研修事業実施報告書
視覚障害者を支援するIT指導者養成講座
実施者:三澤章(あおもりNPOサポートセンター)
■ 実施目的(テーマ)
ANPOS(あおもりNPOサポートセンター)は「人とパソコンを結ぶサポートを!」を目指して、平成12年7月にITバリアフリーサポートプロジェクトをスタートさせた。また、平成14年4月からは「誰にでもわかりやすい!楽しいIT講習会」をテーマに、青森県の受託事業として「ITバリアフリーサポート事業」に取り組んできた。また、「ITバリアフリーサポート事業」をより発展させ、パソコン操作習得を希望する視覚障害のサポートを行うために、平成15年3月よりロービジョンの方々のITサポート「エンジョイ!パソコン倶楽部」を毎月2回実施してきた。
現在、「エンジョイ!パソコン倶楽部」は5名の視覚障害者の方のサポートを行っている。視覚障害者の方の出席状況は常時4名の方が1回2時間から4時間のサポートを受けている状態である。しかし、月2回のサポートとはいえ毎月第2・第4日曜日に定期的に行うためにはサポート指導者(登録者8名)は不足しており、一部の方に負担がかかっている状態である。
ANPOSではより多くの視覚障害者の方々をサポートし、また、このサポートを青森市のみならず、各地域で実施できるようにしたいと考えている。一人でも多くの視覚障害者へ、「必要なときに必要な手を!」人とパソコンを結ぶコーディネーターの役割を一人でも多くのIT指導者が担うことができるよう、IT指導者養成講座を開催した。
■ 実施時期 2004年11月7日(日)
■ 実施場所 青森県青森市新町2−2−11 東奥日報新町ビル4階
■ 事業報告
1.実施内容
午前10時から午後0時30分まで弘前大学医学部 山田信也氏による、「視覚障害者への理解とサポートの仕方」の講義。午後1時30分から午後5時まで日本ライトハウス盲人情報文化センター 岡田弥氏によるPCサポートでの注意点、音声ソフトの導入・説明・操作方法、ショートカットキーの活用の概要説明(ノートパソコン10台にPCトーカーXPをインストールして使用)。その後、二人一組(サポーター側と視覚障害者側(アイマスクを使用))になり実習を行った。
2.講師
弘前大学医学部非常勤講師 山田 信也氏
日本ライトハウス盲人情報文化センター 岡田 弥氏
3.対象
参加者12名 視覚障害者のパソコンサポートに興味があり、かつパソコンのスキルを有し、今後ANPOSと共に活動をしていただける方を募集(10名)。応募14名の中から特に講習後ANPOS と一緒に活動していただくことを条件にボランティア経験の有無、PCの経歴(習熟度)、パソコンを通じての体験談などを考慮のうえ決定。
■ 参加者の感想
ロービジョンの方に「見ることの楽しさ」を教えることの大切がわかった。
日常生活視(60センチ以内の近見視、3メートル内の中間視)に着目する。
ビブリオネットはサポートに利用したいと思う。
視覚障害者の大変さがわかった。
言葉で伝えることの大切さを痛感した。
アイマスクの使用は短時間の使用だったのに、目も疲れ頭も痛くなってしまった。
障害者自身が自己決定、自己選択することの大切さ。
生命の質:医学、生活の質:ロービジョンケア、人生の質:包括的リハビリテーションとしてのロービジョンケア、生活の質を上げることをまず考える。
「このくらいは知っているだろう」と勝手に考えないようにすることが大切だ。
音声ソフトの音声が、最初は単調で聞き取りにくかった。
知っているつもりだったことが、実は理解できていなかったことがわかった。
言葉で伝えることの難しさを感じた。
その人の状態を理解し、それに合った指導の仕方を工夫することの大切さを感じた。
焦らないでサポートすることの大切さを感じた。等々
■ 今後の課題
3月下旬より第2・第4日曜日にロービジョン者のパソコンサポートを実施しているが、サポーターの絶対数が不足している。現在、サポーター登録者は8名いるが仕事や家庭・健康等各自事情があり、4名のロービジョン者のサポートさえもやっと何とかこなしている状況である。やはり、講習会等を通じてもっと多くの方に理解と協力を得る必要がある。
サポートセンターでは今後も指導者養成講座を開催して行く予定である。又、だれでも視覚障害者用のパソコンを操作できる機会を作るためにオフィースに視覚障害者用パソコンコーナーを常設し、また、機会あるごとにイベント会場で音声パソコンのデモも行っているが、もっと我々が行っている活動自体をアピールして行く必要がある。
将来は視覚障害者サポートセンター(視覚障害者への理解と情報の発信、障害者同士の情報の交換や交流、就業の機会拡大とサポート)の設立も視野にいれた活動をしていく必要がある。