学びたいという、継続的な希望があることがわかった。 モンゴル、中国、韓国、台湾、タイ、マレーシアなどの比較的インターネット通信状態が安定した国々の元留学生に、日本語学習ボランティアを募り、Skypeでの勉強を開始。そしてそれが、パソコンの指導、相互の視覚障害者事情の情報交流に発展していった。 【日本での生活体験から自国の課題へ】 留学生たちは日本で経験した有意義な制度やサービスを、自国で紹介もしている。以下にその一例を示す。 A.制度・サービスの前提として、社会の視覚障害者への理解が大切 B.家に閉じこもりがちな視覚障害者が、外の世界と接点がもてるようなレクリエーションも大切 C.自立のために大切な、移動支援・サービスが不可欠 ・バスの車内放送 ・スタッフが駅間で連携して誘導してくれる D.ATMなどの社会システムから視覚障害者が阻害されない仕組みの構築が、本当の意味での社会参加 ・音声とテンキーで操作できる券売機 【今後の展望】 前述の成果を踏まえて、以下の活動を計画している。 A.視覚障害者通訳のネットワークづくり アジア10カ国の元留学生に参加してもらい、通訳者のネットワークを作る。 B.視覚障害リハの国際交流 相互の現状と課題を共に学び合い、将来的には解決に向けて連携を取り合える関係づくりに発展させていく。 ポスター活動 P-A-28 『ぶらぶら会』利用者の集まり ~活動を通して~ ○高橋佐知子 川崎市視覚障害者情報文化センター 【目的】 川崎市視覚障害者情報文化センターでは、利用者を対象とした会『ぶらぶら会』を実施している。この会は同じ障害を持つ当事者同士の交流を通して、親睦・交流、孤立の防止を目的としている。今回の発表では、参加者の発言の内容および27年度当初に実施したアンケートの結果をふまえ、会の存在意義について報告する。 【会の運営と参加者】 旧運営施設である川崎市盲人図書館訓練生6名を参加者として(※盲人図書館の利用者の中からピックアップされた)、平成25年9月から(26年4月からは情報文化センター)17回(延べ91名参加)行った。偶数月に談話会、平成27年度7月より、奇数月にはイベント的なことを行っている。談話会では、職員が数名同席し、発言量が一定になるよう調整、発言を否定しないなど「聞く」態度に努めている。 【結果】 平成26年度当初には、ネガティブな発言が多かったが、平成27年度にはポジティブな発言が増えるようになった。特に他の参加者の話に耳を傾ける、互いの体調を気遣い合うなどの変化が感じ取れるようになった。平成27年4月に、アンケートを実施した。「ぶらぶら会はあなたの役に立っていますか?」の問いに、肯定的な意見が多かった。新たな企画の希望があったため、試みとして「盲導犬体験会」「ファッション講習会」「川崎大師へ初詣」などを実施した。現在は、進学準備、新たな訓練、映画体験会、図書貸し出しでの定期に来館など、日常生活上にポジティブな変化をもたらすようになった。 【まとめ】 ぶらぶら会の存在は当事者同士交流することにより、生活の質を高めるきっかけとなっていると考えられ、一定の効果があったと思われる。今後は、他にも交流の必要性がある利用者の参加者を増やす、コーディネートの方法を工夫するなど、より良い社会参加の場となるよう努力したい。 ポスター活動 P-A-29 視覚障害者情報提供施設におけるイベント事業の取り組み ○鳥居秀和 川崎市視覚障害者情報文化センター・利用者支援グループ 【目的】 川崎市視覚障害者情報文化センターは一昨年の開館以来、イベント企画を事業の柱の一つに据えている。情報提供施設におけるイベントの意義と有効性について考察してみる。 【方法】 今年当センターが実施したイベントは大小あわせて15以上、毎月実施されるものもあるのでほぼ2~3週間に1回、何かしらのイベントをしていることになる。 センターまつりは、年1回行う最も大きなイベントである。外部講師を招いた講演会、ボランティア団体による朗読ミニライブや点字・パソコンの体験、盲導犬やロービジョン体験など、利用者、ボランティア、地域の三者が深く係わる場として大切な機会である。 また春と冬のコンサート、朗読会、防災イベント、音声解説付きDVD上映会、歴史的音源を聞く会など大小のイベントを定期的に開催している。これらイベントの日常化は、図書館としての役割から一歩進んだ多様な情報発信の役割を担い、地域の文化的施設としてセンターを位置づけ、利用者の生活をより豊かにするものである。 さらに生活訓練を受けている訓練生を対象に、訓練生交流会(ぶらぶら会)や屋外交流会を実施し、訓練生同士が互いに交流し親睦を深めることを積極的に行っている。 【結果】 当センターの啓発的役割は大きく、地域、行政、学校など各方面への情報発信の機能も持つことで、地域における障害者への理解を進めていくものである。また、イベントがあることで利用者が外出意欲をもち、職員とのコミュニケーションが豊かになることでセンターを身近に感じてもらい、相談や支援につながることも多かった。訓練生交流会では、孤立しがちな訓練生同士が交流会によって身近な情報を共有していく中で、不安を克服し生活の自立に向けてのヒントを得る方もいた。情報がセンターからの一方的なものではなく、相互に発信されていることが信頼感につながるといえる。 ポスター活動 P-A-30 静岡県における在宅リハのシステム作り ○土居由知(1)、蓮池悟志(2) (1)静岡県視覚障害者情報支援センター、(2)公益社団法人静岡県視覚障害者協会 静岡県視覚障害者協会では、1985(昭和60年)以来、中途失明者生活訓練事業の受託により、役員が対象者を訪問して相談に応じてきた。社会啓発の意味では、一定の成果があったが、本格的な訓練には結び付かなかった。 そこで、2001(平成13年)から、県内においては、全く手が着けられていない在宅リハのシステム作りについて、関係者の研修と合意形成に努めた。 2003(平成15年)に、県当局にたいして、在宅でのリハが受けられる体制を整備するための歩行訓練士養成を要望した結果、2004(平成16年度)予算で、「視覚障害者社会生活訓練事業費」の増額が認められ、漸くシステム作りの目度が立ったので、同年5月に、関係団体と県内の歩行訓練士が一同に会し、事業の受託について話し合った。 歩行訓練士の立場からは、所属施設の職員としての協力には限界があるが、事業の重要性は十分理解できるので県視協が受託するのであれば協力する旨の合意が得られた。また、県内の視覚障害関係団体や日本盲導犬協会の理解と協力も得られたので、受託を決定し、同年後期から事業を開始した。 静岡県は、東・中・西・伊豆と、県域が広く、事業運営上、歩行訓練士の不足が課題だったので、東部、伊豆地域は、神奈川県の歩行訓練士にも協力を呼びかけ、歩行訓練士の立場を明確化するため、全員を県登録歩行訓練士に位置付けた。 このような経緯で、通所による訓練等が困難な在宅の視覚障害者を対象に、自立支援指導員(歩行訓練士等)が、自宅を訪問し、自立を支援する「視覚障害者訪問自立支援事業」が開始されることになった。同時に、2005(平成17年)からは、年間3名、計15名の歩行訓練士を養成する事業も開始され現在にいたっているが、開始から10年余を経て、様々な課題が浮び上がっている。 ポスター活動 P-A-31 川崎市視覚障害者情報文化センターにおける用具販売の意義 ○島田延明 川崎市視覚障害者情報文化センター・利用者支援グループ 【はじめに】 開所当初に想定していた用具販売の目的は、「便利に買い物ができる場所の提供」に過ぎなかったが、2年を経過した今、用具利用客から視覚リハビリテーション(以下視覚リハ)や図書登録につながるケースが多く、想定以上の波及効果が認められる。その背景や効果について述べる。 【背景】 視覚リハ施設で視覚障害者向けの用具の充実した展示や販売はほぼない。利用者から要望があれば、販売している施設を紹介するか仲介役をするかにとどまっている。当センターでも、当初は指定管理業務の中に「用具の販売」は含まれていなかったが、「商品を手にとって試せる場所を増やして欲しい」という要望が多く、川崎市にお願いして用具販売を認めてもらった。 【展示・販売方法】 白杖などの補そう具、日常生活用具といった定番のものは勿論、便利グッズやアイデア商品といった品々も一通り揃えている。白杖の修理や時計の電池交換等、緊急を要するものは部材を常に用意してあり、数十分程度で対応可能としている。 【効果】 白杖やデイジー再生機を給付申請しに来た方、ショッピングを楽しみにきた方などに商品説明をしながらニーズを把握することが出来る。その結果、視覚リハや図書登録につながるケースが非常に多い。また、相談や視覚リハ希望で来所された方が、色んな用具に触れることにより日常生活上の困難を軽減したり、新たなニーズを獲得している。訓練生に対しても「新商品があるから用具に遊びに来れば?」など施設利用を促すことが可能である。他にも、歩行訓練士がいることで安心して白杖を購入できるなどの声も寄せられている。 「買い物を楽しんでもらう」という当初想定していた以上の効果があがっており、図書登録者数は57名増など施設利用率は確実に高まっている。「買い物」という気軽に利用可能なスペースがあることで、施設へのアクセスのハードルを下げている。 ポスター活動 P-A-32 薬局における視覚障害者向け生活便利品の情報提供について ○石川優子(1)、小澤恵子(1)、松久充子(2)、夏井あつ子(1)、加藤剛(1) (1)株式会社アイドラッグ、(2)医療社団法人橘桜会さくら眼科 視覚障害者が使うことにより少しでも自立した生活を送ることができる便利な道具(生活便利品)が色々販売されている。手軽に購入できるものでは音声時計、縁があるまな板、黒いしゃもじにお椀など。また、拡大読書器、防災グッズなど高額で専門家の指導が必要なものもある。中でも障害者手帳を持っている人は補助対象の機器を購入することができるが、市役所への申請はかなりの手間がかかる。このように生活便利品は数多くあるが、必要な人に情報を伝える手段があまりなく、どこに行ったら買えるのか、欲しいものを購入するのにたらい回しにされたことを聞き、眼科に隣接している弊社薬局内に視覚障害者向け便利品が紹介できる薬局として展示販売することにした。しかし、最初は薬局側の展示物の十分な情報提供が眼科にされておらず、また、眼科にあるものも把握できていなかった。眼科医に相談したところ幸いなことに眼科勤務の認定視能訓練士、盲学校の元教員など複数配置されており、その方達から研修をしていただくことが可能となった。専門家の説明を聞き、知識をもって商品説明にあたれること、また、専門家の指導や選択が必要な機器は、眼科の専門家につなげる。このような連携ができることにより遠くへ行かなくても購入ができ、継続的な指導も安心して受けられるシステムの構築を検討した。眼科医が単に目だけ治療すると言った考えではなく、その人の日常生活まで配慮した提供をされているから生活便利品も生かされるのではないかと思う。視覚障害者の生活に役立つ便利品を含め、温かいアドバイスができる薬局と眼科と情報共有、連携することにより、視覚障害者の生活に貢献することが薬局の今後の役割として活動したい。 ポスター活動 P-A-33 視覚障害者にブラインドメイクを指導した実践報告 ○若槻裕子 日本ケアメイク協会 【はじめに】 視覚障害者の女性は「お化粧をしたい」という思いはあるが、目が見えない・見えにくいことから「お化粧はできないもの」と諦念感や否定感を持っている傾向が強い。 発表者は、2015年2月より「ブラインドメイク・プログラム」考案者の大石華法の指導のもと、視覚障害者に「ブラインドメイク・プログラム」に沿った化粧指導をした1年間の実践報告を行う。 【方法】 対象者は、中途失明の女性3名(30代、40代、70代)である。化粧品は市販の化粧品を対象者と共に選定した。「ブラインドメイク・プログラム」を用いて、1回2時間から3時間のレッスンを約10回(合計約20時間から30時間)マンツーマンの化粧指導を行った。(実施期間:2015年2月から2016年1月) 【結果】 「ブラインドメイク・プログラム」に沿った化粧指導により、対象者3人全員が化粧をすることができた。化粧できるまでにかかる指導時間は、これまでの化粧経験の有無、習得力の差異はあったが、3人全員がプログラム修了後には、自分自身で鏡を使用せずに20分以内で化粧ができた。 【考察】 「ブラインドメイク・プログラム」は、視覚障害者が自分自身で化粧できるプログラムであることが確認できた。また、対象者は自分自身で施した化粧を視覚認知することは困難であるが、化粧後には、自信を取り戻し、洋服や髪型、歩き方までをも気を使うようになり、自主性、積極性、社交性などが見られた。このことから、ブラインドメイクは視覚障害者に重要なロービジョンケアの役割を担っていることが確認できた。 対象者に化粧によりエンパワーメントを促せたことで、指導者側にもエンパワーメントに繋がることが確認できた。これらからは、ブラインドメイクの指導者と対象者の相互にエンパワーメント効果があるプログラムであることが考察できた。 ポスター活動 P-A-34 川崎市視覚障害者情報文化センターの貸出業務について ○岩渕百世、庄司尚子 川崎市視覚障害者情報文化センター 【はじめに】 川崎市視覚障害者情報文化センターは2014年4月から日本点字図書館が指定管理となり開設。主な業務は(1)利用者サービス、(2)利用者支援サービス、(3)用具販売である。今回、(1)利用者サービスの中より、貸出業務の活動を報告する。 【事業について】 (1)利用者 2015年時点での利用登録者数は約380人。年齢別でみると70歳以上の登録者が一番多く、170人で全体の45%を占めている。逆に10代~20代の登録者は10人となっている。 (2)貸出 昨年12月の集計では録音図書が1200タイトル、点字図書が20タイトルであった。 (3)情報提供 どのような図書・雑誌が点字、デイジー図書になっているのかを調査するレファレンス業務を行っている。図書以外の問い合わせも多く、様々な情報を提供している。その他、イベントや便利グッズの紹介、地域情報などを掲載した情報誌・メールマガジンなどを定期的に製作・発行している。 【センター全体での取り組み】 地域の方も含め多くの方にセンターの業務を理解していただくため、催し物を数多く行っている。年2回のコンサート、毎月のDVD映画体験上映会、毎年の防災訓練、隔月の歴史的音源を聞く会など、さまざまな企画に取り組んでいる。 【現況】 ・サピエという情報ネットワークの普及で、視覚障害者自身がデータをダウンロードするなどして、読書を楽しむことも増えてきている。 ・開設当初より「シネマデイジー」の貸出を行っている。 ・認知向上のため、「出前センター」を役所のエントランスにて業務案内などを行った。 ※利用者数は開設当時の320人から60人増加している。 【課題】 利用者の年齢層は約8割が50代以上となっている。若年層への利用を広げるためには新たな広報が必要かと思われる。歩行やパソコン訓練を行っており、連携して図書の利用登録・貸出増加へと結びつけらるような取り組みをしていきたい。 ポスター活動 P-A-35 チャレンジド・ヨガ ~視覚障がいの方のヨガクラス~ 活動の変化&繋がり ○高平千世(1)、大坂和則(2)、澤崎弘美(3)、加藤亜樹(2)、村上智彦(4)、長岡正芳(4)、高橋芳枝(5)、内田まりこ(6)、安部恵理子(7) (1)国立障害者リハビリテーションセンター、NPO法人日本カルチャーヨガ協会チャレンジド・ヨガプロジェクト、(2)NPO法人日本カルチャーヨガ協会、(3)いけがみ眼科整形外科、(4)株式会社オッシュマンズ・ジャパン、(5)東京ヘレン・ケラー協会点字図書館、(6)神奈川県ライトセンター、(7)国立障害者リハビリテーションセンター 【目的】 活動の柱は3つ、定期クラスの継続、地域イベント開催、自主的な地域定期クラスの創出である。 2013年8月スタート以来、現在全国4か所で定期クラスが開催されている。 第24回大会報告後の大きな変化は、眼科医が主となり、地域の医療従事者との繋がりから神奈川県横須賀定期クラスが創出された事である。 今回、本大会のテーマ、変化&繋がりに焦点をあて活動を考察する。 【方法】 定期クラスについては、参加状況とクラス内容の変化を調査。 参加者及び関係者へ意識調査を実施。 【結果】 定期クラスでは4クラス共に参加数が増加。晴眼者との混合クラスへと変化。 クラス内容は音による切替え、自己紹介タイムの設置、眼科医、専門家の助言による安全面の工夫と強化等の変化が見られた。 意識調査では、きっかけとしてフェイスブック等SNS、知人からの紹介等。 継続理由は、安心できる環境、とにかく楽しい、定期的な運動の機会、ストレス発散、人との交流等。 実際に感じる変化・効果では身体的以外に日常でも心身・呼吸を意識、多様な人との繋がりから世界が広がった等。 関係者からは、障がい者から学ぶ事・気づきが多い、街で視覚障がい者に声をかけるよう変化した。 地域イベントは1年で10回程実施し、視覚障がい者自身が企画する形が生まれた事は大きな変化である。 きっかけとして運動が嫌い・苦手な方にとってもヨガは入りやすいという意見が多かった。 【考察】 眼科医、医療従事者との繋がりからの安全面の強化は、参加者の安心感にも繋がっていると言える。 またSNSの活用は繋がる速さ、活動の広がりにも効果が見られた。 繋がりの中で、3つの活動の自然な流れが出来ていると言える。 今後の課題は、重複障がい、高齢者の増加に対応し、強みでもある様々な職種、専門家との繋がりを生かした安全面の更なる強化である。 今後も参加者の声に耳を傾け、変化し、ヨガを通して繋がり続けたい。 ポスター活動 P-A-36 盲ろう者を対象としたクライミングプログラム開発 ○木本多美子(1)、小林幸一郎(1)、前田晃秀(2)、小平純子(2)、佐藤彩奈(2) (1)NPO法人モンキーマジック、(2)東京都盲ろう者支援センター 【はじめに】 NPO法人モンキーマジックは、クライミングを通じて視覚障害者を始めとした障害者の可能性を広げることを目的に活動している。これまでの調査研究においては、クライミングが視覚障害者にとって「ロープやマットを利用して、安全に行える運動の機会であること」「転倒防止の効果」のような身体的な効果の他に「自己効力感」「信頼感」「健康的な生活への意識と行動の変容」等の精神的、社会的な効果が示唆されている。 本報告では、視覚障害と聴覚障害を重複している「盲ろう者」を対象にして、安全で価値のあるクライミングプログラムの開発を目指して行われた活動の報告を行う。 【活動概要】 東京都盲ろう者支援センターより呼びかけをし、参加者(盲ろう者)5名を募集し、1回を3時間で5回行った。その意図は、数回行うことで、クライミングの知識をつけ、成長を体感してもらうためである。参加者は86歳の男性を始め平均年齢65歳であった。クライミングはロープによって安全確保を行うトップロープクライミングで、高さ約8mの壁にて行った。特に工夫した点は、一旦、登り始めるとクライマーは下からの指示が伝わらない。そこでクライマーの腰に軽い紐をつなぎ、紐を引っ張る回数で「ストップしてください」「ゴールですよ」「降りてきてください」という合図を下から送れるようにした。上からの必要な指示「ロープを張ってください」「降ろしてください」等は、ジェスチャーを決めて伝えてもらった。 【結果・参加者の反応】 ・「やれるか不安だったけど登れて嬉しかった」「達成感がある」「人生より大変だった(笑顔で)」「次回があればまたやりたい」等のポジティブな感想があった。 ・登り始めると下からの声が聞こえなくなることを不安がっていたAさんが、後半には自ら補聴器を外して登っており「外した方が集中できる」と安心して集中している様子があった。 ・「家族と一緒に続けたい」というBさん。別途家族へのプライベートレッスンを開始した。 【まとめ】 盲ろう者は身体を動かす機会が不足しがちになることから、安全に楽しくスポーツに打ち込める機会として、クライミングの価値は高いと感じられた。しかし、今回は助成金を活用してのプロジェクトであったので、今後の継続や普及の方法が課題であり、客観的な価値を証明する調査研究が必要である。 ポスター活動 P-A-37 点字・大活字避難所運営ゲーム(HUG)の開発(第1報) ○藤原義朗(1)、金平景介(2)、坂本康久(3) (1)高知県視力障害者の生活と権利を守る会、(2)公益財団法人高知県身体障害者連合会、(3)高知市点字図書館 【はじめに】 東日本大震災では、視覚障害者で一旦助かった命が1年後には8%以上亡くなっている(日本盲人福祉委員会調べ)。そこには、トイレ問題をはじめ深刻な避難所運営の課題がある。 一方、2006年静岡県で開発された避難所運営ゲーム(HUG)(以下、ハグと呼ぶ)は、参加者が避難所の受付役を担い、様々な課題を体験し、解決策を共有するワークショップである。 今回、静岡版ハグを基に、「ゆめ風基金」より助成金を受け、視障者が参加しやすいよう点字と大活字および立体図を組み合わせたハグ(以下、点字ハグ)を作り、視障者と市民が共に学ぶ機会を得たので報告する。 【作製の目的】 ①視障者自身が体験し、避難所で起こる様々な課題を知る。 ②地域でハグが行われる時、視障者自身が障害の課題を述べる力を付ける。 ③点字ハグの使用により、視障者のことを市民が知る機会とする。 【点字ハグの作製】 ①ハグカード(250枚)(個別事例、イベントカード)を約1.7倍(面積比約3倍)に、大活字および点字を付記。 ②学校敷地図および校舎図を立体にし、点字を付記。 ③避難所となる体育館を模式化(約85㎝×120㎝) ④視覚障害事例カード(20枚)を、それぞれ5セット 【点字ハグ大会の実施】 第1回2015年4月(高知、27名/うち視障者11名) 第2回2015年5月(埼玉、31名/23名) 第3回2016年1月(高知、28名/7名) 第4回指導者養成講座(東京、14名/13名) 以後、和歌山、福岡、神奈川で予定 【結果】 点字ハグを実施したことで、上記の意義の確認および次の点が得られた。 ①一般の市民の参加により、視障者の避難所問題を主体的に考える機会を得た。 ②貸出しの希望も出ており、広がりの可能性が出てきた。 【展望】 点字ハグの出前講座を行ない、住民が視障者の問題を考える機会を作る。 機器展示 会場:6階展示ギャラリー 開催日時: 6月18日㈯10:00~17:00 6月19日㈰9:00~14:30 機器展示会場案内図(6階) 〈省略〉 6階機器展示ブース一覧 〈展示ギャラリー1〉 ◆ロービジョンエイドコーナー 株式会社朝倉メガネ ㈱疋野脩治眼鏡店アジョックヒキノ 東海光学株式会社 オグラ眼鏡静岡伊勢丹店 ◆便利グッズコーナー 社会福祉法人 桜雲会 (福)日本盲人会連合 ◆土産・観光コーナー お土産コーナー「駿府楽市」 静岡観光コンベンション協会 配送受付 ◆通信関連コーナー ソフトバンク システムイオ 有限会社サイパック ◆拡大読書器コーナー アイネットワーク有限会社 株式会社タイムズコーポレーション ㈱日本テレソフト ㈱インサイト 株式会社ナイツ ◆白杖・文具コーナー ㈱アーチャレジー 株式会社KOSUGE ◆医療機器コーナー QDレーザ 株式会社JFCセールスプラン ㈱テイエムアイ ◆福祉事業所コーナー 視覚サポートなごみ ウイズ ティンクル ◆プリンタ・点字関連コーナー カシオ計算機株式会社 三笠産業株式会社 カトレア・サービス 東京工業高等専門学校 ケージーエス株式会社 〈展示ギャラリー2〉 ◆誘導・交通コーナー 篠原電機株式会社 株式会社ゴビ 株式会社タナベ 株式会社エクシオテック 錦城護謨株式会社 田島ルーフィング レハ・ヴィジョン株式会社 株式会社サン工芸 株式会社ティーエヌケー 〈展示ギャラリー3〉 ◆防災コーナー トータルセキュリティSP 静岡発防災グッズ ◆行政コーナー 静岡県・静岡市 静岡県視覚障害者情報支援センター ◆音声機器コーナー アイネット㈱ 有限会社エクストラ ㈱高知システム開発 株式会社アステム シナノケンシ株式会社 株式会社アメディア 三菱電機株式会社 パナソニック株式会社 ◆その他 体験1:日本盲導犬協会提供の「盲導犬体験」 体験2:静岡ライトホーム提供の「1コインマッサージ体験」 体験3:POLA Rivage提供の「メイク&ハンドトリートメント」(視覚障害者限定) 体験4:静岡企画「ロービジョンエイドで便利!できる!の体験ツアー」 おいしいお水とお茶:「クリクラ鈴与「」静岡茶商工業協同組合」提供 10階(受付前)機器展示ブース一覧 NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構 有限会社読書工房 メディカルブックサービス 出展企業紹介 以下、 製品カテゴリー 企業名 部署 住所 TEL FAX URL 展示品の紹介 の順に記します。 〈6階機器展示会場〉 ロービジョンエイド 株式会社朝倉メガネ 営業本部 東京都新宿区四谷1-8 03-3357-2251 03-3357-2257 http://www.asakuramegane.co.jp 新製品を含む各種光学エイド及びロービジョン関連の情報を発信しています。是非お立ち寄りください。 ロービジョンエイド ㈱疋野脩治眼鏡店 アジョック ヒキノ ~ 静岡市葵区呉服町1-5-3呉服町タワー1F 054-251-7777 054-251-7779 http://www.hikino.co.jp ①遮光眼鏡、小児用眼鏡、単眼鏡各種 ②ピークやエッシェンバッハ等のルーペ類 ③拡大読書器、電子ルーペの一部 ④他クリーナー、くもり止め等の関連グッズ ロービジョンエイド 東海光学株式会社 ロービジョンケア事業部 東京都千代田区神田須田町2-8プライム神田ビル7階 0564-27-3050 ~ http://www.eyelifemegane.jp/ 今回出展致します「遮光眼鏡」は、まぶしさの要因となる500nm以下の短波長光(紫外線+青色光)を効果的にカットし、明るさを感じるために必要な光はできるだけ多く取り込むように作られている特殊カラーメガネレンズです。ぎらつくまぶしさを抑え、輪郭が不鮮明に見える状態を改善し、コントラストを向上させます。また、同色・同濃度のサングラスに比べ明るさを確保します。太陽の光や室内の照明など、日常生活においてまぶしさにお困りのシーンを快適にサポートします。さらに多くの方に対応できるように、レンズカラーは全23色からお選び頂けます。好評頂いている遮光オーバーグラス「ビューナル」はサイズが増え、計3サイズになりました。大人から子供まで、幅広くご使用頂けます。ぜひお試し頂きその効果を実感ください。 ロービジョンエイド 株式会社オグラ 眼鏡外商部 ~ 03-3263-2371 03-3263-0882 ~ エッシェンバッハを中心とした各種拡大鏡 携帯型読書器 電子ルーペ 遮光眼鏡 などオグラ眼鏡静岡伊勢丹店では、お客様の生活を確り御聴き取りする「カウンセリング」を行い、主訴・副訴を確認した上でロービジョン用具の提案を行います。そして実際にロービジョン用具をお試し頂き、お客様が使用し易い用具を適切にお選びする事が出来ます。また、眩しさの軽減やコントラストを良くする為の遮光眼鏡・カラーレンズもお試しの上お選びする事が出来ます。 便利グッズ・書籍 社会福祉法人桜雲会 点字出版部 東京都新宿区高田馬場4-11-14-102 03-5337-7866 03-6908-9526 http://homepage2.nifty.com/ounkai/ 桜雲会出店ブースでは、図書・用具・お菓子の販売を行います。新刊図書から、音が出るペン“音筆”を使って楽しく学べる漢字学習教材「おとがでるえほん かいてみよう きいてみよう かんじ」の1・2を販売致します。全く新しい漢字の学習方法を是非体験してください。さらに当会の大人気絵本、王様シリーズから最新刊「つたえちゃ王」が新登場です。また、未曾有の災害に備え、耳で聞いて手軽に事前準備が出来る「防災避難用品カタログデイジー版」の販売も行います。その他、視覚障害者向け便利グッズも数多く取り揃えております。点字キューブやマスコットブレイルなどの点字関連グッズや、月と地球の距離をキーホルダーで表現した新発売の天文キーホルダー。その他、作業所で作られているレモンケーキやハートサブレ、啓発を目的とした点字ブロックおせんべいなど多彩な品揃えで皆様のお越しをお待ちしております。 便利グッズ・防災関連・移動用補助具(白杖類) 社会福祉法人日本盲人会連合 用具購買所 東京都新宿区西早稲田2-18-2 03-3200-6422 03-3200-6428 yogu@jfb.jp 日本盲人会連合用具購買所は、視覚障害者のための日常生活用具・補装具をはじめ、日常生活や社会生活に便宜を図るための各種用具のあっ旋販売を行っています。「実際に触ってみたい」という遠方のお客様の要望も非常に多く、そのような要望にお応えすべく、各種見本を持参致します。この機会に商品に触れていただき、参考にしていただき、生活に役立てていただければ幸いです。 静岡のお土産品 ㈱駿府楽市 ~ ~ 054-251-1147 054-285-1093 http://sunpurakuichi.co.jp/rakuichi/ 静岡駅アスティー西館内の「駿府楽市」は、駿府の人々の暮らしとともに受け継がれ、守り、育てられてきた伝統の品を一堂に集めた展示と販売の施設です。販売コーナーでは駿府の工芸品、民芸品をはじめ静岡ならではのお茶・銘菓・わさび漬・海産物等の美味特産品も取り揃えております。JR静岡駅ASTY静岡西館内。営業時間9:00~21:00。℡054-251-1147 通信関係・スマートフォン ソフトバンク株式会社 人材戦略統括部人材支援部 ~ 03-6889-6675 03-6889-6646 http://www.softbank.jp/corp/special/heartful/ 視覚障がい者の方の生活を便利に豊かにしてくれるiPhoneの機能や操作方法を実際に操作していただきながら体験いただくブースです。音声読み上げ機能、文字拡大機能の他、音声認識型のパーソナルアシスタント機能「Siri」や、専用のアプリケーション(例えば、紙幣にかざすだけで金額を読み上げてくれるアプリケーションなど)も紹介します。iPhoneに興味はあるけれど使いこなせるか不安に感じられている方、ぜひお立ち寄りください。専門のスタッフが親切丁寧にご紹介いたします。 通信関連 株式会社システムイオ企 ソリューション事業本部 東京都港区三田3-14-10三田3丁目MTビル9F 03-6809-4803 03-6809-4805 http://www.tecio.co.jp/wallet.html お財布のように紙幣を収納でき、どこにでも持ち運びの出来る、ポータブル紙幣識別機、言う吉くん『Wallet』です。千円、二千円、五千円、一万円の日本銀行券を音声、ブザー、振動で識別し、更に流通系・交通系の電子マネーカードの残高を音声で読み上げることができます。充電式で軽く、滑りにくい素材でデザイン性にも優れた製品です。 通信関連 有限会社サイパック Software Development and Sales 東京都北区中里1-1-1ルトゥール駒込201 03-5815-6381 03-5815-6382 http://www.cypac.co.jp/ スマホやタブレットでデイジー録音図書を再生するアプリ「ボイス オブ デイジー」を作っている有限会社サイパックです。ボイス オブ デイジーは、目次やページ一覧から再生する、しおりを付ける、再生する速度やピッチと間を変更する、読み上げている箇所の文字や背景を好みの色で表示する、画面を指で操作して文字の大きさを調整する、タッチした箇所を読み上げる、指定したページへジャンプして読み上げる、などの機能があります。iOS版、Android版をApp Store(Apple)、GooglePlay(Google)にて販売しております。 拡大読書器 アイネットワーク有限会社 日常生活用具担当 東京都日野市西平山5-23-12 042-583-7450 042-583-7450 ~ 視覚障害者の日常生活用具、活字文書読上げ装置で給付を受けられる、「活字文書読上げ装置アイビジョンスピーチオ」99,800円。給付限度額と同額ですから、超過負担はありません。給付の場合、1割負担で、9,980円の自己負担です。地方税が非課税のかたは、自己負担はありません。拡大読書器とは別の給付項目ですから、手帳1級、2級のかたは、拡大読書器の給付を受けているかたも給付されます。視覚障害者の日常生活用具、拡大読書器で給付を受けられる各種、「拡大読書器アイビジョンデジタルのノート型」208,000円。しゃべるテレビ無償付加の3モデル、「拡大読書器アイビジョンデジタルマイテレビHDMIで」198,000円。「拡大読書器アイビジョンデジタル見る・書く・動く」198,000円。「拡大読書器アイビジョンデジタル見る・書く・テレビ画面型」198,000円。 拡大読書器・便利グッズ 株式会社タイムズコーポレーション 国内営業 兵庫県宝塚市高司1-6-11 0797-74-2206 0797-73-8894 http://www.times.ne.jp/ タイムズコーポレーションでは使いやすさを追求した最新の拡大読書器、電子ルーペ、ルーペをはじめ、音声色彩判別機、ICタグレコーダーなどの便利な音声製品も出展します。また日常生活用具給付制度で認可されることが増えた音声紙幣読み取り機「言う吉くん」も出展いたします。経験豊富な説明員が皆様の機器選びをサポートいたします。 拡大読書器・点字ディスプレイ・点字プリンター 株式会社日本テレソフト 福祉機器事業部 東京都千代田区麹町1-8-1半蔵門MKビル1F 03-3264-0800 03-3264-0880 http://www.nippontelesoft.com/ 最新の拡大読書器「Davinci OCR日本語版」をお持ちします。これまでの読書器にOCRを組み込むことで、文字でも音声でも読むことが出来るようになりました。また、PC/液晶モニターに接続できるPC型「TransformerHD」もカメラをHDに変更し、一新しました。この他に、点字プリンターや点字ディスプレイもお持ち致しますので、実際に触って体感して下さい。 拡大読書器 株式会社インサイト 営業企画部 宮城県仙台市泉区長命ケ丘3-28-1 022-342-6801 022-342-6802 http://www.s-insight.jp/ 拡大読書器の㈱インサイトでは、筆記に使えて、持ち運びが出来る拡大読書器を中心に機器展示を予定しています。たとえば、新製品の「トパーズPHD」は折りたたみ式のために、ご自宅と職場や施設内での持ち運びを希望する方に対して有効です。さらに、12インチモニターを搭載し、バッテリー(別売り)を付けることで電源コードなしで使用できますので、様々な場面での用途が期待されます。その他にも、遠くと手元が拡大出来るタイプや筆記台が付属している携帯型拡大読書器の「ルビーHD5インチ」などの展示も予定していますので、詳しくは展示会場でお待ちしております。 拡大読書器・ロービジョンエイド 株式会社ナイツ 国内営業部 東京都千代田区一番町15-21一番町コート4F 03-3237-0551 03-3237-0554 http ://www.neitz.co.jp 拡大読書器NVS-X1:読むことはもちろん、書き易さ、使い易さを追求した製品です。 単眼鏡PKシリーズ:『単眼鏡を持って街に出よう!』 検眼鏡BXα Plus:保有視機能の活用指導をサポートする器械です。 便利グッズ・文具 株式会社アーチャレジー ~ 神奈川県横浜市泉区白百合3-15-24 050-3694-8812 ~ http://archalle.co.jp 白黒反転でお馴染みの「TONE REVERSAL series」をはじめ、ロービジョンの方にお使いいただける便利グッズを多数出展致します。視覚障害当事者ならではの視点から、自分たちにとって何が必要かを考え、これまでになかったグッズをご紹介いたしますので、是非お立ち寄りください。 白杖・移動用補助具 株式会社KOSUGE ~ 東京都板橋区氷川町11-11 050-3372-3002 050-3737-4957 http://www.my-cane.com/ 軽さと衝撃強さでご好評頂いております白杖MyCaneⅡ(マイケーン),および折り畳み白杖用石突き袋を展示販売致します。MyCaneⅡについては、歩行スタイルに合わせたオリジナルグリップ、および鞄に収納し易い6段折りも用意しております。デザインを重視したオレンジ色グリップもあります。なお、新商品として、振動発電方式もしくは電池方式にてLED点灯する白杖MyCane SPOT、ならびに空間障害物を検知する電子白杖MyCane SMARTを出展いたします。 未承認医療機器 株式会社QDレーザ 視覚情報デバイス事業部 神奈川県川崎市川崎区南渡田町1-1京浜ビル1階 044-333-3338(内線23) 044-333-3308 http://www.qdlaser.com 「網膜走査型レーザアイウェア」は、主として前眼部に起因するロービジョン*1の人の視覚を支援します。フレーム内側の超小型レーザプロジェクターから網膜に画像を直接投影するため、フォーカスフリーとなり、視力やピント位置などの影響を受けません。光学系をフレームの内側に配置したことにより、突起物がなく通常の眼鏡やサングラスと同様に違和感無く装用でき、ユニバーサルデザインを実現しています。レーザアイウェアの前面のカメラ機能を利用することにより、デジタル情報の外部入力が可能となり、各種提示、新聞、雑誌などの閲覧やスマートフォン、タブレットからデジタル情報の取得ができます。医療機器認定の承認を目指しています。 *1 米国の定義では矯正視力0.1から0.5でロービジョン(弱視)、矯正視力0.1以下で社会的失明と呼ばれます。 * 薬機法未承認のため、販売・頒布できません。 医療機器 株式会社JFCセールスプラン 名古屋営業所部 東京都文京区本郷4-3-4明治安田生命本郷ビル 052-261-1931 052-261-1933 http://www.jfcsp.co.jp/ “大切な視機能の訓練に、タブレット型視機能検査訓練器オクルパッド” 最新のホワイトスクリーン技術により、周辺視野と手の動きは両眼視を保ったまま、偏光メガネを使用して訓練眼にのみ映像刺激を与えることが出来ます。片眼遮蔽をせず、楽しみながら弱視訓練を効果的に行えます。 医療機器 株式会社テイエムアイ 営業 埼玉県新座市新座1-2-10 048-481-2501 048-481-9913 http://www.tmi-st.com 視力表や視力検査時に使用する眼科用検査機器を取り扱っております。 福祉事業所 視覚サポートなごみ ~ 静岡市駿河区稲川1-1-3地建稲川ビル2-A 054-266-6314 054-266-6324 http://vsnagomi.com/ 「たとえ目は失っても心の眼を見交わせば心は通じ合う」視覚サポートなごみは視覚障害者のための継続就労支援B型事業所です。認可を受けて3年目の新人なので、授産製品は少ないですが、道具も自ら工夫しながら、少しずつトライしています。事業所内では、会話によるコミュニケーションを大切に、旅行や美味しい食べ物、お店の話題では特に盛り上がりますが、iphoneの操作など困った時には利用者同士でサポートしあえる、頼もしい関係ができてきました。 メールアドレスinfo@mana-nagomi.com 福祉事業所 NPO法人六星 ウイズ半田・蜆塚 ~ 浜松市東区半田町104-3 053-435-5225 053-435-5955 http://6seiwith.sakura.ne.jp/ ウイズは、視覚障害者に特化した小規模作業所としては全国に先駆けてスタートし、今年で21年目になります。現在は2つの就労継続支援B型事業所に50名の方が通所しており、「視覚障害者の使うものは自分たちの手で」、「障害者が街に出ると街が変わる」をスローガンに、白杖の製作、広報の点字印刷、点字名刺、点字トランプ等の視覚障害者向け商品のほか、香り袋や縫製品なども製作し販売しています。また地元小中学校への出前授業や福祉まつりの開催を通して社会参加をしております。 メールアドレスwith@s8.dion.ne.jp 福祉事業所 ティンクル ~ 静岡県沼津市大手町1-1-3商連会館9F 055-963-5718 055-963-5718 npo-tinkle.com NPO法人ティンクルの運営するプラザティンクルは沼津駅徒歩1分の場所にあるアクセスの良い支援施設で毎日30名程度の障害者が通所しています。弊社は障害のある方の「働く」を創造し、集団の中での「働く」経験を通じてのサポートを実施しています。施設では自社事業の点字加工サービスや企業様からの受託業務を障害のある方の職業訓練として実施しています。上記事業は、売り上げが全額障害者の工賃となり、経済的自立を促進します。特に自社事業である、皆様の名刺に点字を導入する「点字加工サービス」は金融機関や不動産、プロスポーツチームなどBtoCの企業様を中心に好評いただいているサービスです(顧客数1,400名超)障害者施設に業務を発注する事は「CSR」と呼ばれる経済活動に繋がり企業様の価値を今まで以上に高める取り組みに成り得ますので、ご相談頂ければ幸いです。(弊社にはCSRの資格保有者が在籍しております) メールアドレスtinkle-tinkle@cy.tnc.ne.jp プリンタ カシオ計算機株式会社 デジタル絵画事業部 東京都渋谷区本町1-6-2 03-5334-4250 ~ ~ 視覚障害児童 識字障害児童向けに『なぞる』触覚教材を印刷できる2.5Dプリンター点字と触図の両方ができるフルカラー印刷です プリンタ 三笠産業株式会社 機能化学事業部 第一営業課 山口県山口市小郡山手上町1-10 083-974-6331 083-973-1370 http://www.mikasasangyou.co.jp/ 今までデジタル端末を使用するしかなかった白文字表示がトナープリンターで簡単に出力できるようになりました。通常のトナープリンターと同じ方法で印刷が可能です。教材やPOP、名刺等の印刷に最適です。 プリンタ・便利グッズ他 企業組合カトレア・サービス 福祉機器事業部 愛知県名古屋市南区柴田本通2-1-1 052-613-2949 052-613-2944 http://2949n.jp/ 視覚障害者向けナビゲーションシステム「PullDog」=視覚障がい者にとって土地勘の乏しい場所であっても、安全かつ気軽に外出できるようにするために、目的地までのナビゲーション機能を中心に様々な機能を提供するシステムで、東京高専の開発者による説明実演をします 触読自習用点字カード「よめるじゃん」=点字の触読自習がどこでもできるカード シール用紙「エコタック」=紙や電気製品などの上から点字を貼ることができる透明シート。薄くて堅い、環境にやさしい素材 点字・点図小まわりプリンター「アーチBP-S」=点図(触知図)も大点字も打てる多用途プリンター 点字関連 ケージーエス株式会社 営業技術部 埼玉県比企郡小川町小川1004 0493-72-7331 0493-72-7337 http://www.kgs-jpn.co.jp/ 点字ディスプレイ ブレイルメモスマート16/40 いつでも・どこでも点字文章の読み書きをすることができます。使い方は様々、趣味・就労・学業・日常生活と多様なシーンで活用することができます。通勤中の読書など持ち運びには小型のBMS16、お仕事や学業でデスクワークでの活用をお考えの方にはワイドなBMS40がお勧めです。 点字ラベラー BL-1000 PC操作で簡単に点字ラベルシールを作成できます。シールは無色透明なため、名刺や封筒の上から貼っても、下の墨字の邪魔をしません。視覚障害者への合理的配慮に御検討ください。 誘導・交通 篠原電機株式会社 事業推進室 大阪市北区松ヶ枝町6番3号 06-6358-2657 06-6358-2351 http://www.shinohara-elec.co.jp 「高齢者・視覚障害者用LED付音響装置」は高さ120cm、直径16.5cmのゴム製のポールに赤・青のLED信号、音声スピーカー、押しボタンスイッチが付いています。横断歩道を渡る手前に「高齢者・視覚障害者用LED付音響装置」を設置することにより、渡った側の高い位置にある歩行者信号機が見づらく、見つけ難い方には直ぐ近くで赤・青の信号灯が確認でき安心・安全に横断できます。また、現行の音声スピーカーは3.3m高い位置にあり、音が散らばり易く方向性もわかり難いことがありますが、高さ1mの低い位置から聞こえる音声は聞き取り易く、周辺の迷惑度も低減できます。押しボタンスイッチは青信号の延長や音声が鳴らない時間帯に押せば音声が出ます。 誘導・交通 株式会社ゴビ 本社 京都市下京区中堂寺南町134番地京都リサーチパーク 075-315-3621 075-315-3653 http://www.go-v.co.jp 点字ブロックは、視覚障害者の自立移動の重要なインフラとなっている。しかし、突起が段差となってつまずいたり、車椅子やベビーカー等の障害になることや、周囲の環境とのデザイン的な調和といった観点から、点字ブロックを設置していない施設が未だに多い。そこでICタグを内蔵した薄いシートを敷き、足元や車いす等に装着したリーダで読み取ることで、数十cmの精度で位置情報を得られるシステムを考案した。スマートフォンと組み合わせることで、音声による居場所に合わせた情報提供が可能になる。測位環境にはフラットで薄いシートを貼るだけでよいため、屋内など従来の点字ブロックが設置されていない場所にも設置しやすく、視覚障害者の歩行支援に活用すれば正確な居場所に基づいた誘導・案内が可能になる。歩いている方向がわかり、先にある段差の予告等もできるため、安心して歩くことができ、設置場所が増えることで行動範囲が広がる。 誘導・交通 株式会社タナベ 商品開発事業部 京都市上京区西堀川通丸太町上る上堀川町121 075-811-0178 075-811-0179 http://kk-tanabe.jp 狭い通路用「2本線誘導シート」、自発光道路鋲「フラッシュポイント」、自発光縁石鋲「フラッシュスタッド」を出品いたします。是非ブースへお立ち寄り下さい。 誘導・交通 株式会社エクシオテック ソリューション事業本部 営業部部  東京都大田区平和島4-1-23東京総合エンジニアリングセンタ2階 03-6404-2610 03-6404-3209 http://www.exeo-tech.co.jp 一人でも多くの視覚障がい者の方が、自立して一人歩きができるような歩行支援機器を展示します。 ①歩行時間延長信号機用小型送信機(シグナルエイド) ②自宅用音響機器(メロガイドホーム) ③音声案内装置(おもに公共用) ④点字サイン各種 誘導・交通 錦城護謨株式会社 土木事業本部 ホドウクン担当 大阪府八尾市跡部北の町1-4-25 072-992-2328 072-922-4175 http://guideway.jp/ 視覚障がい者が考案し開発した屋内専用の視覚障がい者歩行誘導ソフトマット「歩導(ほどう)くん」及び「ホドウクン ガイドウェイ」を展示します。公共施設や商業施設でトイレやエレベーターまでの順路がわかりにくくてお困りになったことはございませんか?歩導くんは凹凸のカタチの代わりに、白杖でたたく時の音や感触の違いや、足から伝わるソフトな感触が、誘導路を教えてくれます。またスロープ形状のため、視覚障がい者だけでなく、お年寄りや幼児、車椅子の方など、誰もが安心して歩ける誘導路となったことで、より多くの施設へ導入しやすい製品です。個人でご購入頂くような製品ではございませんが、要望をあげていただき設置が進むことで、屋内において視覚障がいの方の単独での移動範囲が拡がる上、様々な方とも共存できる移動空間を作ることができます。仮設も可能なため、福祉避難所でも利用できます。「2016年度IFデザインアワード」受賞。 誘導・交通 田島ルーフィング株式会社 床材営業部 東京都千代田区外神田4-14-1秋葉原UDX21階 03-6837-8877 03-6837-8878 http://www.tajima.jp すべての人が、同じ場所を同じように利用し、同じ経験ができる、そんな施設環境を当たり前にしたい…。「UDフロアシステム」は、こんな願いから誕生しました。「UDフロアシステム」は、今までにない屋内用の視覚障がい者誘導システムです。低突起を採用して、建物を利用するすべての人にやさしいユニバーサルデザインを実現しました。さらに、新築、改修に関わらず、機能的で美しい空間をつくるために、床仕上げ材との多様な組合せをご用意しました。また、「UDフロアシステム」は、2015年度のグッドデザイン賞を受賞いたしました。「UDフロアシステム」では、タイル・シートとの組合せとして、視覚障がい者屋内誘導用ゴム床タイル:ガイドタイルUD20・UD30、カーぺットタイルとの組合せとして、視覚障がい者屋内誘導用置敷きゴム床タイル:ガイドタイルUD55をご用意しています。 誘導・交通 レハ・ヴィジョン株式会社 総務 石川県能美市旭台2-13いしからクリエイトラボ215 0761-51-0016 0761-51-0017 http://www.reha-vision.com/ ・多言語対応音声情報案内装置「ポッチUD-W」 外国語に対応した音声情報案内装置。緊急信号にも対応可能です。 ・多目的トイレ内音声案内装置「ポッチUD-J」 人感センサーによる自動再生と利用者の押しボタンによる「2種類のメッセージ」が流れます。環境騒音にあわせて音量を自動で調節。 ・音声情報案内装置「ポッチA」 利用者の押しボタン操作による音声案内装置 ・「サポートケーン」 身体支持併用白杖伸縮自在で、身体を支える丈夫な白杖です。 ・「しゃべる地球儀」 触って世界を学べるしゃべる地球儀 誘導・交通 株式会社サン工芸 点字事業部 東京都新宿区四谷2-5-3木村ビル2-201 0774-23-1133 0774-23-7788 http://www.sunkogei.co.jp 点字案内板(触知図)・手すり用点字標示板・トイレ用点字標示板など視覚障害者用点字サイン各種を展示致します。 誘導・交通 株式会社ティーエヌケー 商品事業部 開発技術課 東京都西多摩郡日の出町平井18-1 042-597-6595 042-597-6570 http://www.k-tnk.co.jp/ 災害時誘導装置『一直線』は通常時は手すり、天井、巾木などに搭載したLEDなど照明を点灯し、常夜灯として使用いただけます。災害発生時には非常ベルと連動して非常口へ光の流れで誘導します。また、温度センサー、煙センサーと組み合わせることでセンサーが異常を検知した場合、最短かつ安全な誘導路を自動で検出し非常口まで誘導いたします。(光の点滅による流れで誘導します。) 防災関連 トータルセキュリティSP株式会社 営業 静岡県静岡市清水区楠新田64 054-376-4331 054-347-7810 http://www.tssp.jp 地震などの災害時に役に立つ品々を展示します。非常食、保存水、家具の耐震用品からホイッスル、防犯ブザー、給水袋などの雑品まで欲しいけれどどこで手に入るの??実物を見てみたい!といった声に応えます。防災用品の専門店ならではの展示をします!防災士の資格を持つ防災専門スタッフが普段気になっていることや不安に思っていることにも丁寧にお答えします!ぜひ、ブースへお越しください! 音声機器・拡大読書器 アイネット株式会社 東京らくらくデスク 埼玉県ふじみ野市霞ヶ丘1-2-12-1605 049-256-6870 049-256-6877 http://www.ainet-jp.net/ よみあげ拡大読書器「よみあげ名人」198,000円(税込) 簡単操作で文書の音声読み上げと拡大表示ができる装置です。よみとり器に原稿をセットし、本体のキーを押します。本体の画面に拡大表示し、文書を音声で読み上げます。表示倍率は12段階、読み上げ速度は10段階、簡単なキー操作で変更できます。本体は画面15.6インチのワイド液晶モニタ、よみとり器は最大A4サイズの用紙をセットできます。日常生活用具として給付実績があります。 お問合せ先:アイネット株式会社 〒356-0006埼玉県ふじみ野市霞ヶ丘1-2-12-1605 TEL049-256-6870 音声機器・点字関連 有限会社エクストラ ~ 静岡市駿河区谷田44-15-101 054-264-8608 054-264-8613 http://www.extra.co.jp/ iPhoneやiPadと接続して操作できる最新小型点字ディスプレイ「スマートビートル」、OCRやカラーリーダー、文書リーダーの機能を備えた多機能型DAISYプレーヤーの「Blaze」、高機能点字音声情報端末「ブレイルセンスU2」・「U2ミニ」、点字プリンタ「ベーシックD」、自動点訳ソフト「EXTRA for Windows」等、視覚障害者の方が情報によりアクセスしやすくなる支援機器をご紹介しております。 音声機器 株式会社高知システム開発 サービス部 高知県高知市吉田町2-23 088-873-6500 088-873-6599 http://www.aok-net.com PC-Talkerは、Windowsの操作を肉声に迫る音質で案内するスクリーンリーダーです。Internet Exploere、Microsoft Edge、Google Chrome、Firefoxに対応し、ダイレクトコマンド利用で、ページ内の目的の場所に素早く移動できます。Microsoft Office Word 2016、Excel 2016に、対応。点字入力機能(六点漢字入力、漢点字入力)を装備。キーボード操作をアシストする機能をタッチ画面で実現しました。 音声機器・防災関連 株式会社アステム ソリューション事業部 大阪市北区東天満2-7-12スターポート2 06-4801-9730 06-4801-9316 http://www.astem-co.co.jp/radio/index.html 「テレビが聞けるラジオ」のご案内です。2012年9月発売以来、多くの方から喜びのお声を頂戴しております。日常生活用具として給付実績のある自治体は全国で300ヶ所を超え、本大会開催地である静岡県では35市町村のうち27市町村で日常生活用具になっております。昨年6月からバージョンアップを行い、関東、名古屋、大阪、福岡、鹿児島等で開局したワイドFMに対応しました。 ■テレビ音声、AM・FMラジオの聴取が可能 ■ステレオ内蔵スピーカーで、大音量・高音質 ■全操作を音声読み上げ、操作ボタンの点字表記あり(音声マニュアルCD付) ■操作ボタンを大きくし、正面に配置。横に寝かせても使用可能 ■緊急地震速報つき。本体の電源OFFでも自動で電源が入ります。(イヤホン接続でもスピーカーから音声が聞こえます) ■サイズは縦13.5cm、横17cm、奥行4.5cm。重さ約480g(電池含まず)。電源はACアダプタか単三電池4本。イヤホン、ソフトケース、ストラップ付 音声機器 シナノケンシ株式会社 福祉・生活支援機器ビジネスユニット 長野県上田市上丸子1078 0268-41-1814 0268-42-2923 http://www.plextalk.com/jp/ シナノケンシのプレクストークでは、見えない方・見えにくい方向けに貸し出されるデイジー形式の音訳小説や音声解説付きの映画(シネマデイジー)を楽しむことができ、音声ガイドを搭載しているので操作も安心です。大きな操作キーで初心者でも使いやすい卓上型製品、小型でポケットにも入る携帯型製品までお客様のライフスタイルにあわせた製品ラインナップを取り揃えております。 出展予定品 プレクストークポータブルレコーダーPTR2 プレクストークリンクポケット プレクストークPTN2 プレクストークポケットPTP1 音声機器・拡大読書器・便利グッズ 株式会社アメディア 広報部 東京都練馬区豊玉上1-15-6第10秋山ビル1階 03-6915-8597 03-3994-7177 http://www.amedia.co.jp/ 音声・拡大読書器よむベえスマイルをはじめ、携帯型拡大読書器アイラビュー7電子ルーペのテレルーペなど、手軽に使える機器の展示をいたします。また、便利品としては、色読上げ器のにじいろリーダーや触読式振動時計メテオ、骨伝導ヘッドホンなどの展示を行います。 音声機器 三菱電機株式会社 本社 リビング・デジタルメディア事業本部 技術部 長岡京市馬場図所1番地 0120-139-365(お客さま相談センター) ~ 会社URLhttp://www.mitsubishielectric.co.jp、音声読み上げポータルサイトhttp://www.yomiage.net 三菱電機は、できるだけ多くの人が使いやすいデザインを目指したユニバーサルデザインの取り組み「らく楽アシスト」の商品開発を推進しております。今年は2ブース分を確保し、音声ガイダンス付の「液晶テレビ」・「IHジャー炊飯器」・「IHクッキングヒーター」と、報知音や使い勝手に配慮した「エアコン」・「冷蔵庫」を展示致します。テレビは「録画機能内蔵 液晶テレビREAL」。IHジャー炊飯器「本炭釜」はデカ文字表示、見やすい液晶。IHクッキングヒーターは、操作手順や注意を音声でお知らせ。エアコン霧ヶ峰は360度あなたの手足の温度を見て自動で風を送る。冷蔵庫は出し入れしやすいロータイプ。オートクローザーで半ドアを防ぐ。以上、この機会に実際に手に取りご体験ください。お待ちしております。 音声機器 パナソニック株式会社 アプライアンス社 ホームエンタテイメント(事)新規事業部 大阪府門真市松生町1番15号15棟2F 050-3758-0535 06-6906-2940 http://yomiage.net/panasonic/pc_index.html テレビ:パナソニックのテレビは、全ての機種が、番組表の放送局名、番組タイトル、番組内容などを読上げ、録画予約がおひとりでも出来るよう、操作に併せてガイドいたします。 ICレコーダー:ICレコーダー全機種に、設定メニューなどを読み上げる音声ガイドを搭載。また、FMワイド放送に対応した機種や、カセットテープレコーダーの感覚で操作できる機種など、用途に応じて豊富に取り揃えております。 電話・ファクス:操作案内やダイヤルした番号、電話帳に登録した名前や、着信した相手を音声でお知らせします。また、迷惑電話を自動で着信拒否したり、遠く離れた場所で一人暮らしをされているご家族の様子を子機の人感センサーによる見守り通知機能で知らせてくれるなど、安心機能も充実しております。 体験コーナー POLA Rivage ~ 静岡市駿河区池田74ソフィエールⅠ 103 054-283-0588 054-283-0588 ~ ハンドトリートメント:肩こり、お顔の凝りがある方は、腕も凝っている方も多いようです。ハンドトリートメントで肘から指先までの筋肉の凝りをほぐし、リンパ、血行促進をしていくことで、腕や肩が軽くなったり、お顔の透明感もアップします。所用時間10分ほどです。 メイク:普段のメイクでお困りなこと、夏のくずさないメイク方法などアドバイスさせていただきます。ポーラのメイク品は、スキンケア成分が入っていますのでつけているだけでお肌の保湿、口唇の血行促進のケアができます。いつもと違う自分に変身してみませんか?所要時間20分ほどです。 お気軽にお立ち寄りください。 その他 株式会社鈴与ガスあんしんねっと 静岡ボトルウォーター部 ~ 0120-032-293 054-349-3903 http://www.suzuyoshoji.co.jp/crecla/ 「クリクラ」は、極限までろ過したキレイなお水に、ミネラル成分をバランスよく配合したまろやかなお水。またサーバーから熱湯と冷水が瞬時に出るので、ご家庭やオフィスなど様々なシーンで便利にご利用できます。是非ご飲食ください。 〈10階展示会場〉 配色のユニバーサルデザイン 特定非営利活動法人カラーユニバーサルデザイン機構 ~ 東京都千代田区外神田二丁目14番10号第二電波ビル7階 03-6206-0678 03-6206-0678 http://www.cudo.jp/ 書籍 CUDに関する資料・各自治体のガイドライン、ハザードマップ CUDに対応した印刷物・教科書・報告書・帳票、機器類 テレビリモコン・学校用のチョーク・LEDなど 色覚検査に関する資料類、書籍など 書籍 有限会社読書工房 ~ 東京都豊島区目白3丁目13番18号ウィング目白102号 03-5988-9160 03-5988-9161 http://www.d-kobo.jp/ 講談社 オンデマンドブックス「大きな文字の青い鳥文庫」シリーズのほか、読書工房発行の書籍(『見えにくい子どもへのサポートQ&A』『読み書き障害のある子どもへのサポートQ&A』『イラストでわかる視覚障害者へのサポート』『盲ろう者への通訳・介助』『指点字ガイドブック』『まねて覚える点図入門』など)、全国視覚障害者情報提供施設協会発行の書籍(『初めての点訳』『点訳のてびき』『G-10とマナブくんの点字教室』『初めての音訳』『音訳テキスト・音訳入門編』『初めてのガイド』など)を展示販売いたします。また、公益財団法人伊藤忠記念財団が製作し、寄贈事業を行っているマルチメディアDAISY図書「わいわい文庫」のデモ、全国音訳ボランティアネットワークのご紹介もあわせて行います。 書籍 名有限会社メディカルブックサービス ~ 名古屋市中区千代田5丁目23-13 052-263-1340 052-263-9748 http://www.m-book.co.jp 眼科専門の医学書店です。学会演題・研究内容に沿った眼科関連医学書をはじめ、視覚障害理解のために参考となる図書を広く紹介させていただきます。 「視覚リハビリテーション研究」論文募集要綱 視覚障害リハビリテーション協会では、2010年度の第1回理事会で議題3として研究紀要の復刊が承認されたことを受け、編集委員会を設置しました。編集委員会では、研究紀要の復刊に伴い、これまで通り大会発表論文とともに新たに原著論文を募集すること、そして年2回発行することなど、これまでの大会論文集を一新し、新たに「視覚リハビリテーション研究」を発行することとしました。それに伴い、新しく募集する原著論文に関する執筆の手引きの案を作り、その執筆の手引きは同12月21日の第9回理事会で認められました。 原著論文とは、英語ではオリジナル・ペーパーとかオリジナル・アーティクルとか呼ばれます。内容は研究について記載した論文ですが、研究内容が他のところには出ていないオリジナルなものとして認められるものです。また、通常、仮説に基づいて実証的な研究を行い、結果として得られた根拠に基づいて考察している形式であることも求められます。オリジナル・ペーパーとして掲載するのに妥当かどうかは、通常、専門を同じくする複数の人が匿名で査読(ピアレビュー)ということをして決めます。 査読は掲載の可否を決めるプロセスですが、同時に、投稿されてきた原著論文に注文をつけて、より良い論文として掲載できるよう修正を手伝うという側面を持っています。論文の著者と意見が一致しないとか気に入らないというのは査読者にとっては掲載を拒否する理由になりません。専門を同じくする人が、掲載に値するものかどうか、値するようにするにはどういう修正をすべきか意見を述べることで、交換されようとしている専門知識の内容(原著論文の中身)をより高めていくプロセスが査読です。この専門家の査読のプロセスを得て刊行される原著論文だからこそ、一定の信頼と価値が生まれるとも言えます。 研究発表大会で発表した内容についても、これまで通りの査読のない発表論文としてか、あるいは査読のある原著論文としてか、どちらか選んで投稿いただくことができます。査読が終わって採択されたものから、もっとも刊行の近い号に順次掲載していきます。(これまでの大会論文集に既に掲載された、あるいは新しい紀要における大会発表論文としていったん刊行されたものは、同じ内容の再掲になるためオリジナルの論文として採択されないことになります)。 2012年度の第6回理事会では、発表論文と原著論文の他に掲載するカテゴリとして、特定のテーマについて解説・レビューする「総説」と、原著ではないが掲載にふさわしい有用な内容をまとめた「報告」というカテゴリの2つを新設することが認められました。この2つのカテゴリについては上述したような厳密な意味での査読は行われませんが、掲載にふさわしいかどうかについては編集委員会で評価をし、修正をお願いすることがあります。また、原著論文の査読結果、不採択となった場合、「報告」に切り替えて掲載できる可能性もあります。 2015年の編集委員会にて、これらの4つのカテゴリについては不文律であったページ数の制約を明記することが決まりました。また、これまで書式の統一性が低かった発表論文や報告について対策を講じる検討がなされ、刊行から5年を経過していることに鑑み、「視覚リハビリテーション研究」における形式を原著論文の形式に一本化することが決まりました。総説・発表論文・報告の執筆についても、原著論文の書式に従ってください。 ●原著論文執筆要綱 (2010年12月21日第9回理事会承認、2016年2月1日編集委員会にて微修正) 1.原稿の仕様 1.1.原稿は電子データを以下の1.2に述べる書類と共に提出する。要約や図表を本文に配置した完成形(以下、レイアウト原稿とする)での提出を原則とする。 1.2.原稿の構成は原則として次の通りとする。原稿の書式は協会ウェブサイト(http://www.cis.twcu.ac.jp/̃k-oda/jarvi-proc/Guideline110131.html)からダウンロードして使用する。 1)連絡票(電子ファイルで提出ください。) 2)レイアウト原稿(視覚リハビリテーション研究のレイアウトに従ってレイアウトをしたもの。Wordファイルについては以下のWebページから例をダウンロードして用いても良い。URL) 3)写真・図表説明原稿(通常の図表の説明以外に、視覚的な表現では分からない読者のためにテキストだけで説明した内容を別途用意してください。別ファイルでなくても、本文の最後に追加した形で構いません。) 4)レイアウト原稿の印刷物(印刷確認用ですので、紙に印刷したものを提出ください。) 5)著作権譲渡同意書(著者全員が押印したもの、紙に印刷したものを提出ください。) 2.原稿の提出 2.1.連絡票、レイアウト原稿、写真・図表説明原稿を電子メールで編集委員会へ投稿する。編集委員会のメールアドレスはjarvi-proceedings@googlegroups.comである。 2.2.レイアウト原稿の印刷物1部(印刷所校正用)、著作権譲渡同意書1部を郵送で編集委員会へ送付する。編集委員会の住所は以下である。 〒167-8585杉並区善福寺2-6-1東京女子大学現代教養学部人間科学科小田研究室気付「視覚障害リハビリテーション協会論文編集委員会」 2.3.電子媒体やレイアウト原稿の提出が難しい場合は、編集委員会まで電子メールあるいは郵便にてあらかじめ相談し、提出方法について検討する。 3.著者校正 査読終了後、印刷前に1回著者校正を行う。査読終了後の大幅な内容の訂正は認めない。 4.レイアウト原稿 レイアウト原稿には、タイトル(和文論文題名)、英文論文題名、著者名、著者所属、著者名英語表記、所属英語表記、和文要約、キーワード、英文要約、英語キーワード、本文、文献、図表及び写真が含まれる。 ただし、原著論文以外のカテゴリについては、英文論文題名、著者名英語表記、所属英語表記、英文要約と英語キーワードがなくても良い。 レイアウト原稿のフォーマットを協会ウェブサイトからダウンロード(URL)して使用する。掲載する論文カテゴリごとの長さは、レイアウト後の枚数で以下の通りとする。 ・原著・総説最小6ページ~最大10ページ ・発表論文・報告最小2ページ~最大6ページ 4.1.連絡票 連絡票には、下記の1)から8)までの事項を記載する。 1)論文の種類:原著論文と明記する。 2)表題:論文内容に即したものとし、一連の研究の場合は類似した表題は避ける。 例:「△△△△におよぼす××××の効果」 3)著者名:著者が複数の場合は[・]で区切る。 例:視覚太郎・山田里葉子 4)所属機関名:大学の場合は、学部名等も記す。 例:点字大学教育学部、白杖リハビリテーション医院 5)表題の英訳: 例:Theeectsof××××for△△△△ 6)著者名のローマ字表記:原則としてヘボン式を用いる。 例:TaroSHIKAKUandRihakoYAMADA 7)所属機関名の英訳: 例:FacultyofEducation,UniversityofTenji,HakujyoRehabilitationHospital 8)所属機関所在地のローマ字表記:市名、郵便番号(7桁)のみとする 例:Yamahana-shi,000-0000 4.2.要約とキーワード 和文については400字以内の要約と3~5項目のキーワードをつける。それぞれのキーワードの間は半角スペースで区切る。 英文要約をつける場合(原著論文では必須)、ネイティブチェックを受けた200~300語以内の英文要約、3~5項目の英語のKeywordsをつける。 4.3.本文 本文は、「目的」「方法」「結果」「考察」の4章、あるいは事例・症例について報告する論文の場合には「目的」「症例」「結果」「考察」の4章に分け、章ごとに内容を分けて記載する。ただし、総説については、これに従う必要はなく、記載する内容に合わせて適切に章立てを行うこと。 4.3.1.論文構成に用いる記号 論文構成に用いる記号は半角数字を半角ピリオドでつないだものを用い(例:1.はじめに、2.1.実験参加者、3.2.主観的評価の結果)、見出しの数字で階層が分かるようにする。階層が深くなりすぎないよう、論文構成に配慮する。 1)大見出し:算用数字1字を用い、上に1行をあける。数字の後ろにピリオドをつけ、全角1マス空けて見出しを書く(例:1. はじめに)。本文は改行して始める。 2)中見出し:算用数字2字をピリオドでつないだものを用い、上に行をあけない。左端から1字あけて書く。全角1マス空けて見出しを書く(例:2.3. 手続き)。本文は改行して始める。 3)小見出し:算用数字3字をピリオドでつないだものを用い、上に行をあけない。左端から2字あけて書く。全角1マス空けて見出しを書く(例:4.1.2. 先行刺激の効果が無かった原因の検討)、コロン(:)で区切って本文を書き始める。 4)これ以下の小見出しについては、必要な数の算用数字をピリオドでつないで用いる。表記法は小見出しに準じる。 5)リストの表記:算用数字に閉じ括弧)をつけたものを用いる。 4.3.2.表記について 1)文体:原則として「である」調とする。 2)句読点:「、」「。」とする。 3)年号:原則として西暦使用とする。(例:「2004年」) 4)記号:以下の記号をその使用例のように用いることができる。 ・中点(・)並列する同種の語を列挙する場合。 ・ハイフン(-)外国語の対語・対句の連結の場合。 ・引用符(””または「」)引用文に用いる。 ・括弧()または[]を用いる。 ・コロン(:)例、説明などを導く場合などに用いる。 ・セミコロン(;)引用文献を列挙する場合、あるいは検定結果を列挙する場合に用いる。 ・省略符(…)引用文の一部あるいは前後を省略する場合に用いる。 5)カタカナ:本文中の外国語の使用はできるだけ避け、原則として日本語化した外国語を記述する時にのみ用いる。 6)英数記号:原則として半角英数記号を用いる。 7)略語:一般に用いられているものに限る。ただし、必要な場合には、初出の時にその旨を明記する。 8)検定結果の表記:各種統計的検定の結果を示すときには、以下のように検定統計量、自由度ならびに有意水準等を明記する。 (F(1,50)=7.05,p<.05)、(χ²(5)=1.54,p<.05)などF,t,pなどは斜体(イタリック)とすること 4.4.文献 4.4.1.引用文献:本文において引用されたすべての文献を、著者名のアルファベット順に論文の後に「文献」として一括リストして記載する。同一著者の複数の文献は発行年順とする。同一著者による同一年の文献が含まれる場合は、発行年の後に小文字のアルファベットを付けて区別する。また、引用文献においては、題目・雑誌名・巻号の区切り文字の「.」「,」は半角に統一する。 4.4.2.文献リストの書式 1)雑誌:著者名(西暦年)題目.雑誌名,巻数(必要な場合は号数),開始頁-終了頁. 2)著書:著者名(西暦年)書名.出版社,出版地,開始頁-終了頁(必要な場合). 3)分担執筆:著者名(西暦年)章題.編者名(編),書名.出版社,出版地,開始頁-終了頁. 4)訳書:原著者名(西暦年)原書名.出版社,出版地,訳者名(西暦年)書名.出版社,開始頁-終了頁(必要な場合). 欧文の書名(原書名)および雑誌名は斜体(イタリック)とする。和文著書の場合、出版地は省略する。 5)Webページ:著者名(西暦年)題目.Webサイト名,URL,(アクセス年月日). 例: 1)雑誌(和)同一著者・年はa、bで区別。 鈴木太郎・田中花子(2010a)視覚障害幼児への早期リハビリテーションに関する調査研究.早期研究,2,12-17. 鈴木太郎・田中花子(2010b)視覚障害幼児への早期リハビリテーションの一事例.実践早期研究,3,47-51. 2)雑誌(欧):著者3名以上では&の前に(,)を必ず入れる。雑誌名は斜体。 Leg,E.G.,Bail,A.,&Pel,E.(2007)Eects of early intervention for blind children.International Journal of Videology,48,611-618. 3)著書(和): 田中花子(1995)視覚障害の基礎.拡大社. 4)著書(欧):書名は斜体。 Kooman,A.(1997)Visual eld.The Sample Press,Amsterdam. 5)分担執筆(和) 田中花子(1988)視覚障害者のリハビリテーション.鈴木太郎(編),障害者リハビリテーション.山花出版,9-41. 6)分担執筆(欧):編者1名:(Ed.)、編者複数:(Eds.)、編者3名以上は&の前に(,)を挿入。書名は斜体。 Keller,A.,Miller,B.,Dodd,C.,&Brian,A.(2001)Vision care.In W.M.Taylor & D.Reynolds(Eds.),The world of vision rehabilitation.Tsunami Press,London,35-72. 7)訳書:原書名は斜体。 Barry,F. & Allen,G.(1999)Rehabilitation and education for low vision.Long CanePress,NewYork.鈴木太郎・山田次郎監訳(2009)ロービジョンのリハビリテーションと教育.白杖学術出版社,39-74. 8)Webページ 田中花子(2015)視覚障害幼児への早期リハビリテーションの新しい提案.幼児教育フォーラム,http://www.earlyintervention.org/tanaka/2015/article.html,(2015/12/29). 4.4.3.本文中の引用の仕方 著者名の省略は避け、全員の名前を明記する。ただし,著者が3名以上である場合は「(筆頭著者名)ら」(欧文の場合は「(筆頭著者名)etal.」)と記す。著者名の連記は以下の例に従うこととする。 1)文中の場合 例:鈴木・田中(1995)および山田(1987)は…。佐藤ら(1990)が…。Ryan and Nelson(1984)は…。(&記号は用いない)…Cameron et al.(1991)によると…。 2)文末などの()内の場合 例:…と指摘されている(鈴木・田中,1981;山田,1980)。…と指摘されている(Ryan and Nelson,1984;…)。 引用文献が複数の場合はセミコロン(;)で連ねる。カッコ内の引用順は、論文末にあげる文献リストの順に準ずる。 4.5.図表及び写真 4.5.1.図表は本文中の適切な位置に割り付け、引用順に図1、表1のようにする。写真も図に含める。それぞれに簡潔で適切な見出しをつける(例:図1訓練前後での歩行速度の比較)。掲載する図や表について、必ず本文中でその内容について触れ、十分な説明をすること。 4.5.2.写真を掲載する場合には、内容が理解できる程度の解像度を確保するとともに、過度に高い解像度のためにファイル容量が増大することの無いよう留意すること。また個人情報保護に特に注意をはらうこと。 4.5.3.図表、写真にカラーの原稿を用いても構わないが、仕上がりはモノクロとなるので、モノクロでも鮮明な画像となるよう留意すること。 5.註釈 注釈が必要である場合は、本文中にその箇所を明示したうえで、1),2)のように上付きで通し番号をつけて註を付す。また、本文、あるいは謝辞がある場合には謝辞と引用文献リストの間に、すべての註を1)、2)のように番号順に記載する。 本文例: (前略)ABC共和国における眼鏡の価格はおよそ500円で平均年収のおよそ10%に相当する1)。(後略) 注欄例:註 1)2005年当時の為替レートで計算した。なお、本稿掲載時には調査時、執筆時とは状況が大きく異なっている可能性がある。 2)(後略) 6.写真・図表説明原稿 本誌を点字版やデータ版で読んでいる会員が、図や写真を理解しやすいよう、説明原稿を用意する。図と写真は文章化し、表はテキストデータを提出する。図表の作成に使用した基本ソフトとアプリケーションソフトを明記する。 7.研究倫理の遵守 投稿者は所属機関等の倫理規定に従い、投稿する論文の内容について充分に人権及び研究倫理上の配慮をしなければならない。また、研究実施の際に配慮した研究倫理に係る事項があれば、論文中に記載すること。 なお、二重投稿や著作権・肖像権の侵害などの倫理的問題を避けること。倫理上の問題のある論文は掲載できない。 8.著作権譲渡同意書 論文を投稿する場合には、著者全員が押印した著作権譲渡同意書を1部提出すること。協会ウェブサイト(http://www.cis.twcu.ac.jp/̃k-oda/jarvi-proc/Guideline110131.html)からダウンロードした書式を用いること。 この譲渡によって、視覚障害リハビリテーション協会は、視覚リハビリテーション研究に刊行された原著論文やその電子的形態による利用を含めた包括的な著作権を有する。しかし、これは著者自身が自著の原著論文を複製、翻訳、翻案等の形で利用することを禁止するものではない。ただし、その全部あるいは大部分を他の著作物に利用する場合には、その旨を協会(事務局)に申し出るとともに、出典を明記すること。また一部分を利用する場合にも、文献あるいは図説の下に出典を明記すること。このことは、原著論文にのみ適用される。 9.投稿の資格 投稿時に筆頭著者が視覚障害リハビリテーション協会の会員であり、年度会費を納入済みであること。 ●後援 静岡県 静岡市 日本盲人会連合 全国盲学校長会 日本眼科医会 日本盲人社会福祉施設協議会 日本ロービジョン学会 日本視能訓練士協会 日本網膜色素変性症協会 静岡県教育委員会 静岡市教育委員会 静岡県社会福祉協議会 静岡市社会福祉協議会 静岡視覚障害者福祉推進協議会 静岡県眼科医会 静岡県視覚障害者協会 JRPS静岡 静岡県医師会 静岡市静岡医師会 静岡市清水医師会 静岡県歯科医師会 静岡市静岡歯科医師会 静岡県薬剤師会 静岡県栄養士会 静岡県介護福祉士会 日本糖尿病協会静岡県支部 静岡県司法書士会 静岡県眼鏡商業協同組合 静岡新聞社・静岡放送 中日新聞東海本社 静岡朝日テレビ 静岡第一テレビ テレビ静岡 K-MIX 76.9FM-Hi! JBS日本福祉放送 ●協賛企業・団体(敬称略50音順) 有限会社アイド 株式会社アイドラッグ アミイビル 池田会計事務所 井ノ上美津恵 ウイズ半田・蜆塚 株式会社オグラメガネ 株式会社オフテクス 株式会社キスラ キッセイ薬品工業株式会社 協和医科器械株式会社 Queueの丘 クーパービジョン・ジャパン株式会社 株式会社呉竹荘 有限会社ケーエス企画 株式会社コーナンメディカル サイトサポート・インスティテュート株式会社 三立製菓株式会社 株式会社シード JRPS静岡 視覚サポートなごみ 静岡銀行 静岡県眼科医会 静岡県眼鏡商業協同組合 静岡県司法書士会 静岡視覚障害者福祉推進協議会 静岡信用金庫 静岡茶商工業協同組合 静岡福祉医療専門学校 秀盛機工株式会社 有限会社春華堂 株式会社鈴与ガスあんしんネット 株式会社すみや電器 株式会社駿府楽市 誠興電機株式会社 セコム株式会社 セルコ株式会社 千寿製薬株式会社 株式会社電器堂 東海防災株式会社 株式会社トーメ―コーポレーション 有限会社都市建設 中北薬品株式会社 中野町産業株式会社 日興電気通信株式会社 日東メディック株式会社 認定NPO法人浜松NPOネットワークセンター 株式会社富士コミュニケーションズ プラザティンクル POLARivage 松川電氣株式会社 ミツワ電機株式会社 盲人福祉研究会 株式会社リィツメディカル 株式会社レクザム 和真メガネマークイズ静岡店 静岡市視覚障害者協会 大塚製薬株式会社 ●静岡県眼科医会協賛者(敬称略50音順) 青島周明(青島眼科) 青沼秀実(青沼眼科) 飯田文人(イイダ眼科医院) 家田貴子(やまなし眼科) 石川浩平(石川眼科医院) 石井るみ子(石井第一眼科) 上野眞(上野眼科) 宇佐美好正(宇佐美眼科) 尾花明(聖隷浜松病院眼科) 兼子周一(兼子眼科) 北村佐千子(北村眼科医院) 木村裕子(木村眼科医院) 栗林秀治(呉服町栗林眼科) 月花慎(月花眼科) 小森雅彦(小森眼科クリニック) 清水紀恵(コスモス眼科医院) 塩川あずさ(塩川八幡ヒルズクリニック) 柴田濤子(柴田眼科) 下山勝(下山眼科クリニック) 杉浦毅(杉浦眼科) 鈴木泉(いずみ眼科) 鈴木徹(おおるり眼科クリニック) 鈴木祐子(芦川病院眼科) 陶山秀夫(すやま眼科) 高良俊武(高良眼科医院) 天神光充(天神眼科医院) 伴野正明(ともの眼科医院) 谷口芳子(大住眼科医院) 永田豊文(永田眼科) 中川里佳(なかがわ眼科) 中西史憲(中西眼科クリニック) 中村好邦・竜大(中村眼科医院) 南波藍子(南波眼科) 花崎秀敏(花崎眼科医院) 原田隆文(焼津こがわ眼科) 福地裕子(福地医院) 藤田昌宏(ふじた眼科) 増田光司(富士宮市立病院眼科) 松久充子(さくら眼科) 矢田清身(矢田眼科クリニック) 柳田和夫(やなぎだ眼科医院) 山秋久(山秋眼科医院) 山中三千代(東新田眼科医院) 羅錦營(ら眼科) 渡辺正規・千恵美(渡辺クリニック) 佐藤美保(浜松医科大学) 海谷忠良(海谷眼科) 小川 淳(小川眼科医院) ●労務支援企業(敬称略50音順) 株式会社エージーアイメディカル キッセイ薬品工業株式会社 協和医科器械株式会社 興和創薬株式会社 参天製薬株式会社 株式会社三和化学研究所 株式会社シード 株式会社スズケン 千寿製薬株式会社 中北薬品株式会社 日本アルコン株式会社 ノバルティスファーマ株式会社 バイエル薬品株式会社 ファイザー株式会社 ボシュロム・ジャパン株式会社 株式会社リィツメディカル わかもと製薬株式会社 ●ボランティア協力 学校法人中村学園静岡福祉医療専門学校 常葉大学 ●おもてなし講習会協力 静岡県視覚障害者情報支援センター 静岡視覚障害者福祉推進協議会 静岡県視覚障害者協会 静岡県中部バリアフリー協議会 静岡県網膜色素変性症協会 日本盲導犬協会富士ハーネス ●デザイン・制作協力 静岡文化芸術大学自助具デザインプロジェクト BESTEFFORT(ホームページ) 黒田有希(デザイン) 佐藤麻依(デザイン) ●抄録集デジタル版作成協力 認定NPO法人浜松NPOネットワークセンター 加賀ソルネット株式会社 慶應義塾大学経済学部中野泰志研究室 静岡県視覚障害者情報支援センター ●抄録集デジタル版調査協力 工藤恵美・勝島奈津子・鈴木麻衣(東京女子大学コミュニケーション専攻学生) 大西まどか(同大学院生) 小松英海(慶應義塾大学) 小田浩一(東京女子大学) ●機器貸出協力 ソフトバンク株式会社(iPad) 大久保雅之(マイクリニック大久保/ペッパー君) 第26回視覚障害リハビリテーション研究発表大会in川崎 <第1報> 大会テーマ:過去を学び、現在を検証し、未来を創造する(仮称) 大会長:田中徹二(日本点字図書館理事長) 主幹施設:川崎市視覚障害者情報文化センター 日時:2017年6月9日㈮~11日㈰ 場所:鶴見大学 川崎市視覚障害者情報文化センターが主幹施設となり、視覚障害リハビリテーション協会の第 26回研究発表大会を開催することとなりました。川崎市内で会場を探していたのですが、市内 では適切な会場を見つけることができませんでした。そんな折、川崎市のお隣の鶴見区にある鶴 見大学から協力できる旨のお申し出があり、お願いすることにしました。現在、大会運営事務局 メンバーで、各方面に協力のお願いをしている最中です。 さて、今回のテーマは「過去を学び、現在を検証し、未来を創造する」(仮称)としました。 全国からの一般発表演題募集は従来通り行いますが、大会中、各方面で活躍をされている方々を お呼びし、ホットな話題を講演やシンポジウムを通して、提供していただこうと考えています。 予定をしている演者の方々は、記念講演として田中徹二氏(日本点字図書館理事長)、高橋実 氏(視覚障害者総合支援センター理事長、元点字毎日記者)、障害者差別禁止法関連では大胡田 誠氏(弁護士)、視覚障害者のナビゲーションシステムの未来について浅川智恵子氏(IBMフェ ロー)、ネクストビジョンについて高橋政代氏(先端医療センター  眼科医)です。お楽しみに。 内容、スケジュールの詳細については、順次第2報、第3報でお知らせします。早めにスケジュー ル内に第26回大会の予定を確認していただき、川崎にお越しくださいますようご案内申し上げ ます。 第25回視覚障害リハビリテーション研究発表大会実行委員会 大会長:松久充子(さくら眼科・静岡視覚障害者福祉推進協議会(静視協)会長) 副大会長:須藤正起(静岡県視覚障害者協会会長) 副大会長:飯田文人(イイダ眼科医院・静岡県眼科医会会長) 副大会長:堀江智子(日本盲導犬協会富士ハーネス) 事務局長:古橋友則(ウイズ蜆塚) 事務局:高橋静(ウイズ蜆塚) 事務局:田中恵津子(浜松視覚特別支援学校・杏林アイセンター) ●委員 青島明子(青島眼科・浜松医科大学眼科) 池田義教(日本盲導犬協会富士ハーネス) 磯野博(静岡福祉医療専門学校) 稲垣理佐子(浜松医科大学眼科) 岩本賢(ウイズ半田) 大西正晴(JRPS静岡会長) 興津久美子(視覚サポートなごみ・JRPS静岡) 片平考美(静岡視覚特別支援学校・静岡県視覚障害者協会) 金子俊淳(浜松特別支援学校) 佐々木幸弥(武蔵野美術大学) 斯波千秋(ウイズ半田) 鈴木徹(おおるり眼科クリニック) 土居由知(静岡県視覚障害者情報支援センター) 中村竜大(中村眼科医院) 蓮池悟志(静岡県視覚障害者協会) 疋野幹男(AJOCヒキノ) 久田まり子(視覚サポートなごみ) 松岡悟(視覚サポートなごみ) 宮原良明(かがやきの会会長) 山本敬子(静岡視覚特別支援学校) 羅錦營(羅眼科) 第25回視覚障害リハビリテーション研究発表大会抄録集 発行日:2016年5月15日 編集・発行:第25回視覚障害リハビリテーション研究発表大会実行委員会 事務局:浜松市中区蜆塚1-9-12ウイズ蜆塚内 組版・印刷:有限会社ケーエス企画 〒433-8119静岡県浜松市中区高丘北一丁目30番24号 [電話]053-414-3962 [FAX]053-414-3961